第110回 — 薬理
演習モードで解くモルモット摘出回腸標本の収縮反応について、アセチルコリン単独による濃度–
反応曲線(破線)と、薬物X存在下でのアセチルコリンによる濃度–反応曲線(実
線)を作成したところ、下図のようになった。薬物Xはどれか。1つ選べ。
ただし、アセチルコリン単独により生じる最大収縮を100%とした。また、薬物
Xの単独では収縮反応が生じなかった。

反
応
- 1✕ヒスタミン
- 2✕アトロピン
- 3✕ピリドスチグミン
- 4○パパベリン
- 5✕ベタネコール
正答: 4
フェニレフリンの昇圧作用の機序はどれか。1つ選べ。
- 1○アドレナリンa1 受容体刺激
- 2✕アドレナリンa2 受容体遮断
- 3✕アドレナリンb1 受容体刺激
- 4✕カテコール–O–メチルトランスフェラーゼ阻害
- 5✕ノルアドレナリン再取り込み阻害
正答: 1
ピロカルピンが毛様体筋を収縮させる機序はどれか。1つ選べ。
- 1✕アドレナリンa1 受容体遮断
- 2✕アドレナリンa2 受容体刺激
- 3✕アドレナリンb2 受容体遮断
- 4✕アセチルコリンM2 受容体遮断
- 5○アセチルコリンM3 受容体刺激
正答: 5
ロクロニウムの筋弛緩作用に関わる作用点はどれか。1つ選べ。
- 1○アセチルコリンNM 受容体
- 2✕電位依存性Na+ チャネル
- 3✕リアノジン受容体
- 4✕コリンアセチルトランスフェラーゼ
- 5✕コリンエステラーゼ
正答: 1
オレキシン受容体を選択的に遮断することで、睡眠を誘導するのはどれか。
1つ選べ。
- 1✕ヒドロキシジン
- 2✕リルマザホン
- 3○レンボレキサント
- 4✕ゾピクロン
- 5✕ペントバルビタール
正答: 3
タンドスピロンの抗不安作用に関わる作用点はどれか。1つ選べ。
- 1✕ドパミンD2 受容体
- 2✕c–アミノ酪酸GABAA 受容体
- 3✕ニコチン性アセチルコリン受容体
- 4○セロトニン5–HT1A 受容体
- 5✕ヒスタミンH1 受容体
正答: 4
グルタミン酸NMDA 受容体を遮断するアルツハイマー型認知症治療薬はどれ
か。1つ選べ。
- 1✕リバスチグミン
- 2✕ドネペジル
- 3✕エダラボン
- 4○メマンチン
- 5✕ガランタミン
正答: 4
尋常性乾癬の治療に用いられるセクキヌマブの標的分子はどれか。1つ選べ。
- 1✕ホスホジエステラーゼIV(PDE IV)
- 2✕チロシンキナーゼ2 (Tyk2)
- 3✕ビタミンD 受容体
- 4✕IL–12 及びIL–23
- 5○IL–17A
正答: 5
細胞内サイクリックGMP(cGMP)濃度上昇作用及びK+ チャネル開口作用を
併せ持つ狭心症治療薬はどれか。1つ選べ。
- 1○ニコランジル
- 2✕ベラパミル
- 3✕ジルチアゼム
- 4✕硝酸イソソルビド
- 5✕アテノロール
正答: 1
アンチトロンビン非依存的に血液凝固第Xa 因子の活性を直接阻害する抗凝固
薬はどれか。1つ選べ。
- 1✕エノキサパリン
- 2✕フォンダパリヌクス
- 3✕ダビガトランエテキシラート
- 4✕ワルファリン
- 5○エドキサバン
正答: 5
タキキニンNK1 受容体を遮断して、抗悪性腫瘍薬による遅発性嘔吐を抑制する
のはどれか。1つ選べ。
- 1✕オンダンセトロン
- 2✕ドンペリドン
- 3○アプレピタント
- 4✕ジメンヒドリナート
- 5✕メトクロプラミド
正答: 3
高尿酸血症治療薬トピロキソスタットが阻害するのはどれか。1つ選べ。
- 1✕シクロオキシゲナーゼ
- 2○キサンチンオキシダーゼ
- 3✕尿酸オキシダーゼ
- 4✕尿酸トランスポーター
- 5✕有機アニオントランスポーター
正答: 2
プロゲステロン受容体を刺激して、子宮内膜細胞の増殖を抑制するのはどれ
か。1つ選べ。
- 1✕リュープロレリン
- 2✕タモキシフェン
- 3○ジエノゲスト
- 4✕エンザルタミド
- 5✕デュタステリド
正答: 3
ペプチドグリカン前駆体のペンタペプチド末端のD–アラニル–D–アラニンと結
合して、細菌の細胞壁合成を阻害するのはどれか。1つ選べ。
- 1✕アミカシン
- 2✕セファゾリン
- 3○バンコマイシン
- 4✕メロペネム
- 5✕ミカファンギン
正答: 3
HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2 型)と結合することにより、乳がん細胞の増
殖を抑制するのはどれか。1つ選べ。
- 1✕エキセメスタン
- 2○トラスツズマブ
- 3✕ベバシズマブ
- 4✕ダウノルビシン
- 5✕ブスルファン
正答: 2
細胞内情報伝達系に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○ドパミンD2 受容体が刺激されると、Gi タンパク質を介してアデニル酸シク
ラーゼ活性が抑制される。 - 2○グルタミン酸NMDA 受容体が刺激されると、Ca2+ の細胞膜透過性が亢進され
る。 - 3✕c–アミノ酪酸GABAB 受容体が刺激されると、Cl- の細胞膜透過性が亢進され
る。c–アミノ酪酸GABAB 受容体が刺激されると、K+ の細胞膜透過性が亢進される。 - 4✕グルカゴン受容体が刺激されると、受容体型チロシンキナーゼが活性化され
る。グルカゴン受容体が刺激されると、Gs タンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化される。 - 5✕インスリン受容体が刺激されると、膜結合型グアニル酸シクラーゼが活性化さ
れる。インスリン受容体が刺激されると、受容体型チロシンキナーゼが活性化される。
正答: 1・2
自律神経系に作用する薬物に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選
べ。
- 1✕アコチアミドは、アセチルコリンM1 受容体を遮断して、胃酸分泌を抑制する。アコチアミドは、アセチルコリンエステラーゼを阻害し(及びM1/M2受容体を遮断し)、消化管運動を促進する。
- 2○セビメリンは、アセチルコリンM3 受容体を刺激して、唾液分泌を促進させる。
- 3✕サルブタモールは、アドレナリンb1 受容体を遮断して、子宮平滑筋を収縮さ
せる。サルブタモールは、アドレナリンb2 受容体を刺激して、子宮平滑筋を弛緩させる。 - 4✕ピンドロールは、アドレナリンb2 受容体を刺激して、気管支平滑筋を弛緩さ
せる。ピンドロールは、アドレナリンb 受容体を遮断する(内在性交感神経刺激作用をもつb遮断薬)。 - 5○クロニジンは、アドレナリンa2 受容体を刺激して、交感神経活動を抑制する。
正答: 2・5
外科的手術時に用いられる薬物に関する記述として、正しいのはどれか。2つ
選べ。
- 1✕血液/ガス分配係数の大きい吸入麻酔薬ほど、麻酔の導入は速い。血液/ガス分配係数の小さい吸入麻酔薬ほど、麻酔の導入は速い。
- 2✕最小肺胞濃度(MAC)の大きい吸入麻酔薬ほど、麻酔作用は強い。最小肺胞濃度(MAC)の小さい吸入麻酔薬ほど、麻酔作用は強い。
- 3○デクスメデトミジンは、アドレナリンa2 受容体を刺激することで、鎮痛及び
鎮静作用を生じる。 - 4○チアミラールは、c–アミノ酪酸GABAA 受容体のバルビツール酸結合部位に結
合することで、意識消失を生じる。 - 5✕ケタミンは、ヒスタミンH1 受容体を遮断することで、不動化(筋弛緩)を起
こす。ケタミンは、NMDA 受容体を遮断することで、解離麻酔(不動化)を起こす。
正答: 3・4
抗てんかん薬に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○ラコサミドは、電位依存性Na+ チャネルの緩徐な不活性化を促進して、神経
細胞の過剰興奮を抑制する。 - 2✕スルチアムは、電位依存性T 型Ca2+ チャネルを遮断して、欠神発作に特徴的
な棘徐波複合の発生を抑制する。スルチアムは、炭酸脱水酵素を阻害する(T 型Ca2+ チャネル遮断薬はエトスクシミド等)。 - 3✕スチリペントールは、シナプス小胞タンパク質2A(SV2A)に結合して、神経
伝達物質の遊離を抑制する。スチリペントールは、GABAA 受容体の作用を増強する(SV2Aに結合するのはレベチラセタム等)。 - 4○ビガバトリンは、c–アミノ酪酸(GABA)トランスアミナーゼを不可逆的に阻
害して、脳内GABA 濃度を上昇させる。 - 5✕ルフィナミドは、グルタミン酸AMPA 受容体を非競合的に遮断して、神経細
胞における活動電位の発生を抑制する。ルフィナミドは、電位依存性Na+ チャネルの不活性化を延長する(AMPA受容体非競合的遮断薬はペランパネル)。
正答: 1・4
抗アレルギー薬に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕スプラタストは、プロスタノイドTP 受容体及びプロスタノイドDP2(CRTH2)
受容体を遮断する。スプラタストは、Th2 細胞からのIL–4・IL–5 の産生を抑制する(TP及びDP2受容体遮断はラマトロバン)。 - 2○プランルカストは、ロイコトリエンCysLT1 受容体を遮断する。
- 3✕シプロヘプタジンは、トロンボキサン合成酵素を阻害する。シプロヘプタジンは、ヒスタミンH1 受容体及びセロトニン受容体を遮断する。
- 4✕ラマトロバンは、ヒスタミンH1 受容体を遮断する。ラマトロバンは、プロスタノイドTP 受容体及びDP2(CRTH2)受容体を遮断する。
- 5○デュピルマブは、IL–4 受容体a サブユニットに結合して、IL–4 及びIL–13 の
作用を抑制する。
正答: 2・5
156-157 共通の設問
63 歳男性。慢性心不全と診断され、治療中である。その他の既往歴及び常
用薬はない。
心不全治療薬に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○ミルリノンは、ホスホジエステラーゼIII(PDE III)を阻害して、心筋細胞内
サイクリックAMP(cAMP)の分解を抑制する。 - 2✕コルホルシンダロパートは、Na+, K+–ATPase を阻害して、陽性の変力作用及
び陰性の変時作用を示す。コルホルシンダロパートは、アドレナリンb1 受容体を刺激して、陽性の変力作用を示す(Na+,K+–ATPase阻害はジギタリス)。 - 3✕イバブラジンは、ネプリライシンを阻害して、心房性ナトリウム利尿ペプチド
の分解を抑制する。イバブラジンは、過分極活性化環状ヌクレオチド依存性(HCN)チャネルを遮断して、心拍数を減少させる。 - 4○カンデサルタンは、アンジオテンシンIIAT1 受容体を遮断して、心筋のリモ
デリングを抑制する。 - 5✕ベルイシグアトは、過分極活性化環状ヌクレオチド依存性(HCN)チャネルを
遮断して、心拍数を減少させる。ベルイシグアトは、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)を刺激して、cGMP の産生を増加させる。
正答: 1・4
高血圧症治療薬に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕テラゾシンは、アドレナリンa1 及びb1 受容体を遮断して、反射性頻脈を起こ
さずに血圧を低下させる。テラゾシンは、アドレナリンa1 受容体を遮断して、反射性頻脈を起こさずに血圧を低下させる。 - 2○アムロジピンは、電位依存性L 型Ca2+ チャネルを遮断して、血管平滑筋細胞
へのCa2+ 流入を抑制する。 - 3✕アリスキレンは、エンドセリンETA 及びETB 受容体を遮断して、血管平滑筋
を弛緩させる。アリスキレンは、レニンを阻害して、アンジオテンシンII の生成を抑制する。 - 4○インダパミドは、遠位尿細管におけるNa+ の再吸収を阻害して、循環血流量
を減少させる。 - 5✕エサキセレノンは、集合管において、バソプレシンV2 受容体を遮断して、水
の再吸収を抑制する。エサキセレノンは、集合管において、ミネラルコルチコイド受容体を遮断して、Na+ の再吸収を抑制する。
正答: 2・4
抗血小板薬に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕シロスタゾールは、ADP P2Y12 受容体を遮断することで、血小板内サイクリッ
クAMP(cAMP)濃度を増加させる。シロスタゾールは、ホスホジエステラーゼIII(PDE III)を阻害することで、血小板内サイクリックAMP(cAMP)濃度を増加させる。 - 2✕オザグレルは、アデノシンA2 受容体を遮断することで、血小板内Ca2+ 濃度の
上昇を抑制する。オザグレルは、トロンボキサンA2 合成酵素を阻害することで、血小板凝集を抑制する。 - 3○ベラプロストは、プロスタノイドIP 受容体を刺激することで、血小板内
cAMP 濃度を増加させる。 - 4○サルポグレラートは、セロトニン5–HT2 受容体を遮断することで、血小板内
Ca2+ 濃度の上昇を抑制する。 - 5✕プラスグレルは、ホスホジエステラーゼIII(PDE III)を阻害することで、血
小板内cAMP 濃度を増加させる。プラスグレルは、ADP P2Y12 受容体を遮断することで、血小板凝集を抑制する。
正答: 3・4
呼吸器系に作用する薬物に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○オキシメテバノールは、オピオイド受容体を刺激して、鎮咳作用を示す。
- 2✕L–カルボシステインは、構造中にSH 基を有し、ムコタンパク質のペプチド鎖
の連結を切断して、去痰作用を示す。L–カルボシステインは、気道粘液中の糖タンパク質の産生を調節して、去痰作用を示す。 - 3✕フルマゼニルは、末梢性化学受容器を刺激して、間接的に呼吸中枢を興奮させ
る。フルマゼニルは、ベンゾジアゼピン受容体を拮抗阻害する。 - 4✕ブロムヘキシンは、アンブロキソールの活性代謝物であり、肺サーファクタン
ト分泌を促進する。アンブロキソールはブロムヘキシンの活性代謝物であり、肺サーファクタント分泌を促進する。 - 5○ニンテダニブは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、線維芽細胞増殖因子受
容体(FGFR)及び血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のチロシンキナーゼを
阻害して、肺の線維化を抑制する。
正答: 1・5
過敏性腸症候群治療薬に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○ポリカルボフィルカルシウムは、胃内の酸性条件下でカルシウムを脱離し、腸
管腔内において膨潤・ゲル化することで、水分バランスを調節する。 - 2○ラモセトロンは、求心性神経終末に存在するセロトニン5–HT3 受容体を遮断
することで、大腸痛覚の伝達を抑制する。 - 3✕メペンゾラートは、副交感神経のセロトニン5–HT4 受容体を刺激し、アセチ
ルコリン遊離を促進することで、腸運動を亢進する。メペンゾラートは、ムスカリン受容体を遮断して、アセチルコリンの作用を抑制することで、腸運動を抑制する。 - 4✕トリメブチンは、消化管運動亢進時には、アドレナリン作動性神経のオピオイ
ドn 受容体を刺激することで、腸運動を抑制する。トリメブチンは、消化管運動亢進時には、消化管間質のオピオイド受容体を介して、腸運動を抑制する。 - 5✕リナクロチドは、胆汁酸トランスポーターを阻害し、胆汁酸の再吸収を抑制す
ることで、腸管内に水分及び電解質を分泌させる。リナクロチドは、グアニル酸シクラーゼC(GC–C)を刺激して、cGMP を介した水分及び電解質の腸管内への分泌を促進する。
正答: 1・2
162-163 共通の設問
50 歳男性。営業職で飲酒の機会が多く、5 年間で体重は8 kg 増加した。
健診にて4 年前より高血糖を指摘されていたが、放置していた。最近、口渇と頻尿
を認めるようになったため病院を受診し検査を受けた結果、2 型糖尿病と診断され
た。服薬歴なし。喫煙20 本/日。運動習慣はない。
糖尿病治療薬に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕グリクラジドは、ATP 感受性K+ チャネルを開口して、膵臓ランゲルハンス島
b 細胞からのインスリン分泌を促進する。グリクラジドは、ATP 感受性K+ チャネルを閉鎖して、膵臓ランゲルハンス島b 細胞からのインスリン分泌を促進する。 - 2✕ピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体a(PPAR a)を刺
激して、アディポネクチンの分泌を低下させる。ピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体g(PPAR g)を刺激して、アディポネクチンの分泌を増加させる。 - 3○ボグリボースは、小腸上皮細胞に存在するa–グルコシダーゼを阻害して、単
糖類の生成を抑制する。 - 4○ルセオグリフロジンは、ナトリウム–グルコース共輸送体2 (SGLT2)を阻害
して、近位尿細管におけるグルコースの再吸収を抑制する。 - 5✕イメグリミンは、インクレチンの分解を抑制して、膵臓ランゲルハンス島a 細
胞からのグルカゴン分泌を促進する。イメグリミンは、ミトコンドリア機能を改善してATP 感受性K+ チャネルを介したインスリン分泌を促進する。
正答: 3・4
脂質異常症治療薬に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○アトルバスタチンは、3–ヒドロキシ–3–メチルグルタリルCoA(HMG–CoA)
還元酵素を阻害して、肝細胞の低密度リポタンパク質(LDL)受容体を増加させ
る。 - 2✕コレスチミドは、転写因子SREBP–1c の活性を抑制して、トリグリセリドの合
成を抑制する。コレスチミドは、胆汁酸を吸着・排泄して、肝臓での胆汁酸合成を促進しコレステロールを減少させる。 - 3✕プロブコールは、小腸コレステロールトランスポーターを阻害して、腸管から
のコレステロール吸収を抑制する。プロブコールは、脂質蓄積抑制作用・抗酸化作用を有する(小腸コレステロールトランスポーター阻害はエゼチミブ)。 - 4✕ベザフィブラートは、ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質(MTP)
を阻害して、超低密度リポタンパク質(VLDL)の産生を抑制する。ベザフィブラートは、PPAR a を刺激してリポタンパクリパーゼを活性化する(MTP阻害はロミタピド)。 - 5○ニコモールは、ニコチン酸受容体を刺激し、脂肪組織における脂肪分解を抑制
して、肝臓への遊離脂肪酸の動員を減少させる。
正答: 1・5
165-166 共通の設問
6 歳男児。咽頭痛のため耳鼻咽喉科を受診した。血液検査で抗ストレプト
リジンO(ASO)抗体と抗ストレプトキナーゼ(ASK)抗体の上昇が認められ、
A 群溶血性レンサ球菌(溶連菌)咽頭炎と診断された。
レンサ球菌属に対して抗菌作用を示す薬物に関する記述として、正しいのはどれ
か。2つ選べ。
- 1✕セファレキシンは、細菌のピルビン酸転移酵素を阻害して、UDP–N–アセチル
ムラミン酸の合成を抑制する。セファレキシンは、細菌のペニシリン結合タンパク質(PBP)に結合して細胞壁合成を阻害する(ピルビン酸転移酵素阻害はホスホマイシン)。 - 2✕エリスロマイシンは、細菌のジヒドロ葉酸還元酵素を阻害して、テトラヒドロ
葉酸の生成を抑制する。エリスロマイシンは、細菌のリボソーム50S サブユニットに結合してペプチド転移を阻害する(ジヒドロ葉酸還元酵素阻害はトリメトプリム等)。 - 3○アモキシシリンは、細菌のペニシリン結合タンパク質に共有結合して、不可逆
的にトランスペプチダーゼ活性を阻害する。 - 4○クリンダマイシンは、細菌のリボソーム50S サブユニットに結合して、ペプチ
ド転移酵素反応を阻害する。 - 5✕アジスロマイシンは、細菌のリボソーム30S サブユニットと結合して、アミノ
アシルtRNA がmRNA と結合するのを阻害する。アジスロマイシンは、細菌のリボソーム50S サブユニットと結合して、ペプチド転移を阻害する(30S+アミノアシルtRNA阻害はテトラサイクリン系)。
正答: 3・4
抗悪性腫瘍薬に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○オキサリプラチンは、がん細胞のDNA 鎖内及び鎖間に架橋を形成して、DNA
の複製及び転写を阻害する。 - 2✕パクリタキセルは、微小管の重合を阻害して、紡錘糸の機能を抑制する。パクリタキセルは、微小管の脱重合を阻害して、紡錘体の動態を抑制する。
- 3○イリノテカンは、体内で活性代謝物に変化し、トポイソメラーゼI活性を阻害
して、切断された一本鎖DNA の再結合を抑制する。 - 4✕ニボルマブは、T 細胞上のPD–1 に結合し、PD–1 とPD–L1 及びPD–L2 の結
合を阻害して、T 細胞の活性化を抑制する。ニボルマブは、T 細胞上のPD–1 に結合し、PD–1 とPD–L1 及びPD–L2 の結合を阻害して、T 細胞の活性化を維持・亢進する。 - 5✕ラムシルマブは、上皮増殖因子受容体(EGFR)に結合し、EGF の作用を抑制
して、腫瘍血管新生を抑制する。ラムシルマブは、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)に結合し、VEGF の作用を抑制して、腫瘍血管新生を抑制する。
正答: 1・3
鉱質コルチコイド作用が弱く、糖質コルチコイド作用が最も強いステロイド性
抗炎症薬はどれか。1つ選べ。

- 1○
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5✕
正答: 1
246-247 共通の設問
30 歳男性。以下の処方1 ~3 が記載された処方箋を持って薬局を訪れた。
この薬局では、1 名の薬学生が実習中であった。
(処方1 )

処方1 ~3 のいずれかの薬物に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選
べ。
- 1✕ドパミンD2 受容体に部分アゴニストとして作用することで、ドパミン神経系
を安定化させる。ドパミンD2 受容体を遮断することで、統合失調症の陽性症状を改善する。 - 2✕ヒスタミンH1 受容体及びアドレナリンa1 受容体を刺激することで、統合失調
症の陰性症状を改善する。ヒスタミンH1 受容体及びアドレナリンa1 受容体を遮断する(鎮静や副作用として現れ、陰性症状の改善には関与しない)。 - 3○ドパミンD2 受容体を遮断することで、統合失調症の陽性症状を改善する。
- 4✕c–アミノ酪酸GABAA 受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合することで、
睡眠を誘発する。メラトニンMT1 及びMT2 受容体を刺激することで、睡眠–覚醒リズムを正常化する。 - 5○メラトニンMT1 及びMT2 受容体を刺激することで、睡眠–覚醒リズムを正常
化する。
正答: 3・5
248-249 共通の設問
16 歳女性。夜間の睡眠を十分にとっていたにもかかわらず、高校での授業
中に耐え難い眠気が繰り返し生じ、居眠りすることが多くなった。そのため睡眠ク
リニックを受診し、指導された通りに生活習慣の改善を実施したが、2 週間経って
も居眠りが消失しなかった。終夜睡眠ポリグラフ検査や反復睡眠潜時検査の結果か
らナルコレプシーと診断され、生活習慣の改善を継続するとともに、以下の処方が
開始となった。
(処方1 )
モダフィニル錠100 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)
1 日1 回 朝食後 14 日分
服薬コンプライアンスは良好であったが、約1 ケ月服用しても授業中の居眠り等
の症状は改善しなかったため、モダフィニルが徐々に増量され、3 ケ月後には
300 mg/日となった。モダフィニルの増量中に、「眠りにつくときに怖い夢ばかり
みる」との訴えがあったため、処方2 が追加された。その後も居眠り等の症状が十
分に改善されなかったため、モダフィニル錠は、処方3 に変更された。
(処方2 )

- 1✕c–アミノ酪酸(GABA)及びヒスタミンの遊離を促進する。ドパミン及びノルアドレナリンの再取り込みを阻害する。
- 2✕アデノシンA1 及びA2A 受容体を遮断する。ドパミン及びノルアドレナリンの再取り込みを阻害する。
- 3✕非特異的にホスホジエステラーゼを阻害する。セロトニン及びノルアドレナリンの再取り込みを阻害する。
- 4○ドパミン及びノルアドレナリンの再取り込みを阻害する。
- 5○セロトニン及びノルアドレナリンの再取り込みを阻害する。
正答: 4・5
250-251 共通の設問
29 歳女性。5 年前に潰瘍性大腸炎と診断され、メサラジン、副腎皮質ステ
ロイド薬、タクロリムス、アザチオプリン、アダリムマブを使用してきたが、これ
までの治療薬では寛解の維持が困難であった。医師はこれまでとは異なる作用機序
の薬剤を新たに開始することを検討している。
新たに開始する候補薬剤の作用機序として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 1○IL–12 及びIL–23 のp40 サブユニットに特異的に結合して、ヘルパーT 細胞の
活性化を抑制する。 - 2✕TNF–a に特異的に結合して、TNF–a の作用を抑制する。IL–12 及びIL–23 のp40 サブユニットに特異的に結合して、ヘルパーT 細胞の活性化を抑制する。
- 3✕カルシニューリンを阻害して、IL–2 の産生を抑制する。ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害して、リンパ球の活性化を抑制する。
- 4✕プリン塩基の合成を阻害して、リンパ球の増殖を抑制する。IL–12 及びIL–23 のp40 サブユニットに特異的に結合して、ヘルパーT 細胞の活性化を抑制する。
- 5○ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害して、リンパ球の活性化を抑制する。
正答: 1・5
252-253 共通の設問
28 歳女性。高校教員として勤務している。ここ数ケ月、仕事のストレスか
ら風邪をひきやすく、体調が優れない日が続いていた。最近になり、左胸背部に赤
い発疹が多く現れ、ピリピリとする痛みが出てきたことから、近医を受診した。診
断の結果、帯状疱疹と診断され、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。
(処方)

処方薬で治療を継続した結果、皮疹は治まったものの、その部位で断続的な刺す
ような痛みや持続的で焼けるような痛みが生じるようになった。これらの症状に対
して使用する薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○電位依存性Ca2+ チャネルの機能の抑制
- 2✕c–アミノ酪酸GABAB 受容体の刺激
- 3○オピオイドn 受容体の刺激
- 4✕セロトニン5–HT1B/1D 受容体の刺激
- 5✕カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の遮断
正答: 1・3
254-255 共通の設問
56 歳男性。身長165 cm、体重63 kg。1 年前に健診で心電図異常が見つか
り、循環器内科で精密検査となった。その結果、頻脈性不整脈と診断され、ジソピ
ラミド(50 mg カプセルを1 回1 カプセル、1 日3 回朝昼夕食後服用)による治療
が開始され、継続して服用していた。2 週間前に動悸や立ちくらみを自覚するよう
になり、精密検査と治療の見直しのため入院となった。入院から4 日目にジソピラ
ミドを1 日150 mg から300 mg に増量したが、症状が改善されなかったことか
ら、ジソピラミドをソタロール(80 mg 錠を1 回1 錠、1 日2 回朝夕食後服用)に
変更となった。ソタロール服用開始から5 日目に、担当薬剤師が病室を訪れた際
に、下図に示す心電図の異常を発見した。
(心電図)

1 マスは、横軸が0.04 秒、縦軸が0.1 mV
この患者に使用された2 つの抗不整脈薬に共通する作用機序はどれか。1つ選
べ。
- 1✕電位依存性Na+ チャネル遮断
- 2✕電位依存性Ca2+ チャネル遮断
- 3○電位依存性K+ チャネル遮断
- 4✕アドレナリンb 受容体遮断
- 5✕アセチルコリンM2 受容体遮断
正答: 3
256-257 共通の設問
63 歳男性。5 年前に糖尿病性腎症と診断され、シタグリプチンリン酸塩水
和物、アルファカルシドール、ニフェジピン、酸化マグネシウム、セベラマー塩酸
塩、ポリスチレンスルホン酸カルシウムで治療してきた。2 年前に貧血症状が現
れ、ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)が追加された。現在のダルベポエチ
ンアルファ(遺伝子組換え)の用法・用量は、処方1 のとおりである。
(処方1 )
ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)注射液120 ng 1 回1 本
静脈内投与 2 週間に1 回 4 週分
最近、血液中のヘモグロビン濃度が低下し、目標値を維持することができておら
ず、その原因も不明であった。なお、血清フェリチン値は126 ng/mL、トランス
フェリン飽和度は33%と正常域にある。この状態をふまえて、腎臓内科医は、処
方1 から処方2 へ変更した。
(処方2 )
ダプロデュスタット錠4 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)
1 日1 回 朝食後 14 日分
処方1 又は処方2 の薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕補体C5 に結合することで、補体C5 を介した赤血球の破壊を抑制する。赤芽球系前駆細胞に作用することで、赤血球への分化を促進する。
- 2✕チミジル酸合成酵素の補酵素として作用することで、赤血球の産生を促進す
る。低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素を阻害することで、HIF を介したエリスロポエチンの産生を促進する。 - 3✕ヘム合成酵素の補酵素として作用することで、ヘムの合成を促進する。赤芽球系前駆細胞に作用することで、赤血球への分化を促進する。
- 4○赤芽球系前駆細胞に作用することで、赤血球への分化を促進する。
- 5○低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素を阻害することで、HIF を介した
エリスロポエチンの産生を促進する。
正答: 4・5
258-259 共通の設問
65 歳男性。最近、尿意を我慢できなくなってきたため、近くの泌尿器科を
受診したところ、過活動膀胱と診断され、行動療法とともに以下の処方で治療を開
始することとなった。当薬局への来局は今回が初めてであったことから、お薬手帳
の確認と聞き取りを行った。
(処方)

前問で最も可能性が高い疾患を患者が治療中であることを眼科医に確認できたの
で、泌尿器科の医師に処方変更を提案することにした。提案する薬物の作用機序と
して適切なのはどれか。1つ選べ。
- 1✕アドレナリンa1 受容体刺激
- 2○アドレナリンb3 受容体刺激
- 3✕アセチルコリンM3 受容体遮断
- 4✕アンドロゲン受容体遮断
- 5✕ミネラルコルチコイド受容体(アルドステロン受容体)遮断
正答: 2
260-261 共通の設問
48 歳男性。2 ケ月前から食欲の低下を感じ、消化器内科で精査したとこ
ろ、ヘリコバクター・ピロリ陽性と診断され、一次除菌を行うこととなった。
(処方)
ボノサップパック400(注)1 シート
1 日2 回 朝夕食後 7 日分

250 mg 3 カプセル、クラリスロマイシン錠200 mg 1 錠を服用
ヘリコバクター・ピロリの除菌療法において、ボノプラザン以外にラベプラゾー
ルも用いられてきた。ボノプラザン又はラベプラゾールに関する記述として、正し
いのはどれか。2つ選べ。
- 1✕ボノプラザンは、壁細胞におけるH+,K+–ATPase の発現を抑制する。ボノプラザンは、壁細胞におけるH+,K+–ATPase にK+ と競合的に結合して阻害する。
- 2○ボノプラザンは、胃酸による活性化を必要としない。
- 3✕ボノプラザンは、弱酸性であり、壁細胞内に分子形として集積する。ボノプラザンは、弱塩基性であり、壁細胞の酸分泌小管内にイオン形として集積する。
- 4✕ラベプラゾールは、K+ と競合して、壁細胞からのH+ 分泌を阻害する。ラベプラゾールは、H+,K+–ATPase とジスルフィド結合(共有結合)を形成して阻害する。
- 5○ラベプラゾールは、H+,K+–ATPase とジスルフィド結合を形成する。
正答: 2・5
262-263 共通の設問
65 歳男性。2 型糖尿病のため処方1 ~3 にて治療していた。
(処方1 )

処方1 ~4 のいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕グルカゴン様ペプチド–1(GLP–1)受容体を刺激して、膵臓からのインスリン
及びグルカゴン分泌を促進する。グルカゴン様ペプチド–1(GLP–1)受容体を刺激して、膵臓からのインスリン分泌を促進し、グルカゴン分泌を抑制する。 - 2○ジペプチジルペプチダーゼ–4(DPP–4)を阻害して、小腸から分泌されるイン
クレチンの分解を抑制する。 - 3✕アンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害して、血中でのアンジオテンシンI
の生成を抑制する。アンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害して、血中でのアンジオテンシンII の生成を抑制する。 - 4✕ミトコンドリア呼吸鎖複合体Iを阻害して、血糖値依存的なインスリン分泌を
促進する。ミトコンドリア呼吸鎖複合体Iを阻害して、肝臓での糖新生を抑制する。 - 5○AMP 活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化して、肝臓での糖新生を
抑制する。
正答: 2・5
264-265 共通の設問
62 歳女性。最近2 週間ほど、咳嗽・喀痰があり、微熱も続いていた。市販
薬を継続服用していたが改善せず、呼吸器内科を受診したところ、肺結核と診断さ
れた。処方は以下のとおりである。
(処方1 )

処方1 及び処方2 のいずれかの薬物の結核菌に対する作用として、正しいのはど
れか。2つ選べ。
- 1○DNA 依存性RNA ポリメラーゼを阻害して、RNA 合成を抑制する。
- 2○ミコール酸の合成を阻害して、細胞壁合成を抑制する。
- 3✕トポイソメラーゼIVとDNA ジャイレースを阻害して、核酸合成を抑制する。DNA 依存性RNA ポリメラーゼを阻害して、RNA 合成を抑制する。
- 4✕ATP 合成酵素を阻害して、結核菌細胞内のATP 量を低下させる。ミコール酸の合成を阻害して、細胞壁合成を抑制する。
- 5✕リボソーム30S サブユニットに作用して、タンパク質合成を阻害する。DNA 依存性RNA ポリメラーゼを阻害して、RNA 合成を抑制する。
正答: 1・2