第111回 — 薬剤
演習モードで解く以下の構造式で示される薬物の脳内への移行に、主として関与するトランスポー
ターはどれか。1つ選べ。

- 1✕P-糖タンパク質
- 2✕有機カチオントランスポーターOCT2
- 3✕有機アニオントランスポーターOAT3
- 4○中性アミノ酸トランスポーターLAT1
- 5✕グルコーストランスポーターGLUT1
正答: 4
肝初回通過効果の影響を最も大きく受ける剤形はどれか。1つ選べ。
- 1✕坐剤
- 2✕点鼻剤
- 3✕吸入剤
- 4✕舌下錠
- 5○口腔内崩壊錠
正答: 5
限外ろ過法を用いて算出される薬物パラメータはどれか。1つ選べ。
- 1✕油/水分配係数
- 2✕酸塩基解離定数
- 3✕血球移行率
- 4○血漿タンパク結合率
- 5✕全身クリアランス
正答: 4
薬物代謝酵素シトクロム P450 が局在する主な細胞内小器官はどれか。1つ選べ。
- 1✕エンドソーム
- 2✕ゴルジ体
- 3✕リソソーム
- 4✕核
- 5○小胞体
正答: 5
イヌリンを点滴静注するとき、定常状態における血漿中イヌリン濃度(Cp)、糸
球体ろ過された直後の尿(原尿)に含まれるイヌリンの濃度(C原尿)及び排泄され
る尿に含まれるイヌリンの濃度(C尿)の関係を最も適切に表しているのはどれか。
1つ選べ。
- 1✕Cp ≒ C原尿 ≒ C尿
- 2✕Cp ≒ C原尿 > C尿
- 3○Cp ≒ C原尿 < C尿
- 4✕Cp > C原尿 > C尿
- 5✕Cp < C原尿 < C尿
正答: 3
体内動態が線形 1-コンパートメントモデルに従い、消失半減期が6 時間の薬物
を、6 時間間隔で繰り返し急速静脈内投与するとき、初回投与時の最高血中薬物濃
度(1 回目投与直後)の 1.75 倍の血中薬物濃度になるのはいつか。1つ選べ。
- 1✕2 回目投与直後
- 2✕3 回目投与直前
- 3○3 回目投与直後
- 4✕4 回目投与直前
- 5✕4 回目投与直後
正答: 3
TDM の実施が望ましい薬物のうち、臨床用量で体内動態が非線形性を示す薬物
はどれか。1つ選べ。
- 1✕カルバマゼピン
- 2✕ジゴキシン
- 3✕バンコマイシン
- 4○フェニトイン
- 5✕フェノバルビタール
正答: 4
下図は、ある結晶多形を有する薬物の粉末 X 線回折パターンである。非晶質は
どれか。1つ選べ。

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5○
正答: 5
親油性の抗酸化剤はどれか。1つ選べ。
- 1✕アスコルビン酸
- 2✕亜硫酸水素ナトリウム
- 3✕エデト酸(EDTA)ナトリウム
- 4✕チオ硫酸ナトリウム
- 5○α-トコフェロール
正答: 5
医薬品の原薬を微粉砕することによって増大するのはどれか。1つ選べ。ただ
し、粉砕による二次粒子の形成はないものとする。
- 1✕流動性
- 2✕充てん性
- 3○溶解性
- 4✕安定性
- 5✕結晶性
正答: 3
油脂性基剤はどれか。1つ選べ。
- 1○流動パラフィン
- 2✕親水クリーム
- 3✕加水ラノリン
- 4✕マクロゴール軟膏
- 5✕親水ワセリン
正答: 1
日本薬局方製剤総則に規定されている製剤のうち、固形製剤、液状製剤及びエ
アゾール製剤が含まれているのはどれか。1つ選べ。
- 1✕経口投与する製剤
- 2✕注射により投与する製剤
- 3○気管支・肺に適用する製剤
- 4✕直腸に適用する製剤
- 5✕鼻に適用する製剤
正答: 3
日本薬局方の製剤に関する一般試験法のうち、下図の装置を用いるのはどれか。
1つ選べ。

- 1✕製剤均一性試験法
- 2✕展延性試験法
- 3✕比表面積測定法
- 4✕崩壊試験法
- 5○粘着力試験法
正答: 5
テオフィリン徐放性製剤に代表されるスパスタブ型製剤の構造はどれか。1つ
選べ。

- 1○
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5✕
正答: 1
受動的ターゲティングを目的に臨床で用いられている製剤はどれか。1つ選べ。
- 1✕自己乳化型マイクロエマルション製剤
- 2✕マイクロニードル製剤
- 3✕シクロデキストリン包接体製剤
- 4○ポリエチレングリコール修飾リポソーム製剤
- 5✕生分解性高分子マイクロカプセル型製剤
正答: 4
下図は、空腹時又は朝食後にリボフラビンを経口投与したときの投与量と累積
尿中排泄量との関係を示している。リボフラビンの消化管吸収に関する記述とし
て、正しいのはどれか。2つ選べ。

- 1○Aが朝食後、Bが空腹時に投与したときの曲線である。
- 2✕Aが空腹時、Bが朝食後に投与したときの曲線である。Aが朝食後、Bが空腹時に投与したときの曲線である。
- 3✕BがAより低値となるのは、リボフラビンの胃内容排出速度の低下が原因であ
る。BがAより低値となるのは、リボフラビンの部位特異的な吸収が飽和すること(胃内容排出速度の上昇)が原因である。 - 4✕BがAより低値となるのは、リボフラビンの小腸上皮細胞から腸管腔への排出
トランスポーターの飽和が原因である。BがAより低値となるのは、リボフラビンの小腸での部位特異的な吸収(取り込み輸送)が飽和することが原因である。 - 5○メトクロプラミドを前投与したときの曲線は、食事の有無によらずAよりBに
近い。
正答: 1・5
静脈内投与された薬物の血液と脳の間の移行に関する記述として、正しいのは
どれか。2つ選べ。ただし、血漿と脳組織間で薬物分布は平衡状態にあるものとす
る。
- 1✕血漿中の非結合形薬物は、主として脳毛細血管内皮細胞の間隙を通過して移行
する。血漿中の非結合形薬物は、主として脳毛細血管内皮細胞の細胞膜を経皮質透過(単純拡散)して移行する(内皮細胞間はタイトジャンクションで密閉)。 - 2○同じ分子量の低分子薬物では、脂溶性が高いほど単純拡散による透過性が高い。
- 3○単純拡散のみで移行する中枢作用薬では、血漿中非結合形濃度と脳内非結合形
濃度はほぼ等しい。 - 4✕P-糖タンパク質の基質となる薬物では、血漿中非結合形濃度は脳内非結合形濃
度より低い。P-糖タンパク質の基質となる薬物では、血漿中非結合形濃度は脳内非結合形濃度より高い。 - 5✕脳内へ能動輸送される薬物であっても、脳内非結合形濃度は血漿中非結合形濃
度を超えない。脳内へ能動輸送される薬物では、脳内非結合形濃度は血漿中非結合形濃度を超えることがある。
正答: 2・3
代謝過程における薬物相互作用により血中濃度が変動する薬物と併用薬及び相
互作用メカニズムの組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。
薬物 併用薬 相互作用メカニズム
- 1✕アザチオプリン クラリスロマイシン キサンチン酸化酵素の阻害
- 2✕フェニトイン シプロフロキサシン CYP2C9 の阻害
- 3○シクロスポリン リファンピシン CYP3A4 の誘導
- 4✕チザニジン フルボキサミン CYP1A2 の誘導
- 5○ノルトリプチリン パロキセチン CYP2D6 の阻害
正答: 3・5
体重 60 kg の患者にアミノグリコシド系抗菌薬ゲンタマイシンを静脈内投与し
たところ、以下の薬物動態パラメータが得られた。
(薬物動態パラメータ)
全身クリアランス(CLtot)75.0 mL/min、糸球体ろ過速度(GFR)62.5 mL/min、
尿中未変化体排泄率( fe)0.92、血漿タンパク非結合率( fp)0.90
その後、急性腎障害を発症したため、CLtot が 40.0 mL/min に、GFR が
27.8 mL/min に、fe が 0.85 に低下した。本患者におけるゲンタマイシンのクリア
ランスに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、急性腎障害の
前後で fp は変化しないものとする。
- 1✕腎障害前のゲンタマイシンの糸球体ろ過クリアランスは 62.5 mL/min である。腎障害前のゲンタマイシンの糸球体ろ過クリアランスは 56.25 mL/min である(fp×GFR=0.90×62.5)。
- 2○腎障害の有無によらず、ゲンタマイシンの腎排泄には尿細管分泌が関与する。
- 3✕腎障害の有無によらず、ゲンタマイシンは尿細管から再吸収されやすい。腎障害の有無によらず、ゲンタマイシンの腎排泄には尿細管分泌が関与する(腎CLがろ過CLを上回る)。
- 4✕ゲンタマイシンの腎クリアランスは腎障害によって変化しない。ゲンタマイシンの腎クリアランスは腎障害によって低下する(69→34 mL/min)。
- 5○ゲンタマイシンの腎外クリアランスは腎障害の前後でほぼ一定である。
正答: 2・5
下表は、ある薬物 400 mg を患者に急速静脈内投与し、その4 時間後に定速静
脈内投与を開始したときの血漿中薬物濃度を示す。このときの定速静脈内投与速度
(mg/h)として最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、本薬物の体内動態は、
線形 1-コンパートメントモデルに従い、ln 2 = 0.693 とする。

- 1✕15
- 2✕20
- 3✕25
- 4✕30
- 5○35
正答: 5
体内動態が線形 1-コンパートメントモデルに従う薬物において、A群に示すパ
ラメータが2 倍に変動したとき、B群のパラメータが2 倍になる組合せはどれか。
2つ選べ。
A群 B群
- 1✕単回急速静脈内投与後の
分布容積
血中濃度時間曲線下面積(AUC) - 2✕定速静脈内投与時の
クリアランス
定常状態血中濃度 - 3○定速静脈内投与時に定常状態血中濃度の
消失半減期
50%に到達するまでの時間 - 4✕単回経口投与後の
吸収速度定数
血中濃度時間曲線下面積(AUC) - 5○等間隔・同投与量で繰り返し経口投与時の
消化管吸収率
定常状態平均血中濃度
正答: 3・5
体内からの薬物の消失がミカエリス・メンテン式に従うとき、経口投与後の定
常状態における平均血中濃度が2 mg/L となる投与量と投与回数の組合せとして、
最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、この薬物のミカエリス定数は
4 mg/L、最大消失速度は 720 mg/day、バイオアベイラビリティは 100%とする。
1 回あたりの投与量(mg) 投与回数
- 1✕360 1 日1 回
- 2✕300 1 日2 回
- 3✕240 1 日3 回
- 4✕120 1 日3 回
- 5○80 1 日3 回
正答: 5
肝抽出率が 0.8、血中タンパク結合率が 0.9 の薬物の肝クリアランスに関する
記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、この薬物の肝臓での消失は、
well-stirred model に基づくものとし、肝血流量は 100 L/h とする。
- 1○肝クリアランスは肝血流量の変動の影響を顕著に受ける。
- 2✕肝クリアランスは肝固有クリアランスの変動の影響を顕著に受ける。肝クリアランスは肝固有クリアランスの変動の影響を受けにくい(肝血流量律速)。
- 3✕肝クリアランスは血中タンパク結合率の変動の影響を顕著に受ける。肝クリアランスは血中タンパク結合率の変動の影響を受けにくい。
- 4○肝クリアランスは 80 L/h である。
- 5✕肝固有クリアランスは8 L/h である。肝固有クリアランスは4000 L/h である(fu=0.1、fu・CLint=400 L/h)。
正答: 1・4
ある非電解質薬物 25 mg を結晶又は非晶質固体分散体として、それぞれ一定温
度の水 1.0 L に分散したところ、図に示す薬物濃度-時間曲線が得られた。この薬
物の溶解に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、この薬物に
は結晶多形は存在しないものとする。

- 1✕薬物結晶の飽和溶解度は約 25 μg/mL である。薬物結晶の飽和溶解度は約 5 μg/mL である。
- 2○アでは、薬物はすべて溶解しており、液は澄明である。
- 3✕イでは、固相の薬物は一部非晶質として存在している。イでは、固相の薬物は全て結晶として存在している(非晶質は残存しない)。
- 4○イでは、液相の薬物は過飽和溶解している。
- 5✕ウでは、薬物結晶が約5 mg 存在している。ウでは、薬物結晶が約 20 mg 存在している(溶解量5mg、残存量20mg)。
正答: 2・4
高分子溶液の性質に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕高分子を貧溶媒に溶解した場合、良溶媒に溶解した場合より溶液の粘度が高い。高分子を貧溶媒に溶解した場合、良溶媒に溶解した場合より溶液の粘度が低い。
- 2○平均分子量が同等の場合、イオン性高分子の水溶液の粘度は、同濃度の非イオ
ン性高分子の水溶液の粘度より高い。 - 3✕イオン性高分子の水溶液に塩を添加すると、高分子の溶解性が向上する。イオン性高分子の水溶液に塩を添加すると、高分子の溶解性が低下する。
- 4✕両イオン性高分子溶液の粘度は、等電点付近で最大となる。両イオン性高分子溶液の粘度は、等電点付近で最小となる。
- 5○良溶媒の高分子溶液に貧溶媒を添加していくと、コアセルベートを生じる。
正答: 2・5
下図は、ある界面活性剤水溶液の濃度と表面張力及び難溶性薬物の可溶化量と
の関係を模式的に示したものである。この図に関する記述として、正しいのはどれ
か。2つ選べ。

- 1✕この界面活性剤は、負吸着を示す。この界面活性剤は、正吸着を示す。
- 2○Aは可溶化量を、Bは表面張力を示している。
- 3✕濃度Xでは、界面活性剤は全てミセルとして存在している。濃度Xでは、界面活性剤はモノマーとミセルが共存して存在している。
- 4○濃度Xよりも高い濃度では、溶液表面への界面活性剤の吸着量が一定となる。
- 5✕濃度Yでは、疎水基を外側に、親水基を内側としたミセルが形成される。濃度Yでは、親水基を外側に、疎水基を内側としたミセルが形成される。
正答: 2・4
懸濁性医薬品に含まれる懸濁粒子の質量基準による積算粒度分布を測定したと
ころ、図1 が得られた。
図1

この医薬品懸濁液を細長い容器に移し、均一分散した後に静置し、水面から一定
の深さにおける懸濁粒子濃度(懸濁液 10 mL 中の粒子量 mg)を経時的に測定した
(図2 )。懸濁粒子濃度の経時的変化、すなわち懸濁粒子の沈降挙動を表したグラ
フとして、最も適当なのはどれか。1つ選べ。


- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5○
- 6✕
正答: 5
次の組成・性状で示される経口液剤はどれか。1つ選べ。
有効成分(1 mL 中)日局ジゴキシン 0.05 mg
白糖、エタノール、パラオキシ安息香酸プロピル、
組成

- 1✕チンキ剤
- 2✕ローション剤
- 3○エリキシル剤
- 4✕リニメント剤
- 5✕シロップ剤
正答: 3
固形製剤の造粒に用いられる製剤機械ア~オに関する記述として、正しいのは
どれか。2つ選べ。

- 1✕アは、粉砕、混合、造粒、乾燥操作を連続的に行うことができる。アは、混合、造粒、乾燥操作を連続的に行うことができる(粉砕は含まない)。
- 2✕イは、重質で粒度のそろった円柱状の造粒物が得られる。イは、重質で粒度のそろった球状・不定形の造粒物が得られる。
- 3○ウは、熱及び水に不安定な薬物の造粒に適している。
- 4○エは、液滴形状を反映した比較的小さな球形状あるいは丸みを帯びた造粒物が
得られる。 - 5✕オは、軽質で圧縮成形に適した不定形状の造粒物が得られる。オは、重質な円柱状の造粒物が得られる。
正答: 3・4
固体薬物を水不溶性コーティング剤で被覆することで、薬物放出を制御した徐
放性製剤が設計できる。この製剤を水に接触させると、膜を通じて製剤内部に水が
浸入し、溶解した薬物は、膜中を拡散しながら外液中に放出される(図)。

このときの膜の単位面積あたりの薬物透過速度 J は、(1)の式で表される。

- 1✕マトリックス型製剤である。リザーバー型(膜制御型)製剤である。
- 2○薬物は0 次放出される。
- 3✕Cin は経時的に減少する。Cin は飽和濃度で一定となる。
- 4✕薬物放出速度は放出制御膜の厚みに比例する。薬物放出速度は放出制御膜の厚みに反比例する。
- 5○球形粒子の場合では、S は粒子半径の2 乗に比例する。
正答: 2・5
266-267 共通の設問
75 歳男性。身長 165 cm、体重 58 kg。数年前に高血圧症及び心房細動を発
症し、脳塞栓症の発症リスクが高いことから、近隣のクリニックを受診しており、
内服薬(処方1 及び処方2 )にて経過観察中である。心拍数と血圧は良好にコント
ロールされている。
(処方1 )
ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセル 75 mg

前問の処方提案の理由に最も深く関係する薬物相互作用の機序はどれか。1つ選
べ。
- 1✕肝臓における有機アニオントランスポーター OATP1B1 の阻害
- 2✕肝臓における UDP-グルクロン酸転移酵素 UGT1A1 の阻害
- 3✕消化管における CYP3A の阻害
- 4○消化管における P-糖タンパク質の阻害
- 5✕消化管内 pH の変動による溶解性低下
正答: 4
268-269 共通の設問
32 歳女性。身長 158 cm、体重 55 kg。第2 子を自然分娩で出産した。産後
で左腓腹静脈から膝窩静脈にかけて血栓を認め、深部静脈血栓症と診断され、ヘパ
リンナトリウムの静脈内投与が開始された。医師は退院後の抗凝固療法について内
服への切り替えを検討している。医師は授乳への影響を踏まえ、適切な薬剤につい
て薬剤師に相談した。診断時の身体・検査所見は以下のとおりであった。
(身体所見)
血圧 112/68 mmHg、脈拍 92 拍/分、体温 36.8 °C、左下腿に腫脹と圧痛を認め、
軽度の発赤あり、呼吸苦や胸痛はなし
(検査所見)

薬剤師が提案した薬物の乳汁移行性が低い理由として正しいのはどれか。2つ選
べ。
- 1○弱酸性薬物であるため。
- 2✕弱塩基性薬物であるため。弱酸性薬物であるため。
- 3✕高分子薬物であるため。血漿タンパク結合率が高い薬物であるため。
- 4✕水溶性が高い薬物であるため。弱酸性薬物であるため(乳汁は血漿よりやや酸性側でないため移行しにくい)。
- 5○血漿タンパク結合率が高い薬物であるため。
正答: 1・5
270-271 共通の設問
80 歳男性。2 日前、39.2 °C の発熱、悪寒、呼吸苦が認められたため、家
族に連れられて救急外来を受診。意識は清明であったが、血圧は低下傾向
(96/58 mmHg)、呼吸数は増加(24 回/分)しており、血液検査では CRP
18.4 mg/dL 及び白血球数 15,200/μL であった。胸部 X 線では右下葉に浸潤影を
認め、市中肺炎に伴う重症感染症が疑われ、即日入院となった。休日の夜間帯であ
り迅速な対応が求められたため、当直医は広域抗菌薬であるメロペネム水和物点滴
用1 回1 g を1 日3 回、静脈内投与で開始した。
入院翌日、薬剤師が持参薬を確認したところ、全般発作型てんかん治療のためバ
ルプロ酸ナトリウム徐放錠 200 mgを服用中であることが発覚した。入院後も発作
の症状はみられていない。
入院翌日にバルプロ酸ナトリウムを服用するときに想定されるバルプロ酸の体内
動態の変化として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 1✕消化管吸収の低下
- 2✕血漿タンパク結合率の低下
- 3○グルクロン酸抱合体の加水分解能の低下
- 4✕水酸化体の生成能の低下
- 5✕グルクロン酸抱合体の尿細管再吸収の低下
正答: 3
272-273 共通の設問
58 歳男性。身長 170 cm、体重 65 kg、体表面積 1.75 m2。患者は5 年前より
高尿酸血症に対してプロベネシド錠を服用している。今回の入院では、急性リンパ
性白血病の治療として、メトトレキサート・ホリナート救援療法を行うこととなっ
た。そこで、主治医はプロベネシド錠からアロプリノール錠へ処方を変更した。
(変更前処方)

プロベネシド錠からアロプリノール錠に変更された理由として、最も適切なのは
どれか。1つ選べ。
- 1✕プロベネシドがホリナートの肝取り込みを阻害するため。プロベネシドがメトトレキサートの尿細管分泌を阻害するため。
- 2✕ホリナートがプロベネシドの尿細管再吸収を阻害するため。プロベネシドがメトトレキサートの尿細管分泌を阻害するため。
- 3✕メトトレキサートがプロベネシドの肝代謝を阻害するため。プロベネシドがメトトレキサートの尿細管分泌を阻害するため。
- 4○プロベネシドがメトトレキサートの尿細管分泌を阻害するため。
- 5✕プロベネシドがメトトレキサートの尿細管再吸収を促進するため。プロベネシドがメトトレキサートの尿細管分泌を阻害するため。
正答: 4
274-275 共通の設問
85 歳男性。身長 165 cm、体重 82 kg、BMI 30.1。2 型糖尿病の既往があ
り、処方1 及び処方2 の薬剤で治療中である。
(処方1 )
ダパグリフロジンプロピレングリコール錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)
薬剤師は処方1 又は処方2 の薬剤の副作用を疑い、注意事項等情報(添付文書)
等から薬物動態に関する下表の情報を得た。

- 1✕ダパグリフロジン 消化管吸収量の増大
- 2✕メトホルミン 消化管吸収量の増大
- 3✕ダパグリフロジン 肝代謝の低下
- 4✕メトホルミン 肝代謝の低下
- 5✕ダパグリフロジン 腎排泄の低下
- 6○メトホルミン 腎排泄の低下
正答: 6
276-277 共通の設問
8 歳女児。近視の薬物治療を希望する母親に連れられて来院した。当院で
は、6 歳から 18 歳未満の中等度近視の小児に対して、低濃度アトロピン硫酸塩点
眼薬(院内製剤)を使用した近視進行抑制治療を実施している。
診察の結果、中等度近視と診断され、患児及び母親にインフォームド・コンセン
トを行い、以下の院内製剤が処方された。
(処方)アトロピン点眼薬 0.01%(院内製剤) 5 mL 1 本

本院内製剤及びその調製法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕非水性点眼剤である。水性点眼剤である。
- 2○無菌的に調製する必要がある。
- 3✕調製した製剤の浸透圧は、約 600 mOsm となる。調製した製剤の浸透圧は、約 300 mOsm となる(等張)。
- 4○日本薬局方「エンドトキシン試験法」への適合を確認する必要はない。
- 5✕涙液中のナトリウムイオンによってゲル化することで効果が持続する。涙液中のナトリウムイオンによってゲル化しない(単純な水性点眼製剤)。
正答: 2・4
278-279 共通の設問
58 歳女性。2 年前に右乳房の浸潤性乳管がんと診断され、右乳房全切除及
び腋窩リンパ節郭清が施行された。病理検査の結果、ホルモン受容体陰性、
HER2 に対する免疫組織化学染色 1+の HER2 低発現乳がんと診断され、術後補助
療法として放射線治療(胸壁・鎖骨上窩照射)が施行された。半年前、局所再発及
び肺転移が確認され、ドキソルビシン+シクロホスファミド併用療法にて全身化学
療法が開始された。初期には治療が奏効していたが、4 コース後に画像上で肺転移
及び鎖骨上窩リンパ節の増大を認めた。今回の入院では、トラスツズマブ デルク
ステカンを導入することになった。
トラスツズマブ デルクステカンは抗体薬物複合体(ADC)である。本 ADC の
特徴に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕抗体と薬物の結合は非共有結合である。抗体と薬物の結合は共有結合(リンカー)である。
- 2✕薬物抗体比(抗体1 分子あたりの結合薬物数)は1 である。薬物抗体比(抗体1 分子あたりの結合薬物数)は約8である。
- 3○能動的ターゲッティング製剤である。
- 4✕受動輸送で細胞内に取り込まれる。抗原結合後のエンドサイトーシス(能動的取り込み)で細胞内に取り込まれる。
- 5○リソソーム内で分解されて、薬物が遊離される。
正答: 3・5
280-281 共通の設問
82 歳男性。身長 167 cm、体重 50 kg。2 型糖尿病の既往があり、シタグリ
プチンリン酸塩錠の服用により血糖コントロールは良好であったが、歩行時にふく
らはぎの痛みと足趾の冷感、皮膚色調の変化を主訴に血管外科を受診した。下肢動
脈の超音波検査及び CT 血管造影にて、重度の閉塞性動脈硬化症が確認された。バ
イパス手術は積極的な適用とはならず、まずは保存的治療として、アルプロスタジ
ル注射用(点滴静注1)による血流改善を目的とした薬物療法を入院にて行う方針
となった。
また、栄養状態が悪いため、経静脈的にアミノ酸・糖・電解質・ビタミン B1 の
栄養剤(点滴静注2)も投与することとなった。点滴静注1と2の注射処方が発行
されたため、処方内容に誤りや注意点がないか、担当薬剤師は確認を行った。
(入院時検査値)
空腹時血糖 110 mg/dL、血清クレアチニン 0.9 mg/dL、血圧 135/85 mmHg、
eGFR 70 mL/min/1.73 m2、血清アルブミン 2.3 g/dL、Na 140 mEq/L、
K 4.2 mEq/L
(処方)
点滴静注1 アルプロスタジル注射用(10 μg/バイアル 1 本) 10 μg
生理食塩液 100 mL
1 日1 回 10 時 2 時間かけて投与
点滴静注2 アミノ酸・糖・電解質・ビタミン B1 製剤 500 mL
1 日1 回 10 時 2 時間かけて投与
点滴静注1には、添加剤として、精製大豆油、高度精製卵黄レシチン、オレイン
酸、濃グリセリンが含まれる。本製剤に含まれている微粒子の模式図として適切な
のはどれか。1つ選べ。ただし、外相は水とする。

- 1✕
- 2✕
- 3○
- 4✕
- 5✕
正答: 3
282-283 共通の設問
58 歳男性。身長 171 cm、体重 84 kg。5 年前に2 型糖尿病と診断され脂質
異常症を合併している。食事・運動療法を継続し、処方1 の薬剤にて治療が行われ
ていた。
(処方1 )
メトホルミン塩酸塩錠 500 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)

服薬指導にあたってセマグルチド錠の医薬品情報を確認した。有効成分のセマグ
ルチドは、アルブミンとの結合性を増すために疎水基を導入したジペプチジル
ペプチダーゼ-4(DPP-4)耐性遺伝子組換えヒトグルカゴン様修飾ペプチドであ
り、経口製剤とするために吸収促進剤であるサルカプロザートナトリウム(SNAC)
が添加されており、主に胃で吸収されると記載されている。本製剤の組成は以下で
ある。
〔セマグルチド錠の組成〕
・有効成分:セマグルチド(分子量 4113.58、等電点 約 5.4)

・剤形:素錠
本処方製剤からの有効成分の吸収改善に関する記述として、正しいのはどれか。
2つ選べ。ただし、消化管に有効成分を輸送するトランスポーターはないものとす
る。
- 1✕腸溶性コーティングにより、有効成分の胃酸による変性を回避することができ
る。素錠であり、SNACによる吸収促進で胃から吸収される(腸溶性コーティングではない)。 - 2✕ステアリン酸マグネシウムによって、胃内で微細なエマルションを形成するこ
とにより、有効成分の粘液層内における拡散性が向上する。SNACによって胃の局所pH上昇と膜透過性向上がもたらされ、有効成分が胃粘膜から吸収される(ステアリン酸マグネシウムはエマルションを形成しない)。 - 3○胃の局所の pH が上昇することにより、有効成分の急速な酵素的分解を防ぐこ
とができる。 - 4✕ポビドンによって胆汁分泌が促進され、有効成分の腸管内での溶解性が向上す
る。SNACによる胃粘膜透過性の向上によって、有効成分が胃で吸収される(ポビドンは結合剤)。 - 5○SNAC が胃内容物と相互作用するとその吸収促進効果が減弱する。
正答: 3・5
284-285 共通の設問
7 歳男児。身長 124 cm、体重 25 kg。母親によると、患児は食後に「喉が
熱い感じがする」と訴えることが多く、夜間に咳き込んだり、胸をさする仕草をみ
せたりすることがある。また、酸っぱいものを吐き戻すことがあり、体重減少はな
いが、食欲が少し落ちているとのこと。医師の診察により逆流性食道炎と診断さ

※評価パラメーターである AUC 及び Cmax について統計解析を行った結果、
AUC 及び Cmax は対数正規分布し、絶食時及び食後のいずれの場合も判定基準で
ある log(0.80)~ log(1.25) の範囲内であった。
(2) 有効成分の原末及びカプセル剤を経口投与した後の血漿中濃度及び薬物動態パ
ラメーターの比較(健康成人5 名)

カプセル剤 1865 ± 178 237 ± 17 3.0 ± 0.3 4.05 ± 0.29
(Mean±S.E, n=5)

処方された細粒剤に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○カプセル剤と生物学的に同等である。
- 2✕カプセル剤と比較して食事の影響を受けやすいので注意が必要である。カプセル剤と同等であり、絶食時・食後いずれも生物学的同等性が確認されている。
- 3✕速放性の製剤である。徐放性(溶出調節性)の製剤である。
- 4○コーティングと甘味剤によって苦味がマスキングされている。
- 5✕飲みにくい場合は、微粉砕する必要がある。飲みにくい場合は、ゼリーや水とともに服用する(微粉砕してはいけない)。
正答: 1・4