第110回 — 薬剤
演習モードで解く下図のように、細胞膜の形態変化を伴って高分子医薬品を細胞内へ取り込む輸
送機構はどれか。1つ選べ。

細胞外
- 1✕単純拡散
- 2✕促進拡散
- 3✕一次性能動輸送
- 4✕二次性能動輸送
- 5○膜動輸送
正答: 5
経口投与された薬物が吸収される経路として、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1✕小腸 → リンパ管 → 大腸 → 全身循環系
- 2✕小腸 → リンパ管 → 肝臓 → 全身循環系
- 3✕小腸 → 門脈 → 大腸 → 全身循環系
- 4○小腸 → 門脈 → 肝臓 → 全身循環系
- 5✕小腸 → 胆管 → 大腸 → 全身循環系
- 6✕小腸 → 胆管 → 肝臓 → 全身循環系
正答: 4
炎症性疾患時に増加し、プロプラノロールが最も強く結合する血漿タンパク質
はどれか。1つ選べ。
- 1✕アルブミン
- 2✕a–グロブリン
- 3✕フィブリノーゲン
- 4✕C 反応性タンパク質
- 5○a1–酸性糖タンパク質
正答: 5
薬物代謝における第II相反応に関与するのはどれか。1つ選べ。
- 1✕シトクロムP450
- 2○UDP–グルクロン酸転移酵素
- 3✕フラビン含有モノオキシゲナーゼ
- 4✕アルコール脱水素酵素
- 5✕モノアミン酸化酵素
正答: 2
下図は腎臓のネフロンを模式的に示したものである。図中の1 ~5 のうち、有
機アニオントランスポーター(OAT1、OAT3)を介した薬物の輸送を表すのはど
れか。1つ選べ。
ただし、図中の矢印の向きは薬物が移行する方向を示す。


血液
糸球体
1
2
近位尿細管
3
ヘンレ係蹄
4
排泄

- 1✕
- 2✕
- 3○
- 4✕
- 5✕
正答: 3
体内動態が線形1–コンパートメントモデルに従う薬物を経口投与した場合、最
高血中濃度到達時間が短縮する要因はどれか。1つ選べ。
- 1✕投与量の減少
- 2✕吸収率の上昇
- 3✕分布容積の増大
- 4○吸収速度定数の上昇
- 5✕消失速度定数の低下
正答: 4
体内動態が線形1–コンパートメントモデルに従い、消失半減期が2 時間である
薬物を静脈内定速注入する。投与開始後、薬物の血中濃度が定常状態の血中濃度の
75%に到達する時間(h)はどれか。1つ選べ。
- 1✕1
- 2✕2
- 3✕3
- 4○4
- 5✕5
正答: 4
ある薬物の肝固有クリアランス(CLint)が肝血流量(Qh)と比較して十分に小
さい場合、その薬物の肝クリアランスはどのように近似できるか。1つ選べ。
ただし、fu は血漿タンパク非結合形分率とする。
- 1✕Qh
- 2✕CLint
- 3✕fu・Qh
- 4○fu・CLint
- 5✕CLint/fu
正答: 4
陽イオン性界面活性剤はどれか。1つ選べ。
- 1✕ステアリン酸ナトリウム
- 2✕ポリソルベート80
- 3✕ラウリル硫酸ナトリウム
- 4✕レシチン
- 5○ベンゼトニウム塩化物
正答: 5
造粒に用いる機器のうち、混合、造粒、乾燥の工程を同一装置内で行うことが
できるのはどれか。1つ選べ。
- 1○流動層造粒機
- 2✕転動造粒機
- 3✕押出し造粒機
- 4✕噴霧乾燥造粒機
- 5✕破砕造粒機
正答: 1
構造粘性を有する製剤でみられる、下図のレオグラムを示す現象はどれか。
1つ選べ。

せん断応力S
- 1✕クリープ
- 2○チキソトロピー
- 3✕応力緩和
- 4✕ダイラタンシー
- 5✕コアセルベーション
正答: 2
透析用剤に適用される日本薬局方一般試験法はどれか。1つ選べ。
- 1✕アルコール数測定法
- 2○エンドトキシン試験法
- 3✕重金属試験法
- 4✕制酸力試験法
- 5✕溶出試験法
正答: 2
下の模式図で示される経口徐放カプセル剤の型はどれか。1つ選べ。

徐放性顆粒2 徐放性顆粒3

- 1○スパンスル型
- 2✕ロンタブ型
- 3✕グラデュメット型
- 4✕スパスタブ型
- 5✕レジネート型
正答: 1
薬物の直腸からの吸収改善を図るために用いられている吸収促進剤はどれか。
1つ選べ。
- 1✕アルギン酸ナトリウム
- 2✕安息香酸ナトリウム
- 3○カプリン酸ナトリウム
- 4✕チオグリコール酸
- 5✕プロカイン塩酸塩
正答: 3
レクチンによる認識機構を介した能動的ターゲティングのための修飾基として
用いられるのはどれか。1つ選べ。
- 1○糖鎖
- 2✕ポリペプチド
- 3✕長鎖不飽和脂肪酸
- 4✕オリゴヌクレオチド
- 5✕ポリエチレングリコール
正答: 1
メトプロロールは、肝臓における代謝及び尿中への排泄の両過程により体内か
ら消失する。全身クリアランスは1.0 L/min であり、静脈内投与後の尿中未変化
体排泄率は投与量の10%である。メトプロロールを経口投与した際、肝初回通過
効果により消失する割合(%)に最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、メトプロロールの消化管からの吸収は100%であり、消化管における代
謝はなく、肝血流量は1.5 L/min とする。
- 1✕20
- 2✕30
- 3✕40
- 4✕50
- 5○60
正答: 5
ある薬物は血漿と組織に分布し、その血漿中非結合形分率は0.10、組織中非結
合形分率は0.50 である。この薬物を患者に投与したときの分布容積(L)に最も
近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、この患者の血漿容積は3 L、組織容積は40 L とする。
- 1✕0.3
- 2✕3
- 3○11
- 4✕43
- 5✕203
正答: 3
ある薬物のアルブミンへの結合定数は10(nmol/L)-1、結合部位数は2 であ
る。この薬物のアルブミン結合に関する両逆数プロットを点線で表し、また、この
薬物のアルブミンへの結合が別の薬物の共存により競合的に阻害された場合を実線
で表すとき、正しい図はどれか。1つ選べ。
ただし、図中のr はアルブミン1 分子当たりに結合している薬物の分子数を、
[Df]は非結合形薬物濃度を示す。

- 1○
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5✕
- 6✕
正答: 1
プロドラッグとその活性代謝物の組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。
プロドラッグ 活性代謝物
- 1✕カルビドパ ドパミン
- 2○カペシタビン フルオロウラシル
- 3✕アシクロビル バラシクロビル
- 4○カンデサルタンシレキセチル カンデサルタン
- 5✕オセルタミビル ラニナミビル
正答: 2・4
腎機能が低下したある患者のイヌリンクリアランスが30 mL/min/1.73 m2、ク
レアチニンクリアランスが50 mL/min/1.73 m2 であった。この患者の腎機能に関
する記述として適切なのはどれか。2つ選べ。
ただし、クレアチニンは血漿タンパク質に結合せず、尿細管で再吸収されないも
のとする。
- 1✕糸球体ろ過速度は20 mL/min/1.73 m2 と推定できる。糸球体ろ過速度は30 mL/min/1.73 m2 と推定できる。
- 2✕イヌリンの尿細管での再吸収クリアランスは20 mL/min/1.73 m2 と推定でき
る。イヌリンの尿細管での再吸収クリアランスは0(イヌリンは再吸収・分泌されない)と推定できる。 - 3○クレアチニンの尿細管分泌クリアランスは20 mL/min/1.73 m2 と推定できる。
- 4✕糸球体ろ過速度が正常なときより、イヌリンクリアランスは大きいと考えられ
る。糸球体ろ過速度が正常なときより、イヌリンクリアランスは小さいと考えられる。 - 5○糸球体ろ過速度が正常なときより、クレアチニンクリアランスは小さいと考え
られる。
正答: 3・5
薬物の腎排泄過程における相互作用により血中濃度が上昇する薬物、併用薬、
関与するトランスポーターの組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。
薬物 併用薬 トランスポーター
- 1✕ペプチドトランスポーター
プロカインアミド シメチジン
PEPT1 - 2✕有機アニオントランスポーター
メトホルミン リファンピシン
OATP1B1 - 3○有機アニオントランスポーター
メトトレキサート プロベネシド
OAT1 、OAT3 - 4○ジゴキシン ベラパミル P–糖タンパク質
- 5✕有機カチオントランスポーター
シクロスポリン シスプラチン
OCT2
正答: 3・4
体内動態が線形1–コンパートメントモデルに従い、生物学的半減期が1.4 時間
である薬物を、3 種類の剤形で同用量を経口投与したとき、下表に示す血中濃度時
間曲線下面積(AUC)と一次モーメント時間曲線下面積(AUMC)が得られた。
この結果に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、絶対的バイオアベイラビリティはいずれも100%とし、ln 2 = 0.693 と
する。

- 1○最高血中濃度が最も大きいのは経口液剤である。
- 2✕投与量を増やすと平均滞留時間は長くなる。投与量を増やしても平均滞留時間は変わらない(線形動態では用量に依存しない)。
- 3○経口液剤を経口投与したときの平均吸収時間は約1.0 h である。
- 4✕散剤の平均溶出時間は約0.5 h である。散剤の平均溶出時間は約0.5 hではない(表の値から算出した別の値)。
- 5✕錠剤の平均崩壊時間は約1.5 h である。錠剤の平均崩壊時間は約1.5 hではない(表の値から算出した別の値)。
正答: 1・3
ある水不溶性の薬物粉体25.0 g を50.0 mL の容器に充てんした。この容器を
水で満たしたとき、全体の質量(容器質量を除く)は55.0 g であった。この粉体
の真密度(g/mL)に最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、水の密度を1.00 g/mL とし、添加した水は粉体の空隙をすべて満たす
ものとする。
- 1✕0.80
- 2✕1.00
- 3○1.25
- 4✕1.50
- 5✕1.75
正答: 3
テオフィリン無水物(分子量180)の結晶、非晶質、及び両者の混合物につい
て、下図のA~Cに示す水蒸気吸着等温線が得られた。この結果に関する記述のう
ち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、結晶は吸湿せず、非晶質は相対湿度80%以上ですべて水和物に転移す
るものとする。

A
B
- 1✕Aは、100%の結晶である。Aは、100%の非晶質である。
- 2○Bは、質量比で40%の結晶と60%の非晶質の混合物である。
- 3✕Cは、質量比で60%の結晶と40%の非晶質の混合物である。Cは、100%の結晶(または非晶質の割合が小さい混合物)である。
- 4✕テオフィリンの無水物は吸湿して二水和物となる。テオフィリンの無水物は吸湿して一水和物となる。
- 5○相対湿度50%で保存したBは、質量比で1 %の吸着水を含む。
正答: 2・5
図中の直線は、3 種の薬物A、B、Cがそれぞれ溶解補助剤Xと可溶性複合体
AX、BX、CXを形成し、溶解度が増大する様子を示している。

溶解補助剤Xの添加濃度
以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
なお、いずれの場合も安定度定数K は次式で表される。
K =[可溶性複合体]
[薬物]・[X]
ただし、[ ]は濃度を示す。
- 1○溶解補助剤を添加しないとき、薬物の溶解度の大小関係は、A= C2 Bであ
る。 - 2✕可溶性複合体AXと可溶性複合体BXの安定度定数は等しい。可溶性複合体AXと可溶性複合体BXの安定度定数は等しくない(直線の傾きが異なる)。
- 3○可溶性複合体AXの安定度定数は、可溶性複合体CXの安定度定数より大き
い。 - 4✕可溶性複合体BXの安定度定数は、可溶性複合体CXの安定度定数より小さ
い。可溶性複合体BXの安定度定数は、可溶性複合体CXの安定度定数より大きい。 - 5✕K の値が小さいほど、薬物とXは安定な可溶性複合体を形成する。K の値が大きいほど、薬物とXは安定な可溶性複合体を形成する。
正答: 1・3
薬物の溶解性を高める製剤的手法に関する記述として、正しいのはどれか。
2つ選べ。
- 1✕微粉化により、比表面積を小さくする。微粉化により、比表面積を大きくする。
- 2✕シクロデキストリンにより、ミセルを形成させる。シクロデキストリンにより、包接化合物(包接複合体)を形成させる。
- 3○水と混和する有機溶媒を添加して、溶媒の極性を変化させる。
- 4✕結晶性薬物の場合、非晶質化して熱力学的に安定化させる。結晶性薬物の場合、非晶質化して見かけの溶解度を高める(熱力学的には不安定)。
- 5○テオフィリンの場合、エチレンジアミンと複合体を形成させる。
正答: 3・5
分散系医薬品と製剤の種類(投与時)との組合せのうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
分散系医薬品(有効成分) 製剤の種類(投与時)
- 1○ドキシル注20 mg(ドキソルビシン塩酸塩) リポソーム
- 2✕ネオーラル内用液10%(シクロスポリン) 高分子ミセル
- 3✕リュープリン注射用1.88 mg(リュープロレリン酢酸塩)多相エマルション
- 4○フェジン静注40 mg(含糖酸化鉄) 分散コロイド
- 5✕1%ディプリバン注(プロポフォール) サスペンション
正答: 1・4
下図はロータリー打錠機による打錠工程を模式的に示したものである。工程A
はどれか。1つ選べ。


ターンテーブル
- 1✕臼への充填
- 2✕予備圧縮
- 3○重量調節
- 4✕圧縮成形
- 5✕錠剤放出
正答: 3
粘膜に適用する製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕バッカル錠は、咀嚼により、有効成分を放出する口腔用錠剤である。バッカル錠は、頬と歯ぐきの間に保持して徐々に溶かし、有効成分を放出する口腔用錠剤である。
- 2○点鼻粉末剤には、通例、密閉容器が用いられる。
- 3○点眼剤の非水性溶剤には、通例、植物油が用いられる。
- 4✕眼軟膏剤に含まれる粒子の最大粒子径は、通例、150 nm 以下である。眼軟膏剤に含まれる粒子の最大粒子径は、通例、75 µm 以下である。
- 5✕坐剤の油脂性基剤として、マクロゴールが用いられる。坐剤の水溶性基剤として、マクロゴールが用いられる。
正答: 2・3
日本薬局方一般試験法に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕製剤均一性試験法において、医薬品の有効成分含量が5 mg で、有効成分濃度
が2.5%の素錠には、質量偏差試験が適用できる。製剤均一性試験法において、医薬品の有効成分含量が5 mg で、有効成分濃度が2.5%の素錠には、質量偏差試験は適用できず、含量均一度試験が適用される。 - 2✕溶出試験法には、パドルオーバーディスク法、シリンダー法及び縦型拡散セル
法がある。溶出試験法には、パドルオーバーディスク法、シリンダー法及び往復円筒法がある。 - 3✕カールフィッシャー法は、試料のオスモル濃度を凝固点降下法を用いて測定す
る方法である。カールフィッシャー法は、試料の水分をヨウ素と二酸化硫黄の反応を利用して測定する方法である。 - 4○エンドトキシン試験法は、ライセート試薬を用いてグラム陰性菌由来のエンド
トキシンを検出又は定量する試験法である。 - 5○注射剤の採取容量試験法は、表示量よりやや過剰に採取できる量が容器に充填
されていることを確認する試験法である。
正答: 4・5
266-267 共通の設問
45 歳男性。喫煙歴20 年(1 日20~30 本程度)。男性は、最近、痰が絡ん
で咳込みが多く、健康のために禁煙を希望し、薬局を訪れた。薬剤師は、禁煙サ
ポートのため男性の生活習慣及び健康状態を聞き取り、ニコチンガム製剤による禁
煙を勧めることにした。男性と話し合いのうえ、禁煙期間の目標を90 日に設定
し、最初の1 週間は1 日の使用個数の目安を以下とした。
(販売する一般用医薬品)
ニコチンガム製剤(ニコチン2 mg 含有/個)
(使用個数の目安)
1 日9 個
また、男性に対して習慣的に摂取している飲食物を質問したところ、以下の情報
が得られた。
・炭酸水(a)を頻繁に飲用している。
・亜鉛含有サプリメント(b)を食後に摂取している。
・気分を落ち着かせるために、セントジョーンズワート含有食品(c)を毎日摂取
している。
ニコチンガム製剤による禁煙補助療法の十分な効果を得るために、摂取を控える
必要がある飲食物とその理由の組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。
飲食物 理由
- 1✕a 口腔内において製剤からのニコチンの溶出が低下するため。a 口腔内が酸性に傾くことによりニコチンの吸収が低下するため。
- 2○a 口腔内が酸性に傾くことによりニコチンの吸収が低下するため。
- 3✕b 胃内pH の上昇によりニコチンの吸収が低下するため。a 口腔内が酸性に傾くことによりニコチンの吸収が低下するため。
- 4✕b 消化管においてキレート形成によりニコチンの吸収が低下するため。a 口腔内が酸性に傾くことによりニコチンの吸収が低下するため。
- 5✕小腸におけるCYP3A4 の誘導によりニコチンの代謝が促進される
c
ため。a 口腔内が酸性に傾くことによりニコチンの吸収が低下するため。 - 6✕小腸におけるP–糖タンパク質の誘導によりニコチンの消化管分泌
c
が促進されるため。a 口腔内が酸性に傾くことによりニコチンの吸収が低下するため。
正答: 2
268-269 共通の設問
68 歳女性。身長155 cm、体重50 kg。下腿浮腫及び尿の泡立ちを自覚する
ようになり、近医を受診した。タンパク尿及び低アルブミン血症を認め、ネフロー
ゼ症候群が疑われ、精査加療のため総合病院に入院となった。検査の結果、以下の
治療を開始した。
(入院時検査値)
血圧142/92 mmHg、血清総タンパク5.1 g/dL、血清アルブミン2.6 g/dL、
BUN 38 mg/dL、血清クレアチニン1.0 mg/dL、総コレステロール338 mg/dL、
LDL–C 248 mg/dL、Na 142 mEq/L、K 4.2 mEq/L、尿タンパク(3+)
(処方1 )

治療開始後、ステロイド抵抗性との診断を受け、シクロスポリンカプセルが追加
されることになった。そのため、薬剤師は処方2 の薬剤についてフルバスタチンへ
の変更を医師に提案した。その理由として正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1✕シクロスポリンがピタバスタチンの消化管吸収を阻害するため。シクロスポリンがピタバスタチンの肝取り込みを阻害するため。
- 2○シクロスポリンがピタバスタチンの肝取り込みを阻害するため。
- 3✕ピタバスタチンがシクロスポリンの代謝を阻害するため。シクロスポリンがピタバスタチンの肝取り込みを阻害するため。
- 4✕ピタバスタチンがシクロスポリンの尿細管分泌を阻害するため。シクロスポリンがピタバスタチンの肝取り込みを阻害するため。
- 5✕シクロスポリンがピタバスタチンの尿細管再吸収を阻害するため。シクロスポリンがピタバスタチンの肝取り込みを阻害するため。
正答: 2
270-271 共通の設問
69 歳男性。数日前より髪の毛が抜けやすくなり、ふけや頭皮のかゆみを自
覚した。皮膚科を受診したところ、頭部白癬と診断され、経口抗真菌薬で治療する
ことになった。男性は以下の処方箋を持って、薬局を訪れた。男性の持参したお薬
手帳を薬剤師が確認したところ、現在服用中の薬剤との薬物相互作用が懸念され
た。
(処方)

お薬手帳から確認された現在服用中の薬剤とイトラコナゾールカプセルとの間で
懸念される薬物相互作用の発現機序として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 1✕胃内pH の上昇による溶解性の低下
- 2✕核内受容体を介した小腸P–糖タンパク質の発現量増加
- 3✕肝臓のOATP1B1 に対する競合阻害
- 4✕代謝物によるCYP3A4 の不可逆的阻害
- 5○ヘム鉄への配位結合によるCYP3A4 の阻害
正答: 5
272-273 共通の設問
25 歳女性。身長160 cm、体重55 kg。朝、自室から起床してこないため、
心配に思った家族が部屋の中に入ったところ、ベッドの上で仰向けになって意識を
失っていた。呼びかけに反応しなかったため、救急隊を要請した。病院搬送時の意
識レベルはJapan Coma Scale(JCS)200、血圧100/55 mmHg、脈拍105 拍/分、
呼吸15 回/分、体温36.0 °Cであった。採取した尿を用いて定性試験でバルビツー
ル酸類が強陽性であった。家族からの情報によると、女性は以前よりてんかん治療
のためフェノバルビタールを常用しており、たびたび体調を崩していた。胃内容物
を分析したところ、フェノバルビタールが検出され、過量摂取による意識障害と診
断された。
薬剤師がフェノバルビタールの血清中濃度を測定したところ、65 ng/mL であっ
た。医師は、球形吸着炭の6 時間ごとの繰り返し投与、及び炭酸水素ナトリウム注
射液の持続投与を開始した。2 日後、フェノバルビタールの血清中濃度は40 ng/mL
となり、意識は徐々に回復した。フェノバルビタールの体内動態に及ぼす球形吸着
炭及び炭酸水素ナトリウムの作用として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 1✕血漿タンパク結合の阻害
- 2✕肝取り込みの促進
- 3○腸肝循環の抑制
- 4✕尿細管分泌の促進
- 5○尿細管再吸収の抑制
正答: 3・5
274-275 共通の設問
65 歳男性。高血圧症及び気管支ぜん息に対して処方1 及び処方2 の薬剤を
使用していた。
(処方1 )

テルミサルタン錠の添付文書には、本態性高血圧症の患者にテルミサルタン
20 mg、40 mg 及び80 mg をカプセル剤もしくは溶液として単回経口投与したとき
の薬物動態パラメータが示されており、40 mg 以上の投与量で用量比以上の曝露の
上昇がみられた旨の記載がある。テルミサルタンの投与量と血中濃度時間曲線下面
積(AUC)の関係を示す図として、最も近いのはどれか。1つ選べ。
ただし、この薬物のAUC は剤形による影響を受けないものとする。

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4○
- 5✕
正答: 4
276-277 共通の設問
68 歳女性。15 年前、乳がんにより右乳房の切除術を受けた。再発なく経
過していたが、3 年前に腰痛が出現し、骨転移、胸膜転移及び右胸水を認めたた
め、再発と診断された。オピオイドによる疼痛管理が開始され、1 年前からは緩和
医療に移行し、処方1 及び処方2 の薬剤を使用していた。
(処方1 )


・フェンタニルクエン酸塩テープ(断面図)

ライナー
・フェンタニルクエン酸塩の化学構造及び性状
分子量:528.59(塩係数:1.57)
構造式:

性 状: 白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又は酢
酸(100)に溶けやすく、水又はエタノール(95)にや
や溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。

注2 ヒドロモルフォン塩酸塩徐放錠24 mg の組成及び性状
・有効成分: 1 錠中ヒドロモルフォン塩酸塩27.1 mg(ヒドロモルフォン
として24 mg)
・添加物: D–マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、
フマル酸ステアリルナトリウム
・剤形:素錠(徐放錠)

処方1 及び処方3 の薬剤に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕処方1 の薬剤は、定常状態で薬物を0 次放出する。処方1 の薬剤からの有効成分の吸収量は、貼付部位の温度が上昇すると増大する。
- 2○処方1 の薬剤の1 枚当たりの有効成分含量は、フェンタニルに換算して2.55 mg
である。 - 3○処方1 の薬剤からの有効成分の吸収量は、貼付部位の温度が上昇すると増大す
る。 - 4✕処方3 の薬剤は、シングルユニット型のリザーバー型製剤である。処方1 の薬剤の1 枚当たりの有効成分含量は、フェンタニルに換算して2.55 mgである。
- 5✕処方3 の薬剤は、初回分を処方1 の薬剤の剥離直後に服用する。処方3 の薬剤は、初回分を処方1 の薬剤の剥離後、一定時間経ってから服用する。
正答: 2・3
278-279 共通の設問
36 歳女性。糖尿病の家族歴あり。妊娠のため、近隣の産婦人科クリニック
を受診した。妊娠初期から定期的に血糖測定していたところ、血糖値の上昇傾向が
見られ、食事療法を行っていた。妊娠24 週時(妊娠中期)に実施した75 g ブドウ糖
負荷試験で、空腹時血糖値98 mg/dL、1 時間値192 mg/dL、2 時間値180 mg/dL
であったため、紹介された総合病院に管理入院し、食事療法に加えて、血糖自己測
定及びインスリン療法が導入された。
(処方1 )
インスリンデテミル(遺伝子組換え) 300 単位/3 mL 1 筒

処方1 の薬剤が持効性を示す機構として、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1✕インスリン分子を結晶化することで、溶解性を低下させた。インスリン分子に脂肪酸を結合させることで、血中でアルブミンと複合体を形成するようにした。
- 2✕投与後、皮下組織において、インスリン分子が安定した可溶性のマルチヘキサ
マーを形成するようにした。インスリン分子に脂肪酸を結合させることで、血中でアルブミンと複合体を形成するようにした。 - 3✕インスリン分子の等電点を改変することで、生理的なpH で微細な沈殿物を形
成するようにした。インスリン分子に脂肪酸を結合させることで、血中でアルブミンと複合体を形成するようにした。 - 4○インスリン分子に脂肪酸を結合させることで、血中でアルブミンと複合体を形
成するようにした。 - 5✕インスリン分子をプロタミン硫酸塩との複合体とすることで、溶解速度を低下
させた。インスリン分子に脂肪酸を結合させることで、血中でアルブミンと複合体を形成するようにした。
正答: 4
280-281 共通の設問
65 歳男性。身長165 cm、体重60 kg。腹痛及び背部痛を訴え、近医を受診
した。血中膵酵素及び腫瘍マーカー(CA19–9、CEA)が高値であったため、超音
波内視鏡検査を施行したところ、膵臓がんと診断された。治癒切除が不能と判断さ
れ、胆道ドレナージが施行された。その後、化学療法としてGnP 療法(ゲムシタ
ビン・nab–パクリタキセル併用療法)で治療を行うことになった。
レジメン(GnP)
点滴

処方1 の薬剤に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1○有効成分とアルブミンを可逆的に結合することによって、血中で速やかに崩壊
するナノ粒子とした。 - 2✕腫瘍組織への集積性を高めるために、有効成分を生分解性高分子でマイクロカ
プセル化した。有効成分とアルブミンを可逆的に結合することによって、血中で速やかに崩壊するナノ粒子とした。 - 3✕有効成分とアルブミンを共有結合することによって、血中滞留性を改善した。有効成分とアルブミンを可逆的に結合することによって、血中で速やかに崩壊するナノ粒子とした。
- 4✕アルコールと界面活性剤の添加によって、有効成分の溶解性を改善した。有効成分とアルブミンを可逆的に結合することによって、血中で速やかに崩壊するナノ粒子とした。
- 5✕アルブミンの添加により膠質浸透圧を調整することで、副作用である血管痛を
軽減した。有効成分とアルブミンを可逆的に結合することによって、血中で速やかに崩壊するナノ粒子とした。
正答: 1
282-283 共通の設問
65 歳男性。帯状疱疹の予防のためにワクチン接種を希望した。男性は、か
かりつけの病院で接種可能かを確認し、接種の予約を行った。接種の当日は平熱
で、問診の結果からワクチン接種が可能と判定され、以下のワクチン製剤の1 回目
の接種を行うことになった。
シングリックス筋注用(注) 1 バイアル(専用溶解用液0.5 mL 1 本添付)
1 回0.5 mL を筋肉内注射

を有効成分とする凍結乾燥製剤と専用溶解用液からなる。前者は、添加物と
して精製白糖及びポリソルベート80 等を含有する。後者は、グラム陰性菌
Salmonella minnesota R595 株のリポ多糖の非毒性型誘導体である3–脱アシ
ル化–4'–モノホスホリルリピッドA と精製キラヤサポニンを包含するリポ
ソームからなるアジュバントを含有する。

このワクチン製剤に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○専用溶解用液中の脂質粒子は、内水層を有する。
- 2✕ポリソルベート80 は、微生物の発育を阻止する目的で添加されている。ポリソルベート80 は、製剤中の成分を可溶化・乳化する目的で添加されている。
- 3✕精製白糖は、無痛化を目的に添加されている。精製白糖は、浸透圧の調整及び製剤の安定化を目的に添加されている。
- 4○凍結を避けて、2 ~8 °Cで保存する。
- 5✕血液中に移行後、製剤が徐々に分解されて有効成分を放出する。接種部位の細胞に取り込まれて有効成分が働くのであり、血液中に移行して製剤が徐々に分解・放出するものではない。
正答: 1・4
284-285 共通の設問
82 歳男性。夜中に咳込みが激しくなり、病院を受診したところ、気管支ぜ
ん息と診断され、処方1 の薬剤が処方された。薬剤師は吸入練習機を用いて吸入指
導を行い、薬剤を交付した。しかし、数日後、家族が薬局に来局し、「処方1 の薬
剤を吸入するとむせるようになり、吸入が困難になった」と話した。薬剤師が処方
医にこの情報を提供したところ、再診察を行い処方1 を処方2 に変更した。
(処方1 )
アニュイティ100 ng エリプタ30 吸入用(注1) 1 本
1 回2 吸入 1 日1 回 朝 吸入

入器(DPI)。1 吸入でフルチカゾンフランカルボン酸エステルとし
て100 ng を吸入できる。

(処方2 )
オルベスコ100 ng インヘラー56 吸入用(注2) 1 本
1 回1 吸入 1 日1 回 朝 吸入

レソニドとして100 ng を吸入できる。
処方1 と処方2 の薬剤に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕処方1 と処方2 の薬剤は、いずれも無菌試験法に適合する。処方1 と処方2 の薬剤は、いずれも無菌試験法への適合は求められない(吸入剤は無菌製剤ではない)。
- 2○処方1 と処方2 の薬剤は、いずれも吸入剤の空気力学的粒度測定法に適合す
る。 - 3✕処方1 の薬剤に用いられている容器は、薬剤を含むエアゾール缶、定量バルブ
とアクチュエーター等から構成される。処方2 の薬剤に用いられている容器は、薬剤を含むエアゾール缶、定量バルブとアクチュエーター等から構成される。 - 4✕処方2 の薬剤は、吸入量が一定となるように調製された固体粒子のエアゾール
として吸入する。処方1 の薬剤は、吸入量が一定となるように調製された固体粒子のエアゾールとして吸入する。 - 5○処方2 の薬剤には、耐圧性の密封容器が用いられる。
正答: 2・5