第110回 — 物理・化学・生物
演習モードで解く図はダニエル電池(Zn;ZnSO4(aq)CuSO4(aq);Cu)の模式図である。この電池
の標準起電力として正しいのはどれか。1つ選べ。
ただし、Zn とCu の半電池の標準電極電位はそれぞれ-0.763 V と+0.337 V
とする。

- 1✕+0.213 V
- 2✕+0.426 V
- 3○+1.100 V
- 4✕-0.426 V
- 5✕-1.100 V
正答: 3
熱力学における「閉じた系」において、熱、物質及び仕事のうち、外界とやりと
りができるものだけをすべて挙げたのはどれか。1つ選べ。
- 1✕熱
- 2✕物質
- 3✕仕事
- 4○熱、仕事
- 5✕物質、仕事
- 6✕熱、物質
正答: 4
難溶性塩である水酸化鉄(III)(Fe(OH)3)の純水中での溶解度をS mol/L とす
ると、その溶解度積(Ksp)を正しく表しているのはどれか。1つ選べ。
- 1✕3S3(mol/L)3
- 2✕4S3(mol/L)3
- 3✕9S3(mol/L)3
- 4✕9S4(mol/L)4
- 5○27S4(mol/L)4
正答: 5
スピン量子数が1/2 である原子核が外部磁場の中に置かれると、そのエネルギー
が2 つのエネルギー準位に分かれることを表しているのはどれか。1つ選べ。
- 1✕化学シフト
- 2✕McLafferty(マクラファティー)転位
- 3✕ラジカル開裂
- 4✕超微細分裂
- 5○ゼーマン分裂
正答: 5
溶媒中で解離しない薬物Xを50 mmol 含む水溶液100 mL に酢酸エチルを加えて
振とう、静置したところ、二液相に分相し、酢酸エチル相中のXは45 mmol で
あった。Xの分配係数(酢酸エチル相中の濃度/水相中の濃度)を18 とすると、酢
酸エチル相の体積はどれか。1つ選べ。
ただし、分配に用いる溶媒は互いの溶媒で飽和されており、水相の体積は
100 mL とする。
- 1○50 mL
- 2✕100 mL
- 3✕150 mL
- 4✕200 mL
- 5✕250 mL
正答: 1
以下のアルドヘキソースAのアノマーはどれか。1つ選べ。
1 2 3 4 5

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4○
- 5✕
正答: 4
以下の薬物に含まれる金属元素Mとして適切なのはどれか。1つ選べ。

H2N
- 1✕Li
- 2✕Mg
- 3○Al
- 4✕Ca
- 5✕Zn
正答: 3
以下の化合物のうち、最も酸性度が高いのはどれか。1つ選べ。

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5○
正答: 5
以下の化学種のうち、ベンジルカチオンが最も安定化されているのはどれか。
1つ選べ。
1 2 3 4 5

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4○
- 5✕
正答: 4
ビンクリスチンの生合成前駆体となるアミノ酸はどれか。1つ選べ。


CH3
H
CH3
ビンクリスチン
- 1✕オルニチン
- 2✕チロシン
- 3○トリプトファン
- 4✕フェニルアラニン
- 5✕リシン
正答: 3
血管平滑筋細胞を持たず血管内皮細胞と基底膜から構成され、栄養成分や老廃
物の物質交換が行われるのはどれか。1つ選べ。
- 1✕大動脈
- 2✕細動脈
- 3○毛細血管
- 4✕大静脈
- 5✕胸管
正答: 3
核酸に含まれるプリン塩基のヒトにおける最終代謝産物はどれか。1つ選べ。
O

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5○
正答: 5
真核生物において、転写開始の際にRNA ポリメラーゼIIの結合に必要なDNA
上の領域はどれか。1つ選べ。
- 1✕イントロン
- 2✕エクソン
- 3○プロモーター
- 4✕テロメア
- 5✕ターミネーター
正答: 3
オステオカルシンとカルシウムイオンが結合できるようにする、グルタミン酸
残基に対する翻訳後修飾はどれか。1つ選べ。
- 1✕アセチル化
- 2✕メチル化
- 3✕ミリストイル化
- 4✕リン酸化
- 5○カルボキシ化
正答: 5
ウイルスゲノムを中心としてその周囲を取り囲むタンパク質の壳はどれか。
1つ選べ。
- 1✕エンベロープ
- 2○カプシド
- 3✕コア
- 4✕スパイク
- 5✕ビリオン
正答: 2
理想気体からなる閉じた系における熱力学第一法則に関する記述として、正し
いのはどれか。2つ選べ。
- 1○定温過程において、系に加えられた熱量はすべて系がする仕事になる。
- 2○内部エネルギー変化は、系に加えられた熱量と系が外界からされた仕事の和で
表される。 - 3✕断熱過程において、系の体積が増加すると内部エネルギーも増加する。断熱過程において、系の体積が増加すると内部エネルギーは減少する。
- 4✕内部エネルギー変化は経路関数である熱と仕事からなり、それ自体も経路関数
である。内部エネルギー変化は経路関数である熱と仕事からなるが、それ自体は状態関数である。 - 5✕系が外界に対してする仕事は、不可逆過程の方が可逆過程より大きい。系が外界に対してする仕事は、可逆過程の方が不可逆過程より大きい。
正答: 1・2
ファントホッフプロットは直線を示す。このことに関する記述として正しいの
はどれか。2つ選べ。
- 1○温度の逆数に対して平衡定数の対数をプロットしたものである。
- 2✕切片から標準反応エンタルピーが求まる。傾きから標準反応エンタルピーが求まる。
- 3✕傾きから標準反応エントロピーが求まる。切片から標準反応エントロピーが求まる。
- 4○吸熱反応のとき、傾きは負である。
- 5✕傾きが正のとき、温度が上がるにつれて平衡定数は大きくなる。傾きが正のとき、温度が上がるにつれて平衡定数は小さくなる。
正答: 1・4
ボルツマン分布は、異なるエネルギー準位E1、E2(E2 2 E1)にある分子の数
をそれぞれN1、N2 としたとき、熱平衡状態における両者の比(R = N2/N1)とエ
ネルギー差(DE = E2 - E1)との間にある一定の関係を与える。この関係を表す
グラフの概形として正しいのはどれか。1つ選べ。

- 1✕
- 2✕
- 3○
- 4✕
- 5✕
正答: 3
次の酵素反応の反応速度v はミカエリス・メンテンの式に従う。

ただし、E は酵素、S は基質、ES はE とS の複合体、P は生成物を表し、ミカ
エリス定数をKm、最大反応速度をVmax とする。この反応に関する記述として、
正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○

- 2○

- 3✕[S]がKm の2 倍であるとき、v はVmax の1/4 となる。[S]がKm の2 倍であるとき、v はVmax の2/3 となる。
- 4✕Km は反応温度に依存しない。Km は反応温度に依存する。
- 5✕Km が小さいほどE とS の親和性は低い。Km が小さいほどE とS の親和性は高い。
正答: 1・2
放射性医薬品に汎用されるテクネチウム99mTc は、99Mo から放射平衡を利用し
てジェネレーターにより得られる。このことに関する記述として正しいのはどれ
か。2つ選べ。
- 1○放射平衡は、親核種の半減期が娘核種の半減期より十分長いときに成り立つ。
- 2✕99Mo と99mTc の間には永続平衡が成り立つ。99Mo と99mTc の間には過渡平衡が成り立つ。
- 3○99mTc の壊変形式は核異性体転移である。
- 4✕カラムから未壊変の99Mo を溶出する方法をミルキングという。カラムから99mTc を溶出する方法をミルキングという。
- 5✕カラムの担体には微量のTl を含むNaI の単結晶を用いる。カラムの担体には酸性アルミナ(酸化アルミニウム)を用いる。
正答: 1・3
28%アンモニア水を量り、水で全量500 mL とした後、その20 mL を正確に量
り、さらに水で全量1000 mL とした。この水溶液のpH を測定したところ、11.0
であった。28%アンモニア水の採取量に最も近いのはどれか。1つ選べ。
ただし、28%アンモニア水の比重d = 0.90、アンモニアの分子量NH3 = 17、
アンモニアの塩基解離定数Kb = 1.7 # 10-5 mol/L、水のイオン積[H+][OH-]=

- 1✕10 mL
- 2✕20 mL
- 3✕50 mL
- 4○100 mL
- 5✕200 mL
正答: 4
97-98 共通の設問
次の記述は、X 線造影剤として用いられる日本薬局方アミドトリゾ酸
(C11H9I3N2O4:613.91)の純度試験と定量法に関するものである。

O
アミドトリゾ酸
純度試験
芳香族第一アミン 本品0.20 g をとり、水5 mL 及び水酸化ナトリウム試液
1 mL を加えて溶かし、亜硝酸ナトリウム溶液(1 →100)4 mL 及び1 mol/L 塩
酸試液10 mL を加えて振り混ぜ、2 分間放置する。次にアミド硫酸アンモニウム
試液5 mL を加えてよく振り混ぜ、1 分間放置した後、1–ナフトールのエタノール
(95)溶液(1 →10)0.4 mL、水酸化ナトリウム試液15 mL 及び水を加えて正確
に50 mL とする。この液につき、同様に操作して得た空試験液を対照とし、紫外
可視吸光度測定法により試験を行うとき、波長485 nm における吸光度は0.15 以
下である。
定量法
本品約0.5 g を精密に量り、けん化フラスコに入れ、水酸化ナトリウム試液
40 mL に溶かし、亜鉛粉末1 g を加え、還流冷却器を付けて30 分間煮沸し、冷
後、ろ過する。フラスコ及びろ紙を水50 mL で洗い、洗液は先のろ液に合わせ
る。この液に酢酸(100)5 mL を加え、ア0.1 mol/L 硝酸銀液で滴定する(指示
薬:イテトラブロモフェノールフタレインエチルエステル試液1 mL)。ただし、滴

純度試験の操作を行って得られる芳香族第一アミンの許容限度に最も近いのは
どれか。1つ選べ。
ただし、芳香族第一アミンの本操作による呈色物の比吸光度E1cm(485 nm)は1%
475、層長は1 cm とする。
- 1✕0.040%
- 2○0.079%
- 3✕0.16%
- 4✕0.79%
- 5✕1.58%
正答: 2
定量法に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕本定量法の原理は、Volhard 法に基づいている。本定量法の原理は、Fajans(ファヤンス)法(吸着指示薬を用いる硝酸銀滴定)に基づいている。
- 2○下線部アの標準液は、0.1 mol/L チオシアン酸アンモニウム液の標定に用いら
れる。 - 3✕下線部イの指示薬の代わりにフルオレセインナトリウムを用いることができ
る。下線部イの指示薬の代わりにフルオレセインナトリウムを用いることはできない(ヨウ化物イオンを強く吸着し、終点が正しく検出されないため)。 - 4✕

- 5○

正答: 2・5
日本薬局方金チオリンゴ酸ナトリウムの定量法には原子吸光光度法が用いられ
る。このことに関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。なお、測定条件は
以下のとおりである。
測定条件

支燃性ガス 空気
ランプ: イ (波長242.8 nm)
- 1○

- 2✕

- 3✕原子化には冷蒸気方式が用いられる。原子化にはフレーム(火炎)方式が用いられる。
- 4○定量には、ランベルト・ベール(Lambert–Beer)の法則が適用される。
- 5✕金の原子スペクトルは、連続スペクトルである。金の原子スペクトルは、線スペクトルである。
正答: 1・4
フェノール、パラオキシ安息香酸及びトルエンを含む混合物試料を高速液体ク
ロマトグラフィー(HPLC)により分析した。このことに関する記述として正しい
のはどれか。2つ選べ。なお、HPLC の分析条件は以下のとおりである。
分析条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:270 nm)
カラム: 内径4.6 mm、長さ15 cm のステンレス管に粒径5 nm の液体クロマ
トグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:35 °C付近の一定温度
移動相:pH 7.0 の0.1 mol/L リン酸塩緩衝液/メタノール(3:1 )混液
- 1✕使用したHPLC は順相クロマトグラフィーである。使用したHPLC は逆相クロマトグラフィーである。
- 2○3 つの化合物のうち、最後に溶出するのはトルエンである。
- 3✕カラム温度を高くするとピーク高さは大きくなり、ピーク面積は減少する。カラム温度を高くすると保持時間は短くなる。
- 4○パラオキシ安息香酸の保持時間を長くするには、移動相中の緩衝液のpH を低
くする。 - 5✕トルエンの保持時間を長くするには、移動相中のメタノールの比率を高くす
る。トルエンの保持時間を長くするには、移動相中のメタノールの比率を低くする。
正答: 2・4
有機化合物A~Dが100 mg ずつ含まれるジエチルエーテル(エーテル)溶液
100 mL について、エーテルと同体積の各水溶液を用いて、分液ロートによる以下
の操作を行った。このとき分液操作2によって得られた水層には、有機化合物Dの
塩が主に含まれていた。有機化合物A~Dを分離する分液操作の組合せとして、最
も適切なのはどれか。1つ選べ。

A B C D

分液操作1

- 1✕ア イ ウ
- 2✕イ ウ ア
- 3✕ウ ア イ
- 4✕ア ウ イ
- 5✕イ ア ウ
- 6○ウ イ ア
正答: 6
以下の反応式のうち、右に示された主生成物が誤っているのはどれか。1つ選べ。
ただし、各反応はそれぞれ適切な溶媒を用いて行い、反応終了後、適切な後処理
を施したものとする。

- 1✕

- 2✕

- 3✕

- 4○

- 5✕

正答: 4
以下の反応で、生成物を与える電子移動を示す一連の矢印が正しいのはどれ
か。2つ選べ。

- 1✕

- 2✕

- 3○

- 4○

- 5✕

正答: 3・4
下図は、DNA の二重らせん構造の一部で、2 本のポリヌクレオチド鎖間で形
成される相補的塩基対を示している。以下の記述のうち、適切なのはどれか。2つ
選べ。
塩基イ

酸素原子エ

( は水素結合を示す。)
- 1✕塩基アのヘテロ環はピラジン環である。塩基アのヘテロ環はイミダゾール環を含むプリン骨格である。
- 2✕塩基イはウリジンである。塩基イはチミンである。
- 3✕矢印Aはポリヌクレオチド鎖ウの3ʼ→5ʼ末端の方向を指す。矢印Aはポリヌクレオチド鎖ウの5ʼ→3ʼ末端の方向を指す。
- 4○酸素原子エは水素結合受容体として機能する。
- 5○塩基アと塩基イの相補的塩基対は、平面状に形成される。
正答: 4・5
下図は、アセチルCoA が生合成される一連の反応を模式的に示している。以
下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

- 1○構造式アのMg2+ は、リン酸部位の陰イオンを電気的に中和し、リン原子の求
電子性を高めている。 - 2○矢印イで示した酸素原子は、酢酸イオンに由来する。
- 3✕アセチルCoA の点線で囲ったカルボニル基の炭素原子は、矢印ウの硫黄原子
を酸素原子に置換したものに比べて求電子性が低い。アセチルCoA の点線で囲ったカルボニル基の炭素原子は、矢印ウの硫黄原子を酸素原子に置換したものに比べて求電子性が高い。 - 4✕矢印エで示したリン原子は、5 価4 配位構造をもつキラル中心である。矢印エで示したリン原子は、5価4配位構造をもつがキラル中心ではない。
- 5✕アセチルCoA が生合成される過程において、CoA–SH のスルファニル基(チ
オール基)オは求核剤として作用し、SN2 反応によりアセチル化される。アセチルCoA が生合成される過程において、CoA–SH のスルファニル基(チオール基)オは求核剤として作用し、求核アシル置換(アシル基転移)反応によりアセチル化される。
正答: 1・2
下図に示すブレオマイシンA2 はDNA 鎖を切断することができる。このため
に必要な化学的性質として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

O イ ブレオマイシンA2
- 1○部分構造アにおけるFe(II)との配位能
- 2✕部分構造イにおけるMg(II)との配位能
- 3✕部分構造ウにおけるMg(II)との配位能
- 4✕部分構造エにおける光増感作用
- 5✕部分構造オにおけるFe(II)との配位能
正答: 1

を示し、特徴のあるアミノ酸残基を3 文字表記している。

インスリン

近年、インスリンの化学構造を部分的に改変することで、治療目的に沿った血糖
降下作用を発揮するインスリンアナログ製剤(1 ~5 )が開発されている。このう
ち、構造改変によりインスリンの等電点(pI 約5.4)を中性付近(pI 約6.7)に
近づけることにより、生理的pH で等電点沈殿を起こし、皮下で徐々に溶解、吸収
され、1 日1 回の皮下投与で安定した血糖降下作用を示すのはどれか。1つ選べ。
なお、各アナログ製剤の構造はインスリンと同様な方法で図示しており、図中の


- 1✕

- 2○

- 3✕

- 4✕

- 5✕

正答: 2
図は、アラニン誘導体Aの1H NMR スペクトル〔400 MHz、CDCl3、基準物質
はテトラメチルシラン(TMS)〕を示している。以下の記述のうち、正しいのはど
れか。2つ選べ。
なお、×印のシグナルはCDCl3 中に含まれるCHCl3 のプロトンに由来するシグ
ナルであり、fのピークは重水(D2O)を添加するとほぼ消失した。
キ

アラニン誘導体A

TMS
8.0 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0ppm
- 1✕ピークa、b、cのプロトン数の合計は6 である。ピークa、b、cのプロトン数の合計は6ではない。
- 2○ピークeに対応するプロトンはエであり、重水を加えると四重線(カルテッ
ト)となる。 - 3✕ピークgに対応するプロトンはカとキである。ピークgに対応するプロトンはカとキではない。
- 4○アのプロトンとカップリング(スピン–スピン結合)しているのは、ピークd
に対応するプロトンである。 - 5✕イのプロトンのピークは、コのプロトンのシグナルより高磁場側にある。イのプロトンのピークは、コのプロトンのシグナルより低磁場側にある。
正答: 2・4
下図はアコニチンの構造を示している。これを主要成分として含有する生薬A
に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

O H O
アコニチン
- 1✕アコニチンの骨格は、酢酸–マロン酸経路により生合成される。アコニチンの骨格は、アミノ酸経路(ジテルペンアルカロイド)により生合成される。
- 2○アコニチンの窒素原子は、アミノ酸由来ではない。
- 3○高圧蒸気処理などの修治によってアコニチンのエステルが加水分解されて、毒
性が低減する。 - 4✕生薬Aはナス科植物の根を基原とする。生薬Aはキンポウゲ科植物の根を基原とする。
- 5✕生薬Aを含む処方は、体力が充実している患者に適応される。生薬A(ブシ・トリカブト)を含む処方は、体力が衰えている患者に適応される。
正答: 2・3
以下の漢方処方が示す作用と、それに主に関与する構成生薬との組合せのう
ち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
処方名と作用 主に関与する構成生薬
- 1✕六君子湯の補気作用 ニンジン
- 2✕桂枝茯苓丸の駆瘀血作用 トウニン
- 3✕加味逍遙散の補血作用 トウキ
- 4○葛根湯の発汗作用 シャクヤク
- 5✕五苓散の利水作用 ブクリョウ
正答: 4
心筋の興奮と収縮に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○洞房結節に生じた電気的興奮は、心房内を伝わり房室結節を経て心室筋へと伝
わる。 - 2✕電位依存性K+ チャネルの活性化により、心室筋に脱分極が生じる。電位依存性Na+ チャネルの活性化により、心室筋に脱分極が生じる。
- 3○心室筋の脱分極に伴って増加した細胞内のCa2+ がトロポニンに結合すること
によって、心室筋が収縮する。 - 4✕心室筋の脱分極によって、P 波が心電図に記録される。心室筋の脱分極によって、QRS波が心電図に記録される。
- 5✕心拍数を増加させる心臓血管中枢からのシグナルは、迷走神経を介して伝わる。心拍数を増加させる心臓血管中枢からのシグナルは、交感神経を介して伝わる。
正答: 1・3
甲状腺ホルモン(T3、T4)はヨウ素を含むアミノ酸誘導体であるが、アミノ酸
から直接作られるのではない。甲状腺濾胞における生合成過程では、タンパク質の
チログロブリンが前駆物質となる。下図は、甲状腺濾胞においてT3、T4 が作られ
るまでに、チログロブリンが移動する流れを示したものである。チログロブリンは
甲状腺濾胞上皮細胞で作られてからコロイド中に分泌され、再び甲状腺濾胞上皮細
胞に取り込まれ、最終的にT3、T4 が濾胞外に分泌される。図中の1 ~5 のうち、
チログロブリンのヨウ素化反応が行われる場所はどれか。1つ選べ。

- 1✕
- 2✕
- 3○
- 4✕
- 5✕
正答: 3
幹細胞に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕造血幹細胞は、単能性幹細胞である。造血幹細胞は、多能性幹細胞である。
- 2✕組織幹細胞は、非対称な細胞分裂をしない。組織幹細胞は、非対称な細胞分裂をする。
- 3○人工多能性幹細胞(iPS 細胞)は、成体の体細胞に複数の遺伝子を導入し、分
化状態を初期化することにより作製される。 - 4○胚性幹細胞(ES 細胞)は、初期胚の内部細胞塊から樹立される。
- 5✕ES 細胞は、全能性を持つ。ES 細胞は、多能性(分化多能性)を持つ(全能性ではない)。
正答: 3・4
ヒトにおける脂肪酸の生合成に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選
べ。
- 1✕ミトコンドリアで行われる。細胞質(細胞質基質)で行われる。
- 2✕アシル鎖の伸長過程で、補酵素としてNADH が利用される。アシル鎖の伸長過程で、補酵素としてNADPH が利用される。
- 3○クエン酸により促進される。
- 4✕アセチルCoA を前駆物質としてリノール酸が合成される。アセチルCoA を前駆物質としてパルミチン酸が合成される。
- 5○アセチルCoA をマロニルCoA に転換する反応が律速段階である。
正答: 3・5
コラーゲンは、下図に示すように、ポリペプチド鎖(コラーゲン単量体)の
3 本が、らせん状に絡み合って三重らせん構造(コラーゲン三量体)を形成する。
図上段に示すように、単量体ポリペプチド鎖のアミノ酸配列では、3 個おきにグリ
シン残基(Gly)が配置する。Xはプロリン(Pro)の翻訳後修飾で生じたアミノ
酸である。このコラーゲンに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
コラーゲン単量体

コラーゲン三量体
- 1✕コラーゲンの三重らせん構造は、a–ヘリックスである。コラーゲンの三重らせん構造は、α–ヘリックスではなくグリシンを3残基ごとに含む独特の左巻きらせんである。
- 2○Xは、ヒドロキシ化されたプロリンである。
- 3○グリシン残基が繰り返し存在することが、三重らせん構造の形成に重要であ
る。 - 4✕ビタミンC は、コラーゲン産生細胞の核内に入り、コラーゲン遺伝子の転写を
促進する。ビタミンC は、コラーゲンのプロリン・リシン残基のヒドロキシル化酵素の補助因子として働く。 - 5✕コラーゲン三量体は、細胞内の細胞骨格を構成することにより組織の強度を保
つ。コラーゲン三量体は、細胞外マトリックスを構成することにより組織の強度を保つ。
正答: 2・3
図1 に示すDNA の塩基配列は、ある遺伝子のセンス鎖の一部で、転写・翻訳
されるときの読み枠は配列の下に示されている。この塩基配列中*印のシトシン残
基2 ケ所に脱アミノ反応が生じた。変化したヌクレオチド残基が修復されずに塩基
配列の変異が2 ケ所とも固定した。ただし、フレームシフト変異は起きていない。
変異したDNA が転写・翻訳されてできるタンパク質の当該部分のアミノ酸配列は
どれか。1つ選べ。
図2 にコドン対応表を示す。

- 1✕Thr–Glu–Arg
- 2○Ile–Glu–Cys
- 3✕Thr–Glu–Cys
- 4✕Leu–Glu–Trp
- 5✕Ile–Glu–Arg
正答: 2
細胞周期は有糸分裂と細胞質分裂が起こる分裂期(M 期)と間期に分けられ、
間期はさらにG1 期、S 期、G2 期に分けられる。増殖中の細胞集団の細胞に対し
て、DNA 結合性蛍光色素で細胞を標識した。このとき蛍光強度は細胞内DNA 量
を反映する。個々の細胞の蛍光強度を測定したところ、相対蛍光強度と細胞数の関
係は下図のようになった。G2 期の細胞はどこに分布するか。1つ選べ。

細胞数
1 2
相対蛍光強度
- 1✕領域A
- 2✕領域B
- 3○領域C
- 4✕領域Aと領域B
- 5✕領域Aと領域C
正答: 3
マクロファージをリポ多糖で刺激して得た培養液を採取し、この培養液中のサ
イトカインXの濃度をサンドイッチELISA(Enzyme–linked immunosorbent assay)
法で定量することにした。各試料をマイクロプレートに採取し反応を行った後、
450 nm の吸光度を測定した。サイトカインXの標準物質を用いて標準曲線(検量
線)を作成したところ、下図のようになった。この測定に関する記述として適切な
のはどれか。2つ選べ。
標準曲線(検量線)
1

吸光度(測定波長:450 nm)0.8
0.6
0.4
0.2
0
- 1○この培養液の測定値が吸光度1.5 であった場合、培養液を希釈して再測定する
ことが必要である。 - 2✕10 倍希釈した培養液の測定値が吸光度0.6 である場合、もとの培養液中のサイ
トカインX濃度は約600 pg/mL である。10 倍希釈した培養液の測定値が吸光度0.6 である場合、もとの培養液中のサイトカインX濃度は約6000 pg/mL である。 - 3✕培養液に含まれる別のサイトカインYを測定するためには、サイトカインXの
測定とすべて同じ抗体を利用できる。培養液に含まれる別のサイトカインYを測定するためには、サイトカインXの測定と異なる抗体を利用する必要がある。 - 4○サンドイッチELISA 法では抗原に対する2 種類の抗体が使われるが、それぞ
れの抗体が認識するエピトープは異なる。 - 5✕この培養液の測定で発色が検出限界以下だった場合、標準曲線(検量線)の測
定の場合よりも反応時間を長めにしてもよい。この培養液の測定で発色が検出限界以下だった場合、培養液を濃縮する等の対応が必要であり、反応時間を長めにするのは適切でない。
正答: 1・4
細菌毒素に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
いずれか2つ選択で正解(※)
- 1○リポ多糖は、グラム陰性菌外膜の構成成分であり、多糖部位に免疫刺激作用が
ある。 - 2✕スーパー抗原は、B 細胞受容体と非特異的に結合して抗体産生を抑制する。スーパー抗原は、T細胞受容体に非特異的に結合してT細胞を大量に活性化する。
- 3○ストレプトリジンO は、化膿レンサ球菌から産生され、コレステロールと結
合して宿主の細胞膜に孔をあける。 - 4✕ベロ毒素は、百日咳菌から産生され、咽頭粘膜と結合して偽膜を形成する。ベロ毒素は、腸管出血性大腸菌(O157等)から産生され、宿主細胞の蛋白質合成を阻害する。
- 5○破傷風毒素は、運動神経の終末部から取り込まれ、脊髄まで運ばれる。
正答: 1・3・5
120-121 共通の設問
ナイアシンに関する以下の問いに答えよ。
ナイアシンから合成される下図の補酵素について、正しいのはどれか。2つ選
べ。

NH2
- 1✕酸化型の構造を示している。還元型の構造を示している。
- 2○340 nm の吸収極大を有する。
- 3○3–ヒドロキシ–3–メチルグルタリルCoA(HMG–CoA)からメバロン酸を産生
する反応に関与する。 - 4✕ピルビン酸からアセチルCoA を産生する反応に関与する。ピルビン酸からアセチルCoA を産生する反応に関与するのはNAD+(図のNADPHではない)である。
- 5✕ミトコンドリア内膜上での電子の受け渡しに関与する。ミトコンドリア内膜上での電子の受け渡しに関与するのはNADH 等であり、図のNADPHは還元的生合成反応に用いられる。
正答: 2・3
196-197 共通の設問
70 歳男性。陳旧性心筋梗塞、胆管結石の既往歴があり、交通外傷で救急搬
送され、入院となった。
入院直後に、心室細動、心肺停止となり院内急変対応チームが対応し、心肺蘇生
を行ったところ心拍は再開した。その時、バイタルサインは体温34.5 °C、血圧
86/50 mmHg、心拍113 拍/分、呼吸数27 回/分で、超音波検査等を実施し、外傷
による出血性ショックの診断となった。気管挿管後人工呼吸器管理とし、緊急輸血
を行い、生理食塩液とアドレナリン注1 mg を投与した。
生理食塩液の持続投与下で動脈血液ガス等を確認した結果、医師は8.4 w/v%炭
酸水素ナトリウム(NaHCO3)注射液の点滴を開始した。点滴開始から90 分後に
状態の改善を認めた。8.4 w/v%NaHCO3 注射液点滴開始前と点滴開始から90 分
後の動脈血液ガス等は以下のとおりであった。
(動脈血液ガス)

血液中HCO3- について、NaHCO3 注射液の点滴開始前の物質量と開始90 分後の
物質量の差は8.4 w/v%NaHCO3 注射液何mL に相当するか。1つ選べ。ただ
し、この患者の血液の体積を5.0 L とし、点滴による変化や代謝等は考慮しないも
のとする。また、NaHCO3 の式量を84 とする。
- 1✕24 mL
- 2✕48 mL
- 3✕63 mL
- 4○87 mL
- 5✕102 mL
正答: 4
198-199 共通の設問
38 歳女性。アレルギー性鼻炎で近医を受診し、処方1 による治療を受けて
いた。しかし、薬剤師は処方1 の薬剤の供給が不安定になったとの情報を得たた
め、医師と他剤への変更を検討し、処方1 は処方2 へ変更された。なお、処方1 の
薬剤と処方2 の薬剤は、添加剤が同じものを調剤した。
(処方1 )

セチリジン塩酸塩はそのR–エナンチオマーとS–エナンチオマーのラセミ体で、
旋光性は示さない。一方、レボセチリジン塩酸塩はR–エナンチオマーであり、旋
光性を示し、比旋光度[a]D = +10.80°である。いま、レボセチリジン塩酸塩を25
含む原末1.00 g を量り、水に溶かして全量200 mL とし、層長100 mm の測定管を
用いて温度25 °Cで旋光度aD を測定したところ、+0.052°であった。この原末中
のレボセチリジン塩酸塩の含量に最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、原末中
にはR–エナンチオマー以外に旋光性を示す物質は含まないものとする。
- 1✕92.2%
- 2✕94.1%
- 3○96.3%
- 4✕98.4%
- 5✕100.7%
正答: 3
200-201 共通の設問
45 歳女性。慢性的に片頭痛を繰り返しており、現在、処方1 及び2 の薬剤
を服用している。
病院再診時、患者の片頭痛日誌を確認したところ、月4 回以上通勤できないほど
の片頭痛発作があった。医師は処方2 の薬剤を変更するため、病院薬剤師に薬剤の
選択について意見を求めた。
(処方1 )

スマトリプタンはセロトニン(5–HT)受容体のアゴニストとして薬効を発揮す
るが、受容体のサブタイプによって結合の強さが異なる。3H 標識した5–HT を用
いた結合実験により、スマトリプタンはヒト5–HT 受容体のうち5–HT1D 受容体と
最も強く結合することがわかっている。スマトリプタンが結合していない5–HT1D
受容体をR、スマトリプタンの遊離形をS、スマトリプタンと5–HT1D 受容体の結
合形をRS とし、R とS は次のように1:1 で反応するものとする。

スマトリプタンの総濃度([S]+[RS])と5–HT1D 受容体の総濃度([R]+[RS])
がともに100 nmol/L であるとき、5–HT1D 受容体のうちスマトリプタンが結合し
た割合が0.80 とすると、この反応の解離定数Kd に最も近いのはどれか。1つ選
べ。
- 1✕0.20 nmol/L
- 2✕0.80 nmol/L
- 3○5.0 nmol/L
- 4✕80 nmol/L
- 5✕100 nmol/L
正答: 3
202-203 共通の設問
4 歳男児。体重14 kg。事故で低酸素脳症となり大学病院に入院していた
が退院し、在宅で人工呼吸器と胃瘻及び導尿による管理を行っている。脳下垂体機
能不全に対しては3 ケ月に1 回、大学病院の内分泌・代謝内科を外来受診すること
になっており、初回受診時に、以下の薬剤が処方された。
(処方1 )

処方2 の薬剤は製造過程で水溶液を凍結乾燥して調製される。水の状態図中に記
された状態変化のうち、凍結乾燥の過程における水の状態変化を正しく表している
のはどれか。1つ選べ。ただし、状態変化はAからBへ矢印の方向に起こるものと
する。

- 1✕
- 2✕
- 3○
- 4✕
- 5✕
正答: 3
204-207 共通の設問
体育の新任教諭が初めてプール水の遊離残留塩素とpH を測定することに
なった。学校薬剤師は測定にあたっての留意点について新任教諭から問合せを受け
た。
pH 計に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕参照電極にはガラス電極を用いる。参照電極には銀–塩化銀電極(またはカロメル電極)を用いる。
- 2○指示電極の電位はネルンストの式に従う。
- 3✕測定されるpH は温度の影響を受けない。測定されるpH は温度の影響を受ける。
- 4○校正されたpH 計の電位を基準としてプール水のpH が測定される。
- 5✕参照電極の内部液には飽和塩化アンモニウム水溶液が用いられる。参照電極の内部液には飽和塩化カリウム水溶液が用いられる。
正答: 2・4
208-209 共通の設問
84 歳男性。息子と二人暮らし。長年、近隣のクリニックで高血圧症と頻
脈、アレルギー性鼻炎のため、処方1 による薬物治療を受けていた。
(処方1 )

処方2 に含まれる薬物は、下図のように、アセチルコリンエステラーゼの活性中
心のセリン残基と反応し、共有結合中間体を形成する。

O
共有結合中間体の構造として、正しいのはどれか。1つ選べ。

- 1○
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5✕
正答: 1
210-211 共通の設問
86 歳女性。高血圧症と2 型糖尿病。フレイルによる通院困難のため、多職
種の訪問による自宅でのケアと処方1 による薬物治療を受けていた。訪問医から病
院の循環器科での検査入院を勧められ、心房細動の診断を受け、ワルファリンカリ
ウムによる治療が開始された。退院後、娘が以下の処方箋を持って薬局を訪れた。
(処方1 )

処方2 に含まれる薬物は、下図のように、還元酵素Aを阻害することで、血液凝
固系が機能するために必須な補酵素イが化合物アから生成されるのを抑制する。
化合物ア

補酵素イ
化合物アの構造として適切なのはどれか。1つ選べ。

- 1✕

- 2✕

- 3✕

- 4○

- 5✕

正答: 4
212-213 共通の設問
31 歳女性。1 ケ月前に粘血便、下痢が出現したため近所の消化器内科を受
診し、大腸内視鏡検査により全大腸炎型潰瘍性大腸炎と診断された。医師との面談
で、患者が安価な治療を望んだため、処方1 による治療が開始され症状は改善し
た。その後、病状が安定していたが、たびたびめまいや頭痛が生じたとの訴えが
あったため、医師は処方1 を処方2 へ変更し、患者が処方2 の処方箋を持って薬局
を訪れた。
(処方1 )

処方1 の薬物は、大腸へ到達後、下図のように、腸内細菌により代謝(還元)さ
れて効果を示す。

OH
処方1 の薬物
全大腸炎型潰瘍性大腸炎に有効な主たる活性成分の構造はどれか。1つ選べ。

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5○
正答: 5
214-215 共通の設問
52 歳男性。身長167 cm、体重56 kg。最近、右首のくぼみあたりに腫れや
しこりがあり、近医を受診した。医師の診察により、頸部リンパ節腫大を認めたた
め、医師は精査目的で地域医療支援病院の血液内科を紹介した。病変部位の生検の
結果、ホジキンリンパ腫と診断された。3 日後からABVD 療法を開始する予定で
ある。
(ABVD 療法)

処方4 の薬物はプロドラッグであり、代謝物がDNA と共有結合を形成して抗腫
瘍効果を示す。以下の代謝経路に示す化合物のうち、DNA 塩基による求核置換反
応を受け、薬効を示す活性本体として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

E C
(Dの対アニオンは省略している。)
- 1✕A
- 2✕B
- 3✕C
- 4○D
- 5✕E
正答: 4
216-217 共通の設問
保険薬局に勤務している薬剤師が、看護学校の講師を担当することになっ
た。講義では、植物に含まれている麻薬成分が医療用麻薬として使用されているこ
とを紹介することにした。最近、高度のがん疼痛のある患者が、その初回の服薬を
躊躇した事例を経験したことから、その場合の対応や、現場での医療用麻薬の有効
な使い方についても講義しようと考えている。患者が服薬を躊躇した事例の処方薬
は、モルヒネ塩酸塩水和物徐放性カプセルとモルヒネ塩酸塩水和物内用液であっ
た。
また、講義ではモルヒネと同じ植物に含まれる麻薬成分である化合物Xについて
も紹介し、化合物Xは一般用医薬品の鎮咳薬としても利用され、一部ではその濫用
が問題になっていることを述べることにした。化合物Xの化学構造式と、その基原
となる植物写真の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。

- 1✕A ア
- 2✕B ア
- 3✕C ア
- 4○A イ
- 5✕B イ
- 6✕C イ
正答: 4
218-219 共通の設問
36 歳男性。一昨日食事会があり中華料理とアルコールを摂取した。昨日か
ら胸やけと胃の痛みがあり、まだ治まらなかったので、一般用医薬品の購入を希望
し来局した。薬剤師は以下の成分を含む医薬品を提案した。男性はこの薬の成分、
副作用や飲み方などについての詳しい説明を求めた。
<提案した一般用医薬品に含まれる成分>
ピレンゼピン塩酸塩水和物
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
炭酸水素ナトリウム
ビオヂアスターゼ2000
この患者の胸やけや胃の痛みにつながった可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
- 1○胃酸が下部食道壁を刺激している。
- 2✕胃腺の壁細胞からの胃酸分泌が減少している。胃腺の壁細胞からの胃酸分泌が増加している。
- 3✕胃粘膜表面を覆う粘液の分泌が増加している。胃粘膜表面を覆う粘液の分泌が減少している。
- 4○胃内でアセチルコリンやヒスタミンの分泌量が増加している。
- 5✕幽門括約筋が拡張し、胃内容物の排出が促進されている。下部食道括約筋が弛緩し、胃内容物の食道への逆流が起こっている。
正答: 1・4
220-221 共通の設問
40 歳女性。全身倦怠感が続いたため、近医を受診した。血液検査の結果は
以下のとおりであった。
(血液検査)
赤血球424 # 104/nL、白血球4,800/nL、
Hb 9.0 g/dL、Ht(ヘマトクリット)32.5%、
MCV(平均赤血球容積)76.7 fL(基準値80~100 fL)、
MCH(平均赤血球血色素量)21.2 pg(基準値27~34 pg)、
MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)27.7%(基準値30~35%)、
フェリチン4.2 ng/mL(基準値5 ~157 ng/mL)、
総鉄結合能(TIBC)550 ng/dL(基準値250~460 ng/dL)、

この検査結果を受け、医師から以下の薬が処方された。
(処方)
クエン酸第一鉄ナトリウム錠50 mg 1 回2 錠(1 日4 錠)
1 日2 回 朝夕食後 14 日分
この患者に当てはまるのはどれか。2つ選べ。
- 1✕

- 2○血清フェリチン値が基準値より低いことから、貯蔵鉄が不足している。
- 3✕血中トランスフェリン濃度は、基準値よりも低い。血中トランスフェリン濃度は、基準値よりも高い。
- 4✕服用した鉄剤は、3 価の鉄イオンとして輸送体により腸管から吸収される。服用した鉄剤は、2 価の鉄イオンとして輸送体により腸管から吸収される。
- 5○消化管から吸収された鉄により、まず血清鉄量が増加し、遅れて貯蔵鉄量が増
加する。
正答: 2・5
222-223 共通の設問
68 歳男性。パーキンソン病及びうつ病の治療のため継続して薬剤を服用
し、パーキンソン病の症状は軽快していたが、1 ケ月前より時間帯によって歩くこ
とができたりできなかったりする症状が認められ、生活に支障をきたすようになっ
た。薬の調節とリハビリテーションを行う目的で4 週間の入院となった。
(入院時持参薬)
レボドパ100 mg・カルビドパ配合錠
ペルゴリドメシル酸塩錠250 ng
パロキセチン錠20 mg
下図に示すように、レボドパは、末梢で酵素Aが触媒する反応によってドパミン
に、カテコール–O–メチルトランスフェラーゼ(COMT)によるメチル化によって
代謝物Bに変換される。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

- 1✕レボドパは、ラセミ体である。レボドパは、L-エナンチオマー(光学活性体)である。
- 2✕酵素Aによる反応は、アミノ基転移反応である。酵素Aによる反応は、脱炭酸反応である。
- 3○酵素Aによる反応は、ビタミンB6 に由来する補酵素によって促進される。
- 4✕レボドパよりもドパミンの方が、脳内へ移行しやすい。レボドパよりもドパミンの方が、脳内へ移行しにくい。
- 5○代謝物Bは、レボドパ分子内のヒドロキシ基がメチル化されたものである。
正答: 3・5
224-225 共通の設問
55 歳女性。身長162 cm、体重51 kg。腹痛と微熱が続くため総合病院内科
を受診した。来院時の体温37.6 °C。血液検査で炎症所見、及び左下腹部に圧痛を
ともなう腫瘤が認められたため精査目的で入院となり、直腸がんStage IVb と診断
された。コンパニオン診断が実施され、その結果をもとにmFOLFOX6 (レボホ
リナート、フルオロウラシル、オキサリプラチン)にセツキシマブを組合せた治療
を実施する方針となった。
前問で参照された検査項目で確かめられたのはどれか。1つ選べ。
- 1✕特定のがん遺伝子が存在すること。特定のがん原遺伝子に変異が存在しないこと。
- 2✕特定のがん抑制遺伝子に変異が存在すること。特定のがん原遺伝子に変異が存在しないこと。
- 3○特定のがん原遺伝子(注)に変異が存在しないこと。
- 4✕特定の薬物代謝酵素遺伝子の一塩基多型のタイプが存在すること。特定のがん原遺伝子に変異が存在しないこと。
- 5✕転座した異常染色体が存在すること。
(注)がん原遺伝子:原がん遺伝子ともいう特定のがん原遺伝子に変異が存在しないこと。
正答: 3
226-227 共通の設問
34 歳女性。この女性の12 歳の娘に市からヒトパピローマウイルス
(HPV)ワクチン接種についてのお知らせが届いた。娘はHPV ワクチンの接種歴
がない。この女性はHPV ワクチンの説明を聞くため、市から送られた下の成分表
を含む資料を持って娘と一緒にかかりつけ薬局に来局した。そのHPV ワクチンの
成分、投与方法、そして免疫応答を高める成分(アジュバント)が入っていること
などを、下の成分表を確認しながら薬剤師が説明した。
HPV ワクチンの成分表

このワクチンに含まれる添加物に関する記述として、誤っているのはどれか。
1つ選べ。
- 1✕添加物Aは、細菌由来成分の誘導体である。
- 2✕添加物Aと添加物Bは、ともにアジュバントである。
- 3✕添加物Bは、抗原を吸着し、投与部位での抗原の滞留時間を延ばす。
- 4✕添加物Aは、抗原提示細胞の抗原提示機能を促進する。
- 5○添加物Aと添加物Bは、ともに自然免疫応答を抑制し、獲得免疫応答を促進す
る。
正答: 5