第108回 — 薬剤
演習モードで解く担体介在輸送がミカエリス・メンテン(Michaelis–Menten)式に従うとき、薬
物の輸送速度(v)を表す式はどれか。1つ選べ。ただし、薬物濃度をC、最大輸
送速度をVmax、ミカエリス定数をKm とする。
- 1✕Vmax +C
Km - 2✕Vmax + C
Km + C - 3✕1
Vmax +
Km・C - 4✕Vmax・C
Km - 5○Vmax・C
Km + C
正答: 5
胃内容排出速度を低下させる薬物はどれか。1つ選べ。
- 1✕リボフラビン
- 2○プロパンテリン
- 3✕メトクロプラミド
- 4✕ドンペリドン
- 5✕モサプリド
正答: 2
血液脳関門の実体である細胞はどれか。1つ選べ。
- 1✕神経細胞
- 2✕周皮細胞(ペリサイト)
- 3✕星状膠細胞(アストロサイト)
- 4✕脈絡叢上皮細胞
- 5○脳毛細血管内皮細胞
正答: 5
カルボキシルエステラーゼにより加水分解を受ける薬物はどれか。1つ選べ。

5 モルヒネ

HN

- 1○
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5✕
正答: 1
イヌリンの主な腎排泄過程として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 1○糸球体ろ過
- 2✕近位尿細管における分泌
- 3✕近位尿細管における再吸収
- 4✕遠位尿細管における分泌
- 5✕遠位尿細管における再吸収
正答: 1
線形1–コンパートメントモデルに従う薬物を静脈内投与したとき、投与量に比
例するパラメータはどれか。1つ選べ。
- 1✕分布容積
- 2✕消失半減期
- 3✕消失速度定数
- 4✕全身クリアランス
- 5○血中濃度時間曲線下面積
正答: 5
肝代謝型の薬物はどれか。1つ選べ。
- 1✕セファクロル
- 2✕ゲンタマイシン
- 3✕メトトレキサート
- 4○プロプラノロール
- 5✕レボフロキサシン
正答: 4
薬物血中濃度を指標とした治療薬物モニタリング(TDM)の対象とならないの
はどれか。1つ選べ。
- 1✕ジゴキシン
- 2○メトホルミン
- 3✕バルプロ酸
- 4✕リチウム
- 5✕バンコマイシン
正答: 2
粉体の流動性を改善するために、大きくすべき物性値はどれか。1つ選べ。
- 1✕かさ比容積
- 2✕安息角
- 3○かさ密度
- 4✕内部摩擦係数
- 5✕空隙率
正答: 3
ダイラタント流動を示すのはどれか。1つ選べ。
- 1✕カルメロースナトリウム溶液
- 2✕チンク油
- 3✕グリセリン
- 4○デンプン濃厚水性懸濁液
- 5✕ヒマシ油
正答: 4
口腔内で徐々に溶解又は崩壊させ、口腔、咽頭などの局所に適用する口腔用錠
剤はどれか。1つ選べ。
- 1✕舌下錠
- 2✕付着錠
- 3✕バッカル錠
- 4○トローチ剤
- 5✕ガム剤
正答: 4
吸入粉末剤に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1✕定量噴霧式である。固体粒子のエアゾールとして吸入する。
- 2○固体粒子のエアゾールとして吸入する。
- 3✕噴射剤が充填されている。固体粒子のエアゾールとして吸入する。
- 4✕容器は、通例、密封容器とする。固体粒子のエアゾールとして吸入する。
- 5✕ネブライザーが適用される。固体粒子のエアゾールとして吸入する。
正答: 2
o/w 型の乳剤性基剤はどれか。1つ選べ。
- 1✕白色軟膏
- 2✕親水ワセリン
- 3○親水クリーム
- 4✕単軟膏
- 5✕マクロゴール軟膏
正答: 3
受動的ターゲティングを目的とする製剤はどれか。1つ選べ。
- 1✕乳酸・グリコール酸共重合体微粒子製剤
- 2✕浸透圧ポンプ型製剤
- 3○ポリエチレングリコール修飾リポソーム製剤
- 4✕抗体薬物複合体製剤
- 5✕リザーバー型経皮吸収型製剤
正答: 3
皮膚表面に微細な針で小孔を形成することにより、高分子薬物の経皮吸収性を
改善する手法はどれか。1つ選べ。
- 1○マイクロニードル
- 2✕イオントフォレシス
- 3✕エレクトロポレーション
- 4✕ソノフォレシス
- 5✕ジェットインジェクション
正答: 1
薬物の消化管吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1✕小腸下部から吸収された薬物は門脈を介さずに全身循環へ移行する。小腸下部から吸収された薬物は門脈を介して肝臓へ移行する。
- 2✕P–糖タンパク質に認識される薬物の消化管からの吸収速度定数は、薬物の脂溶
性と吸収速度定数との相関から推定される値よりも大きい。P–糖タンパク質に認識される薬物の消化管からの吸収速度定数は、薬物の脂溶性と吸収速度定数との相関から推定される値よりも小さい。 - 3✕食後に薬物を投与すると胃内容排出速度が上昇するため、薬物の最高血中濃度
到達時間は早くなる。食後に薬物を投与すると胃内容排出速度が低下するため、薬物の最高血中濃度到達時間は遅くなる。 - 4○脂溶性の高い薬物は、小腸吸収過程において非撹拌水層の影響を受けやすい。
- 5✕消化管粘膜表面のpH は消化管管腔内のpH よりも低いため、弱酸性薬物の消
化管からの吸収量は、管腔内pH から予想される量よりも少ない。弱酸性薬物の消化管からの吸収量は、管腔内pH から予想される量よりも多い。
正答: 4
血漿タンパク質と、血漿タンパク質と薬物の結合に関する記述のうち、正しい
のはどれか。2つ選べ。
- 1✕血漿タンパク質と薬物の結合は、通常、共有結合である。血漿タンパク質と薬物の結合は、通常、非共有結合(可逆的結合)である。
- 2✕血漿タンパク質のうち、最も多く存在するのがc–グロブリンである。血漿タンパク質のうち、最も多く存在するのがアルブミンである。
- 3✕血漿タンパク質のうち、a1–酸性糖タンパク質は多くの酸性薬物と結合する。血漿タンパク質のうち、α1–酸性糖タンパク質は多くの塩基性薬物と結合する。
- 4○血漿アルブミン濃度は肝硬変で低下し、血漿中の薬物の非結合形の割合が増加
する。 - 5○併用薬により血漿タンパク結合の競合阻害を受けた薬物は、単独投与の場合と
比較して組織への分布量が増加する。
正答: 4・5
薬物のリンパ系への移行に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○消化管からリンパ系を介して吸収された薬物は、肝初回通過効果を受けずに全
身循環系に到達する。 - 2○リンパ系に移行した薬物は、血液循環系へ移行した薬物に比べてゆっくりと全
身に分布する。 - 3✕毛細リンパ管内皮細胞は密着結合を形成しているため、分子量の小さい薬物の
方が透過しやすい。毛細リンパ管内皮細胞は粗い間隙を有しているため、分子量の大きい薬物でも透過しやすい。 - 4✕皮下投与された抗体医薬品は、リンパ系へ移行しにくい。皮下投与された抗体医薬品は、リンパ系へ移行しやすい。
- 5✕リンパ系に移行した薬物は、胸管リンパを経て肺動脈に入り、全身循環血を介
して体内に分布する。リンパ系に移行した薬物は、胸管リンパを経て静脈(鎖骨下静脈)に入り、全身循環血を介して体内に分布する。
正答: 1・2
プロドラッグとその親化合物及びプロドラッグ化の目的の組合せとして、正し
いのはどれか。2つ選べ。
プロドラッグ 親化合物 目的
- 1✕レボドパ ドパミン 副作用の減少
- 2✕フルスルチアミン チアミン 溶解性の増大
- 3○テガフール 5–フルオロウラシル 作用の持続
- 4○バラシクロビル アシクロビル 消化管吸収の増大
- 5✕バカンピシリン アンピシリン 初回通過効果の回避
正答: 3・4
薬物の腎排泄に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕パラアミノ馬尿酸の腎クリアランスは血中濃度に比例する。パラアミノ馬尿酸の腎クリアランスは腎血漿流量に依存し、血中濃度に比例しない。
- 2✕サリチル酸の腎クリアランスは、アスコルビン酸の併用により増大する。サリチル酸の腎クリアランスは、アスコルビン酸の併用により減少する。
- 3○グルコースは、尿中にほとんど排泄されない。
- 4○ゲンタマイシンの血中半減期は、糸球体ろ過速度の低下により長くなる。
- 5✕メトホルミンの腎クリアランスは、クレアチニンクリアランスより小さい。メトホルミンの腎クリアランスは、クレアチニンクリアランスより大きい。
正答: 3・4
薬物A200 mg を患者に急速静脈内投与したところ、投与直後と2 時間後の血
中濃度はそれぞれ20 ng/mL 及び4 ng/mL であった。同じ患者に薬物Aを点滴静
注し、定常状態における血中濃度を15 ng/mL にしたい。定常状態に達するまでの
投与量(mg)と点滴時間(h)の組合せとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。
ただし、薬物Aの体内動態は線形1–コンパートメントモデルに従うものとし、
定常状態に到達するまでに要する時間は消失半減期の5 倍とする。また、
ln 2 = 0.693、ln 5 = 1.61 とする。
投与量(mg)点滴時間(h)
- 1✕60 1
- 2✕120 1
- 3✕120 2
- 4✕360 5
- 5○600 5
正答: 5
薬物動態の非線形性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○薬物代謝が非線形性を示す場合、全身クリアランスは投与量の増加に伴い変化
する。 - 2✕血漿タンパク結合に飽和が生じた場合、薬物の全身クリアランスは低下する。血漿タンパク結合に飽和が生じた場合、薬物の全身クリアランスは上昇する。
- 3✕肝臓の薬物代謝酵素に飽和が生じた場合、薬物の分布容積は増加する。肝臓の薬物代謝酵素に飽和が生じた場合、薬物の全身クリアランスは低下する(分布容積は変わらない)。
- 4✕小腸上皮細胞の薬物代謝酵素に飽和が生じた場合、薬物の全身クリアランスは
低下する。小腸上皮細胞の薬物代謝酵素に飽和が生じた場合、薬物のバイオアベイラビリティは上昇する(全身クリアランスは変わらない)。 - 5○尿細管分泌を担う担体輸送に飽和が生じた場合、薬物の尿細管分泌クリアラン
スは低下する。
正答: 1・5
25 °Cにおいて、水0.1 L に一定量の一価の弱電解質の薬物結晶を加えた。pH
を変化させて溶解平衡に達したとき、pH 5 からpH 8 における溶液中の薬物の総濃
度と分子形薬物濃度がグラフのようになった。以下の記述のうち、正しいのはどれ
か。2つ選べ。
ただし、薬物の分子形とイオン形の溶解平衡時の濃度比はHenderson–
Hasselbalch の式に従い、薬物の溶解やpH 調整に伴う容積変化は無視できるもの
とする。

pH pH
- 1✕用いた薬物は1.1 mol である。用いた薬物は0.11 mol である。
- 2○薬物は弱酸性化合物である。
- 3✕薬物のpKa は5 である。薬物のpKa は6 である。
- 4○pH 7 のとき、薬物の分子形濃度とイオン形濃度の比は1:10 である。
- 5✕pH 8 のとき、薬物の結晶が液中に存在する。pH 8 のとき、薬物の結晶は液中に存在しない。
正答: 2・4
粘弾性の2 要素モデルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


A
マックスウェルモデル フォークトモデル
- 1○Aのスプリングは弾性体のモデル、Bのダッシュポットは粘性体のモデルであ
る。 - 2✕フォークトモデル全体に一定の応力を瞬時にかけてそれを保つとき、モデル全
体のひずみは直線的に増加する。フォークトモデル全体に一定の応力を瞬時にかけてそれを保つとき、モデル全体のひずみは時間とともに指数関数的に増加する(遅延弾性)。 - 3✕マックスウェルモデル全体に加わる応力は、スプリングに加わる応力とダッ
シュポットに加わる応力の合計である。マックスウェルモデル全体に加わる応力は、スプリングに加わる応力とダッシュポットに加わる応力と等しい(ひずみは合計になる)。 - 4○マックスウェルモデル全体に一定のひずみを与えてそのまま保持するとき、モ
デル全体にかかる応力は減衰する。 - 5✕マックスウェルモデル全体に一定の応力を瞬時にかけてそれを保つとき、モデ
ル全体のひずみは一定に保たれる。マックスウェルモデル全体に一定の応力を瞬時にかけてそれを保つとき、モデル全体のひずみは時間とともに増加する。
正答: 1・4
界面に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕固相–気相界面が固相–液相界面に置き換わることを吸着という。固相–気相界面が固相–液相界面に置き換わることをぬれ(濡れ)という。
- 2○溶液における表面吸着は、Gibbs の吸着等温式で表される。
- 3○液滴の接触角が小さい固体表面ほどぬれやすい。
- 4✕錠剤は、拡張ぬれにより崩壊する。錠剤は、浸漬ぬれにより崩壊する。
- 5✕表面張力測定法には、毛管上昇法、円環法及び沈降法がある。表面張力測定法には、毛管上昇法、円環法及び滴重(滴数)法がある。
正答: 2・3
医薬品の水溶液中における安定性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2
つ選べ。
- 1○加水分解を受けやすい医薬品は、難溶性の塩として溶解度を低下させることで
安定性が改善する。 - 2✕EDTA は、包接化により医薬品の安定性を改善する。EDTA は、金属イオンのキレート化により医薬品の安定性を改善する。
- 3✕特殊酸触媒のみで分解する医薬品は、保存するpH を低くすることで安定性が
改善する。特殊酸触媒のみで分解する医薬品は、保存するpH を高くすることで安定性が改善する。 - 4○異符号のイオン間の反応で分解する医薬品は、塩を添加することで溶液のイオ
ン強度を増大させると安定性が改善する。 - 5✕同符号のイオン間の反応で分解する医薬品は、アルコールを添加することで溶
媒の誘電率を低下させると安定性が低下する。同符号のイオン間の反応で分解する医薬品は、アルコールを添加することで溶媒の誘電率を低下させると安定性が改善する。
正答: 1・4
日本薬局方における経口投与する製剤に関する記述として、正しいのはどれ
か。2つ選べ。
- 1✕別に規定するもののほか、冷所に保存する。別に規定するもののほか、常温に保存する。
- 2✕微生物による汚染に関する規定はない。微生物による汚染に関する規定は、微生物限度試験法として規定されている。
- 3○即放性製剤は、通例、有効成分の溶解性に応じた溶出挙動を示す。
- 4○懸濁剤は、別に規定するもののほか、溶出試験法に適合する。
- 5✕崩壊試験法は、製剤中の有効成分が完全に溶解するかを確認する試験である。崩壊試験法は、製剤が規定時間内に崩壊するかを確認する試験である。
正答: 3・4
日本薬局方における注射剤に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選
べ。
- 1○非水性溶剤として、ダイズ油を用いることができる。
- 2✕水性溶剤は、エンドトキシン試験法と発熱性物質試験法の両方に適合する。水性溶剤は、エンドトキシン試験法又は発熱性物質試験法のいずれか一方に適合する。
- 3✕等張化剤として、ホウ酸を加えることができる。等張化剤として、塩化ナトリウムやグリセリン等を加えることができる。
- 4✕乳濁性注射剤は、製剤均一性試験法に適合する。乳濁性注射剤は、製剤均一性試験法を適用しない。
- 5○埋め込み注射剤には、通例、生分解性高分子化合物を用いる。
正答: 1・5
日本薬局方一般試験法に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕吸入剤の空気力学的粒度測定法では、吸入剤から噴霧、放出される薬物量の均
一性を定量的に評価する。吸入剤の空気力学的粒度測定法では、噴霧された粒子の空気力学的粒度分布を評価する。 - 2○展延性試験法では、スプレッドメーター(平行板粘度計)を用いて、半固形製
剤の流動性(流れやすさ)を測定する。 - 3✕ローリングボールタック試験法では、皮膚に適用する製剤からの薬物の放出性
を評価する。ローリングボールタック試験法では、貼付剤の粘着力(タック)を評価する。 - 4○溶出試験法は、経口製剤の溶出試験規格への適合を判定するとともに、著しい
生物学的非同等性を防ぐことを目的とする。 - 5✕点眼剤の不溶性異物検査法では、点眼剤中の不溶性異物の大きさと数を測定す
る。点眼剤の不溶性異物検査法では、不溶性異物が検出されないことを確認する。
正答: 2・4
BCS(Biopharmaceutics classification system)分類とは、薬物を溶解性と膜
透過性に基づいて4 つに分類したものである。溶解性は低いが膜透過性が高い
Class 2 の薬物Xを含有する経口固形製剤Aについて、以下のデータが得られてい
る。製剤Aにおける吸収改善の機構と最も関連の深いのはどれか。1つ選べ。
ただし、薬物Xとしての経口投与量は同一とする。
製剤からの薬物の溶出
粉末X 線回折測定の結果

経口投与後の血中薬物濃度の時間推移

血中薬物X濃度(ng/mL)
時間(h)
- 1✕塩の形成
- 2✕無水物化
- 3✕共結晶化
- 4✕溶媒和物
- 5○固体分散体
正答: 5
266-267 共通の設問
75 歳男性。体重67 kg。農作業中に意識を失い倒れているところを発見さ
れ救急外来へ搬送された。痙れん性てんかん重積状態と診断され、ジアゼパム注射
液10 mg を投与したが、痙れんが持続したため、ホスフェニトインナトリウム注
射液1,500 mg が追加投与された。痙れんが改善した後、ホスフェニトインナトリ
ウム7.5 mg/kg/day で維持された。経口摂取可能となったため以下の処方に変更
され、7 日間服用後の患者の定常状態における平均血漿中フェニトイン濃度(Css)
は10 ng/mL であった。
(処方)
フェニトイン散10% 1 回1 g (1 日3 g)
1 日3 回 朝昼夕食後 7 日分
その後、てんかんの痙れん発作が起こったためフェニトイン散10%の投与量を
1 日3.5 g(フェニトインとして350 mg/day)に増量したところ、Css は20 ng/mLとなった。フェニトインの代謝速度はミカエリス・メンテン(Michaelis–Menten)式に従うものとすると、この患者におけるミカエリス定数(Km)と最大消失速度(Vmax)に最も近い値の組合せはどれか。1 つ選べ。ただし、フェニトインは主に肝代謝により消失し、定常状態における消失速度は代謝速度に等しいと仮定する。また、フェニトインのバイオアベイラビリティは100%とし、てんかんの発作前後ではKmとVmaxは変化しないものとする。
Km(ng/mL) Vmax(mg/day)
- 1✕2.0 330
- 2✕2.5 360
- 3✕2.5 390
- 4○4.0 420
- 5✕4.0 460
正答: 4
268-269 共通の設問
30 歳男性。身長165 cm、体重55 kg。急性骨髄性白血病のため6 ヶ月前に
父親をドナーとして同種造血幹細胞移植を受け、術後1 ヶ月で退院した。慢性移植
片対宿主病(GVHD)のコントロール目的に以下の薬剤を継続服用している。
(処方1 )

処方された薬剤の使用に際し、考慮すべき薬物相互作用の発現機序として最も適
切なのはどれか。1つ選べ。
- 1✕小腸P–糖タンパク質に対する競合阻害
- 2✕CYP2C19 に対する競合阻害
- 3○ヘム鉄への配位結合によるCYP3A4 の阻害
- 4✕核内受容体を介したCYP1A2 の誘導
- 5✕核内受容体を介したCYP3A4 の誘導
正答: 3
270-271 共通の設問
60 歳女性。29 歳より双極性障害と診断され精神科クリニックに定期的に
通院し、49 歳の時に2 型糖尿病と高血圧症を指摘された。現在、以下の薬剤を服
用中である。1 週間前から吐き気とふらつきが出現し、今朝から言葉が出にくくな
り、意識がはっきりしなくなったため大学病院に救急搬送され、入院措置がとられ
た。処方薬による副作用が疑われた。
(処方)

副作用発現の要因として考えられる薬物動態学的変動はどれか。1つ選べ。
- 1✕薬物相互作用によるバイオアベイラビリティの上昇
- 2✕薬物相互作用によるクリアランスの低下
- 3✕血清アルブミン濃度の低下による分布容積の増大
- 4✕肝機能低下による肝クリアランス低下
- 5○腎機能低下による腎クリアランス低下
正答: 5
272-273 共通の設問
67 歳男性。共同浴場に入浴に行った後、38.6 °Cの発熱があり薬局で購入
したイブプロフェンを内服したが、1 週間発熱が続き食事が摂れない状態となった
ため受診した。下記検査結果よりレジオネラ肺炎と診断され、入院後にレボフロキ
サシンの投与が検討された。
(入院時所見)
身長177 cm、体重61 kg、血圧138/76 mmHg、心拍101 回/分、SpO2 96%、
心音・呼吸音に異常なし
(入院時検査値)
血液生化学: CRP 15.2 mg/dL、ALT 18 IU/L、AST 28 IU/L、
BUN 22 mg/dL、クレアチニンクリアランス70 mL/min
尿検査:蛋白(-)、潜血(-)、糖(-)、レジオネラ抗原(+)
胸部X 線所見:右上から中肺野に浸潤影及びすりガラス影を認めた。
レボフロキサシン投与後の血中濃度推移の模式図を下に示す。この薬剤の投与設
計の記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

血中レボフロキサシン濃度
時間
- 1✕b–ラクタム系抗生物質と同様に、時間依存性の抗菌薬である。濃度依存性の抗菌薬である。
- 2✕血中濃度をMIC とMPC の間の濃度域(MSW)に設定する。血中濃度をMIC とMPC の間の濃度域(MSW)に設定しない(MSW は耐性獲得を促す)。
- 3✕副作用を回避するため、血中濃度のトラフ値を測定する。副作用を回避するため、血中濃度のピーク値(Cmax)やAUCを指標とする。
- 4○PK/PD パラメータとして、Cmax/MIC またはAUC/MIC を用いる。
- 5✕投与間隔に対する、MIC 以上の濃度維持時間(TAM)ができるだけ長くなる
ように投与間隔を調整する。PK/PD パラメータとして、Cmax/MIC またはAUC/MICを用いる。
正答: 4
274-275 共通の設問
70 歳男性。慢性下肢動脈閉塞症と診断され、半年前から右足底に潰瘍が出
現し近医で治療を受けていた。1 週間前から増悪が認められ近医にて加療したが改
善せず、入院にて保存的治療を行うこととなった。創部の細菌培養検査により
MRSA が検出されたため、バンコマイシン塩酸塩1 回1 g(1 日2 回12 時間毎)
の点滴静注を開始した。バンコマイシン塩酸塩1 g 点滴静注後の血中濃度を測定し
たところ、投与終了3 時間後に14.1 ng/mL、11 時間後に6.9 ng/mL であった。
投与開始後3 日目(投与5 回目直前)のトラフ値は10 ng/mL であった。
ただし、ここではバンコマイシンの体内動態を1–コンパートメントモデルを用
いて解析する。
バンコマイシンの消失速度定数(h-1)に最も近い値はどれか。1つ選べ。な
お、ln 2 = 0.693 とする。
- 1✕0.069
- 2✕0.077
- 3○0.086
- 4✕0.138
- 5✕0.173
正答: 3
276-277 共通の設問
55 歳男性。ゲーム開発企業に勤務しており、勤務時間中はディスプレイを
見ることが多い。1 年前より、目のかすみと視野の一部が見えづらく感じたため、
眼科を受診したところ、緑内障と診断され、処方1 にて治療している。
今回の受診の際、眼圧が高くなっていることを指摘され、処方2 が追加となっ
た。
(処方1 )
ビマトプロスト点眼液0.03%(2.5 mL/本) 1 本
1 回1 滴 1 日1 回 朝 両目点眼
(処方2 )
チモロールマレイン酸塩持続性点眼液0.25%(2.5 mL/本) 1 本
1 回1 滴 1 日1 回 朝 両目点眼
〔添加剤〕 ジェランガム、トロメタモール
ベンゾドデシニウム臭化物、D–マンニトール
処方2 の製剤が持続性を示す理由として、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1✕油性の溶剤を用いて、薬効の発現を緩やかにしている。涙液の成分により、結膜嚢での薬物滞留性を向上させる物質が添加されている。
- 2✕薬物と添加剤が不溶性の複合体を形成している。涙液の成分により、結膜嚢での薬物滞留性を向上させる物質が添加されている。
- 3✕体温により、結膜嚢での薬物滞留性を向上させる物質が添加されている。涙液の成分により、結膜嚢での薬物滞留性を向上させる物質が添加されている。
- 4○涙液の成分により、結膜嚢での薬物滞留性を向上させる物質が添加されてい
る。 - 5✕涙液のpH で徐々に溶解する懸濁粒子が配合されている。涙液の成分により、結膜嚢での薬物滞留性を向上させる物質が添加されている。
正答: 4
278-279 共通の設問
56 歳男性。身長175 cm、体重52 kg。肝細胞がんに対し、腹腔鏡下肝切除
術を施行後であり、末梢静脈輸液にて栄養管理している。現在、以下の輸液を1 日
3 回末梢静脈から投与している。なお、本輸液はダブルバッグ製剤であり、成分が
2 室に分けられている。術後2 日目の検査値より、カリウム製剤(L–アスパラギン
酸カリウム注射液10 mEq/10 mL、1 アンプル)、及び静注用脂肪乳剤(イントラ
リポス輸液20%100 mL、1 バッグ)を追加することとなった。
輸液:ビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸液
(500 mL 中にブドウ糖37.5 g、総遊離アミノ酸15 g、チアミン0.75 mg を含
有)
総カロリー量 210 kcal
非タンパク質カロリー量 150 kcal
非タンパク質カロリー/ 窒素量(NPC/N)64
(検査値:術後2 日目)
白血球18,000/nL、赤血球200 # 104/nL、Hb 8.7 g/dL、血小板30 # 104/nL
総タンパク7.5 g/dL、血清アルブミン3.3 g/dL、AST 27 IU/L、
ALT 40 IU/L、BUN 20 mg/dL、血清クレアチニン0.7 mg/dL、
Na 132 mEq/L、K 3.1 mEq/L、Cl 103 mEq/L
このダブルバック製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○バッグを両手で強く押すことにより、隔壁部を開通させる。
- 2✕アルドール反応を抑えるために2 室に分かれている。マイヤード反応(アミノ・カルボニル反応)を抑えるために2 室に分かれている。
- 3○上室と下室を混合することにより輸液のpH は中性になる。
- 4✕上室にアミノ酸と糖、下室に電解質とビタミンB1 を含む。上室に糖、下室にアミノ酸と電解質、ビタミンB1を含む。
- 5✕添加剤としてpH 調節剤、保存剤が加えられている。添加剤として保存剤は加えられていない。
正答: 1・3
280-281 共通の設問
26 歳女性。身長155 cm、体重42 kg。アレルギー性鼻炎に対して処方1 の
薬剤を服用している。今回、下血があり外来受診したところ、潰瘍性大腸炎(直腸
炎型)の診断を受けた。なお、重症度分類では軽症であった。医師は、患者からこ
れまで薬を飲み忘れることが多かったとの訴えがあったため、メサラジンの処方に
あたり、本患者に適切な製剤について、医薬品情報管理室に問い合わせた。薬剤師
は、アドヒアランスを考慮して処方2 を提案した。
(処方1 )

処方2 の製剤投与後の薬物動態を把握するため、添付文書を確認したところ、健
康成人における空腹時経口単回投与時の24 時間までの平均血漿中未変化体薬物濃
度の時間推移は下図のようであった。
血漿中未変化体濃度(ng/mL)1500

投与時間(h)
処方2 の製剤の添加剤のうち、本剤投与後、図中Aに示された血漿中薬物濃度の
推移が観察されることと最も関連の深いのはどれか。1つ選べ。
- 1✕カルメロースナトリウム
- 2✕カルナウバロウ
- 3✕ステアリン酸マグネシウム
- 4○メタクリル酸コポリマーS
- 5✕マクロゴール6000
正答: 4
282-283 共通の設問
34 歳女性。身長165 cm、体重40 kg。統合失調症の診断を受け、外来にて
リスペリドン経口製剤で治療を受けていた。内服継続にて症状は安定してきたた
め、医師が患者にリスペリドンの持効性注射剤について説明したところ、患者はそ
の使用を希望した。そこで、リスペリドンの投与並びに持効性注射剤へ剤形変更す
る際の注意点について、担当医から医薬品情報管理室に確認があった。
(検査値)
AST 36 IU/L、ALT 18 IU/L、BUN 5.8 mg/dL、血清クレアチニン0.92 mg/dL

剤形変更後の製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1○生分解性高分子に薬物を封入して、長期間の薬物放出を行うことができる。
- 2✕脂質二重膜により薬物を保護することで、長期間安定に保存できる。生分解性高分子に薬物を封入して、長期間の薬物放出を行うことができる。
- 3✕薬物結晶の表面を生分解性高分子でコーティングしている。生分解性高分子に薬物を封入して、長期間の薬物放出を行うことができる。
- 4✕分子内に親水性部と疎水性部をもつ高分子が、自己会合して薬物を保持してい
る。生分解性高分子に薬物を封入して、長期間の薬物放出を行うことができる。 - 5✕水溶性高分子を結合させた脂質を用いて、静脈内での滞留性が改善されてい
る。生分解性高分子に薬物を封入して、長期間の薬物放出を行うことができる。
正答: 1
284-285 共通の設問
76 歳男性。身長165 cm、体重70 kg。IV期非小細胞肺がんに対する2 次治
療として、ドセタキセル+ ラムシルマブ併用療法の1 コース目を施行したとこ
ろ、7 日後に38 °Cの発熱がみられた。担当医は2 コース目(1 コース目施行3 週
間後)を施行するにあたり、カンファレンスを実施した。そこで、ペグフィルグラ
スチム(遺伝子組換え)注射液について、病棟担当薬剤師に質問した。
検査値(1 コース施行後7 日目)

本症例に処方された製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕ペグフィルグラスチムは、フィルグラスチムのバイオシミラー(バイオ後続
品)である。ペグフィルグラスチムは、フィルグラスチムのポリエチレングリコール(PEG)結合誘導体である。 - 2○ラムシルマブ注射液は、凍結を避けて冷蔵保存する。
- 3✕ペグフィルグラスチムは、メトキシポリエチレングリコール分子で修飾されて
いることにより、好中球及びその前駆細胞へ能動的ターゲティングされる。ペグフィルグラスチムは、メトキシポリエチレングリコール分子で修飾されていることにより、血中半減期が延長する。 - 4✕ドセタキセル注射液には、アルコールによる過敏性反応を低減するためにポリ
ソルベート80 が添加されている。ドセタキセル注射液には、溶解補助のためにポリソルベート80 が添加されている(過敏反応の原因になり得る)。 - 5○ペグフィルグラスチムは、フィルグラスチムに比べてプロテアーゼによる分解
を受けにくい。
正答: 2・5