第107回 — 薬剤
演習モードで解く下図のセファレキシンの消化管吸収に主として関与するトランスポーターはど
れか。1つ選べ。

- 1✕有機アニオントランスポーターOAT1
- 2✕有機カチオントランスポーターOCT2
- 3✕P–糖タンパク質
- 4○ペプチドトランスポーターPEPT1
- 5✕グルコーストランスポーターSGLT2
正答: 4
アルミニウム、マグネシウム等の金属を含有する経口剤と同時に経口投与する
と、吸収が低下する薬剤はどれか。1つ選べ。
- 1✕オメプラゾール錠
- 2○レボフロキサシン錠
- 3✕フェノバルビタール散
- 4✕リボフラビン酪酸エステル錠
- 5✕ワルファリンカリウム錠
正答: 2
血漿タンパク質のうち、プロプラノロールとの親和性が最も高いのはどれか。
1つ選べ。
- 1✕アルブミン
- 2✕a–グロブリン
- 3✕c–グロブリン
- 4✕フィブリノーゲン
- 5○a1–酸性糖タンパク質
正答: 5
コデインからモルヒネへの代謝に関与する酵素はどれか。1つ選べ。
- 1✕CYP1A2
- 2✕CYP2C9
- 3○CYP2D6
- 4✕CYP3A4
- 5✕UGT1A1
正答: 3
体内動態が1–コンパートメントモデルに従う薬物800 mg をヒトに単回静脈内
投与したところ、投与直後の血中濃度は40 ng/mL、投与6 時間後の血中濃度は
5 ng/mL であった。この薬物の消失速度定数(h-1)に最も近い値はどれか。1つ
選べ。ただし、ln2 = 0.69 とする。
- 1✕0.12
- 2✕0.23
- 3○0.35
- 4✕0.69
- 5✕2.0
正答: 3
健常人におけるイヌリンの血漿中濃度と尿中排泄速度との関係を正しく表した
グラフはどれか。1つ選べ。

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4○
- 5✕
正答: 4
炭酸水素ナトリウムの併用によって、キニジンの血中濃度が上昇する原因とし
て最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 1✕消化管吸収の阻害
- 2✕肝代謝酵素の阻害
- 3✕胆汁排泄の促進
- 4✕腎尿細管分泌の促進
- 5○腎尿細管再吸収の促進
正答: 5
図は、結晶固体及び非晶質固体の比容積と温度との関係を示したものである。
温度アが示すのはどれか。1つ選べ。

比容積
- 1✕凝固点
- 2✕沸点
- 3○ガラス転移点
- 4✕融点
- 5✕結晶化温度
正答: 3
分散系における分散相と分散媒の組合せのうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
性状 分散相 分散媒
- 1✕サスペンション 固体 気体
- 2○エマルション 液体 液体
- 3✕エアゾール 気体 液体又は固体
- 4✕フォーム(泡沫) 液体 気体
- 5✕キセロゲル 固体 液体
正答: 2
水性懸濁液中の粒子の分散安定性を高めるために添加される半合成高分子はど
れか。1つ選べ。
- 1✕ポビドン
- 2✕メタクリル酸コポリマー
- 3✕アルブミン
- 4○カルメロースナトリウム
- 5✕アラビアゴム
正答: 4
日本薬局方において、「経口投与する、液状又は流動性のある粘稠なゲル状の製
剤」と定義されているのはどれか。1つ選べ。
- 1✕発泡顆粒剤
- 2✕経口ゼリー剤
- 3✕シロップ剤
- 4✕口腔内崩壊フィルム剤
- 5○経口液剤
正答: 5
全身作用を目的としたナファレリン酢酸塩水和物製剤の適用部位として、最も
適切なのはどれか。1つ選べ。
- 1✕眼
- 2✕肺
- 3○鼻
- 4✕皮膚
- 5✕耳
正答: 3
小児の誤飲防止を目的として用いられる包装はどれか。1つ選べ。
- 1✕PTP(Press Through Package)包装
- 2✕SP(Strip Package)包装
- 3✕ピロー包装
- 4✕タンパレジスタント包装
- 5○チャイルドレジスタンス包装
正答: 5
薬物送達システム(DDS)の概念に基づいて製剤を開発する際の利点として、
誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 1✕病巣部位への薬物の集積
- 2✕薬効の持続化
- 3✕血液脳関門の透過性改善
- 4○腎排泄の増大
- 5✕副作用の軽減
正答: 4
吸収促進剤の添加により水溶性薬物の吸収を改善した薬剤はどれか。1つ選べ。
- 1✕バラシクロビル錠
- 2○セフチゾキシムナトリウム坐剤
- 3✕イトラコナゾール内用液
- 4✕シクロスポリン内用液
- 5✕カンデサルタン シレキセチル錠
正答: 2
線形薬物動態を示す薬物A10 mg を静脈内投与あるいは経口投与した後の血中
濃度時間曲線下面積(AUC)は、それぞれ500 ng・h/mL、150 ng・h/mL であっ
た。経口投与後の薬物Aの消化管上皮細胞への移行率と肝抽出率を算出したとこ
ろ、それぞれ90%と45%であった。また、胆汁中及び尿中に未変化体薬物は検出
されなかった。薬物Aが消化管上皮細胞での代謝を免れる率として、最も近いのは
どれか。1つ選べ。
- 1✕10%
- 2✕20%
- 3✕30%
- 4○60%
- 5✕75%
正答: 4
ある薬物のアルブミンへの結合に関する両逆数プロットを実線で表し、また、
この薬物のアルブミンへの結合が別の薬物の共存により競合的に阻害された場合を
点線で表すとき、正しい図はどれか。1つ選べ。
ただし、図中のr はアルブミン1 分子あたりに結合している薬物の分子数を、
[Df]は非結合形薬物濃度を示す。

- 1✕
- 2✕
- 3○
- 4✕
- 5✕
正答: 3
プラバスタチンの体内動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選
べ。
- 1✕プラバスタチンは、シトクロムP450 による代謝を受けやすい。プラバスタチンは、シトクロムP450による代謝をほとんど受けない。
- 2○プラバスタチンは、胆管側膜に存在するMultidrug Resistance–associated
Protein 2(MRP2)により胆汁中に分泌される。 - 3✕プラバスタチンは、キニジンとの併用により中枢移行量が増える。プラバスタチンは、親水性で中枢移行しにくい。
- 4○プラバスタチンの血中濃度は、シクロスポリンとの併用により上昇する。
- 5✕プラバスタチンは、有機カチオントランスポーターOCT1 を介して肝細胞内に
取り込まれる。プラバスタチンは、有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP1B1)を介して肝細胞内に取り込まれる。
正答: 2・4
細切した肝臓をホモジナイザーで破砕し遠心分離を繰り返すと細胞内小器官を
大まかに分けることができる。主に薬物代謝に関わるシトクロムP450 が存在する
画分として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

遠心分離(600 # g,10 分)

- 1✕a
- 2✕b
- 3○c
- 4✕d
- 5✕aからdのすべて
正答: 3
薬物の腸肝循環に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕胆管閉塞で血中半減期が短縮する。胆管閉塞で血中半減期が延長する。
- 2○抗菌薬の内服による影響を受けることがある。
- 3✕静脈内投与された薬物では起こらない。静脈内投与でも胆汁中に分泌される薬物では起こる。
- 4✕腸内細菌のb–グルクロニダーゼが阻害されると血中半減期が延長する。腸内細菌のβ–グルクロニダーゼが阻害されると血中半減期が短縮する。
- 5○経口投与後の血中濃度において、ピークが二峰性を示すことがある。
正答: 2・5
薬物の血中濃度(C)の経時変化が下図のようになったため、体循環コンパー
トメントと末梢コンパートメントからなる線形2–コンパートメントモデルで解析
し、次の式の形で表した。
C = A・e-a・t + B・e-b・t
ただし、A、B、a、b は定数、t は時間であり、投与量をD とする。このときの
薬物動態パラメータに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

時間(h)
- 1○終末相(b 相)における消失速度定数(b)は、図の2の部分の傾きから求め
られる。 - 2✕分布相(a 相)における消失速度定数(a)は、図の1の部分の傾きから求め
られる。分布相(α相)における消失速度定数(α)は、残渣法(剥離法)で2の部分を差し引いた残差直線の傾きから求められる。 - 3✕血中濃度時間曲線下面積は、(A + B)/(a + b)で表すことができる。血中濃度時間曲線下面積は、A/α+B/βで表すことができる。
- 4○投与直後の薬物血中濃度はA + B で表すことができる。
- 5✕体循環コンパートメントの分布容積はD/A で表すことができる。体循環コンパートメントの分布容積はD/(A+B)で表すことができる。
正答: 1・4
フェニトイン100 mg 錠を1 回1 錠、1 日3 回服用するところ、誤って1 回1
錠、1 日2 回しか服用していなかった。その時の患者のフェニトインの血中濃度は
4 ng/mL であった。この患者が処方どおりに1 日3 回服用した場合のフェニトイ
ンの血中濃度(ng/mL)として、最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、フェニトインの血中濃度は定常状態における平均値であるものとし、
フェニトインの体内からの消失はMichaelis–Menten 式で表され、Michaelis 定数
を4 ng/mL、バイオアベイラビリティを100%とする。
- 1✕6
- 2○12
- 3✕16
- 4✕20
- 5✕24
正答: 2
図は、well–stirred model に基づいた肝臓からの薬物消失モデルを示したもの
である。このモデルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、CLint は肝固有クリアランス、fu は血中タンパク非結合形分率、Cin は
肝臓に流入する部位における血中薬物濃度、Cout は肝臓から流出する部位における
血中薬物濃度、Qh は肝血流量とする。
Qh 肝臓(太枠で囲んだ部分) Qh

CLint
- 1✕肝臓中の非結合形薬物濃度は不均一である。肝臓中の非結合形薬物濃度は均一(well–stirred)である。
- 2✕肝組織中の非結合形薬物濃度はCin に等しい。肝組織中の非結合形薬物濃度はCout(fu・Cout)に等しい。
- 3○肝臓からの見かけの薬物消失速度は、CLint # fu # Cout と表される。
- 4○肝臓における薬物量の変化速度は、Qh # Cin - Qh # Cout - CLint # fu # Cout
と表される。 - 5✕定常状態におけるCLint はQh にほぼ等しい。定常状態における肝抽出が大きい場合、肝クリアランスはQhにほぼ等しい(CLintではない)。
正答: 3・4
粉体の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕顕微鏡法により得られた粒子の投影像を一定方向の2 本の平行線で挟んだと
き、平行線間の長さに相当する粒子径をマーチン径という。一定方向の2本の平行線で挟んだときの長さはフェレー径である(マーチン径は投影面積を2等分する長さ)。 - 2○同一粉体において、質量基準による粒度分布の平均粒子径より、個数基準によ
る粒度分布の平均粒子径の方が小さい。 - 3✕水溶性の結晶性粉体の臨界相対湿度は、水不溶性の結晶性粉体と混合すること
で低下する。水溶性の結晶性粉体の臨界相対湿度は、他の水溶性粉体との混合で低下する。 - 4○真密度1.4 g/cm3、空隙率0.5 の粉末70 g の空隙体積が2/5 になるまで圧縮し
た際のみかけの密度は1.0 g/cm3 である。 - 5✕試料粉体の比表面積と平均粒子径が比例することから、比表面積を測定するこ
とで試料粉体の平均粒子径を求めることができる。比表面積と平均粒子径は反比例するので、比表面積から平均粒子径を推定できる(比例ではない)。
正答: 2・4
固体薬物の溶解速度を回転円盤法を用いて温度一定の条件で測定したところ、
図のような結果となった。試験液中の薬物濃度(C)が薬物の溶解度(Cs)の半分
に達するまでの時間(min)に最も近いのはどれか。1つ選べ。
ただし、実験開始時の試験液中の薬物濃度は0 、円盤の有効表面積(1 cm2)は
試験中に変化せず、溶解はシンク条件において拡散律速で進行するものとする。な
お、ln2 = 0.69 とする。

- 1✕3.5
- 2○7.0
- 3✕10.5
- 4✕14.0
- 5✕17.5
正答: 2
図の装置を用いて、懸濁剤に分散している球状の粉末粒子の粒子径を測定し
た。本測定に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、分散媒、分散粒子の密度はそれぞれ1.0 g/cm3、2.0 g/cm3 とする。

- 1○アンドレアゼンピペットを用いた沈降法による粒子径測定である。
- 2✕ラングミュア式を利用して粒子径を算出する。ストークス式を利用して粒子径を算出する。
- 3✕コロイド粒子の粒子径を測定することができる。コロイド粒子は沈降しないため測定できない。
- 4✕懸濁剤に分散している粒子径を1/3 にすると、分散粒子の沈降速度は1/3 にな
る。分散している粒子径を1/3にすると、沈降速度は1/9になる。 - 5○増粘剤添加により分散媒の粘度を1.6 倍、分散媒の密度を1.2 g/cm3 にする
と、分散粒子の沈降時間は2 倍になる。
正答: 1・5
図は、pH 7.4、37 °Cの緩衝液中におけるある弱酸性薬物の加水分解に対する
シクロデキストリン添加の影響を示したものである。本実験条件において、この薬
物とシクロデキストリンはモル比1:1 で複合体を形成する。

- 1○この薬物との複合体の安定度定数は190(mol/L)-1 である。
- 2✕複合体中の薬物の加水分解速度定数は6.02 # 10-1 h-1 である。複合体中の薬物の加水分解速度定数は、遊離形より大きい値である。
- 3○シクロデキストリンの添加濃度の上昇にしたがい、この薬物の見かけの加水分
解速度定数は増大する。 - 4✕シクロデキストリンは、この薬物の加水分解に対して安定化効果を示す。シクロデキストリンは、この薬物の加水分解に対して促進効果(不安定化)を示す。
- 5✕複合体形成によるこの薬物の安定化効果はpH によって変化しない。複合体形成による安定化(または促進)効果はpHによって変化する。
正答: 1・3
皮膚に使用する製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○油脂性基剤である単軟膏や白色軟膏は、乾燥型及び湿潤型いずれの皮膚疾患に
も使用できる。 - 2✕水溶性基剤であるマクロゴールは、分子量が大きくなると水に不溶になる。マクロゴールは、分子量が大きくなっても水に溶ける(固体となるだけである)。
- 3✕水溶性ゲル基剤は、損傷皮膚を含めた様々な状態の皮膚に安全に使用できる。水溶性ゲル基剤は、損傷皮膚では刺激になることがあり、使用を避けるべきである。
- 4✕吸水クリームと親水クリームは、いずれもサラシミツロウを含んでいる。サラシミツロウを含むのは親水クリームであり、吸水クリームには含まれない。
- 5○マトリックス型のテープ剤は、日本薬局方の粘着力試験法により評価される。
正答: 1・5
フルチカゾンプロピオン酸エステルを有効成分とする懸濁性点鼻液に含まれる
添加物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
〔添加物〕カルボキシビニルポリマー、L–アルギニン、ベンザルコニウム塩化物、
エデト酸ナトリウム水和物、ポリソルベート80、濃グリセリン、
塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、精製水
- 1○ポリソルベート80 は、懸濁化剤として添加されている。
- 2✕ベンザルコニウム塩化物は、有効成分を可溶化するために添加されている。ベンザルコニウム塩化物は、保存剤(防腐剤)として微生物の増殖を抑制するために添加されている。
- 3✕塩化ナトリウムは、微生物の増殖を抑制するために添加されている。塩化ナトリウムは、浸透圧調整剤として添加されている。
- 4○カルボキシビニルポリマーは、有効成分の鼻腔内滞留性を高めるために添加さ
れている。 - 5✕エデト酸ナトリウム水和物は、無痛化剤として添加されている。エデト酸ナトリウム水和物は、安定化剤(キレート剤)として添加されている。
正答: 1・4
薬物とターゲティング技術に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選
べ。
- 1✕レボドパは、主にP–糖タンパク質により選択的に脳内に取り込まれる。レボドパは、主にLAT1(L型アミノ酸トランスポーター)により選択的に脳内に取り込まれる。
- 2○サラゾスルファピリジンは、腸内細菌により5–アミノサリチル酸に変換され
る。 - 3✕フルシトシンは、腫瘍細胞内の酵素により5–フルオロウラシルに変換される。フルシトシンは、真菌細胞内のシトシン脱アミナーゼにより5–フルオロウラシルに変換される。
- 4✕アルプロスタジルは、乳酸・グリコール酸共重合体マイクロスフェアを担体と
して病変部位にターゲティングされる。アルプロスタジルのPLGAマイクロスフェア製剤は、持続性を高める(徐放化する)ための担体として用いられる。 - 5○ガラクトシル人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸テクネチウムは、
肝細胞膜上のアシアロ糖タンパク質受容体に強く結合する。
正答: 2・5
264-265 共通の設問
薬剤師が特別養護老人ホームを訪問した時、施設の看護師から入所者が内
服薬を服用しないので困っているとの相談を受けた。処方は朝食後にドネペジル塩
酸塩錠10 mg を1 錠であった。現状を踏まえ、主治医に対し次回からリバスチグ
ミン経皮吸収型製剤への変更を提案した。
リバスチグミン経皮吸収型製剤の特徴として、誤っているのはどれか。1つ選
べ。
- 1✕背部又は胸部に貼付したとき、リバスチグミンの吸収には貼付部位間で差が認
められない。 - 2✕繰り返し貼付することで血漿中濃度は定常状態に達する。
- 3✕肝初回通過効果を受けない。
- 4○主たる吸収経路は、皮膚における汗腺や毛穴などの付属器官である。
- 5✕急激な血漿中濃度の上昇が回避される。
正答: 4
266-267 共通の設問
17 歳男性。病的骨折を起こして精査の中で左脛骨骨肉腫と診断された。左

この患者において、術後化学療法の施行中も、持参した一般用医薬品の服用を継
続した場合、発現する可能性が最も高い薬物間相互作用はどれか。1つ選べ。
- 1✕ドキソルビシンが、UGT1A1 を介したメトトレキサートのポリグルタミン酸
化を阻害する。ロキソプロフェンが、尿細管における有機アニオントランスポーターOAT3 を介したメトトレキサートの分泌を阻害する。 - 2✕ファモチジンが、ジヒドロ葉酸還元酵素を介したメトトレキサートの代謝を阻
害する。ロキソプロフェンが、尿細管における有機アニオントランスポーターOAT3 を介したメトトレキサートの分泌を阻害する。 - 3✕シスプラチンが、尿細管における有機カチオントランスポーターOCT2 を介し
たメトトレキサートの再吸収を阻害する。ロキソプロフェンが、尿細管における有機アニオントランスポーターOAT3 を介したメトトレキサートの分泌を阻害する。 - 4✕酸化マグネシウムが、P–糖タンパク質を介したメトトレキサートの腸肝循環を
阻害する。ロキソプロフェンが、尿細管における有機アニオントランスポーターOAT3 を介したメトトレキサートの分泌を阻害する。 - 5○ロキソプロフェンが、尿細管における有機アニオントランスポーターOAT3
を介したメトトレキサートの分泌を阻害する。
正答: 5
268-269 共通の設問
48 歳男性。気管支ぜん息の既往があり、処方1 及び処方2 の薬剤を継続し
て使用している。この患者はテオフィリンの治療薬物モニタリング(TDM)を実
施しており、定常状態の血中濃度は15 ng/mL であった。しかしここ数日、腹痛や
吐き気が強く、今日は仕事も休んでいるとかかりつけ薬剤師に相談があった。聴き
取りにより2 日前からピロリ菌の除菌療法(処方3 )をしていることが判明した。
速やかにかかりつけ医を受診するように指示し、当該医師にも連絡を取った。その
後、この患者について、受診時のテオフィリンの血中濃度が40 ng/mL であること
を医師に確認した。なお、アドヒアランスは良好であることを確認している。
(処方1 )
ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入液 1 回2 吸入
1 日2 回 朝食後・就寝前 7 日分
(処方2 )

この患者が処方2 の薬剤の服用を中止し、テオフィリンの血中濃度が15 ng/mL
に低下するまでに要する時間として最も近いのはどれか。1つ選べ。
ただし、テオフィリンの血中動態は線形1–コンパートメントモデルに従うもの
とし、血中消失半減期は6.9 時間とする。なお、ln2 = 0.69、ln3 = 1.10 とする。
- 1✕8 時間
- 2○10 時間
- 3✕12 時間
- 4✕14 時間
- 5✕16 時間
正答: 2
270-271 共通の設問
27 歳男性。体重50 kg。父をドナーとする生体腎移植治療が予定されてい
る。7 日後の移植術を控え、術後に用いるタクロリムスの投与設計を薬剤師が依頼
された。
この患者にタクロリムスを経口投与し、24 時間採血を行った際の血中濃度時間
曲線下面積(AUC0-∞)は120 ng・h/L、一次モーメント曲線下面積(AUMC0-∞)

- 1✕1.0
- 2✕1.2
- 3✕3.0
- 4✕5.5
- 5○6.0
正答: 5
272-275 共通の設問
65 歳男性。身長160 cm、体重58 kg。開胸心血管バイパス術施行後4 日目
に38.5 °Cの発熱を来し、喀痰、血液培養、尿、鼻汁を用いたグラム染色の結果、
陽性であった。細菌培養の結果が得られるまで48 時間程度を要することから、院
内感染制御チームへのコンサルトの結果、MRSA 感染症を疑い、当日夜よりバン
コマイシン点滴静注用の14 日間投与が決定された。バンコマイシン投与前の検査
値を以下に示す。
(検査値)
白血球数13,000/nL、CRP 7.5 mg/dL、血清クレアチニン値1.2 mg/dL、
BUN 17.6 mg/dL、クレアチニンクリアランス(Ccr)50 mL/min
バンコマイシンの投与量決定には母集団薬物動態解析により得られた以下のパラ
メータを用いた。
CL(L/hr)= 0.05 # Ccr(mL/min)[Ccr が85 mL/min 以下の場合]
CL(L/hr)= 3.5[Ccr が85 mL/min より大きい場合]
Vd(L)= 60.7
母集団薬物動態解析及びこの患者の投与量決定に関する記述のうち、正しいのは
どれか。2つ選べ。
- 1✕患者集団の平均的な薬物動態パラメータは、年齢、体重、Vd が同じ患者群を
母集団として解析することで得られる。平均的な薬物動態パラメータは、様々な患者を含む母集団を対象に解析して得られる。 - 2✕バンコマイシンのクリアランスは最小発育阻止濃度(MIC)により影響をうけ
る。バンコマイシンのクリアランスは、腎機能などの患者因子により影響を受ける。 - 3○この患者の投与量決定には分布容積60.7 L とクリアランス2.5 L/h を用いた。
- 4○患者の1 点の血中濃度測定値、患者情報、及び母集団パラメータとその変動要
因を用いて、ベイジアン法により患者個々の薬物動態パラメータが推定できる。 - 5✕母集団パラメータを求めるためには、集団ごとに血液採取時間を一定にする必
要がある。母集団パラメータの解析には、採血時間が一定でない疎なデータでもよい。
正答: 3・4
276-277 共通の設問
55 歳男性。2 型糖尿病。内服薬による血糖のコントロールが不良のため、
インスリン導入の目的で教育入院を行い、超速効型インスリンの投与が開始され
た。しかし退院後、仕事が多忙のため自己注射が不規則になった。現状の改善が図
れないことから、かかりつけ薬剤師が処方医にトレーシングレポートを書き、使用
製剤の見直しについて処方提案を行った。その結果、次回来局時には以下のように
変更された処方箋を持参した。
ライゾデグ配合注フレックスタッチ(注)
1 回12 単位 1 日1 回 朝食直前
(注) インスリン デグルデク(遺伝子組換え)・インスリン アスパルト(遺伝子組
換え)溶解インスリンアナログ注射液
図は、皮下投与後のインスリンアナログの動態を示している。インスリンアナロ
グの動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。




アルブミン
皮下組織
毛細血管壁
循環血
- 1✕本製剤中で、インスリン デグルデクは、難水溶性で安定なダイヘキサマーと
して存在する。本製剤中で、インスリン デグルデクは、可溶性で安定なダイヘキサマーとして存在する。 - 2✕本製剤中で、インスリン アスパルト及びインスリン デグルデクは、アルブミ
ンと結合し安定化されている。本製剤中で、両者はアルブミンと結合していない(デグルデクは皮下組織・血中でアルブミンに結合する)。 - 3○本製剤を皮下投与後、インスリン アスパルトのヘキサマーは、皮下組織にお
いて速やかにモノマーに解離する。 - 4○本製剤を皮下投与後、インスリン デグルデクのダイヘキサマーは、皮下組織
でマルチヘキサマーを形成した後、徐々にモノマーに解離する。 - 5✕インスリン アスパルトは、循環血中でアルブミンに強く結合し、標的組織に
移行する。インスリン アスパルトは、循環血中でアルブミンに結合せず、速やかに標的組織に移行する。
正答: 3・4
278-279 共通の設問
72 歳男性。経口血糖降下薬を用いた治療を受けていたが、健康診断にて腎
機能は正常であるが肝機能の異常を指摘され、精査目的で入院となった。病棟担当
薬剤師が入院時持参薬の鑑別結果をもとに初回面談の際に指導を行う予定である。
(持参薬)

イオパミドール注射液には以下の3 種類のバイアル製剤がある。これら注射剤の
粘度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、37 °Cにおける水の粘度0.70 mPa・s とする。

- 1○製剤Aの動粘度は、製剤Bの動粘度より小さい。
- 2○製剤Bの相対粘度は、製剤Cの相対粘度より小さい。
- 3✕製剤Cの比粘度は、製剤Bの比粘度より小さい。製剤Cの比粘度は、製剤Bの比粘度より大きい。
- 4✕いずれの製剤も、イオン性造影剤に比べて高粘度のため、組織障害性が低減さ
れている。いずれの製剤も、非イオン性で浸透圧が低いため、組織障害性が低減されている。 - 5✕製剤Cの還元粘度は、製剤Bの還元粘度より小さい。製剤Cの還元粘度は、製剤Bの還元粘度より大きい。
正答: 1・2
280-281 共通の設問
32 歳女性。全大腸型潰瘍性大腸炎と診断され、プレドニゾロンで加療して
いたが再燃を繰り返したため、プレドニゾロンをインフリキシマブのバイオシミ
ラー製剤に変更したところ軽快した。インフリキシマブに変更して6 ヶ月目に全身
倦怠感と顔面(頬部)の広範な紅斑を認め、TNF 阻害薬誘発性のループス様症状
と診断された。
インフリキシマブのバイオシミラーに関する記述のうち、正しいのはどれか。1
つ選べ。
- 1✕先行バイオ医薬品の欠点を改良した完全ヒト化抗体である。先行バイオ医薬品と同等/同質の安全性、有効性を有する。
- 2✕先行バイオ医薬品と同一の糖鎖を有する。先行バイオ医薬品と同等/同質の安全性、有効性を有する。
- 3○先行バイオ医薬品と同等/同質の安全性、有効性を有する。
- 4✕臨床試験において、生物学的同等性試験による評価が必要である。先行バイオ医薬品と同等/同質の安全性、有効性を有する。
- 5✕先行バイオ医薬品と同一の細胞を用いて製造される。先行バイオ医薬品と同等/同質の安全性、有効性を有する。
正答: 3
282-283 共通の設問
54 歳女性。体重60 kg。腋窩リンパ節転移が著明な進行性乳がんと診断さ
れ、トラスツズマブを含む化学療法を継続していた。最近の画像検査にて肝転移を
認めたため、以下の化学療法を施行することとなった。

トラスツズマブ エムタンシン製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2
つ選べ。
- 1✕有効成分は、分子標的薬である核酸医薬と抗がん薬DM1 が結合した核酸薬物
複合体である。有効成分は、抗HER2抗体(トラスツズマブ)と抗がん薬DM1が結合した抗体薬物複合体である。 - 2✕有効成分は、ヒト上皮増殖因子と抗がん薬DM1 が結合したタンパク質薬物複
合体である。有効成分は、抗HER2抗体(トラスツズマブ)と抗がん薬DM1が結合した抗体薬物複合体である。 - 3○有効成分は、点滴静注後、ヒト上皮増殖因子受容体2 型(HER2)を標的とし
て抗がん薬DM1 を能動的にターゲティングする。 - 4○有効成分が細胞内に取り込まれた後、リソソーム内で抗がん薬DM1 を遊離す
る。 - 5✕有効成分が細胞膜上の受容体に結合した後、遊離した抗がん薬DM1 が細胞膜
に傷害を引き起こす。細胞内に取り込まれて遊離したDM1が、微小管形成を阻害する。
正答: 3・4
284-285 共通の設問
近隣で喫茶店を営む高齢男性から、体調変化に関してかかりつけ薬剤師に
相談があった。以前から神経因性疼痛があり、一般用医薬品の芍薬甘草湯を服用し
ているが、「最近、足がむずむずして気持ち悪いことが多く、夜も寝られないこと
がある。」とのことだった。近医を紹介し、お薬手帳を持参の上で受診するように
提案した。その後、紹介した医師より、ドパミンアゴニスト使用不可のレストレス
レッグス症候群(下肢静止不能症候群)と診断され、以下の処方を考えている旨の
連絡がこのかかりつけ薬剤師にあった。
ガバペンチン エナカルビル錠(注)300 mg 1 回2 錠(1 日2 錠)
1 日1 回 夕食後 14 日分
(注)徐放錠である。
ガバペンチン エナカルビル及びその製剤に関する記述のうち、正しいのはどれ
か。2つ選べ。
- 1○ガバペンチン エナカルビルは、ガバペンチンの経口吸収のばらつきや飽和を
改善するプロドラッグである。 - 2○ガバペンチン エナカルビルは、カルボキシルエステラーゼによる代謝を受け
て活性代謝物ガバペンチンに変換される。 - 3✕ガバペンチン エナカルビルは、ガバペンチンと同じCa2+ チャネルを介して消
化管から吸収される。ガバペンチン エナカルビルは、モノカルボン酸トランスポーター1(MCT1)などを介して消化管から吸収される。 - 4✕本錠剤には、崩壊剤としてグリセリン脂肪酸エステルが含まれる。本錠剤は胃内滞留型の徐放性製剤である。
- 5✕本錠剤は、腸溶性を示す。本錠剤は、胃内滞留型の徐放性製剤であり、腸溶性ではない。
正答: 1・2