第107回 — 病態・薬物治療
演習モードで解く全身性エリテマトーデス(SLE)に特異性の高い抗体はどれか。1つ選べ。
- 1✕抗チログロブリン抗体(抗サイログロブリン抗体)
- 2○抗二本鎖DNA 抗体
- 3✕抗CCP 抗体(抗環状シトルリン化ペプチド抗体)
- 4✕抗Jo–1 抗体
- 5✕抗GAD 抗体(抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ抗体)
正答: 2
間質性肺炎の指標として、特異度が高いのはどれか。1つ選べ。
- 1✕アミラーゼ(AMY)
- 2✕脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)
- 3✕クレアチンキナーゼ(CK)
- 4✕グリコヘモグロビン(HbA1c)
- 5○シアル化糖鎖抗原(KL–6)
正答: 5
重症筋無力症の初発症状として、最も頻度が高いのはどれか。1つ選べ。
- 1✕手指の振戦
- 2✕嚥下障害
- 3✕四肢の麻痺
- 4○眼瞼下垂
- 5✕発熱
正答: 4
健常者におけるレム睡眠に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1○急速な眼球運動が特徴である。
- 2✕筋肉の緊張が亢進する。急速な眼球運動が特徴である。
- 3✕入眠直後に多い。急速な眼球運動が特徴である。
- 4✕脳波で高振幅徐波を認める。急速な眼球運動が特徴である。
- 5✕加齢とともに増加する。急速な眼球運動が特徴である。
正答: 1
自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する薬剤はどれ
か。1つ選べ。
- 1○タムスロシン塩酸塩錠
- 2✕クロルマジノン酢酸エステル錠
- 3✕セルニチンポーレンエキス錠
- 4✕フルタミド錠
- 5✕エストラムスチンリン酸エステルナトリウム水和物カプセル
正答: 1
閃せん輝きあん暗てん点を伴うことがある頭痛はどれか。1つ選べ。
- 1○片頭痛
- 2✕反復性緊張型頭痛
- 3✕慢性緊張型頭痛
- 4✕反復性群発頭痛
- 5✕慢性群発頭痛
正答: 1
依存性の最も少ない薬物はどれか。1つ選べ。
- 1✕ペンタゾシン
- 2✕メチルフェニデート
- 3○グアンファシン
- 4✕メタンフェタミン
- 5✕ペモリン
正答: 3
子宮内膜症の治療に用いる薬剤はどれか。1つ選べ。
- 1✕エチニルエストラジオール錠
- 2✕エンザルタミド錠
- 3✕オキシトシン注
- 4○リュープロレリン酢酸塩注
- 5✕レトロゾール錠
正答: 4
急性胆管炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1✕左下腹部に痛みを生じる。血清ALP(アルカリフォスファターゼ)活性が上昇する。
- 2✕発熱を伴うことはまれである。血清ALP(アルカリフォスファターゼ)活性が上昇する。
- 3✕血中白血球数が減少する。血清ALP(アルカリフォスファターゼ)活性が上昇する。
- 4○血清ALP(アルカリフォスファターゼ)活性が上昇する。
- 5✕血中間接ビリルビン値が上昇する。血清ALP(アルカリフォスファターゼ)活性が上昇する。
正答: 4
原発性アルドステロン症の臨床所見として、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1✕低血圧症
- 2✕低ナトリウム血症
- 3○低カリウム血症
- 4✕インスリン分泌の増加
- 5✕レニン活性の上昇
正答: 3
活性型ビタミンD3 外用薬が適用される皮膚疾患はどれか。1つ選べ。
- 1✕接触性皮膚炎
- 2✕爪白癬
- 3✕アトピー性皮膚炎
- 4✕じん麻疹
- 5○尋常性乾癬
正答: 5
がん終末期における呼吸困難に対する治療薬はどれか。1つ選べ。
- 1✕アセトアミノフェン
- 2✕アドレナリン
- 3✕スキサメトニウム
- 4✕デキストロメトルファン
- 5○モルヒネ
正答: 5
組換え体医薬品でないのはどれか。1つ選べ。
- 1✕アルテプラーゼ
- 2✕カルペリチド
- 3○ソラフェニブ
- 4✕ニボルマブ
- 5✕レノグラスチム
正答: 3
厚生労働省が発行する資料はどれか。1つ選べ。
- 1✕医療用医薬品添付文書
- 2✕医薬品インタビューフォーム
- 3✕医薬品リスク管理計画
- 4○医薬品・医療機器等安全性情報
- 5✕くすりのしおり
正答: 4
被験者100 人について、ある臨床検査値Xを調べた時のヒストグラムが以下の
ようになった。同じデータに基づいて作成した箱ひげ図として、妥当なのはどれ
か。1つ選べ。
30

25
20
人数(人)
15
10
5
0
~10 ~15 ~20 ~25 ~30 ~35 ~40 ~45 ~50 ~55 ~60
検査値X

- 1✕
- 2✕
- 3○
- 4✕
- 5✕
正答: 3
156-157 共通の設問
22 歳女性。近医を受診し、以下の経過を訴えたところ、精神科を紹介され
た。
「仕事が多忙で残業が続いていたある日、通勤時に電車内で突然動悸が始まり、
呼吸困難となり、今にも心臓が止まりそうになり、やっとの思いで次の駅で降りて
救急車で病院へ運ばれたが、病院に着く頃には症状はだいぶ落ちついていた。念の
ため、診察を受けたが身体的には異常はなく、心電図や血液検査でも異常は認めら
れなかった。1 週間後、外出した時に、乗っていた電車の中で同じような動悸が始
まり、一緒にいた友人に手を握ってもらって何とか我慢して家までたどり着いた。
それ以来、発作が怖くて電車に乗れなくなった。電車通勤はやめて親に送り迎えを
してもらい、どうにか仕事には行くことができている。」
この疾患の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕薬物治療は原則として一生涯続ける。薬物治療は、発作が安定すれば漸減・中止が可能である。
- 2✕発作と判断するには、それが起こる状況の特定が必要である。発作と判断するのに、状況の特定は不要(予期しない発作が特徴)である。
- 3○予期不安を合併する場合が多い。
- 4○恐怖の対象となっている場所や状況に対する曝露療法が有効である。
- 5✕呼吸困難に対して、酸素の投与が必要である。呼吸困難(過換気)に対して、酸素投与は不要である。
正答: 3・4
159-160 共通の設問
60 歳男性。基礎疾患を指摘されたことはない。1 週間前から1 日に数回め
まいを感じるようになった。今朝、強いめまいとふらつきを覚え、救急外来を受診
した。来院時の血圧は118/84 mmHg、脈拍数32 回/分であった。心電図ではP 波
とQRS 波が全く無関係に出現し、PP 間隔とRR 間隔がそれぞれ一定で、PR 間隔
は不規則であった。また、P 波よりQRS 波の出現頻度が少なかった。
この患者の初期治療に適切な薬物はどれか。2つ選べ。
- 1✕アミオダロン
- 2✕ニトログリセリン
- 3✕ランジオロール
- 4○アトロピン
- 5○イソプレナリン
正答: 4・5
165-166 共通の設問
60 歳男性。仕事が忙しく睡眠不足が続いていた。ある日、右側胸部にかゆ
みを伴った皮疹が現れ、強い痛みも生じたため受診し、帯状疱疹と診断された。
この患者に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 1○疲労やストレスが発症の要因となった可能性が高い。
- 2✕皮疹は血管に沿って全身に拡がっていく。皮疹は神経支配領域(皮節)に沿って片側性に拡がっていく。
- 3✕病原体は麻しんと同じである。病原体は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)である。
- 4✕皮疹出現の約2 週間前に感染したと考えられる。小児期の水痘罹患後に神経節へ潜伏していたウイルスが再活性化したと考えられる。
- 5○副腎皮質ステロイド薬を用いる場合、抗ウイルス薬を併用する。
正答: 1・5
スティーブンス・ジョンソン症候群に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
- 1✕中毒性表皮壊死症とも呼ばれる。中毒性表皮壊死症(TEN)とは別の疾患で、TENの方が表皮剥離の範囲が広い。
- 2✕内服薬よりも、皮膚外用薬によって発症するケースが多い。内服薬などの全身投与薬によって発症するケースが多い。
- 3○視力低下をきたすことがある。
- 4✕発熱や倦怠感などの全身症状を伴うことはまれである。発熱や倦怠感などの全身症状を伴うことが多い。
- 5○治療の基本は、副腎皮質ステロイド薬の全身投与である。
正答: 3・5
ギラン・バレー症候群に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○上気道感染症や消化器感染症の後に発症することが多い。
- 2✕主に中枢神経の軸索や髄鞘が障害される。主に末梢神経の軸索や髄鞘が障害される。
- 3✕原因病原体として最も多いのは真菌である。原因病原体として最も多いのはカンピロバクターなどの細菌やウイルスである。
- 4○下肢から上行する左右対称性の弛緩性運動麻痺がみられる。
- 5✕副腎皮質ステロイド薬の単独療法により寛解が得られる。免疫グロブリン静注療法や血漿交換により治療する(副腎皮質ステロイド単独は無効)。
正答: 1・4
貧血の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕鉄欠乏性貧血では、血清フェリチン値が上昇する。鉄欠乏性貧血では、血清フェリチン値が低下する。
- 2○巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12 や葉酸の欠乏により起こる。
- 3○再生不良性貧血では、汎血球減少がみられる。
- 4✕自己免疫性溶血性貧血は、大球性貧血に分類される。自己免疫性溶血性貧血は、正球性貧血に分類される。
- 5✕腎性貧血では、エリスロポエチンの産生が亢進している。腎性貧血では、エリスロポエチンの産生が低下している。
正答: 2・3
ネフローゼ症候群で必ずみられるのはどれか。2つ選べ。
- 1✕体重減少
- 2✕血尿
- 3○タンパク尿
- 4○低アルブミン血症
- 5✕低コレステロール血症
正答: 3・4
42 歳女性。最近、疲れやすいと感じることが多くなり、また徐々に食欲が低下
し、何をするにも億劫でやる気が起こらなくなった。月経周期が乱れたため受診
し、検査の結果、橋本病と診断された。この患者の状態として、考えられるのはど
れか。2つ選べ。
- 1✕体重が著しく減少している。体重が増加している。
- 2✕頻脈が認められる。徐脈が認められる。
- 3○高コレステロール血症が認められる。
- 4○血清TSH(甲状腺刺激ホルモン)値が高い。
- 5✕副甲状腺ホルモンの分泌が亢進している。甲状腺ホルモンの分泌が低下している。
正答: 3・4
緑内障に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕緑内障は、眼圧を正常範囲内に維持すれば症状は現れない。緑内障は、眼圧が正常範囲内でも発症することがある(正常眼圧緑内障)。
- 2✕緑内障により低下した視力は、眼圧を低下させると速やかに回復する。緑内障により低下した視力・視野欠損は、眼圧を低下させても回復しない。
- 3✕開放隅角緑内障では、虹彩と水晶体の間の房水の流れが妨げられている。開放隅角緑内障では、線維柱帯での房水流出が妨げられている。
- 4○開放隅角緑内障では、視野欠損が徐々に進行する。
- 5○急性閉塞隅角緑内障では、急性の眼痛とともに頭痛、悪心・嘔吐を伴った視力
低下が起こる。
正答: 4・5
メニエール病の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選
べ。
- 1✕ウイルス感染症である。内リンパ水腫を病態とする内耳疾患である。
- 2○反復性回転性めまいと耳鳴、難聴や耳閉感を併発することが多い。
- 3✕イソソルビドは、外リンパ圧低下作用によりめまいを抑制する。イソソルビドは、内リンパ圧低下作用によりめまいを抑制する。
- 4○ペルフェナジンは、悪心・嘔吐を抑制する。
- 5✕ベタヒスチンメシル酸塩は、外耳の血液循環を改善することによりめまいを抑
制する。ベタヒスチンメシル酸塩は、内耳の血液循環を改善することによりめまいを抑制する。
正答: 2・4
B 型インフルエンザに続発するライ(Reye)症候群に関する記述として、正し
いのはどれか。1つ選べ。
- 1✕異常型プリオン蛋白が脳内に蓄積して発症する。肝障害を伴う急性脳症である。
- 2○肝障害を伴う急性脳症である。
- 3✕血糖値の上昇がみられる。肝障害を伴う急性脳症である。
- 4✕重度の黄疸がみられる。肝障害を伴う急性脳症である。
- 5✕小児の場合、アスピリンが治療に用いられる。肝障害を伴う急性脳症である。
正答: 2
漢方薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕大建中湯は、不眠症に使用される。大建中湯は、腹部膨満・腹痛に使用される。
- 2○五苓散は、浮腫に使用される。
- 3○小青竜湯は、アレルギー性鼻炎に使用される。
- 4✕補中益気湯は、月経困難に使用される。補中益気湯は、病後の衰弱、倦怠感、食欲不振に使用される。
- 5✕抑肝散は、気管支ぜん息に使用される。抑肝散は、神経症、不眠、小児の疳に使用される。
正答: 2・3
幹細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○胚性幹細胞(ES 細胞)は、自己複製能を持つ。
- 2✕胚性幹細胞は、多能性獲得に必要な遺伝子を導入して作製する。胚性幹細胞は、胚盤胞の内部細胞塊から樹立される(遺伝子導入で作製するのはiPS細胞)。
- 3✕人工多能性幹細胞(iPS 細胞)の作製には、受精卵が用いられる。iPS細胞の作製には、体細胞と多能性獲得に必要な遺伝子が用いられる。
- 4✕造血幹細胞は、あらゆる細胞に分化する能力を持つ。造血幹細胞は、血液系細胞に分化する能力を持つ。
- 5○造血幹細胞は、臍帯血にも存在する。
正答: 1・5
EBM の実践に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕最初のプロセスは「問題解決のための情報収集」である。最初のプロセスは「問題の明確化・定式化」である。
- 2✕情報を効率的に収集するために、一次資料の調査から開始する。情報を効率的に収集するために、三次資料(総説・ガイドラインなど)の調査から開始する。
- 3○PICO 又はPECO とよばれる4 つの要素(Patient、Intervention/Exposure、
Comparison、Outcome)を用いて問題の定式化を行う。 - 4○論文等に示された研究成果の正確度や再現性を確認することを、内的妥当性の
評価という。 - 5✕割りつけられた治療を完遂できず脱落した者を除いた解析はITT(intention–
to–treat)解析という。脱落した者も含め割り付け群のまま全例を解析するのがITT解析である。
正答: 3・4
試験期間が12ヶ月の臨床試験に参加した5 名の被験者(A~E)の経過が以下
のようになった。
Aが2 ヶ月後に死亡
Bが8 ヶ月後に死亡
Cが12ヶ月後の試験終了時まで生存
Dが4 ヶ月後に追跡不能となり打ち切り
Eが6 ヶ月後に追跡不能となり打ち切り
カプランマイヤー法を用いて表した生存曲線として、正しいのはどれか。1つ選
べ。

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5○
- 6✕
正答: 5
286-287 共通の設問
68 歳女性。54 歳の頃、精神科でうつ病と診断され2 年間ほどセルトラリ
ン塩酸塩錠を服用し、回復した。10 年前(58 歳時)に内科でパーキンソン病と診
断され、レボドパ250 mg・カルビドパ配合錠(1 日5 錠、朝2 錠、昼1 錠、夕2
錠)で治療を開始した。3 年前(65 歳時)から薬の作用時間が短縮し、服用後時
間が経つと安静時振戦や運動緩慢など症状の悪化が見られた。舌突出・異常運動、
じっとしていられないなどの症状は出現していなかった。服用回数を5 回に分割し
たところ症状は落ち着いた。
服用回数を分割する前に、患者に出現していた症状はどれか。1つ選べ。
- 1✕アカシジア
- 2✕急性ジストニア
- 3✕遅発性ジスキネジア
- 4✕on–off 現象
- 5○wearing–off 現象
正答: 5
288-289 共通の設問
28 歳女性。病院で受付事務の仕事をしている。半年前から起床時の体のこ
わばりや、手足の関節の痛みを意識するようになった。市販の鎮痛薬を飲んでいた
が、徐々に増悪したため、近くの整形外科を受診したところ、関節リウマチと診断
された。メトトレキサートでの治療を開始したが、症状は改善しなかった。アダリ
ムマブの自己注射を追加することになり、自己注射について薬剤師の指導を受ける
ように医師から言われ来局した。
患者の検査値等は以下のとおりである。
赤血球数280 # 104/nL、白血球数8,000/nL、血小板数12 # 104/nL、
CRP 2.8 mg/dL、血清クレアチニン値0.7 mg/dL、HbA1c 5.2%(NGSP 値)、
胸部X 線異常なし。
アダリムマブの自己注射を開始後、関節リウマチの症状は軽快して、患者は大変
喜んでいたが、約6 ヶ月後、次第に湿性の咳と全身倦怠感が出現するようになっ
た。
(検査値及び所見)
赤血球沈降速度30 mm/h(基準値3 ~15)、CRP 1.0 mg/dL、
HbA1c 5.4%(NGSP 値)、インターフェロンガンマ遊離試験陽性
この状況に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕関節リウマチの再燃が疑われる。結核感染が疑われる。
- 2✕糖尿病発症の可能性がある。結核感染が疑われる(HbA1cは正常範囲)。
- 3○結核感染が疑われる。
- 4✕アバタセプトの併用を検討する必要がある。アダリムマブの投与中止を検討する必要がある。
- 5○アダリムマブの投与中止を検討する必要がある。
正答: 3・5
290-291 共通の設問
58 歳男性。身長162 cm、体重88 kg。10 年前から健康診断で、高血圧及
び高血糖を指摘されていたが放置していた。喫煙歴30 年(1 日10 本程度)、20 歳
ごろよりビール大びん2 本と日本酒1 合程度をほぼ毎日飲酒していた。数ヶ月前よ
り、全身倦怠感が次第に強くなってきているのを自覚していたが、本日、外出中に
駅の階段で動けなくなり、救急搬送された。
(来院時の所見及び検査値)
意識は清明であり、四肢に運動・感覚障害は認めない。
血圧190/110 mmHg、心拍数72 拍/分、AST 210 IU/L、ALT 150 IU/L、
c–GTP 175 IU/L、血清クレアチニン値0.71 mg/dL、
血清浸透圧300 mOsm/L、血糖値310 mg/dL、HbA1c 10.5%(NGSP 値)、
尿糖(3+)、尿中アルブミン正常、尿蛋白(-)、尿中ケトン体(3+)、
浮腫(-)
この患者に起きている状況として、考えられるのはどれか。2つ選べ。
- 1○高血圧緊急症
- 2✕くも膜下出血
- 3✕糖尿病性腎症
- 4✕高浸透圧高血糖症候群
- 5○糖尿病性ケトアシドーシス
正答: 1・5
292-293 共通の設問
43 歳男性。基礎疾患はない。海外に単身赴任中。一時帰国した3 日後の夕
食時に体調がすぐれず、早めに就寝した。翌朝から39 °Cの発熱と発疹を認め、近
医を受診し、風しんと診断された。
家族の風しん罹患歴、予防接種歴は以下のとおりである。

この患者に関する記述として、考えられるのどれか。2つ選べ。
- 1✕帰国途中又は帰国後に感染した。風しんの潜伏期(約2〜3週間)から、海外滞在中に感染したと考えられる。
- 2✕DNA ウイルスに感染した。風しんウイルスはRNAウイルスである。
- 3○リンパ節の膨張が認められる。
- 4○白血球数が減少している。
- 5✕発熱は2 週間以上続く。発熱は数日間(発疹出現前後の2〜3日)続く。
正答: 3・4
294-295 共通の設問
62 歳男性。身長161 cm、体重58 kg。半年ほど前から腋窩のしこりに気づ
いていたが、徐々に増大してきた。1 ヶ月前よりだるさと38 °Cの発熱が継続し、
朝起きたときに下着が濡れているほどの汗をかくようになった。体重も減少してき
たため、心配になって病院を受診した。患者の検査値等は以下のとおりである。
(検査値及び所見)
AST 51 IU/L、ALT 38 IU/L、LDH 2,543 IU/L、c–GTP 224 IU/L、
血清クレアチニン値1.62 mg/dL、尿酸8.4 mg/dL、血清Na 136 mEq/L、
血清K 4.5 mEq/L、血清Ca 10.0 mg/dL、血清P 3.0 mmol/L、
血清アルブミン4.0 g/dL、HbA1c 5.8%(NSGP 値)、白血球数15,000/nL、
赤血球数250 # 104/nL、Ht 35%、腋窩の腫瘍径は5 cm
精査の結果、悪性リンパ腫と診断されたが、リンパ節生検でリード・ステルンベ
ルグ(Reed–Sternberg)細胞などの巨細胞は確認されなかった。
この患者の病態及び検査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○非ホジキンリンパ腫の症例と考えられる。
- 2○発熱、大量の寝汗及び体重減少は、B 症状の典型的症状である。
- 3✕血清カルシウム値が高いため、骨破壊が進んでいる可能性が高い。血清カルシウム値の上昇は、腫瘍随伴症候群(PTHrP産生など)によることが多い。
- 4✕遺伝子検査では、フィラデルフィア染色体が検出される可能性が高い。フィラデルフィア染色体が検出されるのは慢性骨髄性白血病などである。
- 5✕腎機能低下は、ベンス・ジョーンズタンパク質の増加による可能性が高い。ベンス・ジョーンズタンパク質の増加は多発性骨髄腫でみられる。
正答: 1・2
296-297 共通の設問
54 歳男性。既往歴なし。咳と嗄声が継続していたが、血痰を認めたため近
医を受診した。胸部X 線で右肺腫瘤を指摘され、総合病院呼吸器内科を紹介受診
した。精査の結果cT2N3M1b Stage IVA の非小細胞肺がん(腺がん)と診断され
た。パフォーマンスステータス(PS)1 。治療薬選択にあたり、遺伝子検査が実
施された。EGFR 遺伝子変異(陰性)、ALK 遺伝子転座(陰性)、ROS1 遺伝子転
座(陽性)、BRAF 遺伝子変異(陰性)、PDL–1 F 50%。
患者に喫煙歴はなく、機会飲酒のみ。就学中の子供がいるため、外来通院治療を
希望している。
この患者の病態及び治療に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 1✕腫瘍マーカーのPSA が上昇している。PSAは前立腺がんの腫瘍マーカーであり、肺がんでは用いられない。
- 2○他臓器への遠隔転移がある。
- 3✕子孫に遺伝する変異が検出された。検出されたのは腫瘍細胞の体細胞変異であり、遺伝性ではない。
- 4○子供と一緒に散歩することができる。
- 5✕手術による根治が可能である。Stage IVAで遠隔転移があるため、手術による根治は困難である。
正答: 2・4
298-299 共通の設問
62 歳女性。身長153 cm、体重56 kg。動悸及び息切れを自覚し、近医を受
診したところ非弁膜症性心房細動と診断され、以下の処方で治療を開始することに
なった。患者の検査値等は以下のとおりである。
(所見及び検査値)
血圧140/86 mmHg、心拍数160 拍/分、脈拍数90 拍/分、AST 23 IU/L、

治療薬の処方意図として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 1○心拍数の調節(レートコントロール)
- 2✕洞調律の維持(リズムコントロール)
- 3✕冠動脈血栓の予防
- 4✕肺塞栓症の予防
- 5○脳塞栓症の予防
正答: 1・5
300-301 共通の設問
72 歳男性。S 状結腸穿孔により腹膜炎を発症し、敗血症性ショックの診断
で集中治療室(ICU)に入室となった。人工呼吸器管理下でノルアドレナリン注射
液、ドブタミン塩酸塩注射液及び注射用メロぺネムを使用していたが、皮下出血、
血小板数の低下、プロトロンビン時間の延長及びフィブリノゲンの低下が観察さ
れ、敗血症性播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断された。DIC 診断に伴い、未
分画ヘパリンおよびガベキサートの投与が開始された。開始後は活性化部分トロン
ボプラスチン時間(APTT)の延長が認められたが、数日後APTT の延長が乏し
くなった。現在の所見及び検査値は以下のとおりである。
(所見及び検査値)

この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕D ダイマー/FDP の比は低下している。DダイマーやFDPは上昇している。
- 2✕ガベキサートの使用により、出血リスクが高くなっている。ガベキサートはDICの治療薬(血栓形成を抑える薬)である。
- 3○細小血管に微小血栓が形成されている。
- 4✕死に至る可能性は極めて低い。DICは重篤であり、死に至る可能性がある。
- 5○腎機能のモニタリングが必要である。
正答: 3・5
302-303 共通の設問
59 歳男性。B 型肝炎ウイルス(HBs 抗原)陽性であったが症状もなく長
年放置していた。倦怠感や意識障害が強くなり家族に連れられ近医を受診したとこ
ろ、非代償性肝硬変と診断され、緊急入院となった。下肢にむくみを認めている
が、食事の摂取は可能である。入院時の検査値と入院後の処方は以下のとおりであ
る。
(検査値)
AST 26 IU/L、ALT 27 IU/L、血清クレアチニン値1.2 mg/dL、
総タンパク6.0 g/dL、血清アルブミン2.4 g/dL、LDL–C 38 mg/dL、
プロトロンビン時間(PT)19.8 秒、総ビリルビン1.0 mg/dL、
直接ビリルビン0.6 mg/dL
(処方1 )

入院時、この患者に起こっていることとして、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 1○血清アルブミン濃度の低下
- 2✕血清コレステロール濃度の上昇
- 3✕フィッシャー比の上昇
- 4○プロトロンビン時間の延長
- 5✕直接ビリルビン濃度の低下
正答: 1・4
304-305 共通の設問
薬剤師が病院薬剤部内の勉強会で、ナトリウム–グルコース共輸送体2
(SGLT2 )阻害薬A の心保護作用について発表することになり、以下の文献を入
手した。
動脈硬化性心疾患を有する、または、動脈硬化性心疾患リスクが高い2 型糖尿病
患者を対象に、「A 投与群」、「A 非投与群」の2 群に無作為に割り付けし、心血管
死または心不全による入院を主要評価項目として検討したところ、以下の結果を得
た。

この解析に用いられた統計手法として、適切なのはどれか。1つ選べ。
- 1✕t 検定
- 2✕Mann–Whitney のU 検定
- 3✕Kruskal–Wallis 検定
- 4○Cox 回帰分析
- 5✕重回帰分析
正答: 4