第106回 — 薬剤
演習モードで解く単純拡散による薬物の細胞膜透過に関する記述のうち、正しいのはどれか。1
つ選べ。
- 1○濃度勾配に従う。
- 2✕透過速度はMichaelis–Menten 式で表される。濃度勾配に従う。
- 3✕トランスポーターを介する。濃度勾配に従う。
- 4✕ATP の加水分解エネルギーを利用する。濃度勾配に従う。
- 5✕タンパク質の細胞内取り込みに関与する。濃度勾配に従う。
正答: 1
以下の剤形のうち、薬物の肝初回通過効果を回避するのに最も適しているのは
どれか。1つ選べ。
- 1✕経口徐放錠
- 2✕口腔内崩壊錠
- 3✕腸溶錠
- 4✕経口ゼリー剤
- 5○坐剤
正答: 5
薬物が血漿と組織に分布するとき、分布容積を表す式はどれか。1つ選べ。た
だし、血漿容積をVp、組織容積をVt、薬物の血漿中濃度をCp、薬物の組織中濃度
をCt とする。
- 1✕Vp # Cp + Vt # Ct
- 2○Vp + Vt # Ct
Cp - 3✕Vp + Vt # Cp
Ct - 4✕Vp - Vt # Ct
Cp - 5✕Vp - Vt # Cp
Ct
正答: 2
チザニジンの代謝を阻害するのはどれか。1つ選べ。
- 1✕エスシタロプラム
- 2✕セルトラリン
- 3✕パロキセチン
- 4○フルボキサミン
- 5✕ミルナシプラン
正答: 4
腸肝循環するのはどれか。1つ選べ。
- 1✕アルベカシン
- 2✕イソニアジド
- 3✕エナラプリル
- 4✕オセルタミビル
- 5○モルヒネ
正答: 5
体内動態が線形1–コンパートメントモデルに従う薬物について、投与量に比例
して変化するのはどれか。1つ選べ。
- 1✕最高血中濃度到達時間
- 2○消失速度
- 3✕消失速度定数
- 4✕消失半減期
- 5✕全身クリアランス
正答: 2
全身クリアランスが40 L/h である薬物を点滴静注し、定常状態における血中濃
度を0.50 mg/L にしたい。適切な投与速度(mg/h)はどれか。1つ選べ。
- 1✕13
- 2○20
- 3✕40
- 4✕50
- 5✕80
正答: 2
ある薬物の体内動態に線形性が成り立つとき、静脈内投与後の平均滞留時間が
4.0 h、経口投与後の平均滞留時間が6.0 h であった。平均吸収時間(h)はどれ
か。1つ選べ。
- 1✕0.67
- 2✕1.5
- 3○2.0
- 4✕10
- 5✕24
正答: 3
図の構造をもつ経口固形製剤が示すと考えられる、水中での水溶性薬物の放出
パターンはどれか。1つ選べ。


- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4○
- 5✕
正答: 4
図はある高分子溶液の濃度と還元粘度の関係を示している。この溶液の極限粘
度(#10-6 mL/g)に最も近い値はどれか。1つ選べ。

- 1○1.0
- 2✕1.5
- 3✕2.0
- 4✕2.5
- 5✕3.0
正答: 1
一定温度において、ある固体表面に水が薄膜状に拡がり、拡張ぬれが成立する
ときの固液界面張力(mN/m)はどれか。1つ選べ。なお、固体の表面張力は
585 mN/m、水の表面張力は73 mN/m とする。
- 1✕73
- 2✕439
- 3○512
- 4✕585
- 5✕658
正答: 3
図の化学構造を有し、懸濁化剤や結合剤として用いられる合成高分子はどれ
か。1つ選べ。

- 1○ポビドン
- 2✕ヒプロメロース
- 3✕メチルセルロース
- 4✕カルメロース
- 5✕アラビアゴム
正答: 1
皮膚に適用する製剤のうち、水中油型又は油中水型に乳化した半固形の製剤は
どれか。1つ選べ。
- 1✕軟膏剤
- 2○クリーム剤
- 3✕ゲル剤
- 4✕ローション剤
- 5✕リニメント剤
正答: 2
図に示す注射剤の容器の名称はどれか。1つ選べ。

キャップ 薬液 プランジャー
- 1✕アンプル
- 2✕カートリッジ
- 3✕ダブルバッグ
- 4○プレフィルドシリンジ
- 5✕バイアル
正答: 4
図に示す受動的ターゲティングを利用した製剤はどれか。1つ選べ。

肝臓
腫瘍組織
- 1○ドキシル®注20 mg(ドキソルビシン塩酸塩)
- 2✕パルクス®注5 ng(アルプロスタジル)
- 3✕オンパットロ®点滴静注2 mg/mL(パチシランナトリウム)
- 4✕アムビゾーム®点滴静注用50 mg(アムホテリシンB)
- 5✕リメタゾン®静注2.5 mg(デキサメタゾンパルミチン酸エステル)
正答: 1
トランスポーターを介した薬物輸送に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
- 1○ペプチドトランスポーターPEPT1 によるバラシクロビル輸送の駆動力は、プ
ロトン濃度勾配である。 - 2✕有機アニオントランスポーターOAT1 によるメトトレキサート輸送は、ATP
の加水分解エネルギーを駆動力として直接利用する。有機アニオントランスポーターOAT1 によるメトトレキサート輸送は、有機陰イオンとの交換による二次能動輸送である(ATPを直接利用しない)。 - 3○シクロスポリンは有機アニオントランスポーターOATP1B1 を阻害するため、
プラバスタチンの肝臓への移行を抑制し、血中濃度を上昇させる。 - 4✕カルビドパは血液脳関門に発現する中性アミノ酸トランスポーターLAT1 を介
して、脳へ移行する。レボドパは血液脳関門に発現する中性アミノ酸トランスポーターLAT1 を介して、脳へ移行する。 - 5✕シスプラチンは有機カチオントランスポーターOCT2 の基質であるため、ジゴ
キシンの尿細管分泌を競合的に阻害する。シスプラチンは有機カチオントランスポーターOCT2 の基質であるが、ジゴキシンの尿細管分泌(P–糖タンパク質介在)を阻害しない。
正答: 1・3
薬物の胎児への移行に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕母体血と胎児血が胎盤内で混ざり合うことで、薬物は母体血から胎児血へ移行
する。母体血と胎児血は胎盤内で混ざり合わず、胎盤膜を介した輸送によって薬物は母体血から胎児血へ移行する。 - 2○胎盤にはP–糖タンパク質が発現し、薬物の胎児血への移行を抑制している。
- 3✕胎盤にはシトクロムP450 などの薬物代謝酵素が存在しないため、薬物は胎盤
で代謝を受けることなく胎児血に移行する。胎盤にもシトクロムP450 などの薬物代謝酵素が存在するため、薬物は胎盤で代謝を受けることがある。 - 4✕胎盤には母体血中の抗体を胎児に移行させる透過機構が存在しないため、全て
の抗体医薬品は胎児血に移行しない。胎盤には母体血中の抗体を胎児に移行させる透過機構が存在するため、一部の抗体医薬品は胎児血に移行する。 - 5○薬物は母体血中でアルブミンと結合した状態では、胎盤を介して胎児血に移行
しない。
正答: 2・5
以下の薬物のうち、ヘム鉄に配位することによって、シトクロムP450 の活性
を最も強く阻害するのはどれか。1つ選べ。

- 1○
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5✕
正答: 1
体内動態が線形性を示す薬物Aは、肝代謝と腎排泄によって体内から消失し、
正常時における腎クリアランスは全身クリアランスの60%である。また、腎疾患
時に薬物Aの肝クリアランスは変化しないが、腎クリアランスは糸球体ろ過速度
(GFR)に比例して変化する。薬物Aを投与中の患者において、GFR が正常時の
50%に低下したとする。薬物Aの血中濃度時間曲線下面積(AUC)を腎機能正常
時と同じにするには、投与量を腎機能正常時の何%に変更すればよいか。1つ選
べ。
- 1✕20
- 2✕40
- 3○70
- 4✕140
- 5✕250
正答: 3
肝代謝のみで消失する薬物400 mg をヒトに単回静脈内投与した際、図に示す
血中濃度推移が得られた。この薬物の体内動態は線形性を示し、経口投与時に門脈
血中に移行する割合は100%である。この薬物を反復経口投与し、定常状態での平
均血中薬物濃度を3.5 ng/mL としたい。この薬物の肝クリアランス(L/h)及び1
日あたりの投与量(mg)の組合せとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。な
お、肝血流速度は80 L/h、ln 2 = 0.693 とする。

時間(h)
肝クリアランス(L/h) 1 日あたりの投与量(mg)
- 1✕5 500
- 2✕5 950
- 3✕5 1,100
- 4✕10 500
- 5○10 950
- 6✕10 1,100
正答: 5
肝代謝のみで消失する薬物について、血漿タンパク結合に飽和が認められ、投
与量の増加に伴い血中タンパク非結合形分率(fu)が増加していた。この薬物を経
口投与したとき、投与量と血中濃度時間曲線下面積(AUC:実線)、及び投与量と
非結合形薬物のAUC(fu # AUC:点線)の関係として、適切なのはどれか。1
つ選べ。なお、肝血流速度、この薬物の吸収率及び肝固有クリアランスは投与量が
増加してもいずれも一定であり、肝での消失はwell–stirred model に基づくものと
する。

- 1✕
- 2✕
- 3○
- 4✕
- 5✕
正答: 3
抗菌薬の投与計画に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕薬物動態(PK)パラメーターとして、最小発育阻止濃度(MIC)が用いられ
る。薬力学的(PD)パラメーターとして、最小発育阻止濃度(MIC)が用いられる。 - 2✕薬力学的(PD)パラメーターとして、time above MIC が用いられる。PK–PDパラメーターとして、time above MIC が用いられる。
- 3○PK–PD パラメーターとして、血中濃度時間曲線下面積(AUC)をMIC で除
したAUC/MIC が用いられる。 - 4○濃度依存性作用型薬物のPK–PD パラメーターとして、最高血中濃度(Cmax)
をMIC で除したCmax/MIC が用いられる。 - 5✕時間依存性作用型薬物は、1 回あたりの投与量を増やし、投与間隔を延ばすこ
とが望ましい。時間依存性作用型薬物は、投与間隔を短くし(分割投与し)て、血中濃度がMICを超える時間を長くすることが望ましい。
正答: 3・4
表に示す特性を有する2 種類の水溶性薬物の結晶性粉体A、Bがある。以下の
記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、粉体A、Bはいずれも結晶粒
子内に空隙はなく、粒子密度と真密度は等しいものとする。また、粉体AとBの相
互作用はないものとする。

- 1✕疎充てん時において、粉体Aのかさ比容積は粉体Bの2 倍以上である。疎充てん時において、粉体Aのかさ比容積は粉体Bの半分以下である。
- 2○疎充てん時において、粉体Aのかさ密度は粉体Bの2 倍以上である。
- 3✕粉体AとBの粒子形状が同じである場合、粉体Aの比表面積は粉体Bの2 倍以
上である。粉体AとBの粒子形状が同じである場合、粉体Aの比表面積は粉体Bの半分以下である。 - 4○70%の相対湿度下では、粉体Bの方が著しく吸湿しやすい。
- 5✕粉体Aと粉体Bを1:3 の質量比で混合した粉体の臨界相対湿度は65%である。粉体Aと粉体Bを混合した粉体の臨界相対湿度は48%である。
正答: 2・4
図は結晶多形をもつ薬物Aについて15 ~35 °Cにおけるリン酸緩衝液中の溶解
度(S)の対数値を絶対温度(T)の逆数に対してプロットしたものである。この
図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、Aの溶解熱は測定
温度範囲において一定とする。

- 1✕図よりI形からII形への転移熱を知ることはできない。図よりI形からII形への転移熱を知ることができる(両直線の傾きの差から求められる)。
- 2○薬物AのII形からI形への転移温度は約84 °Cである。
- 3✕図中のTr は、I形結晶の分解開始温度である。図中のTr は、I形結晶のII形への転移温度である。
- 4✕I形及びII形の結晶とも溶解熱は負の値を示す。I形及びII形の結晶とも溶解熱は正の値を示す。
- 5○Tr 以上の温度になると、I形結晶の方がII形結晶より高い溶解度を示すこと
が予測される。
正答: 2・5
液状の物質AとBについて、せん断応力とせん断速度の関係を調べたところ、
図の結果が得られた。これらの図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選
べ。
物質A 物質B

- 1○物質Aのみかけ粘度は、0.4 Pa・s である。
- 2✕物質Aの降伏値は、40 Pa である。物質Aに降伏値はない(降伏値0)。
- 3✕物質Bでは、せん断応力の増加とともにみかけ粘度が低下している。物質Bでは、せん断応力の増加とともにみかけ粘度が上昇している。
- 4○物質Bの流動曲線は、高濃度のデンプン水懸濁液に見られる。
- 5✕ニュートンの粘性法則に従う流動を示しているのは、物質Aである。ニュートンの粘性法則に従う流動を示しているのは、どちらでもない(いずれも非ニュートン流動)。
正答: 1・4
乳剤及び懸濁剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○バンクロフト(Bancroft)の経験則によると、親油性の乳化剤を添加すると
w/o 型乳剤が形成されやすい。 - 2✕一般に、分散相が凝集した乳剤は、振り混ぜると容易に再分散される。一般に、分散相が合一(凝集)した乳剤は、振り混ぜても再分散されない。
- 3✕懸濁剤において、粒子が凝集沈降を起こし、再分散が困難な強固な凝集体を形
成することをケーキングという。懸濁剤において、粒子が凝集せずに沈降し、再分散が困難な強固な凝集体を形成することをケーキングという。 - 4✕一般に、乳剤の外相に内相を加えて両相の容積が等しくなったとき、外相と内
相が逆転する転相を起こす。一般に、乳剤の外相に内相を加えて内相の容積が外相を超えたとき、外相と内相が逆転する転相を起こす。 - 5○乳剤のクリーミングは、内相が浮上又は沈降する現象であり、可逆的である。
正答: 1・5
表は、ジアゼパム注射剤の組成と性状を示す。

本剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕ベンジルアルコールは、浸透圧を調整するために添加されている。ベンジルアルコールは、注射部位の疼痛を軽減するため(局所麻酔作用)に添加されている。
- 2○本剤は、最終滅菌法で滅菌できる。
- 3✕本剤は、日本薬局方のアルコール数測定法の適用を受ける。本剤は、日本薬局方のアルコール数測定法の適用を受けない。
- 4○プロピレングリコールと無水エタノールは、コソルベントとして添加されている。
- 5✕本剤は、著しく高張であるため、生理食塩液で希釈して使用する必要がある。本剤は、希釈せずそのまま緩徐に静脈内注射する(生理食塩液等と混合すると析出の恐れがある)。
正答: 2・4
単位操作と製剤機械に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○ジェットミルは、ジュール・トムソン効果により粉砕時の温度の上昇を抑えら
れるので、熱に不安定な化合物や低融点化合物の粉砕に適している。 - 2✕旋回スクリュー型混合機は、本体容器が回転することにより、粉粒体の集合と
分割を交互に繰り返すことで混合が進行する。旋回スクリュー型混合機は、スクリューが円錐容器内で自転しながら公転することにより、粉粒体の集合と分割を交互に繰り返すことで混合が進行する。 - 3✕流動層造粒装置は、熱風気流中に吹き上げた粉末に結合剤を噴霧するので、装
置内で圧密化を受けて重質な造粒物が得られる。流動層造粒装置は、熱風気流中に吹き上げた粉末に結合剤を噴霧するので、多孔質で軽質な造粒物が得られる。 - 4○ロータリー型打錠機は、複数組の上下杵と臼を組み込むことができるので、大
量生産に適している。 - 5✕オーガ式のカプセル充てん装置は、瞬間的に薬物溶液をゼラチンで包み込める
ので、シームレスカプセルを製することができる。滴下式のカプセル充てん装置は、瞬間的に薬物溶液をゼラチンで包み込めるので、シームレスカプセルを製することができる。
正答: 1・4
単一有効成分含量の表示が50 mg の素錠Aについて日本薬局方製剤均一性試験
法の質量偏差試験を実施した。Aの30 錠をとり、初めの試料10 個について個々の
質量を精密に測定し、含量を推定したところ表のようになった。本試験の結果につ
いて正しい判定はどれか。1つ選べ。なお、表示量に対する%で表した製造時にお
ける個々の製剤中の目標含量を100%としたときの判定値の計算式は以下のとおり
であり、判定値の最大許容限度値は15%である。

ただし、98.5 E X E 101.5 の時、M = X

量の平均、k:判定係数(10 錠の場合は2.4、30 錠の場合は2.0)、s:標準偏差)
- 1✕判定値は11.6 となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均
一性試験法に適合している。判定値は8.62 となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均 一性試験法に適合している。 - 2✕判定値は11.6 となり、基準値の最大許容限度値と一致していないので、製剤
均一性試験法に適合しない。判定値は8.62 となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均 一性試験法に適合している。 - 3✕判定値は11.6 となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均
一性試験法に適合しない。判定値は8.62 となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均 一性試験法に適合している。 - 4○判定値は8.62 となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均
一性試験法に適合している。 - 5✕判定値は8.62 となり、基準値の最大許容限度値と一致していないので、製剤
均一性試験法に適合しない。判定値は8.62 となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均 一性試験法に適合している。 - 6✕判定値は8.62 となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均
一性試験法に適合しない。判定値は8.62 となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均 一性試験法に適合している。
正答: 4
我が国で実用化されている薬物送達システム(DDS)に関する記述のうち、正
しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○ニトログリセリンのテープ剤は、投与薬物の肝初回通過効果を回避して、薬効
の持続を期待できる経皮吸収型製剤である。 - 2✕ファモチジンの口腔内崩壊錠は、薬物の苦味を抑えるため、水溶性高分子を担
体とする固体分散体を利用して薬物溶出が抑えられている。ファモチジンの口腔内崩壊錠は、薬物の苦味を抑えるため、苦味をマスキングする被覆層を持つ顆粒が利用されている。 - 3○直腸粘膜からのセフチゾキシムナトリウムの吸収を高めるため、カプリン酸ナ
トリウムを添加した坐剤が実用化されている。 - 4✕鼻粘膜からの薬物吸収を高めるため、付着性を有する高分子を添加したトリア
ムシノロンアセトニドの製剤がある。鼻粘膜への滞留時間を延ばすため、付着性を有する高分子を添加したトリアムシノロンアセトニドの製剤がある。 - 5✕プロポフォールの注射剤は、薬物が脂質二重膜に包まれることで、血中での滞
留性が高まり、治療効果を発揮する。プロポフォールの注射剤は、薬物が脂肪乳剤の油相に溶解されて水中に分散するエマルション製剤であり、治療効果を発揮する。
正答: 1・3
266-267 共通の設問
70 歳男性。体重50 kg。皮膚科を受診して帯状疱疹の診断を受け、処方1
の記載された処方箋を薬局に持参してきた。お薬手帳の内容を確認すると、以下の
薬剤を継続的に服用しており、血清クレアチニン値6.0 mg/dL と記載されてい
た。また、血液透析は実施していないことを確認した。
(処方1 )

健康成人におけるペンシクロビルの主な消失経路と考えられるのはどれか。1つ
選べ。
- 1✕小腸上皮細胞内での代謝
- 2✕肝代謝
- 3✕糸球体ろ過
- 4○尿細管分泌
- 5✕胆汁排泄
正答: 4
268-269 共通の設問
38 歳女性。腰痛のため近医を受診したところ以下の薬剤を処方され、1 歳
0 ヶ月の幼児(体重9 kg)を伴って薬局を訪れた。
(処方)
アセトアミノフェン錠200 mg 1 回2 錠(1 日4 錠)
1 日2 回 朝夕食後 7 日分
幼児は、1 回の授乳で200 mL 程度の母乳を飲むことがあるとのこと。母乳によ
る育児の継続を強く望んでいるが、薬の服用後に母乳中に薬が移行して子どもに影
響することに不安を持っているとのことであった。
アセトアミノフェンの乳汁/血漿中薬物濃度比は0.91~1.4 とされている。ま
た、アセトアミノフェン錠の添付文書から薬物動態及び用法・用量に関する以下の
情報を得た。
成人にアセトアミノフェン400 mg を経口単回投与後の最高血漿中濃度は
9.0 ng/mL であり、投与12 時間後には血漿中からほぼ完全に消失していた。
通常、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1 kg あたり1 回10~
15 mg を経口投与する。
患者が指示どおりに服用した場合、乳汁200 mL あたりに含まれるアセトアミノ
フェン量は、保育する幼児における最低用量に対し、最大で何%に達する可能性が
あるか。最も近い値を1つ選べ。なお、アセトアミノフェンの血漿から乳汁への分
布は速やかに平衡状態に達するものとする。
- 1○2.8
- 2✕9.0
- 3✕25
- 4✕90
- 5✕250
正答: 1
270-271 共通の設問
64 歳男性。心筋梗塞、慢性胃炎。5 年前に心筋梗塞を発症して以来、以下
の処方薬を継続的に服用している。最近、血便が頻回に認められたため受診し、内
視鏡検査を受けたところ大腸がんと診断され、摘出手術を受けた。明日から
XELOX 療法※を実施する予定である。
※ XELOX 療法:カペシタビン+ オキサリプラチン
(処方)

前問の対応の1 つについて、その原因となる、XELOX 療法に伴う生理学的ある
いは薬物動態学的な変化はどれか。1つ選べ。
- 1✕胃内容排出時間の延長
- 2✕アルブミン濃度の低下
- 3✕CYP3A4 の誘導
- 4○CYP2C9 の阻害
- 5✕腎血漿流量の低下
正答: 4
272-273 共通の設問
62 歳男性。15 年前に糖尿病と診断され治療を続けてきたが、血糖値のコ
ントロールは不十分で、下肢の潰瘍の治療目的で入院した。入院中に発熱と呼吸困
難、咳を訴え、喀痰検査よりMRSA 感染症と診断され、バンコマイシン塩酸塩に
よる治療を実施することになった。
(身体所見及び検査値)
体重60 kg、身長170 cm、ALT 23 IU/L、AST 18 IU/L、
eGFR 24 mL/min/1.73 m2、HbA1c 9.2%(NGSP 値)
この患者に対し、バンコマイシン塩酸塩を1 日1 回1 g、点滴静注することに
なった。初回投与開始後、3 時間及び24 時間(2 回目の投与直前)に採血を行い
バンコマイシンの血中濃度を測定したところ、それぞれ40 ng/mL 及び16 ng/mL
であった。次の採血ポイントとして、定常状態における最低血中濃度の90%以上
に到達した最初のトラフ濃度を測定したい。この患者における消失半減期(h)と
次の採血ポイントの組合せとして適切なのはどれか。1つ選べ。
ただし、バンコマイシンの体内動態は線形1–コンパートメントモデルに従うも
のとし、ln 2 = 0.693、ln 5 = 1.609 とする。
消失半減期(h) 採血ポイント
- 1✕12 3 回目の投与直前
- 2✕12 4 回目の投与直前
- 3✕14 3 回目の投与直前
- 4✕14 4 回目の投与直前
- 5✕16 3 回目の投与直前
- 6○16 4 回目の投与直前
正答: 6
274-275 共通の設問
56 歳女性。10 年前に高血圧と糖尿病と診断され、本日、以下の処方が記
載された処方箋を薬局に持参した。
(処方1 )

患者から、医療費の負担をなるべく小さくしたいので、後発医薬品に変更できな
いか薬剤師に相談があった。しかし、処方箋の「変更不可」欄には両処方とも
チェック(✓)が記載されていた。処方医に相談したところ、後発医薬品が先発医
薬品と同等の有効性と安全性及び品質を有している根拠を説明することになった。
この処方医に説明するときに提示する、後発医薬品と先発医薬品の生物学的同等
性を規定する薬物動態パラメーターはどれか。2つ選べ。
- 1✕分布容積
- 2○最高血中濃度
- 3✕消失半減期
- 4✕平均滞留時間
- 5○血中濃度時間曲線下面積
正答: 2・5
276-277 共通の設問
52 歳女性。約1 年前に乳癌(ホルモン受容体陰性、HER2 陰性)と診断さ
れ、術後化学療法としてAC(ドキソルビシン+ シクロホスファミド)療法を受
けたが、最近、再発が認められた。そこで二次治療として、アブラキサン®点滴静
注用(注)による化学療法を実施することになった。
(注:パクリタキセル注射剤(アルブミン懸濁型))
アブラキサン®点滴静注用の製剤学的特徴に関する記述のうち、適切なのはどれ
か。2つ選べ。
- 1✕懸濁化剤として、メチルセルロースが添加されている。懸濁化剤として人血清アルブミンが用いられている(メチルセルロースではない)。
- 2○パクリタキセルを人血清アルブミンに結合させてナノ粒子化した製剤である。
- 3✕保存剤が含まれるため、懸濁液は冷所で約1 週間保存できる。保存剤は含まれておらず、懸濁液は速やかに使用する。
- 4✕点滴静注後、血液中で微粒子は崩壊することなく安定に存在し、パクリタキセ
ルが腫瘍に効率よく集積する。点滴静注後、血液中で微粒子は崩壊してパクリタキセルが放出される。 - 5○用時懸濁して用いる凍結乾燥注射剤である。
正答: 2・5
278-279 共通の設問
91 歳女性。骨粗しょう症の治療でアレンドロン酸ナトリウム経口ゼリー剤
を服用中である。先日、薬剤師が在宅訪問した際に手足のしびれや筋肉の硬直を訴
えていたため主治医に報告したところ、本日、医師の訪問診療時に低カルシウム血
症であることが判明し、食事の摂取量低下の影響で低栄養状態でもあったため、塩
化カルシウム注射液(1 mEq/mL)20 mL とビーフリード輸液※500 mL を末梢血
管から投与する指示が出された。翌日、訪問看護師が2 剤を混合したところ、輸液
が若干白濁していることに気付き、在宅訪問した薬剤師に相談があった。
※ビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸液
(主な電解質成分として、リン酸二カリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、クエ
ン酸ナトリウム水和物、L–乳酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和
物、硫酸マグネシウム水和物、硫酸亜鉛水和物を含有)
この輸液の白濁の原因と考えられる電解質成分の組合せとして最も適切なのはど
れか。1つ選べ。
- 1✕Cl- とMg2+
- 2✕Cl- とZn2+
- 3○PO43- とCa2+
- 4✕PO43- とチアミン
- 5✕L–Lactate- とCa2+
- 6✕Citrate3- とK
+
正答: 3
280-281 共通の設問
72 歳男性。5 年前から緑内障にて以下の処方1 ~処方3 で治療を受けてい
た。
(処方1 )
ビマトプロスト点眼液0.03%(2.5 mL/本) 1 本
1 日1 回 夕 両眼に点眼
(処方2 )
リパスジル塩酸塩水和物点眼液0.4%(5 mL/本) 1 本
1 日2 回 朝夕 右眼に点眼
(処方3 )
チモロールマレイン酸塩持続性点眼液0.5%(2.5 mL/本) 1 本
1 日1 回 夕 両眼に点眼
眼圧が高いため、今回処方3 が中止となり、処方4 に変更となった。
(処方4 )
ブリンゾラミド1%/チモロールマレイン酸塩0.5%配合懸濁性点眼液(5 mL/本) 1 本
1 日2 回 朝夕 両眼に点眼
変更後の処方の各点眼液の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選
べ。
- 1✕ビマトプロスト点眼液は、油性点眼液であるため、水性点眼液よりも先に点眼
すると、水性点眼液の効果を高めることができる。ビマトプロスト点眼液は油性点眼液であるため、水性点眼液よりも後に点眼する(先に点眼すると水性点眼液の浸透を妨げる)。 - 2○各点眼液に含まれるベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸
着される。 - 3✕リパスジル塩酸塩水和物点眼液は、塩基性薬物が主薬であるため、保存剤は添
加されていない。リパスジル塩酸塩水和物点眼液にも保存剤(ベンザルコニウム塩化物)が添加されている。 - 4✕ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液中の懸濁粒子の粒
子径は、約150 nm である。配合懸濁性点眼液中の懸濁粒子の粒子径はµmオーダーである。 - 5○ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液は、点眼液の粘度
を高めて懸濁状態を安定化する添加剤が加えられている。
正答: 2・5
282-283 共通の設問
66 歳男性。排尿困難となり病院を受診したところ、ホルモン感受性の前立
腺癌と診断された。主な検査値は以下のとおり。
(検査値)
ALT 38 IU/L、AST 28 IU/L、血清クレアチニン値1.1 mg/dL、
BUN 12 mg/dL、PSA 値28.0 ng/mL、グリーソンスコア9
この患者は、以下の処方による治療が計画されている。
(処方)
リュープリン®PRO 注射用キット(注)22.5 mg 24 週に1 回 皮下投与
(注:注射用リュープロレリン酢酸塩)
リュープリン®PRO 注射用キットに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ
選べ。
- 1✕本剤は乳濁性注射剤である。本剤は懸濁性注射剤である。
- 2○本剤のマイクロカプセルは、乳酸重合体を主たる基剤としている。
- 3○投与後、マイクロカプセルが体内でゆっくりと分解することでリュープロレリ
ン酢酸塩を徐放出する。 - 4✕本剤のマイクロカプセルの平均粒子径は、約600 nm である。本剤のマイクロカプセルの平均粒子径はµmオーダーである。
- 5✕本剤には、分散剤としてレシチンが含まれている。本剤の分散剤はカルメルロースナトリウム等であり、レシチンは含まれていない。
正答: 2・3
284-285 共通の設問
40 歳女性。体重50 kg。1 週間前に腎移植の手術を受け、以下の処方によ
り治療を受けている。
(処方1 )

ネオーラル®50 mg カプセルは、シクロスポリンの消化管吸収性を改善するため
の製剤学的工夫がなされている。その特徴を最もよく表している図の組合せはどれ
か。1つ選べ。
剤形 カプセル崩壊後の
水中での分散状態

目に見える大きな液滴

硬カプセル 微細な液滴(10~100 nm)
- 1✕Aとア
- 2○Aとイ
- 3✕Bとア
- 4✕Bとイ
- 5✕Cとア
- 6✕Cとイ
正答: 2