第105回 — 物理・化学・生物
演習モードで解く以下のガラス器具のうち、溶質を溶媒に溶かして正確に一定の液量の溶液を調製
するために用いられるのはどれか。1つ選べ。
1 2 3 4 5

- 1✕
- 2○
- 3✕
- 4✕
- 5✕
正答: 2
日本薬局方アスピリンの逆滴定による定量法で使用する標準液で、ファクターの
値が必要なのはどれか。1つ選べ。
- 1✕0.1 mol/L エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液
- 2✕0.1 mol/L 硝酸銀液
- 3✕0.5 mol/L 水酸化ナトリウム液
- 4✕0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム液
- 5○0.25 mol/L 硫酸
正答: 5
次の原子のうち、核スピンをもたない(核スピン量子数= 0 )のはどれか。1つ
選べ。
- 1✕1H
- 2○12C
- 3✕13C
- 4✕14N
- 5✕15N
正答: 2
元素の原子量をH = 1.0079、C = 12.0107、O = 15.9994、Pb = 207.2 とすると
き、酢酸鉛(II)の式量の有効数字の桁数として正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1✕3
- 2○4
- 3✕5
- 4✕6
- 5✕7
正答: 2
混合物中の一つの成分の化学ポテンシャルは、圧力と温度が一定の条件下、混合

- 1✕内部エネルギー
- 2✕エンタルピー
- 3✕エントロピー
- 4○ギブズエネルギー
- 5✕ヘルムホルツエネルギー
正答: 4
メチルカチオンのルイス構造式として正しいのはどれか。1つ選べ。

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4○
- 5✕
正答: 4
以下に示す薬物のIUPAC 名として正しいのはどれか。1つ選べ。

- 1✕(1S,2S)–1–Methylamino–2–phenylpropan–2–ol
- 2✕(1S,2R)–1–Methylamino–2–phenylpropan–2–ol
- 3○(1S,2S)–2–Methylamino–1–phenylpropan–1–ol
- 4✕(1R,2S)–1–Methyl–1–methylamino–2–phenylethan–2–ol
- 5✕(1S,2S)–2–Methyl–2–methylamino–1–phenylethan–1–ol
正答: 3
下線部で示した化合物のうち、塩素原子の酸化数が+1 なのはどれか。1つ選
べ。
(a)次亜塩素酸ナトリウムは漂白剤として用いられる化合物の1 つである。その水
溶液に(b)塩酸を加えると(c)塩化ナトリウムを生じると同時に有毒な(d)塩素ガスを発
生する。また、次亜塩素酸ナトリウムを40~50 °Cで保存すると、塩化ナトリウム
及び爆発性をもつ(e)塩素酸ナトリウムを生じる。
- 1○a
- 2✕b
- 3✕c
- 4✕d
- 5✕e
正答: 1
以下に示すイノシトールの立体異性体のうち、キラルなのはどれか。1つ選べ。

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4○
- 5✕
正答: 4
次の生薬成分のうち、シキミ酸経路で生合成されるのはどれか。1つ選べ。

- 1✕
- 2○
- 3✕
- 4✕
- 5✕
正答: 2
下図はヒトの腎臓の断面を示す。1 ~5 のうち、腎盂はどれか。1つ選べ。
2

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4○
- 5✕
正答: 4
セルロースの構造として正しいのはどれか。1つ選べ。

NHCOCH3
OH

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5○
正答: 5
副腎髄質ホルモンの生合成過程において、アドレナリンの前駆体として利用さ
れるのはどれか。1つ選べ。

- 1○
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5✕
正答: 1
胚性幹細胞(ES 細胞)の樹立に用いられるのはどれか。1つ選べ。
- 1✕精子
- 2✕原始卵胞
- 3✕造血幹細胞
- 4✕皮膚の線維芽細胞
- 5○初期胚の内部細胞塊
正答: 5
主たる発症機序がIV型アレルギーに分類されるのはどれか。1つ選べ。
- 1✕スギ花粉症
- 2✕アトピー性皮膚炎
- 3✕薬剤性溶血性貧血
- 4○接触性皮膚炎
- 5✕糸球体腎炎
正答: 4
日本薬局方において、L–エチルシステイン塩酸塩の純度試験は以下のように規
定されている。この純度試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
純度試験

0.35 mL を加える(0.028%以下)。
(2) 重金属 本品1.0 g をとり、第1 法により操作し、試験を行う。比較液には

ただし、重金属試験法第1 法では、医薬品各条に規定する量の試料をネスラー管
にとり、水適量に溶かし、40 mL とする。これに希酢酸2 mL 及び水を加えて

ネスラー管にとり、希酢酸2 mL 及び水を加えて50 mL とする。

- 1✕硫酸塩試験法においては、検液及び比較液に、2,2ʼ–ビピリジル試液2 mL ずつ
を加えて混和し、黒色の背景を用いて混濁を比較する。硫酸塩試験法においては、検液及び比較液に塩化バリウム試液を加えて混和し、黒色の背景を用いて混濁を比較する。 - 2○重金属試験法においては、検液及び比較液に、硫化ナトリウム試液1 滴ずつを
加えて混和し、白色の背景を用いて液の色を比較する。 - 3✕アは塩化バリウムである。アは硫酸(0.005 mol/L硫酸標準液)である。
- 4○イは鉛である。
- 5✕ウに入る数値は100である。ウに入る数値は28(0.028%)である。
正答: 2・4
酢酸亜鉛は、ウィルソン病や低亜鉛血症の治療薬として用いられているが、副
作用として銅欠乏症を生じる場合がある。亜鉛化合物の定量には一般にキレート滴
定法が用いられる。日本薬局方において、酸化亜鉛(ZnO:81.38)の定量法は以
下のように規定されている。この定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
本品を850 °Cで1 時間強熱し、その約0.8 g を精密に量り、水2 mL 及び塩酸
3 mL に溶かし、水を加えて正確に100 mL とする。この液10 mL を正確に量り、
水80 mL を加え、水酸化ナトリウム溶液(1 →50)をわずかに1沈殿を生じるま
で加え、次に2pH10.7 のアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液5 mL を加えた
後、0.05 mol/L エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液で滴定する(指示

ZnO
- 1○波下線部1の沈殿は水酸化亜鉛(Zn(OH)2)である。
- 2○波下線部2の操作は、エチレンジアミン四酢酸と金属の錯体を作りやすくする
ために行う。 - 3✕アは、クリスタルバイオレットである。アはエリオクロムブラックTである。
- 4✕滴定終点において、指示薬アがエチレンジアミン四酢酸と結合して変色する。滴定終点において、指示薬アは亜鉛イオンから遊離して変色する。
- 5✕イに入る数値は2.035である。イに入る数値は4.069である。
正答: 1・2
フルオレセインナトリウムは、蛍光眼底造影剤として用いられている。図にフ
ルオレセインナトリウム水溶液の励起スペクトル及び蛍光スペクトルを示す。この
スペクトルを測定する際の蛍光光度法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2
つ選べ。
500

400
相対蛍光強度
300
200
100
0
波長
- 1✕図中の破線が蛍光スペクトル、実線が励起スペクトルである。図中の破線が励起スペクトル、実線が蛍光スペクトルである。
- 2✕横軸の波長の単位はµm である。横軸の波長の単位はnmである。
- 3○フルオレセインナトリウムの蛍光強度は、希薄溶液であれば濃度に比例する。
- 4○一般に光源として、キセノンランプを用いる。
- 5✕温度が変化してもフルオレセインナトリウムの蛍光強度には変化がない。温度が上昇するとフルオレセインナトリウムの蛍光強度は低下する。
正答: 3・4
ボルツマン分布は、異なるエネルギー準位E1、E2(E1 1 E2)をもつ分子の数
をそれぞれN1、N2 としたときの、熱平衡状態における両者の比(N2/N1)に関す
る情報を与える(下式参照)。ボルツマン分布に関する記述のうち、正しいのはど
れか。2つ選べ。

N2/N1 = exp
kB:ボルツマン定数
- 1✕式中のAに入る物理量は体積である。式中のAに入る物理量はボルツマン定数と絶対温度の積(kBT)である。
- 2○常にN2/N1 1 1 が成り立つ。
- 3○E1 とE2 の差が大きいほどN2/N1 が小さくなる。
- 4✕温度が高いほどN2/N1 が小さくなる。温度が高いほどN2/N1は大きくなる(1に近づく)。
- 5✕N2/N1 = 1/e となるときの(E2 - E1)を活性化エネルギーという。N2/N1 = 1/eとなるのは(E2 − E1) = kBTのときであり、これを活性化エネルギーとはいわない。
正答: 2・3
ある分子X(初濃度100 mmol/L)が分解して2 分子のY(初濃度0 mmol/L)
が生成する反応

において、下のグラフはXの濃度の時間変化を表す。この反応に関する記述のう
ち、正しいのはどれか。2つ選べ。
100

Xの濃度(mmol/L)
75
50
25
0
時間(min)
- 1✕横軸の時間10 分でのYの濃度は、同じ時間のXの濃度の2 倍である。時間10分でのYの濃度は、分解したXの量の2倍(Xの濃度の2倍ではない)である。
- 2○この分解反応は、一次反応である。
- 3✕この分解反応の速度定数の符号は負である。この分解反応の速度定数の符号は正である。
- 4✕同じ時間でのXとYの濃度変化曲線の接線の傾きの絶対値は等しい。同じ時間での接線の傾きの絶対値は、YはXの2倍である(等しくない)。
- 5○Xの濃度が初濃度の1/2 になるまでにかかる時間は、Yの濃度が100 mmol/L
から150 mmol/L になるまでにかかる時間と等しい。
正答: 2・5
0.100 mol/L リン酸二水素一ナトリウム水溶液10.00 mL を0.100 mol/L 水酸化
ナトリウム水溶液で中和滴定する。この滴定に関する記述のうち、正しいのはどれ
か。2 つ選べ。ただし、リン酸は三塩基酸で、pKa1 = 2.12、pKa2 = 7.21、
pKa3 = 12.32 であり、log10 2 = 0.301、log10 3 = 0.477 とする。
- 1✕10.00 mL を正確に量るために、メスピペットが用いられる。10.00 mLを正確に量るために、ホールピペットが用いられる。
- 2✕滴定前のリン酸二水素一ナトリウム水溶液のpH は約1.6 である。滴定前のリン酸二水素一ナトリウム水溶液のpHは約4.7((pKa1+pKa2)/2)である。
- 3○水酸化ナトリウム水溶液を9.00 mL 加えたとき、滴定溶液のpH は約8.2 であ
る。 - 4○水酸化ナトリウム水溶液を10.00 mL 加えたとき、滴定溶液のpH は約9.8 で
ある。 - 5✕この滴定の終点(10.00 mL 付近)の検出には、pH 指示薬としてメチルオレン
ジが適している。終点(10.00 mL付近)の検出には、pH指示薬としてフェノールフタレインが適している。
正答: 3・4
以下の記述は、L–バリン(C5H11NO2)の薄層クロマトグラフィー(TLC)に関
するものである。
本品0.10 g を水25 mL に溶かし、試料溶液とする。試料溶液5 µL をTLC 用
シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次に1–ブタノール/ 水/ 酢
酸(100)混液(3:1:1 )を展開溶媒として約10 cm 展開した後、薄層板を

に噴霧した後、80 °Cで5 分間加熱する。
このクロマトグラフィーに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕このクロマトグラフィーの分離モードはイオン交換である。このクロマトグラフィーの分離モードは分配クロマトグラフィー(順相)である。
- 2○試薬Aはニンヒドリンである。
- 3✕L–バリンのスポットは黄色を呈する。L–バリンのスポットは紫(赤紫)色を呈する。
- 4✕試料にL–ロイシン(C6H13NO2)が混在するとき、そのRf 値はL–バリンのRf
値より小さい。L–ロイシンのRf値はL–バリンのRf値より大きい。 - 5○この試験でL–バリンのRf 値より大きなRf 値を与える不純物は、逆相分配クロ
マトグラフィーにおいては保持時間が一般にL–バリンより大きくなる。
正答: 2・5
分子間相互作用の名称と特徴の組合せとして正しいのはどれか。2つ選べ。
名称 特徴
- 1○無極性分子同士を含め、全ての物質の間にはたらく相互
分散力
作用で、物質の分極率が大きいほど強くなる。 - 2✕電気陰性度の大きな原子に結合した水素原子と、別の電
水素結合 気陰性度の大きな原子間で形成される相互作用で、共有
結合と同程度の相互作用エネルギーを示す。水素結合は、共有結合よりはるかに弱い相互作用エネルギーを示す。 - 3✕水中における疎水性分子同士の発熱的な相互作用で、相
疎水性相互作用
互作用エネルギーは分子間距離の6 乗に反比例する。疎水性相互作用はエントロピー増大を駆動力とする相互作用であり、分子間距離の6乗に反比例するものではない。 - 4✕イオン間の相互作用で、その相互作用エネルギーはイオ
静電的相互作用
ン間距離の2 乗に反比例し、媒体の誘電率に比例する。静電的相互作用のエネルギーはイオン間距離の1乗に反比例し、媒体の誘電率に反比例する。 - 5○電子供与体と電子受容体の間の相互作用であり、ヨウ素
電荷移動相互作用
(I2)–デンプン反応で青紫色に着色する要因となる。
正答: 1・5
放射線と物質の相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○ガイガー・ミュラー(GM)計数管は、アルゴンなどの不活性気体が放射線に
より電離することを利用して放射線を検出する。 - 2✕c 線は光電効果を示すが、コンプトン散乱は示さない。γ線は光電効果とコンプトン散乱の両方を示す。
- 3✕a 線の電離作用の強さは、線源からの距離に反比例する。α線は飛程が短く比電離が大きい(電離作用は距離に反比例するという関係ではない)。
- 4○b- 線が原子核近傍を通過するときエネルギーの損失が起こり、そのエネル
ギーに見合ったX 線が放射されることがある。 - 5✕金属銀に放射線が作用すると、金属銀が酸化されて銀イオンになる。放射線が作用すると、銀イオンが還元されて金属銀が析出する。
正答: 1・4
生体における膜電位の原理を理解するためには、濃淡電池の作動原理を知るこ
とが必要である。電解質として用いる硫酸亜鉛の濃度のみが異なる2 つの亜鉛半電
池を塩橋でつないだ化学電池の模式図を以下に示す。標準圧力下、298 K において
半電池Rの硫酸亜鉛の初濃度を0.1 mol/L、半電池Lの硫酸亜鉛の初濃度を
c1 mol/L とする。

なお、亜鉛半電池の反応は次式で表される(E°は標準電位を表す)。

また、硫酸亜鉛は水中では完全に電離し、その活量は濃度に等しいとする。この
場合の亜鉛半電池の電極電位E(単位V)は温度298 K では次式で表される。
E = E°+ 0.059
log10[Zn2+]
2
この化学電池に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕この電池はダニエル電池である。この電池は濃淡電池である(両極とも亜鉛半電池)。
- 2○c1 = 0.01 のとき、半電池Lがアノード(負極)となる。
- 3○この電池の標準起電力は0 V である。
- 4✕半電池Lと半電池Rの硫酸亜鉛濃度が等しくなった状態の起電力は-0.76 V で
ある。両半電池の硫酸亜鉛濃度が等しくなった状態の起電力は0 Vである。 - 5✕c1 = 0.01 のとき、この電池の起電力は約+0.059 V である。c1 = 0.01のとき、この電池の起電力は約+0.03 V((0.059/2)×log(0.1/0.01))である。
正答: 2・3
クエン酸(C6H8O7)に関する記述について、誤っているのはどれか。1つ選べ。


HO OH
O
- 1✕IUPAC 名は、2–hydroxypropane–1,2,3–tricarboxylic acid である。
- 2✕結晶水を持つものは、クエン酸水和物と呼ばれる。
- 3○塩基性条件下、二価の鉄イオン1 つに対して四座配位子として働き、安定なキ
レートを形成する。 - 4✕不斉炭素原子を持たず、アキラルな分子である。
- 5✕三ナトリウム塩の水溶液は塩基性を示す。
正答: 3
図は、アルケンAからアルコールC又はアルコールDを合成する経路を示して
いる。この経路に含まれる反応又は化合物に関する記述のうち、正しいのはどれ
か。2つ選べ。

D
- 1✕アルケンAから中間体Bが生じる反応はanti 付加反応である。AからBが生じる反応はsyn付加反応(水素化ホウ素化)である。
- 2○中間体BからアルコールCが生じる反応は酸化反応である。
- 3○アルコールCはラセミ混合物である。
- 4✕アルコールCはアルコールDのジアステレオマーである。アルコールCはアルコールDの位置異性体(構造異性体)である。
- 5✕アルコールDはメソ化合物(メソ体)である。アルコールDはキラル中心をもたないアキラルな化合物である。
正答: 2・3
臭化アルキル(R–Br)に求核剤(Y-)を作用させる置換反応について、反応
の進行に伴う自由エネルギー変化を図示するとA又はBのようになる。以下の記述
のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

- 1✕Aの反応は吸エルゴン反応である。Aの反応において、臭化アルキルの置換基R の影響によりaの状態が混み合っ てくると、エネルギーIが大きくなる。
- 2✕Bの反応は二分子反応である。Aの反応において、臭化アルキルの置換基R の影響によりaの状態が混み合っ てくると、エネルギーIが大きくなる。
- 3○Aの反応において、臭化アルキルの置換基R の影響によりaの状態が混み合っ
てくると、エネルギーIが大きくなる。 - 4✕Bの反応においては、bからcに至る段階が律速となる。Aの反応において、臭化アルキルの置換基R の影響によりaの状態が混み合っ てくると、エネルギーIが大きくなる。
- 5✕Aの反応において、R–Br として2–ブロモブタンの一方のエナンチオマーのみ
を用いたとき、生成物はラセミ混合物となる。Aの反応において、臭化アルキルの置換基R の影響によりaの状態が混み合っ てくると、エネルギーIが大きくなる。
正答: 3
化合物Aの反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

生成物
A
- 1✕SO3 が求電子剤として作用する置換反応である。NO2+(ニトロニウムイオン)が求電子剤として作用する置換反応である。
- 2✕アの部分は共鳴効果による電子求引性を示す。アの部分は共鳴効果による電子供与性を示す。
- 3✕アの部分は誘起効果による電子供与性を示す。アの部分は誘起効果による電子求引性を示す。
- 4○アの部分のかさ高さのため、オルト置換体が得られにくい。
- 5○Aの代わりにベンゼンを基質とすると反応は遅くなる。
正答: 4・5
一酸化窒素及び生体内における一酸化窒素の生成に関する記述のうち、正しい
のはどれか。1つ選べ。

OH
H2N
O
化合物B
- 1✕アミノ酸AはL–グルタミンである。一酸化窒素の酸素原子は酸素分子(O2)由来である。
- 2✕一酸化窒素は2 つの不対電子をもち、常磁性を示す。一酸化窒素の酸素原子は酸素分子(O2)由来である。
- 3✕一酸化窒素の窒素原子の酸化数は+1 である。一酸化窒素の酸素原子は酸素分子(O2)由来である。
- 4○一酸化窒素の酸素原子は酸素分子(O2)由来である。
- 5✕化合物BはL–オルニチンである。一酸化窒素の酸素原子は酸素分子(O2)由来である。
正答: 4
図は、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)によってアセチルコリンが加水
分解される際の初期段階の反応機構と2 種類のAChE 阻害剤A、Bの構造を示し
たものである。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

AChE 阻害剤A AChE 阻害剤B
- 1○グルタミン酸―ヒスチジンの相互作用により、ヒスチジンのイミダゾリル基の
塩基性が高くなる。 - 2✕グルタミン酸―ヒスチジン―セリンの三つのアミノ酸残基間の相互作用によっ
て、セリンのヒドロキシ基の求電子性が高くなる。三残基間の相互作用によって、セリンのヒドロキシ基の求核性が高くなる。 - 3✕アセチルコリンはトリプトファンとイオン結合している。アセチルコリンはトリプトファンとカチオン–π相互作用により結合している。
- 4✕AChE 阻害剤Aはセリンのヒドロキシ基を不可逆的にアミド化する。AChE阻害剤Aはセリンのヒドロキシ基を可逆的にカルバミル化する。
- 5○AChE 阻害剤Bはセリンのヒドロキシ基を不可逆的にリン酸化する。
正答: 1・5
図は、ある化合物Aの1H–NMR スペクトル(400 MHz、CDCl3、基準物質はテ
トラメチルシラン)を示したものである。また、表は各シグナルの積分比を一覧に
したものである。化合物Aの加水分解反応によって得られた化合物Bについて、同
様の条件下で1H–NMR スペクトルの測定を行ったところ、アとウに相当するシグ
ナルが消失し、11 ppm 付近に線幅の広い新たなシグナルが観測された。化合物A
の構造式はどれか。1つ選べ。なお、×印のシグナルは水又はCDCl3 中に含まれ
るCHCl3 のプロトンに由来するシグナルである。
表
シグナル 積分比
ア 3
イ 3
ウ 2
エ 1
オ 1
カ 1
キ 1
ク 1

1 2 3
4 5

- 1✕
- 2✕
- 3○
- 4✕
- 5✕
正答: 3
日本薬局方に収載された生薬Aの確認には、成分Bの検出を目的として、Cに
示す試薬や方法を用いた試験が行われる。A~Cの組合せのうち、正しいのはどれ
か。2つ選べ。
A B C
- 1✕薄層クロマトグラフィー、
オウゴン インドールアルカロイド
紫外線照射 - 2○キキョウ トリテルペンサポニン 無水酢酸と硫酸
- 3✕4–ジメチルアミノベンズ
ゴシュユ ステロイドサポニン
アルデヒド試液 - 4✕チンピ フラボノイド バニリン・塩酸試液
- 5○薄層クロマトグラフィー、
ベラドンナコン トロパンアルカロイド
ドラーゲンドルフ試液
正答: 2・5
以下のアルカロイドのうち、生合成前駆体となるアミノ酸がトリプトファンで
あるのはどれか。2つ選べ。

- 1✕
- 2✕
- 3○
- 4○
- 5✕
正答: 3・4
骨の成長とリモデリングに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕骨基質の生成に必要なコラーゲンは、主に骨細胞から分泌される。骨基質の生成に必要なコラーゲンは、主に骨芽細胞から分泌される。
- 2○骨芽細胞は、アルカリホスファターゼの作用により、石灰化に必要なリン酸の
局所濃度を上昇させる。 - 3○破骨細胞は、骨基質を分解する働きをもつ。
- 4✕エストロゲンは、思春期において骨芽細胞の働きを抑制する。エストロゲンは、思春期において骨形成を促進し骨端線の閉鎖を促す。
- 5✕カルシトニンは、破骨細胞を活性化する。カルシトニンは、破骨細胞を抑制する。
正答: 2・3
図は視床下部―下垂体系を模式的に示したものである。下垂体の部位A又はB
におけるホルモンの分泌調節に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

- 1○Aから分泌されるホルモンは、視床下部ホルモンにより分泌調節される。
- 2✕ソマトスタチンは、Aからの成長ホルモンの分泌を促進する。ソマトスタチンは、Aからの成長ホルモンの分泌を抑制する。
- 3✕ゴナドトロピン放出ホルモンは、Aからのオキシトシンの分泌を促進する。ゴナドトロピン放出ホルモンは、AからのLH・FSHの分泌を促進する(オキシトシンはBから分泌)。
- 4○バソプレシンは、視床下部で合成され、Bから分泌される。
- 5✕ドパミンは、Bからのプロラクチンの分泌を抑制する。ドパミンは、Aからのプロラクチンの分泌を抑制する。
正答: 1・4
成人の赤血球及び造血に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕成熟赤血球では、ヘモグロビン1 分子に、通常2 分子のヘムが結合している。成熟赤血球では、ヘモグロビン1分子に4分子のヘムが結合している。
- 2✕成熟赤血球のATP 産生の大部分はミトコンドリアが担う。成熟赤血球のATP産生は解糖系(ミトコンドリアをもたない)が担う。
- 3○造血は赤色骨髄で行われる。
- 4○造血過程におけるDNA 合成には、葉酸及びビタミンB12 が必要である。
- 5✕動脈血の酸素分圧が低下すると、腎臓でのエリスロポエチンの産生が抑制され
る。動脈血の酸素分圧が低下すると、腎臓でのエリスロポエチンの産生が亢進される。
正答: 3・4
哺乳類細胞におけるコレステロール及びその代謝に関する記述のうち、正しい
のはどれか。2つ選べ。
- 1✕コレステロールの3 位のヒドロキシ基に脂肪酸が結合したコレステロールエス
テルは、コレステロールよりも親水性が高い。コレステロールエステルは、コレステロールよりも疎水性が高い。 - 2○コレステロール分子中の全ての炭素原子はアセチルCoA に由来する。
- 3✕コレステロールの生合成過程において、メバロン酸1 分子の合成には、4 分子
のアセチルCoA が必要である。メバロン酸1分子の合成には、3分子のアセチルCoAが必要である。 - 4✕細胞内のコレステロール量が増加すると、3–ヒドロキシ–3–メチルグルタリル
CoA(HMG–CoA)還元酵素遺伝子の転写が促進される。細胞内のコレステロール量が増加すると、HMG–CoA還元酵素遺伝子の転写が抑制される。 - 5○コレステロールは、ステロイドホルモンや胆汁酸の前駆体となる。
正答: 2・5
下図のヌクレオチドに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。



CH3
HN
-O P O
O
OH
- 1✕RNA の構成成分である。DNAの構成成分である。
- 2○デオキシウリジン5ʼ–一リン酸のメチル化により生成する。
- 3✕塩基のメチル基の導入には、ピリドキサールリン酸が補酵素として必要であ
る。塩基のメチル基の導入には、5,10–メチレンテトラヒドロ葉酸が必要である。 - 4○塩基部分の生合成には、アスパラギン酸及びグルタミンが利用される。
- 5✕分解されて生じた塩基は酸化されて尿酸となる。分解されて生じた塩基(チミン)は尿酸にはならない(尿酸はプリン塩基の分解産物)。
正答: 2・4
ヒトの遺伝子多型に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕イントロン部分の塩基配列の違いは、遺伝子多型とはみなされない。イントロン部分の塩基配列の違いも遺伝子多型に含まれる。
- 2✕遺伝子多型がタンパク質の発現量に影響を与えることはない。遺伝子多型がタンパク質の発現量に影響を与えることはある。
- 3○酵素をコードする遺伝子の多型は、その酵素活性に影響を与えることがある。
- 4✕数塩基の短いDNA 塩基配列の反復回数が、個体間で異なることをSNP(ス
ニップ)という。数塩基の短い配列の反復回数の違いはVNTR(マイクロサテライト)といい、SNPは一塩基の違いである。 - 5○遺伝子の翻訳領域における遺伝子多型が存在しても、対応するタンパク質のア
ミノ酸配列に変化を生じないことがある。
正答: 3・5
タンパク質Xは、細胞質内ではサブユニットA(分子量60,000)とサブユニットB(分子量30,000)がそれぞれ1つずつ非共有結合で会合したヘテロ二量体を形成している。タンパク質Xは、増殖因子Fの刺激によりサブユニットAのみチロシン残基がリン酸化され、サブユニットBと解離する。
培養細胞を用いて以下の実験を行った。予想される結果として正しいのはどれか。1つ選べ。
1 Fでこの細胞を刺激した。同時に未刺激の細胞も用意した。
2 それぞれの細胞を破砕して細胞抽出液を得た。
3 各細胞抽出液に、サブユニットAに対する抗体(抗A)を添加して免疫沈降(注1)を行った。
4 沈降物を三等分し、それぞれをSDS–ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離した。
5 分離したタンパク質をニトロセルロース膜に電気的に転写し、抗リン酸化チロシン抗体(抗Pi–Tyr)(注2)、抗A、サブユニットBに対する抗体(抗B)をそれぞれ用いたウエスタンブロット法を行った。
ただし、Fによる刺激で、A、B両サブユニットの発現量に変化はなく、分解も起こらないこと、また、チロシン残基がリン酸化されても、電気泳動移動度、抗Aによる免疫沈降及びウエスタンブロット法における認識には変化がないことを確認している。
注1: 抗体を添加後、生じた免疫複合体を不溶性担体に吸着させて遠心分離によって回収する方法。
注2: タンパク質中のリン酸化されたチロシン残基を特異的に認識する抗体。

- 1○
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5✕
- 6✕
正答: 1
補体の活性化と機能に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕補体の3 つの活性化経路には、いずれもキナーゼ(リン酸化酵素)の連鎖反応
が関わっている。補体の活性化経路には、プロテアーゼ(セリンプロテアーゼ)の連鎖反応が関わっている。 - 2✕補体活性化の古典経路は、レクチンが微生物表面のマンノースやマンナンを認
識することで始まる。補体活性化の古典経路は、抗原–抗体複合体へのC1qの結合で始まる(レクチンによる認識はレクチン経路)。 - 3✕C3a やC5a は、過剰な炎症反応を抑制する。C3aやC5aは、アナフィラトキシンとして炎症反応を促進する。
- 4○病原体の表面にC3b が結合すると、C3b 受容体を介して食細胞による病原体
の貪食が促される。 - 5○C5b の生成は、膜侵襲複合体(MAC)形成の引き金となり、病原体が破壊さ
れる。
正答: 4・5
主要組織適合遺伝子複合体(MHC)に関する記述のうち、誤っているのはど
れか。1つ選べ。
- 1○MHC が同一個体内で遺伝子再編成することにより、多様な免疫応答が可能と
なる。 - 2✕MHC 分子は、移植片拒絶反応を引き起こす抗原として発見されたものである。
- 3✕MHC 分子は、父親と母親に由来するMHC の両方から発現する。
- 4✕MHC クラスII分子は、主に活性化マクロファージ、樹状細胞、B 細胞におい
て発現している。 - 5✕T 細胞抗原受容体(TCR)は、自己のMHC 分子と抗原ペプチド断片の複合体
を認識する。
正答: 1
119-121 共通の設問
健康な成人における糖質の消化・吸収過程について、消化管における糖質
の消化のプロセス(図1 )、小腸粘膜上皮細胞におけるグルコースの輸送過程(図
2 )及び糖尿病治療薬アカルボースの構造式(図3 、30 ページ)を示した。以下
の問いに答えよ。

図1 消化管における糖質の消化のプロセス
管腔側

小腸粘膜
上皮細胞
イオン1
毛細血管側
図2 小腸粘膜上皮細胞におけるグルコースの輸送過程
小腸粘膜上皮細胞における糖の輸送過程に関する記述のうち、正しいのはどれ
か。2つ選べ。
- 1✕ガラクトースは、単純拡散により細胞膜を通過して細胞内に取り込まれる。ガラクトースは、SGLTによるNa+共役輸送(二次能動輸送)で細胞内に取り込まれる。
- 2○輸送体Dは、細胞内外のNa+ の濃度勾配を利用して、グルコースを細胞内に
取り込む。 - 3✕輸送体Dは、マルトースの輸送体としても働く。輸送体Dは単糖類(グルコース・ガラクトース)の輸送体であり、二糖のマルトースは輸送しない。
- 4✕輸送体Eは、ATP の加水分解により得られたエネルギーを利用して、グル
コースを毛細血管側に輸送する。輸送体Eは促進拡散により(ATPを利用せず)グルコースを毛細血管側に輸送する。 - 5○輸送体Fは、ATP の加水分解により得られたエネルギーを利用して、K+(イ
オン1)を細胞内に、Na+(イオン2)を細胞外に輸送する。
正答: 2・5
a–グルコシダーゼ阻害薬であるアカルボースに関する記述のうち、誤っている
のはどれか。1つ選べ。


O O O
図3 アカルボース
- 1✕マルトース型の部分構造が含まれる。
- 2○破線で囲んだ部分の結合様式はb 1 →4 結合である。
- 3✕水に溶けやすい。
- 4✕ヘミアセタール構造をもつため、フェーリング試液による沈殿反応を示す。
- 5✕p–ベンゾキノン試液による呈色反応を示す。
正答: 2
196-197 共通の設問
65 歳男性。週3 回の血液透析が施行されており、処方1 の薬剤を服用して
いた。
(処方1 )
炭酸ランタン口腔内崩壊錠250 mg 1 回2 錠(1 日6 錠)
1 日3 回 朝昼夕食直後 14 日分
今回の検査において、eGFR 15 mL/min/1.73 m2、血中リン濃度5.5 mg/dL、補
正血中カルシウム濃度9.0 mg/dL、血清アルブミン濃度3.7 g/dL、ヘモグロビン
値12.0 g/dL、血清フェリチン値150 ng/mL という結果であった。また、患者か
ら胃部不快感の訴えもあり処方2 に変更となった。
(処方2 )
スクロオキシ水酸化鉄チュアブル錠250 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)
1 日3 回 朝昼夕食直前 14 日分
処方2 の薬剤は、酸化水酸化鉄(FeO(OH))が主成分である。酸化水酸化鉄は
水酸化鉄(III)(Fe(OH)3)から水(H2O)が脱離したものである。酸化水酸化鉄
及び水酸化鉄(III)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕純水中における水酸化鉄(III)の溶解度積は、その濃度に依存して変化する。溶解度積は濃度に依存しない定数(温度で変化)である。
- 2○純水中における水酸化鉄(III)の溶解度積は、溶液の温度によって変化する。
- 3✕水酸化鉄(III)の溶解度は、溶液のpH によって変化しない。水酸化鉄(III)の溶解度は、溶液のpHによって変化する(酸性で溶解が増大)。
- 4○酸化水酸化鉄によるリン酸の吸着にはpH が影響する。
- 5✕酸化水酸化鉄によるリン酸の吸着に剤形や比表面積は影響しない。リン酸の吸着には剤形や比表面積も影響する。
正答: 2・4
198-199 共通の設問
60 歳男性。骨折治療のため入院中。逆流性食道炎のため、1 ヶ月前からオ
メプラゾール腸溶錠20 mg を1 日1 回1 錠、朝食後に服用している。患者の服薬
アドヒアランスは良好であったが、症状の改善がみられなかった。そのため、医師
から他に有効なプロトンポンプ阻害薬(PPI)がないか薬剤師に相談があった。薬
剤師がPPI と薬物代謝酵素CYP2C19 に関する文献などを調べたところ、図のデー
タを見つけた。当院には、他にPPI としてランソプラゾール腸溶性口腔内崩壊錠
30 mg とエソメプラゾールマグネシウム水和物カプセル20 mg の採用がある。こ
の患者の肝機能及び腎機能は正常であり、ヘリコバクター・ピロリ抗体検査結果は
陰性である。
エソメプラゾールは、オメプラゾールの光学異性体のS 体のみの薬物である。

図 CYP2C19 の遺伝子多型によるPPI の薬剤別胃内pH 抑制効果
(出典)Aliment. Pharmacol. Ther. 2013 Nov;38(9):1129–37 より引用改変
(Homo–EM:homo extensive metabolizer, Hetero–EM:hetero extensive
metabolizer, PM:poor metabolizer)
オメプラゾール腸溶錠は、オメプラゾールのR 体とS 体の混合物である。その
有効性はR 体とS 体で異なるため、その血中濃度をR 体とS 体とに分別して定量
することによって有用な情報が得られる。血中濃度測定における液-液抽出法によ
る血液の前処理とHPLC による分別定量法に関する記述のうち、正しいのはどれ
か。2つ選べ。

- 1✕液-液抽出では、R 体とS 体の分配係数が異なるので、個別に抽出率を求めて
おく必要がある。液-液抽出では、R体とS体は分配係数が等しいため個別の抽出率は不要(分離はHPLCで行う)。 - 2○液-液抽出では、試料のpH を塩基性にすると抽出率が向上する。
- 3✕液-液抽出に用いる有機溶媒としてアセトニトリルが有用である。有機溶媒としてアセトニトリルは水と混和するため液-液抽出に適さない。
- 4✕HPLC では、移動相にキラル化合物のラセミ体を添加することによってR 体と
S 体を分離できる。R体とS体の分離にはキラル固定相(光学活性物質等で修飾した固定相)を用いる。 - 5○HPLC では、光学活性物質や特定の高分子によって修飾した固定相を用いるこ
とによってR 体とS 体を分離できる。
正答: 2・5
200-201 共通の設問
75 歳女性。肝臓がんの疑いで外来通院中。今回、超音波検査で結節性病変
を認めたため、精査目的で入院し、造影剤を用いた画像検査を行うことになった。
ヨード造影剤にアレルギーがあるため、新しく採用となった超常磁性酸化鉄製剤で

投与
肝臓における作用機序:本剤は投与後、肝臓内ではクッパー細胞に取り込まれ、
色の濃い画像が得られる。肝腫瘍組織ではクッパー細胞が欠如しているため、色の
薄い画像が得られる。図中では、信号強度の強い方が黒く表されている。
この患者に行った画像検査法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選
べ。
- 1✕酸化鉄(Fe2O3)の代わりに、酸化マグネシウム(MgO)を用いることも可能
である。酸化鉄(Fe2O3)の代わりに酸化マグネシウム(MgO)を用いることはできない。 - 2✕波長1 ~10 pm の電磁波が使用される。MRIにはラジオ波(MHz帯の電磁波)が使用される(1〜10 pmはX線領域)。
- 3✕ドップラー効果により臓器の運動を観察することも可能である。ドップラー効果による臓器の運動観察は超音波検査でありMRIでは行わない。
- 4○高磁場中でラーモア歳差運動の周波数と同じ周波数の電磁波を照射し、原子核
を励起させる。 - 5○放射線被ばくに注意する必要はない。
正答: 4・5
202-203 共通の設問
5 歳男児。体重19 kg。歯の痛みのため、母親が自分用として購入してい
た市販薬の痛み止め(1 錠当たり、アスピリン300 mg、無水カフェイン25 mg を
含む)を2 時間ごとに2 錠、計5 回服用させたところ、嘔吐、腹痛が出現したので
受診した。受診時のサリチル酸の血中濃度は36.5 mg/dL であった。受診後は、活
性炭や下剤の投与と強制利尿を行うとともに(A)の投与を行い、翌日には完治退
院した。男児の肝機能及び腎機能は正常であった。
アスピリンは、肝臓などでサリチル酸に代謝され、腎臓で尿中へ排泄される。サ
リチル酸に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。ただし、サリチ
ル酸の代謝は無視する。
- 1✕中毒患者の尿に塩化第二鉄試液を加えると赤色~紫色に呈色することがある。
- 2○尿のpH が高くなると、サリチル酸の分子形の比率が増加し、排泄速度は増加
する。 - 3✕サリチル酸は活性炭に吸着する。
- 4✕逆相分配カラムを用いるHPLC による血中サリチル酸濃度の定量分析には、試
料を除タンパクすることが必要である。 - 5✕HPLC による血中サリチル酸濃度の定量分析には、紫外可視吸光光度計を検出
器として用いることが可能である。
正答: 2
204-205 共通の設問
細胞膜などの半透膜を介した水の移動は、膜で隔てられた溶液の浸透圧の
差によって起こる。浸透圧の原理を利用した薬物も用いられている。
膜により隔てられた二つの水相A、Bの浸透圧PA、PB と水の移動する方向を

溶質で、その数の違いは濃度の大小を表し、矢印は水の移動する方向を表す。

- 1✕
- 2○
- 3✕
- 4✕
- 5✕
- 6✕
正答: 2
206-207 共通の設問
98 歳女性。体重30 kg。逆流性食道炎のため、薬物アが処方された。
(処方)

薬物アが生体内において受ける変化(A~D)に関する記述のうち、粉砕した後
に服用すると問題が起こる理由と深く関連しているのはどれか。1つ選べ。

及び鏡像異性体

- 1○Aの反応が胃内の環境において加速される。
- 2✕Bの過程で不斉中心が消失する。Aの反応が胃内の環境において加速される。
- 3✕Cの過程で硫黄原子上における求核置換反応が進行する。Aの反応が胃内の環境において加速される。
- 4✕Dの過程で薬物が酵素のシステイン残基と反応する。Aの反応が胃内の環境において加速される。
- 5✕A~Dの反応が胃壁細胞のプロトンポンプ付近で起こる。Aの反応が胃内の環境において加速される。
正答: 1
208-209 共通の設問
65 歳男性。がんで入院中。当初、医療チームの方針として、アプレピタン
トカプセルを制吐剤として投与することが計画されていたが、口内炎が悪化したた
め、ホスアプレピタントの点滴静注への変更について再度検討することとなった。

アプレピタント ホスアプレピタント
アプレピタントからホスアプレピタントが創製されたのと同様な目的で開発され
たプロドラッグはどれか。1つ選べ。

ドカルパミン
クロラムフェニコールコハク酸 ロキソプロフェンナトリウム
エステルナトリウム

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4○
- 5✕
正答: 4
210-211 共通の設問
73 歳男性。高血圧と糖尿病のため以下の薬剤が処方されていた。
(処方)

オルメサルタンメドキソミル錠に含まれる有効成分Iはプロドラッグであり、生
体内において図に示すような活性体IIとIIIを生じる。一方、高温多湿条件下でもI
の加水分解反応によってIIIが生成し、これとメトホルミンとの反応によって変色が
起こるものと推定されている。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


O
O
メトホルミン 推定着色物質
- 1○IはIIの疎水性を高めることにより、経口吸収性を改善したプロドラッグであ
る。 - 2✕IIのテトラゾリル基はヒドロキシ基の生物学的等価体である。IIのテトラゾリル基はカルボン酸の生物学的等価体である。
- 3✕Iの炭酸エステル部位の酸化反応により、IIIとCO2 を生じる。Iの炭酸エステル部位の加水分解によりIIIとCO2を生じる(酸化ではない)。
- 4✕メトホルミンは高い求電子性をもつ。メトホルミンは求核性をもつ。
- 5○メトホルミンとIIIとの反応は縮合反応である。
正答: 1・5
212-213 共通の設問
35 歳女性。肺動脈性肺高血圧症のためにイロプロスト吸入液を使用してい
た。しかし、仕事で出張が多くネブライザーを持ち歩いての使用に不都合があるた
め、下記の薬剤へ変更となった。
(処方)
ベラプロストナトリウム徐放錠60 µg 1 回1 錠(1 日2 錠)
1 日2 回 朝夕食後 14 日分
イロプロストやベラプロストナトリウムはプロスタグランジンI2 の構造をもと
に開発された薬物である。これらに関する記述のうち、最も適切なのはどれか。2
つ選べ。


部分構造a
プロスタグランジンI2 イロプロスト ベラプロストナトリウム
- 1✕イロプロストはプロスタグランジンI2 の部分構造aの酸素原子を炭素原子に置
換することにより、シトクロムP450 による代謝を受けやすくしている。酸素原子を炭素原子に置換することで、酸・酵素に対する安定性を向上させている(P450代謝を受けやすくする目的ではない)。 - 2✕ベラプロストナトリウムはプロスタグランジンI2 のプロドラッグである。ベラプロストナトリウムはプロドラッグではなく、活性型のプロスタグランジンI2誘導体である。
- 3○ベラプロストナトリウムはカルボン酸部位を塩とすることにより、水溶性を向
上させている。 - 4✕プロスタグランジンI2 の部分構造aの二重結合の立体化学はE 配置である。部分構造aの二重結合の立体化学はZ配置である。
- 5○ベラプロストナトリウムはプロスタグランジンI2 の部分構造aに芳香環を導入
することにより、酸性条件下での安定性を向上させている。
正答: 3・5
214-215 共通の設問
22 歳男性。身長175 cm、体重60 kg。花粉症の症状がひどくなったので、
家族が使用していた一般用医薬品の小青竜湯エキス顆粒の服用を考えたが、陸上競
技の国体選手であったため、かかりつけ薬剤師に相談した。薬剤師は、小青竜湯エ
キス顆粒にはアンチ・ドーピング規程における禁止物質が含まれるため、服用しな
いよう指示した上で、近隣の医療機関への受診を勧奨した。その結果、次の薬剤が
処方されたので、薬剤師が処方監査を行った。
(処方)
フェキソフェナジン塩酸塩錠60 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)
1 日2 回 朝夕食後 14 日分
ベタメタゾン錠0.5 mg 鼻水のひどいとき1 回1 錠 10 回分(10 錠)
フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液27.5 µg 56 噴霧用 1 本
1 回2 噴霧 両鼻腔 1 日1 回 点鼻
フルオロメトロン点眼液0.1%(5 mL/本) 1 本
1 回1 滴 1 日4 回 両眼点眼
エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%(5 mL/本) 1 本
1 回1 滴 1 日4 回 両眼点眼
小青竜湯エキス顆粒に含まれる成分のうち、アンチ・ドーピング規程における禁
止薬物に該当するのはどれか。1つ選べ。
- 1✕

- 2✕

- 3○

- 4✕

- 5✕

正答: 3
216-217 共通の設問
68 歳男性。2 週間前から労作時呼吸困難が出現し、増悪傾向のため医療機
関を受診した。心房細動、左室駆出率(LVEF)の低下した心不全と診断され、酸
素投与も必要なため入院加療となった。その後、軽快し、以下の処方で治療されて
いる。
(処方)

上記の検査値を確認し、心拍数の調節が不十分なため、心拍数の調節を目的とし
て薬剤Aが追加された。
下図は薬剤Aの投与前と投与後の心電図(II誘導)を示している。この変化が起
こる理由として適切なのはどれか。2つ選べ。

投与前
投与後
0.5 mV
0.2 秒
- 1✕心室筋細胞からのNa+ 流出の直接的抑制
- 2○心室筋細胞からのK+ 流出の直接的抑制
- 3○心室筋細胞の活動電位持続時間の延長
- 4✕洞房結節の脱分極の直接的促進
- 5✕不応期の短縮
正答: 2・3
218-219 共通の設問
65 歳男性。非小細胞肺がん(非扁平上皮がん)と診断され、切除術を受け
た。2 年後に再発が確認されたため、治療方針を検討することになった。患者の状
態は、ステージIV、ECOG PS 3(注)である。
(注) ECOG PS(Eastern Cooperative Oncology Group performance status) 3:
身の回りのことはある程度できるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以
上は就床している状態。
前問で検討している薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○EGFR のチロシンキナーゼを特異的に阻害し、細胞内シグナル伝達を抑制す
る。 - 2✕高分子型分子標的薬である。この薬物は低分子型の分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬)である。
- 3✕がん細胞が分泌する増殖因子に結合して、その分解を促進する。この薬物は細胞内のチロシンキナーゼを阻害するものであり、増殖因子に結合するものではない。
- 4○標的タンパク質のアミノ酸配列の違いにより有効性が異なる場合がある。
- 5✕がん細胞中の変異した遺伝子に結合して、その遺伝子を切断する制限酵素とし
ての働きをもつ。この薬物は遺伝子に結合・切断するものではなく、酵素を阻害する。
正答: 1・4
220-221 共通の設問
65 歳女性。体重50 kg。数日前より左腰背部痛、悪寒を訴え、近医を受診
した。精査の結果、腎結石と診断され、入院し経尿道的腎尿管結石砕石術
(fTUL)が施行された。術後、翌朝に収縮期血圧約70 mmHg への低下を認め
た。敗血症性ショック、播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断され、ICU へ転棟
した。ICU 入室後、ドパミン、ノルアドレナリン、バソプレシンが持続微量点滴
にて投与され循環動態は安定、尿量も保たれた。抗菌薬はドリペネムとし、DIC
に対する以下の処方案について医師がICU 担当の薬剤師に意見を求めた。
処方案 持続微量点滴
トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)点滴静注用(12,800 U/ 1 本)1.5 本
生理食塩水100 mL
1 日1 回 24 時間かけて投与 3 日連日投与
備考 通常、成人には、トロンボモデュリン アルファとして1 日1 回 380 U/kg
医師より、患者に用いるトロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)につい
て、天然のトロンボモデュリンとの違いを知りたいとの問合せがあった。文献を探
したところ、天然のトロンボモデュリンの模式図を見つけた(下図)。天然のトロ
ンボモデュリンの領域A~Cのうち、トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換
え)に相当する領域として正しいのはどれか。1つ選べ。

レクチン様
ドメイン
- 1○領域A
- 2✕領域B
- 3✕領域C
- 4✕領域A~B
- 5✕領域B~C
- 6✕領域A~C
正答: 1
222-223 共通の設問
72 歳男性。A病院の泌尿器科及びB病院の循環器科を受診している。A病
院において、侵襲危険度の高い経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)実施のため、
泌尿器科医師から、現在服用中の薬を確認し、術前中止薬の有無を調査するよう、
A病院の入退院支援センター担当の薬剤師に依頼があった。
患者が持参したお薬手帳の内容、患者へのインタビューなどから、患者の服用薬
が判明した。
患者の服用薬
A病院 泌尿器科

処方されている抗血栓薬を服用した患者にみられる血液凝固・線溶系の変化とし
て適切なのはどれか。2つ選べ。
- 1✕組織トロンボプラスチンの生成が抑制されている。組織トロンボプラスチンの生成が抑制されるのではなく、凝固因子(トロンビン生成)への作用である。
- 2○トロンビンの生成が抑制されている。
- 3✕プロトロンビンの生成が抑制されている。プロトロンビンの生成(合成)ではなく、トロンビン生成以降の過程が抑制される。
- 4○フィブリンの生成が抑制されている。
- 5✕プラスミンの生成が促進されている。プラスミンの生成が促進されるのではなく、フィブリン生成が抑制される。
正答: 2・4
224-225 共通の設問
62 歳男性。肺炎感染症の治療のため、スルバクタムナトリウム・アンピシ
リンナトリウムの点滴投与が開始された。肺炎は改善されたが、投与5 日目から、
腹痛、頻回の水様性の下痢、発熱、白血球数及びCRP 値の上昇が認められた。直
腸内視鏡検査を行ったところ、多発する黄白色の偽膜、浮腫やびらんが認められ、
偽膜性大腸炎と診断された。このため、スルバクタムナトリウム・アンピシリンナ
トリウムの点滴投与を中止し、抗菌薬の変更についてカンファレンスが開かれた。
この患者で新たに発症した腸疾患とその原因菌に関する説明のうち、誤っている
のはどれか。1つ選べ。
- 1✕原因菌は、腸内において常在細菌叢を形成している。
- 2✕原因菌は、経口感染する。
- 3○原因菌は、空気中で生存できない芽胞非形成菌である。
- 4✕発症には、肺炎感染症の治療薬の投与による菌交代現象が関与する。
- 5✕症状は、原因菌が産生する外毒素により起こる。
正答: 3