第104回 — 薬剤
演習モードで解く経口投与された薬物のバイオアベイラビリティを表す式はどれか。1つ選べ。
ただし、消化管管腔内からの吸収率をFa、消化管及び肝臓での消失を免れた割合
をそれぞれFg 及びFh とする。
- 1✕Fa・Fg/Fh
- 2○Fa・Fg・Fh
- 3✕Fa・Fg・(1 - Fh)
- 4✕Fa・(Fg + Fh)
- 5✕Fa + Fg + Fh
正答: 2
一次性能動輸送担体はどれか。1つ選べ。
- 1✕グルコーストランスポーターGLUT1
- 2○P–糖タンパク質MDR1
- 3✕有機アニオントランスポーターOAT1
- 4✕H+/ペプチド共輸送体PEPT1
- 5✕Na+/グルコース共輸送体SGLT2
正答: 2
母体から胎児への移行性が最も低いのはどれか。1つ選べ。
- 1○インスリン
- 2✕エタノール
- 3✕グルコース
- 4✕チオペンタール
- 5✕バルプロ酸
正答: 1
体内からの消失が主にCYP1A2 による代謝である薬物はどれか。1つ選べ。
- 1○テオフィリン
- 2✕デキストロメトルファン
- 3✕ファモチジン
- 4✕フェロジピン
- 5✕ワルファリン
正答: 1
ネフロンでの能動的な薬物の分泌を行う主要な部位はどれか。1つ選べ。
- 1✕遠位尿細管
- 2○近位尿細管
- 3✕糸球体
- 4✕ヘンレ係蹄上行脚
- 5✕ボーマン嚢
正答: 2
体内動態が線形1–コンパートメントモデルに従う薬物100 mg を急速静脈内投
与したとき、投与直後の血中濃度が2 mg/L、消失速度定数が0.1 hr―1 であった。
この薬物の全身クリアランス(L/hr)はどれか。1つ選べ。
- 1✕0.2
- 2✕2
- 3○5
- 4✕7
- 5✕20
正答: 3
体内動態が線形1–コンパートメントモデルに従う薬物を静脈内定速注入したと
き、血中濃度は下図のような推移を示した。この薬物の消失半減期(hr)に最も
近い値はどれか。1つ選べ。

血中薬物濃度(μg/mL)
時間(hr)
- 1○2
- 2✕4
- 3✕6
- 4✕8
- 5✕10
正答: 1
治療薬物モニタリング(TDM)の実施が推奨される薬物はどれか。1つ選べ。
- 1✕イトラコナゾール
- 2✕オメプラゾール
- 3○バンコマイシン
- 4✕ベラパミル
- 5✕モルヒネ
正答: 3
日本薬局方に基づき、溶液の濃度を(1 →10)で表したときの意味として正し
いのはどれか。1つ選べ。
- 1✕固形の薬品1 g を溶媒10 mL に溶かす。固形の薬品1 g を溶媒に溶かして全量を10 mL にする。
- 2✕液状の薬品1 g を溶媒10 mL に溶かす。固形の薬品1 g を溶媒に溶かして全量を10 mL にする。
- 3✕固形の薬品1 g を溶媒に溶かして全量を10 g にする。固形の薬品1 g を溶媒に溶かして全量を10 mL にする。
- 4✕液状の薬品1 g を溶媒に溶かして全量を10 g にする。固形の薬品1 g を溶媒に溶かして全量を10 mL にする。
- 5○固形の薬品1 g を溶媒に溶かして全量を10 mL にする。
正答: 5
点眼剤の保存剤として利用される陽イオン性界面活性剤はどれか。1つ選べ。
- 1✕ラウリル硫酸ナトリウム
- 2✕レシチン
- 3✕タウロコール酸
- 4○ベンザルコニウム塩化物
- 5✕ラウロマクロゴール
正答: 4
せん断応力の増加に伴い、みかけ粘度が増大するのはどれか。1つ選べ。
- 1✕ビンガム流動
- 2✕準塑性流動
- 3○ダイラタント流動
- 4✕準粘性流動
- 5✕ニュートン流動
正答: 3
皮膚に適用する液剤はどれか。1つ選べ。
- 1✕エリキシル剤
- 2✕シロップ剤
- 3✕パップ剤
- 4○リニメント剤
- 5✕リモナーデ剤
正答: 4
日本薬局方に規定されている全ての注射剤の安全性の確保に必須なのはどれ
か。1つ選べ。
- 1✕等張化剤の添加
- 2✕着色剤の添加
- 3✕保存剤の添加
- 4✕エンドトキシンの除去
- 5○無菌性の保証
正答: 5
日本薬局方の溶出試験法が適用されるのはどれか。1つ選べ。
- 1✕透析用剤
- 2✕坐剤
- 3✕軟膏剤
- 4✕点耳剤
- 5○散剤
正答: 5
消化管吸収後、体内でCYP2A6 によって代謝され、抗悪性腫瘍作用を示すプロ
ドラッグはどれか。1つ選べ。
- 1○テガフール
- 2✕イリノテカン
- 3✕ドキシフルリジン
- 4✕サラゾスルファピリジン
- 5✕アラセプリル
正答: 1
薬物の経肺吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕ヒトの肺上皮表面積は小腸上皮表面積の約10 倍に及ぶため、薬物の吸収部位
として適している。ヒトの肺上皮表面積は小腸上皮表面積より小さい(約半分)である。 - 2✕肺胞腔内にペプチダーゼが高発現するため、ペプチドの吸収部位として期待で
きない。肺胞腔内のペプチダーゼ活性は低いため、ペプチドの吸収部位として期待できる。 - 3○肺胞における脂溶性薬物の吸収は、主に単純拡散に従う。
- 4○肺胞腔と毛細血管を隔てる上皮細胞層は、小腸上皮細胞層と比較し、水溶性薬
物及び高分子化合物の透過性が高い。 - 5✕吸入剤の粒子径により到達部位が異なるため、肺胞内に沈着させるためには粒
子径を0.5 μm 以下に抑える必要がある。肺胞内に沈着させるためには粒子径を1〜5 μm 程度に調節する必要がある。
正答: 3・4
薬物の脳移行に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、血
漿と脳組織間で薬物分布が平衡状態にあるものとする。
- 1○血液脳関門では毛細血管内皮細胞が密着結合で強く連結しているため、薬物が
脳移行するためには毛細血管を経細胞的に透過しなければならない。 - 2○薬物の血漿中非結合形分率の増大は、血漿中薬物濃度に対する脳内薬物濃度の
比を上昇させる。 - 3✕単純拡散のみで血液脳関門を透過する薬物では、血漿中非結合形濃度よりも脳
内非結合形濃度の方が高くなる。単純拡散のみで血液脳関門を透過する薬物では、平衡状態では血漿中と脳内の非結合形濃度は等しくなる。 - 4✕血液脳関門に発現するP–糖タンパク質MDR1 は、基質となる薬物の血漿中非
結合形濃度に対する脳内非結合形濃度の比を上昇させる。血液脳関門に発現するP–糖タンパク質MDR1 は、基質薬物を脳側から血液側に排出するため、脳内非結合形濃度の比を低下させる。 - 5✕カルビドパは血液脳関門に発現する中性アミノ酸トランスポーターLAT1 を介
して脳移行する。レボドパは血液脳関門に発現する中性アミノ酸トランスポーターLAT1 を介して脳移行する(カルビドパは脳移行しない)。
正答: 1・2
ある薬物のアルブミンに対する結合定数を、平衡透析法を用いて測定した。半
透膜で隔てた2 つの透析セルの一方に0.6 mmol/L のアルブミン溶液を加え、他方
には0.6 mmol/L の薬物溶液を同容積加えた。平衡状態に達したとき、アルブミン
溶液中の薬物濃度は0.4 mmol/L、他方の薬物濃度は0.2 mmol/L であった。薬物
の結合定数K(L/mmol)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、アルブミン
- 1○分子当たりの薬物の結合部位数を1 とし、薬物及びアルブミンは容器や膜に吸着
しないものとする。
1 2.5 - 2✕3.3
- 3✕5.0
- 4✕6.6
- 5✕10
正答: 1
以下に示す薬物代謝反応のうち、第I相代謝反応はどれか。2つ選べ。


- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4○
- 5○
正答: 4・5
薬物相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○アロプリノールはキサンチンオキシダーゼによるメルカプトプリンの代謝を阻
害するため、メルカプトプリンの毒性が増強される。 - 2✕リファンピシンは主にCYP2D6 を誘導するため、トリアゾラムの血中濃度を
低下させる。リファンピシンは主にCYP3A4(及びCYP2C等)を誘導するため、トリアゾラムの血中濃度を低下させる。 - 3✕シスプラチンは有機カチオントランスポーターOCT2 の基質であるため、ジゴ
キシンの尿細管分泌を競合的に阻害する。ジゴキシンの尿細管分泌は主にP–糖タンパク質が担い、シスプラチンによるOCT2基質の競合阻害の関係ではない。 - 4○エリスロマイシンは主にCYP3A4 の代謝活性を阻害するため、カルバマゼピ
ンの血中濃度を上昇させる。 - 5✕アセトアミノフェンはノルフロキサシンによるγ–アミノ酪酸GABAA 受容体結
合阻害作用を増強し、痙れんを誘発する。アセトアミノフェンではなくNSAID(例:フェニル酢酸系)がニューキノロン系のGABAA 受容体結合阻害作用を増強し、痙れんを誘発する。
正答: 1・4
体内動態が線形1–コンパートメントモデルに従う薬物の経口投与に関する記述
のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。なお、ka 及びkel は、それぞれ吸収速度定
数及び消失速度定数を表し、t は投与後の時間を表す。
- 1✕バイオアベイラビリティが一定であるとき、最高血中濃度は投与量の平方根に
比例する。バイオアベイラビリティが一定であるとき、最高血中濃度は投与量に比例する(線形動態)。 - 2○最高血中濃度到達時間は投与量に依存しない。
- 3✕血中濃度時間曲線下面積(AUC)はka に比例する。血中濃度時間曲線下面積(AUC)は投与量と全身クリアランスで決まり、ka には比例しない。
- 4✕血中濃度は、A(e-kel・t + e-ka・t)(A:濃度の単位で表される定数)で表される。血中濃度は、A(e–kel・t − e–ka・t)(和ではなく差)で表される。
- 5○

正答: 2・5
ある薬物60 mg をヒトに静脈内投与した後の血中濃度時間曲線下面積
(AUC)が2.0 mg・hr/L であった。この薬物の肝クリアランスが2/3 に低下した
とき、経口投与後のAUC は、肝クリアランス低下前の経口投与後のAUC に対し
て何倍になるか。最も近い値を1つ選べ。ただし、この薬物の体内動態は、線形
1–コンパートメントモデルに従い、肝代謝のみで消失し、消化管から100%吸収さ
れるものとする。また、肝血流速度は80 L/hr とする。
- 1✕1.3
- 2✕1.5
- 3○1.8
- 4✕2.0
- 5✕4.0
正答: 3
25 °Cにおいて固相が十分に存在する条件下、pH と弱電解質Aの分子形とイオ
ン形の溶解平衡時の濃度の関係を図に表した。以下の記述のうち、正しいのはどれ
か。2つ選べ。ただし、弱電解質Aの分子形とイオン形の溶解平衡時の濃度比は
Henderson–Hasselbalch の式に従い、弱電解質Aの溶解やpH 調整に伴う容積変化

- 1○弱電解質Aは弱酸性化合物である。
- 2✕弱電解質AのpKa は2.0 である。弱電解質AのpKa は4.0(分子形とイオン形の濃度が等しくなるpH)である。
- 3○25 °Cにおいて、pH 7.0 のときの弱電解質Aの溶解度は、pH 6.0 のときの溶解
度の約10 倍になると予想される。 - 4✕25 °Cにおいて、pH 1.0 のときの弱電解質Aの溶解度は、pH 2.0 のときの溶解
度の約1/10 倍になると予想される。25 °Cにおいて、pH 1.0 のときの弱電解質Aの溶解度は、pH 2.0 のときの溶解度とほぼ等しい(分子形の溶解度0.1 mg/mL でほぼ決まる)。 - 5✕25 °Cにおいて、弱電解質A5 mg を水1 mL に分散させたとき、pH 5.5 以上に
なると全量が溶解すると予想される。25 °Cにおいて、弱電解質A 5 mg を水1 mL に分散させたとき、pH 約5.7 以上(イオン形濃度が約4.9 mg/mL に達する条件)になると全量が溶解すると予想される。
正答: 1・3
コロイド分散系の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○疎水コロイドの安定性は、粒子間のファンデルワールス引力と静電反発力の総
和で評価できる。 - 2✕疎水コロイドに電解質が共存すると粒子表面の電気二重層は厚くなり、分散状
態は不安定となる。疎水コロイドに電解質が共存すると粒子表面の電気二重層は薄くなり、分散状態は不安定となる。 - 3✕疎水コロイドの電荷と反対符号のイオンの価数が大きくなるほど、凝析価
(mol/L)は大きくなる。疎水コロイドの電荷と反対符号のイオンの価数が大きくなるほど、凝析価(mol/L)は小さくなる(シュルツェ–ハーディ則)。 - 4✕親水コロイドに対する同濃度の1 価陽イオンの塩析作用の強さは、
K+ > Na+ > Li+ である。親水コロイドに対する同濃度の1 価陽イオンの塩析作用の強さは、Li+ > Na+ > K+(感作イオン列)である。 - 5○親水性の高分子コロイドにアルコールを添加すると、コロイドに富む液相と乏
しい液相の2 つに分離するコアセルベーションが起こる。
正答: 1・5
球形粒子から成るある粉体を分級して得られた粉体A及びBの個数基準の粒度
分布曲線を図に示した。この図から考えられることとして、適切なのはどれか。2
つ選べ。

- 1✕粉体Aは粉体Bより小さな安息角を示す。粉体Aは粉体Bより大きな安息角を示す。
- 2✕粉体Aは粉体Bより小さな空隙率を示す。粉体Aは粉体Bより大きな空隙率を示す。
- 3○粉体Aは粉体Bより小さなかさ密度を示す。
- 4✕粉体Aは粉体Bより小さな比表面積を示す。粉体Aは粉体Bより大きな比表面積を示す。
- 5○粒度分布を質量基準で表すと、粉体Aのモード径は30 μm より大きくなる。
正答: 3・5
ある固体薬物Aに粉砕や再結晶などの処理を行ったところ、下図の粉末X 線
回折パターンを示す固体a、b、cが得られた。別の方法で再結晶を行ったとこ
ろ、異なる回折パターンを示す固体dが得られた。次の記述のうち、正しいのはど
れか。2つ選べ。ただし、粉末X 線回折測定に必要な前処理により、薬物Aの化
学変化や固体組成の変化は生じないものとする。


b
d
10 20
回折角度2θ(度)
- 1✕固体a~dの回折パターンを比較することにより、それぞれの結晶の外観の相
違を判断できる。回折パターンの比較では結晶の外観(結晶癖)の相違は判断できない。 - 2✕固体aと固体bの回折パターンを比較することにより、固体aの水分量は固体
bより多いことが判断できる。回折パターンの比較では水分量の多少は判断できない。 - 3✕固体aと固体dの回折パターンから、両者の結晶の単位格子の大きさが異なっ
ていることが判断できる。回折パターンのピーク位置の比較からは単位格子の大きさの異同を直接判断することはできない。 - 4○固体bと固体dは、結晶多形の関係にあると判断できる。
- 5○固体cの回折パターンから、本品の結晶性は著しく低いことが判断できる。
正答: 4・5
ある薬物の静注用の水性注射剤の製造工程を図に示した。本注射剤及びその製
造工程に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

1)ガラスアンプルを使用;2)注射用水を使用
- 1✕アの操作として、高圧蒸気法を用いなければならない。イの操作は、10-6 以下の無菌性保証水準が得られる条件で行われる。
- 2○イの操作は、10-6 以下の無菌性保証水準が得られる条件で行われる。
- 3✕容器Aは、日本薬局方一般試験法のエンドトキシン試験法に適合しなければな
らない。イの操作は、10-6 以下の無菌性保証水準が得られる条件で行われる。 - 4✕溶剤Bは、日本薬局方一般試験法の発熱性物質試験法に適合しなければならな
い。イの操作は、10-6 以下の無菌性保証水準が得られる条件で行われる。 - 5✕充てんは、表示量の±5 %の範囲で行う。イの操作は、10-6 以下の無菌性保証水準が得られる条件で行われる。
正答: 2
コーティングを施した固形製剤の溶出性を調べたところ、下図の結果が得られ
た。この薬物溶出を示す製剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、薬
物の溶解度は試験液のpH に依存せず、薬物と添加剤の相互作用はないものとす
る。

溶出時間(分)
- 1✕

- 2✕

- 3○

- 4✕

- 5✕

正答: 3
容器・包装に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○日本薬局方製剤包装通則における包装適格性には、製剤の保護、製剤と包装の
適合性、包装に用いる資材の安全性及び投与時の付加的な機能が含まれる。 - 2✕日本薬局方において気密容器の規定がある場合、密閉容器を使用して保存する
ことができる。日本薬局方において気密容器の規定がある場合、気密容器を使用して保存しなければならない(密閉容器とは規格が異なる)。 - 3○押出しチューブは、軟膏剤等の内容物を押し出せる柔軟性をもつ容器で、材質
に金属やプラスチックが用いられる。 - 4✕輸液剤の容器で利用されるプラスチックバッグは密封容器である。輸液剤の容器で利用されるプラスチックバッグは密封容器ではない(密封容器はガラスアンプル等を想定)。
- 5✕プラスチックのシートを加熱成形してくぼみを作り、その中に製剤を入れる包
装形態はSP(Strip Packaging)と呼ばれる。その包装形態はPTP(プレススルーパック)と呼ばれる。
正答: 1・3
放出制御型製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕硫酸鉄を含むグラデュメット型製剤は、イオン交換樹脂に鉄を吸着させて、消
化管内のイオンとの交換反応により徐放させる製剤である。硫酸鉄を含むグラデュメット型製剤は、不溶性の多孔質マトリックスから薬物が徐々に溶出する徐放性製剤であり、イオン交換樹脂を用いるものではない。 - 2✕パリペリドンを含む浸透圧ポンプ型製剤は、薬物とそれを押し出す駆動力とな
る電解質を高分子マトリックスに分散させた徐放性製剤である。パリペリドンを含む浸透圧ポンプ型製剤は、浸透圧を駆動力に半透膜の放出孔から薬物を放出する製剤であり、高分子マトリックス分散型ではない。 - 3○チモロールマレイン酸塩と添加剤であるメチルセルロースを含む持続性点眼剤
は、熱可逆的ゾル―ゲル相転移特性を利用して、結膜嚢での薬物の長時間滞留を
可能にした製剤である。 - 4○オキシブチニン塩酸塩を含む経皮吸収型貼付剤は、マトリックス型構造を有
し、貼付後、血中薬物濃度を長時間維持できる製剤である。 - 5✕ブセレリン酢酸塩を含むエチレン・酢酸ビニル共重合体からなる生分解性マイ
クロカプセルは、皮下投与後、長期にわたり薬効を持続できる製剤である。ブセレリン酢酸塩を含むマイクロカプセルは乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)等の生分解性ポリマーからなり、エチレン・酢酸ビニル共重合体は非生分解性である。
正答: 3・4
264-267 共通の設問
58 歳男性。糖尿病の診断を受け近医で薬物療法を継続していたが、定期的
に受診せず、アドヒアランスも良好ではなかった。今回、吐き気、食欲不振、呼吸
困難を訴え受診したところ、重症の尿毒症のため入院となった。血液検査の結果は
以下のとおりであった。

カンファレンスにおいて薬剤師は、体表面積未補正eGFR が異なる2 つの群に
対し、メトホルミン塩酸塩錠500 mg を経口単回投与した時の腎クリアランス及び
血中濃度時間曲線下面積(AUC)をまとめた表を示した。表に基づいた説明とし
て、適切なのはどれか。2つ選べ。ただし、いずれの群も、メトホルミンのバイオ
アベイラビリティは60%とし、血漿タンパク結合は無視できるものとする。

- 1✕メトホルミンは、主に糸球体ろ過によって腎臓から排泄されます。メトホルミンは、主に尿細管分泌(OCT2経由)によって腎臓から排泄されます。
- 2○この患者におけるメトホルミンの全身クリアランスは、約170 mL/min と予想
されます。 - 3✕この患者におけるメトホルミンの尿中排泄率は、腎機能正常者の約1/3 と予想
されます。この患者におけるメトホルミンの尿中排泄率は、腎機能正常群とほぼ同じ(CLr×AUC が同程度)と予想されます。 - 4○処方どおりに服用し続けた場合、この患者におけるメトホルミンの平均血中濃
度は腎機能正常者の約3 倍になると予想されます。 - 5✕この患者が処方どおりに服用し続けた場合、メトホルミンの平均血中濃度は約
10 μg/mL と予想されます。この患者が処方どおりに服用し続けた場合、メトホルミンの平均血中濃度は腎機能正常群の約3倍(AUC比より)と予想され、約10 ng/mL ではないと予想されます。
正答: 2・4
268-269 共通の設問
60 歳男性。脂質異常症及び高血圧症の診断により、現在、処方1 による薬
物治療を行っている。本日、処方2 が追加された。
(処方1 )

検査値
血圧126/76 mmHg、血清クレアチニン値0.9 mg/dL、HbA1c 5.9%(NGSP 値)、
LDL−C 98 mg/dL、HDL−C 62 mg/dL、TG(トリグリセリド)220 mg/dL
イコサペント酸エチル粒状カプセルを食直後に服用する理由として、正しいのは
どれか。1つ選べ。
- 1✕服薬タイミングをずらすことで、イコサペント酸エチルによるピタバスタチン
の肝取り込み阻害を回避するため。食事によって分泌された胆汁酸が、イコサペント酸エチルの可溶化を促進する ため。 - 2✕服薬タイミングをずらすことで、ロサルタンとイコサペント酸エチルの複合体
形成を回避するため。食事によって分泌された胆汁酸が、イコサペント酸エチルの可溶化を促進する ため。 - 3✕食事によって胃内容排出速度を低下させることで、イコサペント酸エチルの急
激な血中濃度の上昇を避けるため。食事によって分泌された胆汁酸が、イコサペント酸エチルの可溶化を促進する ため。 - 4✕食事によって胃酸分泌が亢進し、イコサペント酸エチルの溶解度が増加するた
め。食事によって分泌された胆汁酸が、イコサペント酸エチルの可溶化を促進する ため。 - 5○食事によって分泌された胆汁酸が、イコサペント酸エチルの可溶化を促進する
ため。
正答: 5
270-271 共通の設問
60 歳男性。高血圧の治療のため、内科から以下の薬剤が処方され服用して
いた。最近、薬剤の服用後にめまいやふらつきを感じることがあり薬局を訪れた。
(処方)
ニソルジピン錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)
1 日1 回 朝食後 14 日分
この患者におけるグレープフルーツジュース中の原因物質とニソルジピンの相互
作用について、発現機序と考えられるのはどれか。1つ選べ。
- 1✕小腸CYP3A4 に対する競合阻害
- 2○小腸CYP3A4 に対する共有結合による不可逆的阻害
- 3✕肝臓CYP3A4 に対する競合阻害
- 4✕核内受容体を介した小腸CYP3A4 の誘導
- 5✕小腸P−糖タンパク質に対する競合阻害
正答: 2
272-273 共通の設問
36 歳男性。10 年前に双極性障害の診断を受け、処方1 による治療を行っ
ている。
(処方1 )

緊急搬送時でのこの患者におけるリチウムの全身クリアランス(L/hr)に最も
近い値はどれか。1つ選べ。ただし、計算には血中濃度を用い、測定したリチウム
濃度は定常状態における平均濃度であるものとする。また、リチウムのバイオアベ
イラビリティは100%とし、炭酸リチウム(Li2CO3)の分子量は73.9 である。
- 1✕0.19
- 2○0.38
- 3✕1.8
- 4✕4.5
- 5✕9.0
正答: 2
274-275 共通の設問
70 歳男性。切除不能な胃がんの治療のため、S−1(テガフール・ギメラシ
ル・オテラシルカリウム配合剤)/シスプラチン療法を施行している。数日前から
右下肢に痙れん様のふるえが認められている。精密検査の結果、左脳にがん転移が
認められ、緊急入院となった。痙れん発作の予防としてフェニトインの服用を開始
した。
(処方)
フェニトイン錠100 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)
1 日3 回 朝昼夕食後 7 日分
同一処方でさらに1 週間継続服用したところ、せん妄様症状が認められ、その時
のフェニトイン血中濃度は50 μg/mL であった。この患者の定常状態におけるフェ
ニトインの平均血中濃度を16 μg/mL としたい。1 日あたりの投与量(mg)とし
て最も適切なのはどれか。1つ選べ。
ただし、測定したフェニトイン濃度は定常状態における平均血中濃度であるもの
とし、フェニトインの体内からの消失速度はMichaelis−Menten 式で表され、
Michaelis 定数を4 μg/mL、バイオアベイラビリティを100%とする。なお、S−1/
シスプラチン療法は今後も同じ用法・用量で継続するものとする。
- 1✕100
- 2✕140
- 3✕180
- 4✕220
- 5○260
正答: 5
276-277 共通の設問
70 歳女性。気管支喘息のため吸入療法を行っている。本日、デバイスが異
なる吸入剤へ変更したため、医師から薬剤師に吸入指導の依頼があった。薬歴を確
認したところ、前回の処方1 から処方2 へ変更になっていた。
(処方1 )
アドエア250 ディスカス 60 吸入(注1) 1 個
1 回1 吸入 1 日2 回 朝就寝前 吸入

を含有する吸入粉末剤。1 吸入で、サルメテロールとして50 μg 及び
フルチカゾンプロピオン酸エステルとして250 μg を吸入できる。

(処方2 )
アドエア125 エアゾール 120 吸入(注2) 1 個
1 回2 吸入 1 日2 回 朝就寝前 吸入

を含有する吸入エアゾール剤。1 吸入で、サルメテロールとして25 μg

患者に確認したところ、認知機能、視力、聴力及び手指筋力の低下は認められな
かった。
処方1 と処方2 の製剤の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選
べ。
- 1○処方1 の製剤は、吸入量が一定となるように調製された固体粒子のエアゾール
として吸入する製剤である。 - 2✕処方1 の製剤は、薬物の固体粒子が液状媒体に懸濁した状態で吸入器に充てん
された製剤である。処方1 の製剤は、乾燥粉末(ドライパウダー)型吸入剤であり、液状媒体に懸濁したものではない。 - 3✕処方1 の製剤は、容器に充てんした噴射剤と共に、一定量の有効成分を噴霧す
る定量噴霧式吸入剤である。処方2 の製剤が、容器に充てんした噴射剤と共に、一定量の有効成分を噴霧する定量噴霧式吸入剤である。 - 4✕処方2 の製剤には、密閉容器が用いられる。処方2 の製剤には、密封容器(耐圧エアゾール缶)が用いられる。
- 5○処方2 の製剤は、薬剤を含むエアゾール缶、定量バルブとアクチュエーター等
から構成される。
正答: 1・5
278-279 共通の設問
医師からプロポフォールの取扱いについての問合せがあり、集中治療部門
の薬剤師が多職種カンファレンスでプロポフォールに関する情報提供を行うことに
なった。以下は院内採用医薬品であるプロポフォール注射剤1 %の医薬品添付文書
情報の一部である。

このプロポフォール注射剤1 %に含まれている添加剤の本剤中での役割として、
正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1✕ダイズ油は、油性注射剤にするための溶剤である。ダイズ油は、o/w 型乳濁性注射剤にするための油相基剤である。
- 2○ダイズ油は、o/w 型乳濁性注射剤にするための油相基剤である。
- 3✕精製卵黄レシチンは、注射用水に薬物を溶解させるための可溶化剤である。ダイズ油は、o/w 型乳濁性注射剤にするための油相基剤である。
- 4✕精製卵黄レシチンは、懸濁性注射剤にするための懸濁化剤である。ダイズ油は、o/w 型乳濁性注射剤にするための油相基剤である。
- 5✕濃グリセリンは、w/o 型乳濁性注射剤にするための乳化剤である。ダイズ油は、o/w 型乳濁性注射剤にするための油相基剤である。
正答: 2
280-281 共通の設問
80 歳女性。老人福祉施設に入所中に仙骨部に褥瘡を認めた。経過を観察し
ていたが、改善しなかったため、褥瘡の治療目的で入院となった。入院当初、創部
は滲出液が多く、黒色の壊死組織を伴っていた。
患者の創部に塗布する外用剤の基剤として最も適しているのはどれか。1つ選
べ。
- 1✕白色ワセリン
- 2✕単軟膏
- 3✕流動パラフィン
- 4✕サラシミツロウ
- 5○マクロゴール軟膏
正答: 5
282-283 共通の設問
66 歳男性。身長168 cm、体重51 kg。胃がんによる胃全摘術後に中心静脈
栄養法を実施している。糖尿病の既往があり、血糖値上昇が見られたため、インス
リンを投与することになった。輸液セットは感染予防のためフィルターを組み込ん
だ閉鎖回路としている。医師より「インスリン ヒト(遺伝子組換え)注射液100
単位/mL を生理食塩液で希釈して50 単位分調製し、投与する」よう指示があっ
た。看護師から調製したインスリン注射液の投与法について質問があったため、薬
剤師は、以下の模式図を書いて説明を行った。

A
B
前問の投与法を選択した理由に最も深く関係する事象はどれか。1つ選べ。
- 1✕希釈によるインスリンの自己会合の促進
- 2○輸液フィルターへのインスリンの吸着
- 3✕輸液成分とインスリンの相互作用
- 4✕シリンジ内壁へのインスリンの吸着
- 5✕輸液セット内でのインスリンの分解
正答: 2
284-285 共通の設問
45 歳男性。結腸がんによる結腸切除術後に全身に転移が見られ、処方1 に
より疼痛コントロールを行っていた。今回、疼痛増悪による疼痛コントロール目的
で入院となり、処方2 に変更となった。
(処方1 )

(処方2 )
オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠40 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)
1 日2 回 8 時、20 時 3 日分
オキシコドン塩酸塩水和物散20 mg 1 回1 包
疼痛時 5 回分
入院時に薬剤師が行った痛みの評価では、「午後になると痛みが強くなる、NRS
(Numerical Rating Scale):8/10」、「どのタイミングか不明だが突然痛みが出
る。痛みが出始めるとすぐに強い痛みとなる、NRS:8/10」とのことであった。
処方2 の薬剤服用開始後に行った評価は、「午後になると強くなる痛みは改善、
NRS:3/10」、「突然痛くなる状況は変化がない、NRS:8/10」であり、この結果
を受けて緩和ケアチームで患者の処方を検討することになった。
前問での提案の理由として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 1✕初回通過効果の回避
- 2✕有効血中濃度の持続
- 3○速やかな薬効の発現
- 4✕バイオアベイラビリティの改善
- 5✕副作用の回避
正答: 3