第104回 — 薬理
演習モードで解くアゴニストの用量–反応曲線が低用量側にあるほど値が大きいのはどれか。1つ
選べ。
- 1✕ED50
- 2✕LD50
- 3✕KD
- 4✕pA2
- 5○pD2
正答: 5
ムスカリン性アセチルコリン受容体を選択的に刺激することで、消化管や膀胱
の運動を亢進するのはどれか。1つ選べ。
- 1○ベタネコール
- 2✕オキシブチニン
- 3✕チオトロピウム
- 4✕ネオスチグミン
- 5✕ピレンゼピン
正答: 1
自律神経節を遮断した時、交感神経節後線維の神経終末からのアセチルコリン
の遊離が低下する効果器として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 1✕心臓
- 2○汗腺
- 3✕毛様体
- 4✕消化管
- 5✕瞳孔
正答: 2
メラトニン受容体を刺激することで不眠症における入眠困難を改善するのはど
れか。1つ選べ。
- 1✕ブロモバレリル尿素
- 2✕ゾルピデム
- 3✕スボレキサント
- 4✕リルマザホン
- 5○ラメルテオン
正答: 5
主に電位依存性Na+ チャネルを遮断することで抗てんかん作用を示すのはどれ
か。1つ選べ。
- 1✕エトスクシミド
- 2✕ジアゼパム
- 3○ラモトリギン
- 4✕ガバペンチン
- 5✕フェノバルビタール
正答: 3
Ca2+ チャネルを遮断することで抗不整脈作用を示すのはどれか。1つ選べ。
- 1✕アテノロール
- 2✕フレカイニド
- 3✕リドカイン
- 4✕ソタロール
- 5○ベラパミル
正答: 5
γ–アミノ酪酸GABAA 受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、ベンゾジ
アゼピン系薬による呼吸抑制を改善するのはどれか。1つ選べ。
- 1✕デキストロメトルファン
- 2✕アセチルシステイン
- 3✕ドキサプラム
- 4○フルマゼニル
- 5✕イプラトロピウム
正答: 4
モサプリドによる消化管運動亢進の作用機序はどれか。1つ選べ。
- 1✕セロトニン5–HT3 受容体遮断
- 2○セロトニン5–HT4 受容体刺激
- 3✕オピオイドμ 受容体刺激
- 4✕アセチルコリンエステラーゼ阻害
- 5✕ムスカリン性アセチルコリンM3 受容体刺激
正答: 2
カモスタットの急性膵炎治療効果に関わる作用機序はどれか。1つ選べ。
- 1✕H+,K+–ATPase 阻害
- 2✕セロトニン5–HT3 受容体遮断
- 3✕ヒスタミンH2 受容体遮断
- 4○タンパク質分解酵素阻害
- 5✕シクロオキシゲナーゼ阻害
正答: 4
キサンチンオキシダーゼを選択的に阻害するのはどれか。1つ選べ。
- 1✕ベンズブロマロン
- 2○アロプリノール
- 3✕コルヒチン
- 4✕ラスブリカーゼ
- 5✕プロベネシド
正答: 2
サルポグレラートによる血小板凝集抑制の作用機序はどれか。1つ選べ。
- 1✕プロスタノイドIP 受容体刺激
- 2○セロトニン5–HT2 受容体遮断
- 3✕シクロオキシゲナーゼ阻害
- 4✕ホスホジエステラーゼIII阻害
- 5✕トロンボキサン合成酵素阻害
正答: 2
TNF–α に特異的に結合することで、TNF–α とその受容体の結合を阻害するの
はどれか。1つ選べ。
- 1○インフリキシマブ
- 2✕プレドニゾロン
- 3✕トシリズマブ
- 4✕アバタセプト
- 5✕トファシチニブ
正答: 1
プロスタノイドTP 受容体を遮断することで、抗アレルギー作用を示すのはど
れか。1つ選べ。
- 1✕プランルカスト
- 2✕オザグレル
- 3○セラトロダスト
- 4✕クロモグリク酸
- 5✕メキタジン
正答: 3
アンピシリンによる抗菌作用の標的はどれか。1つ選べ。
- 1✕細胞膜リン脂質
- 2✕DNA 依存性RNA ポリメラーゼ
- 3✕リボソーム30S サブユニット
- 4✕リボソーム50S サブユニット
- 5○トランスペプチダーゼ
正答: 5
以下に示す化学構造の薬物が結合し、鎮痛作用を引き起こす作用点はどれか。
1つ選べ。
CH3



H
OH
- 1✕γ–アミノ酪酸GABAA 受容体–Cl- チャネル複合体
- 2✕ドパミンD2 受容体
- 3○オピオイドμ 受容体
- 4✕ムスカリン性アセチルコリン受容体
- 5✕シクロオキシゲナーゼ
正答: 3
細胞膜受容体を介する情報伝達に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ
選べ。
- 1✕ニコチン性アセチルコリンNN 受容体が刺激されると、Gi タンパク質を介して
アデニル酸シクラーゼが抑制され、サイクリックAMP(cAMP)濃度が低下す
る。ニコチン性アセチルコリンNN 受容体はイオンチャネル内蔵型受容体であり、刺激されるとNa+ が流入して興奮性シナプス後電位が発生する。 - 2✕ムスカリン性アセチルコリンM2 受容体が刺激されると、Gs タンパク質を介し
てアデニル酸シクラーゼが活性化され、cAMP 濃度が上昇する。ムスカリン性アセチルコリンM2 受容体が刺激されると、Gi タンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが抑制され、cAMP 濃度が低下する。 - 3○アドレナリンα1 受容体が刺激されると、Gq タンパク質を介してホスホリパー
ゼC が活性化され、イノシトール三リン酸及びジアシルグリセロールが産生され
る。 - 4✕バソプレシンV2 受容体が刺激されると、受容体分子内のイオンチャネルが開
口し、興奮性シナプス後電位(EPSP)が発生する。バソプレシンV2 受容体が刺激されると、Gs タンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化されcAMP が上昇する(イオンチャネル内蔵型ではない)。 - 5○インスリン受容体が刺激されると、受容体の細胞質領域に存在するチロシンキ
ナーゼが活性化され、インスリン受容体基質(IRS)がリン酸化される。
正答: 3・5
アドレナリン受容体遮断薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選
べ。
- 1○フェントラミンは、血管平滑筋のアドレナリンα1 受容体を遮断することで血
圧を低下させる。 - 2✕ブナゾシンは、毛様体上皮のアドレナリンβ2 受容体を遮断することで眼房水
の産生を抑制する。毛様体上皮のβ2 受容体を遮断して眼房水の産生を抑制するのはチモロール等のβ遮断薬であり、ブナゾシンはα1 受容体遮断薬である。 - 3✕アロチノロールは、気管支平滑筋のアドレナリンα、β 受容体を遮断すること
で気管支平滑筋を拡張させる。アロチノロールは、気管支平滑筋のβ受容体を遮断し気管支を収縮させることがあり(気管支喘息患者に禁忌)、拡張させるのではない。 - 4○ビソプロロールは、心臓のアドレナリンβ1 受容体を遮断することで心拍数を
減少させる。 - 5✕ナドロールは、心臓のアドレナリンβ1 受容体遮断作用及び内因性交感神経刺
激作用により心筋収縮力を低下させる。ナドロールは、内因性交感神経刺激作用(ISA)を持たない非選択的β遮断薬である。
正答: 1・4
全身麻酔薬及び麻酔補助薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選
べ。
- 1○ケタミンは、グルタミン酸NMDA 受容体を遮断することで麻酔作用を示す。
- 2✕プロポフォールは、ヒスタミンH1 受容体を遮断することで麻酔作用を示す。プロポフォールは、GABAA 受容体を介して麻酔作用を示す。
- 3✕MAC(最小肺胞内濃度)は、吸入麻酔薬の力価の指標となる値であり、大き
いほど麻酔作用が強い。MAC(最小肺胞内濃度)は、吸入麻酔薬の力価の指標となる値であり、小さいほど麻酔作用が強い。 - 4○チアミラールは、γ–アミノ酪酸GABAA 受容体のバルビツール酸結合部位に結
合することで麻酔作用を示す。 - 5✕ドロペリドールは、アドレナリンα2 受容体を刺激することで鎮静作用を示す。ドロペリドールは、ドパミンD2 受容体を遮断することで鎮静作用を示す。
正答: 1・4
虚血性心疾患治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕ニトログリセリンから産生される一酸化窒素は、血管平滑筋のグアニル酸シク
ラーゼ活性を阻害することで心臓の前負荷を軽減する。ニトログリセリンから産生される一酸化窒素は、血管平滑筋のグアニル酸シクラーゼ活性を高めることでcGMP が増加し血管平滑筋を弛緩させ、心臓の前負荷を軽減する。 - 2○ニコランジルは、ATP 感受性K+ チャネルを開口することで冠動脈を拡張させ
る。 - 3✕アテノロールは、血管平滑筋のアドレナリンα2 受容体を遮断することで末梢
血管抵抗を減少させる。アテノロールは、心臓のβ1 受容体を遮断することで心収縮力・心拍数を減少させる。 - 4○ジルチアゼムは、心筋細胞のCa2+ チャネルを遮断することで心機能を抑制す
る。 - 5✕ジピリダモールは、冠動脈のアデノシンA2A 受容体を直接刺激することで冠動
脈を拡張させる。ジピリダモールは、アデノシンの細胞内への再取り込みを阻害し、血中アデノシン濃度を上昇させることで冠動脈を拡張させる。
正答: 2・4
レニン–アンジオテンシン–アルドステロン系に作用する薬物に関する記述のう
ち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○アンジオテンシンIIAT1 受容体を遮断する薬物は、副腎皮質球状層からのア
ルドステロン分泌量を減少させる。 - 2○キニナーゼIIを阻害する薬物は、血中のブラジキニン量を増加させる。
- 3✕レニンを阻害する薬物は、血中のブラジキニン量を増加させる。レニンを阻害する薬物は、アンジオテンシンII の生成を減少させるが、ブラジキニン量は増加させない(ブラジキニンを増やすのはACE阻害薬)。
- 4✕アドレナリンβ1 受容体を遮断する薬物は、傍糸球体細胞からのレニンの分泌
量を増加させる。アドレナリンβ1 受容体を遮断する薬物は、傍糸球体細胞からのレニンの分泌量を減少させる。 - 5✕アンジオテンシン変換酵素を阻害する薬物は、血中のレニン量を減少させる。アンジオテンシン変換酵素を阻害する薬物は、アンジオテンシンIIを減少させるが、負のフィードバックによりレニン量は増加する。
正答: 1・2
利尿薬の主な作用機序及び作用部位の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ
選べ。
薬物 主な作用機序 主な作用部位
- 1✕エプレレノン バソプレシンV2 受容体遮断 集合管
- 2✕ブメタニド Na+/K+ 交換系阻害 ヘンレ係蹄上行脚
- 3✕アセタゾラミド 炭酸脱水酵素阻害 集合管
- 4○トリアムテレン Na+ チャネル遮断 遠位尿細管、集合管
- 5○インダパミド Na+/Cl- 共輸送系阻害 遠位尿細管
正答: 4・5
制吐薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○アプレピタントは、嘔吐中枢及び迷走神経終末のタキキニンNK1 受容体を遮
断することで制吐作用を示す。 - 2○メトクロプラミドは、CTZ(化学受容器引き金帯)のドパミンD2 受容体を遮
断することで制吐作用を示す。 - 3✕ジフェンヒドラミンは、嘔吐中枢のヒスタミンH1 受容体を刺激することで制
吐作用を示す。ジフェンヒドラミンは、嘔吐中枢のヒスタミンH1 受容体を遮断することで制吐作用を示す。 - 4✕プロメタジンは、迷走神経終末のドパミンD2 受容体を遮断することで制吐作
用を示す。プロメタジンは、ヒスタミンH1 受容体を遮断することで制吐作用を示す。 - 5✕ラモセトロンは、消化管内在神経叢のセロトニン5–HT4 受容体を遮断するこ
とで胃運動を抑制し、制吐作用を示す。ラモセトロンは、セロトニン5–HT3 受容体を遮断することで制吐作用を示す。
正答: 1・2
抗C 型肝炎ウイルス薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○オムビタスビルは、非構造タンパク質(NS)5A を阻害する。
- 2○パリタプレビルは、NS3/4A プロテアーゼを阻害する。
- 3✕アスナプレビルは、NS5B ポリメラーゼを阻害する。アスナプレビルは、NS3/4A プロテアーゼを阻害する。
- 4✕テラプレビルは、逆転写酵素を阻害する。テラプレビルは、NS3/4A プロテアーゼを阻害する。
- 5✕レジパスビルは、キャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害する。レジパスビルは、NS5Aを阻害する。
正答: 1・2
成長ホルモン(GH)関連薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ
選べ。
- 1✕ブロモクリプチンは、下垂体のGH 産生細胞に作用し、GH の産生・分泌を促
進する。ブロモクリプチンは、下垂体のドパミンD2 受容体を刺激し、GH の産生・分泌を抑制する(先端巨大症の治療薬)。 - 2○ペグビソマントは、GH 受容体を選択的に遮断し、インスリン様成長因子–1
(IGF–1)の産生を抑制する。 - 3✕メカセルミンは、下垂体のソマトスタチン受容体を刺激し、GH や甲状腺刺激
ホルモン(TSH)の産生・分泌を抑制する。メカセルミンは、IGF–1 製剤(遺伝子組換え)であり、ソマトスタチン受容体刺激ではない。 - 4○ソマトロピンは、IGF–1 の産生を誘導し、軟骨内骨形成を促進する。
- 5✕オクトレオチドは、下垂体のドパミンD2 受容体を刺激し、GH やプロラクチン
の産生・分泌を抑制する。オクトレオチドは、下垂体のソマトスタチン受容体を刺激し、GH の産生・分泌を抑制する。
正答: 2・4
脂質異常症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕コレスチミドは、コレステロールの胆汁への異化排泄を促進することで、血中
LDL コレステロール量を低下させる。コレスチミドは、陰イオン交換樹脂として胆汁酸を吸着し腸からの再吸収を妨げることで、血中LDL コレステロール量を低下させる。 - 2✕シンバスタチンは、肝細胞でアセチルCoA からHMG–CoA への変換酵素を阻
害することで、コレステロールの産生を抑制する。シンバスタチンは、肝細胞でHMG–CoA 還元酵素(HMG–CoA→メバロン酸)を阻害することで、コレステロールの産生を抑制する。 - 3○エゼチミブは、小腸コレステロールトランスポーターを阻害することで、コレ
ステロールの吸収を選択的に阻害する。 - 4✕ベザフィブラートは、脂肪細胞のPPARα を阻害することで、血中LDL コレ
ステロール量を低下させる。ベザフィブラートは、脂肪細胞等のPPARαを活性化(アゴニスト作用)することで、主に血中トリグリセリド量を低下させる。 - 5○ニコモールは、脂肪細胞のニコチン酸受容体を刺激することで、脂肪細胞から
の遊離脂肪酸の放出を抑制する。
正答: 3・5
血液・造血系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選
べ。
- 1✕フィルグラスチムは、単球・マクロファージ系前駆細胞に作用し、その分化や
増殖を促進することで、顆粒球減少症を改善する。フィルグラスチムは、顆粒球(好中球)系前駆細胞に作用しその分化や増殖を促進することで、顆粒球減少症を改善する。 - 2✕メコバラミンは、造血組織におけるDNA 合成を抑制することで、巨赤芽球性
貧血を改善する。メコバラミンは、メチル基転移の補酵素としてDNA合成に関与することで、巨赤芽球性貧血を改善する。 - 3✕葉酸は、血漿中の鉄の造血組織への移行を促進することで、鉄芽球性貧血を改
善する。葉酸は、DNA合成(核酸合成)に関与することで、巨赤芽球性貧血を改善する。 - 4○ダルベポエチンアルファは、赤芽球前駆細胞から赤血球への分化を促進するこ
とで、腎性貧血を改善する。 - 5○エルトロンボパグは、トロンボポエチン受容体を刺激することで、血小板減少
症を改善する。
正答: 4・5
抗真菌薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○アムホテリシンB は、真菌の細胞膜成分であるエルゴステロールと結合するこ
とで細胞膜の機能障害を起こす。 - 2✕テルビナフィンは、1,3–β–グルカン合成を阻害することで細胞壁の合成を抑制
する。テルビナフィンは、スクアレンエポキシダーゼを阻害してエルゴステロール合成を抑制する。 - 3✕フルコナゾールは、真菌細胞内のスクアレンエポキシダーゼを選択的に阻害す
ることで真菌細胞膜の合成を抑制する。フルコナゾールは、真菌細胞内のラノステロールC–14 脱メチル化酵素(P450)を阻害することで真菌細胞膜の合成を抑制する。 - 4○フルシトシンは、真菌細胞内に選択的に取り込まれた後、脱アミノ化されて
5–フルオロウラシルとなり、核酸合成を阻害する。 - 5✕ミカファンギンは、ラノステロールC–14 脱メチル化酵素を阻害することで真
菌細胞膜の合成を抑制する。ミカファンギンは、1,3–β–グルカン合成酵素を阻害することで真菌細胞壁の合成を抑制する。
正答: 1・4
190-191 共通の設問
19 歳女性。高校生の頃から、気がつくと授業中に眠っていることがしばしば
あったが、夜間に受験勉強に励んでいることが原因と思っていた。大学に入学後
も、授業中に突然眠ってしまったり、夜間に悪夢を見たりした。眠気により食生活
が不規則にもなった。心配になり、友人や家族に相談したところ病院受診を勧めら
れた。診察及び検査の結果、ナルコレプシーと診断され、処方1 及び2 で3 ヶ月治
療されたが、症状が改善されないため、処方1 が処方3 に変更となった。
(処方1 )

前問の処方2 及び3 の薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕γ–アミノ酪酸GABAA 受容体遮断
- 2○ドパミン及びノルアドレナリンの再取り込み阻害
- 3○ノルアドレナリン及びセロトニンの再取り込み阻害
- 4✕アデノシンA2A 受容体遮断
- 5✕ニコチン性アセチルコリン受容体刺激
正答: 2・3
前問で選択した2 つの薬物を長期服用したところ、女性化乳房が出現した。こ
の副作用発現に関わる受容体として正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕ドパミンD2 受容体
- 2✕グルココルチコイド受容体
- 3○アンドロゲン受容体
- 4✕アルドステロン受容体
- 5○プロゲステロン受容体
正答: 3・5
インフルエンザウイルス感染症及びその症状の緩和のために用いられる薬物に
関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕アマンタジンは、B 型インフルエンザウイルスのM2 タンパク質を阻害し脱壳
を抑制する。アマンタジンは、A型インフルエンザウイルスのM2 タンパク質を阻害し脱殻を抑制する(B型には効かない)。 - 2○オセルタミビルは、感染細胞内で形成されたウイルス粒子が細胞から遊離する
際に働くノイラミニダーゼを阻害することで、ウイルスの増殖を抑制する。 - 3✕チペピジンは、気管支平滑筋のアドレナリンβ2 受容体を刺激することで咳を
静める。チペピジンは、咳中枢に作用する非麻薬性鎮咳薬であり、β2 受容体刺激によるものではない。 - 4○カルボシステインは、痰中のフコムチンを減少させシアロムチンを増加させる
ことで痰の排出を促進する。 - 5✕アセトアミノフェンは、ホスホリパーゼA2 を阻害することでインフルエンザ
による発熱を改善する。アセトアミノフェンは、中枢のプロスタグランジン合成を阻害することで解熱作用を示す(ホスホリパーゼA2阻害は副腎皮質ステロイド)。
正答: 2・4
246-247 共通の設問
42 歳女性。5 年前に出産後、しばしば複視が出現した。他の症状は認めら
れなかったが、2 年経過後、眼瞼下垂、四肢の疲労感が出現し始めた。半年前から
は、夕方になると増悪し、台所仕事ができない、しゃべりにくいなどの症状が出現
したため、近医を受診した。血液検査で抗アセチルコリン受容体抗体の値が
23 nmol/L(正常値0.0 − 0.2 nmol/L)であり、重症筋無力症と診断され、治療開
始となった。
(処方)
ピリドスチグミン臭化物錠60 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)
1 日2 回 朝夕食後 3 日分
ピリドスチグミン臭化物錠60 mg の内服を開始後、3 日目の早朝から体調不良
を訴え、救急外来を受診した。医師は投与量の妥当性を確認するために、注射剤と
してエドロホニウム塩化物2 mg を投与したところ、発汗、腹痛などの症状が増悪
した。
前問で選択した治療処置により、患者の症状は緩和された。この症状が緩和され
る機序はどれか。2つ選べ。
- 1✕アセチルコリンの濃度の上昇
- 2○アセチルコリンの濃度の低下
- 3○ムスカリン性アセチルコリン受容体における競合的拮抗
- 4✕ニコチン性アセチルコリン受容体の脱感作
- 5✕アセチルコリンエステラーゼの阻害
正答: 2・3
248-249 共通の設問
77 歳女性。下記の眼科の処方箋を薬局で応需した。持参したお薬手帳に
は、他院で処方され現在服用中の内容が記載されていた。さらに患者にどんな病気
で薬を服用しているのかインタビューをしたところ、処方医への問合せが必要に
なった。
(処方)
ラタノプロスト点眼液0.005%(2.5 mL/本)1 本
1 回1 滴 1 日1 回 就寝前 両眼点眼

前問で問合せをする根拠に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1✕プロスタノイド受容体遮断作用によって胃潰瘍を悪化させる。アドレナリンb2 受容体遮断作用によって気管支喘息を悪化させる。
- 2✕浸透圧利尿作用によって血圧を低下させる。アドレナリンb2 受容体遮断作用によって気管支喘息を悪化させる。
- 3✕Rho キナーゼ阻害作用によって脳血栓症の悪化を引き起こす。アドレナリンb2 受容体遮断作用によって気管支喘息を悪化させる。
- 4○アドレナリンβ2 受容体遮断作用によって気管支喘息を悪化させる。
- 5✕炭酸脱水酵素阻害作用によって腎障害を悪化させるおそれがある。アドレナリンb2 受容体遮断作用によって気管支喘息を悪化させる。
正答: 4
250-251 共通の設問
75 歳男性。7 年前にパーキンソン病と診断され、レボドパ・ベンセラジド
塩酸塩配合錠の投与によって日常生活は問題のないレベルを維持してきた。胃がん
の手術のため外科病棟に入院したところ、この配合錠を正しく服用しているにもか
かわらず、症状の日内変動(wearing−off 現象)が認められるようになった。
前問で提案すべき併用薬物の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○線条体において、アデノシンA2A 受容体を遮断する。
- 2✕線条体において、ドパミンD2 受容体を遮断する。アデノシンA2A 受容体の遮断(イストラデフィリン)が機序であり、D2 受容体遮断ではない。
- 3✕芳香族L−アミノ酸脱炭酸酵素によりノルアドレナリンに変換され、脳内のノル
アドレナリンを補充する。末梢でのCOMT阻害(エンタカポン)が機序であり、ノルアドレナリンへの変換はない。 - 4○主に末梢において、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻
害し、レボドパの代謝を抑制する。 - 5✕線条体において、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断する。ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断ではない(A2A受容体遮断・COMT阻害が機序)。
正答: 1・4
252-253 共通の設問
79 歳女性。この3 年間、心不全(NYHA III度)に対して同一の薬剤で薬
物治療を行ってきた。この度、体動時の息切れがひどくなり、精査加療のために入
院となった。検査の結果、体液貯留と浮腫の増悪が認められた。カンファレンスで
薬物治療が再検討され、新たに1 つの薬剤が追加となった。検討後の処方内容は以
下のとおりである。
(処方)

この患者の背景から新たに追加された薬物の作用機序を踏まえ、前問の検査値を
測定する理由として適切なのはどれか。1つ選べ。
- 1○バソプレシンV2 受容体を遮断することで、電解質の排泄を伴わない利尿効果
が現れ、高ナトリウム血症を引き起こす可能性がある。 - 2✕アルドステロン受容体を遮断することで、K+ の排泄が抑制され、高カリウム
血症を引き起こす可能性がある。バソプレシンV2 受容体を遮断することで、電解質の排泄を伴わない利尿効果 が現れ、高ナトリウム血症を引き起こす可能性がある。 - 3✕アンジオテンシンIIAT1 受容体を遮断することで、血清クレアチニン値の上
昇を特徴とする腎機能障害を引き起こす可能性がある。バソプレシンV2 受容体を遮断することで、電解質の排泄を伴わない利尿効果 が現れ、高ナトリウム血症を引き起こす可能性がある。 - 4✕ヘンレ係蹄上行脚のNa+/K+/2Cl- 共輸送系を阻害することで、血清アルブミ
ン値の低下を特徴とするネフローゼ症候群を引き起こす可能性がある。バソプレシンV2 受容体を遮断することで、電解質の排泄を伴わない利尿効果 が現れ、高ナトリウム血症を引き起こす可能性がある。 - 5✕ビタミンK の作用に拮抗することで、プロトロンビン時間が延長し、出血の
リスクが高まる可能性がある。バソプレシンV2 受容体を遮断することで、電解質の排泄を伴わない利尿効果 が現れ、高ナトリウム血症を引き起こす可能性がある。
正答: 1
254-255 共通の設問
38 歳女性。乳がん検診で腫瘤を指摘され、精査のため来院した。右乳房外
側の腫瘤の針生検の結果、ER(2+)、PgR(+)、HER2 (1+)、Ki−67 11%であ
り、pT1b の乳がんと診断された。腫瘤径は1 cm だったため、乳房温存術(リン
パ節郭清なし)が実施された。患者は閉経前であることが確認されている。
前問で適切と考えられた術後治療に使用される薬物の作用機序に関する記述のう
ち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1✕HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2 型)に特異的に結合し、HER2 シグナル伝
達阻害作用と抗体依存性細胞傷害作用を示す。子宮内膜のエストロゲン受容体に対して刺激作用を示し、乳腺のエストロゲン 受容体においてエストロゲンに対して拮抗作用を示す。 - 2✕アロマターゼを阻害することで、アンドロゲンからエストロゲンの生成を阻害
する。子宮内膜のエストロゲン受容体に対して刺激作用を示し、乳腺のエストロゲン 受容体においてエストロゲンに対して拮抗作用を示す。 - 3✕微小管と結合し、安定化させることで脱重合を阻害する。子宮内膜のエストロゲン受容体に対して刺激作用を示し、乳腺のエストロゲン 受容体においてエストロゲンに対して拮抗作用を示す。
- 4○子宮内膜のエストロゲン受容体に対して刺激作用を示し、乳腺のエストロゲン
受容体においてエストロゲンに対して拮抗作用を示す。 - 5✕GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)受容体に対して刺激作用を示す。子宮内膜のエストロゲン受容体に対して刺激作用を示し、乳腺のエストロゲン 受容体においてエストロゲンに対して拮抗作用を示す。
正答: 4
256-257 共通の設問
76 歳男性。軽度の認知症、糖尿病、高血圧、うつ病のため、以下の処方薬
を常用している。1 年前から頻尿、残尿感及び排尿困難感があったが放置してい
た。風邪気味であったため、2 日前に自宅の常備薬である市販の総合感冒薬を服用
した。昨日の昼から尿がほとんど出なくなったため、かかりつけ薬剤師に相談に来
た。
(処方)

前問で選択した薬物と総合感冒薬に含まれている1 成分は同一の作用機序で、こ
の患者の排尿障害を増悪させた。その機序として正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1✕膀胱括約筋のアドレナリンα1A 受容体刺激
- 2✕膀胱括約筋のアドレナリンα1D 受容体刺激
- 3✕排尿筋のアドレナリンβ3 受容体刺激
- 4✕下部尿道括約筋のアドレナリンβ2 受容体刺激
- 5○排尿筋のムスカリン性アセチルコリンM3 受容体遮断
正答: 5
258-259 共通の設問
63 歳男性。根治切除不能な悪性黒色腫と診断され、外来化学療法でニボル
マブが投与されることになった。薬剤師が初回投与時に患者のもとを訪れ、抗がん
薬の特徴や注意すべき副作用の説明を行うことになった。
ニボルマブは別の薬物を併用すると作用増強が現れる。理論的に考えて、同一細
胞における別の標的分子に働くことで、ニボルマブと相乗作用を示すと考えられる
併用薬の作用点として適切なのはどれか。1つ選べ。
- 1✕RANKL(NF−κB 活性化受容体リガンド)
- 2✕CD20
- 3○CTLA−4(細胞傷害性T リンパ球抗原−4)
- 4✕VEGFR2 (血管内皮増殖因子受容体2 型)
- 5✕HER2 (ヒト上皮増殖因子受容体2 型)
正答: 3
260-263 共通の設問
58 歳男性。高血圧症と脂質異常症の既往歴がある。1 年前に頸動脈狭窄症
を発症し、ステント留置術が施行された。今回、狭窄の状態を精査するために検査
入院となった。病棟担当薬剤師が、患者に対して初回面談を行ったところ、「再発
が怖いので、お医者さんから出された薬は毎日欠かさず飲んでいます。ただ、3 日
前からみぞおち付近に軽い痛みを感じて、便も黒い色をしています。」との情報を
得た。病棟担当薬剤師は、この状況を主治医に報告し、薬物を1 種類追加すること
を提案した。
(入院時の持参薬の処方)

前問で提案された薬物の作用機序はどれか。1つ選べ。
- 1✕副交感神経節後線維の神経終末からのアセチルコリン遊離を抑制することで、
胃の蠕動運動を抑える。H+,K+−ATPase 阻害により胃酸分泌を抑制することで、消化性潰瘍の増悪を 抑える。 - 2✕ADP 受容体遮断により血小板凝集を促進することで、出血を抑える。H+,K+−ATPase 阻害により胃酸分泌を抑制することで、消化性潰瘍の増悪を 抑える。
- 3✕シクロオキシゲナーゼ阻害により炎症反応を抑制することで、痛みを抑える。H+,K+−ATPase 阻害により胃酸分泌を抑制することで、消化性潰瘍の増悪を 抑える。
- 4○H+,K+−ATPase 阻害により胃酸分泌を抑制することで、消化性潰瘍の増悪を
抑える。 - 5✕Na+ チャネル阻害により知覚神経伝達を抑制することで、痛みを抑える。H+,K+−ATPase 阻害により胃酸分泌を抑制することで、消化性潰瘍の増悪を 抑える。
正答: 4
前問の選択肢1 ~5 に挙げた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはど
れか。2つ選べ。
- 1○クロピドグレルの活性代謝物は、ADP P2Y12 受容体を不可逆的に遮断する。
- 2✕シロスタゾールは、ホスホジエステラーゼVを選択的に阻害する。シロスタゾールは、ホスホジエステラーゼIII(PDE3)を選択的に阻害する。
- 3○低用量のアスピリンは、血管内皮細胞のシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)を
阻害しにくいため、プロスタグランジンI2(PGI2)の産生は抑制されない。 - 4✕ヘパリンは、内因性のトロンボモジュリンによる血液凝固因子の不活性化作用
を促進する。ヘパリンは、アンチトロンビンによるトロンビン・第Xa因子等の不活性化作用を促進する。 - 5✕ダビガトランは、第Xa 因子に結合してその活性を阻害することで、プロトロ
ンビンからトロンビンへの変換を抑制する。ダビガトランは、トロンビン(第IIa因子)に直接結合してその活性を阻害する。
正答: 1・3
264-267 共通の設問
58 歳男性。糖尿病の診断を受け近医で薬物療法を継続していたが、定期的
に受診せず、アドヒアランスも良好ではなかった。今回、吐き気、食欲不振、呼吸
困難を訴え受診したところ、重症の尿毒症のため入院となった。血液検査の結果は
以下のとおりであった。

この患者がメトホルミンを処方どおりに服用し続けた場合、起こり得る副作用と
その機序の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。
副作用 機序
- 1✕低血糖 小腸粘膜のα−グルコシダーゼの阻害
- 2✕浮腫 腎でのNa+ 再吸収の促進
- 3✕脱水 腎のNa+/グルコース共輸送体の阻害
- 4✕低血糖 ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP−4)の阻害
- 5○乳酸アシドーシス AMP 活性化キナーゼの活性化による糖新生の抑制
正答: 5