第104回 — 物理・化学・生物
演習モードで解く親核種よりも原子番号が1 つ小さい娘核種を生成する放射壊変はどれか。1つ選
べ。
- 1✕α 壊変
- 2✕β–壊変
- 3○β+ 壊変
- 4✕γ 転移(核異性体転移)
- 5✕自発核分裂
正答: 3
濃度未知の水酸化ナトリウム水溶液を、0.01 mol/L 塩酸標準液(ファクター
f = 1.020)を用いて滴定したところ、滴定終点までに6.10 mL を要した。この水
酸化ナトリウム水溶液中の水酸化ナトリウムの量(μmol)として適切なのはどれ
か。1つ選べ。
- 1✕59.80
- 2✕59.8
- 3✕61.00
- 4○62.2
- 5✕62.22
正答: 4
図は水の状態を示したものである。点Tにおけるギブスの相律の自由度(F)の
値として、正しいのはどれか。1つ選べ。


液体
固体
圧
温度
- 1○0
- 2✕1
- 3✕2
- 4✕3
- 5✕4
正答: 1
強酸性陽イオン交換樹脂に最も強く結合するイオンはどれか。1つ選べ。
- 1✕塩化物イオン
- 2○カルシウムイオン
- 3✕グリシン(双性イオン)
- 4✕硫酸イオン
- 5✕ナトリウムイオン
正答: 2
反射波を利用する画像診断法はどれか。1つ選べ。
- 1✕X 線CT
- 2✕MRI
- 3○超音波診断法
- 4✕陽電子放射断層撮影法(PET)
- 5✕単一光子放射断層撮影法(SPECT)
正答: 3
炭素原子の最外壳に収容されている電子数が7 である反応中間体はどれか。1つ
選べ。
- 1✕H3C-
- 2✕H3C+
- 3○H3C
- 4✕H2C (一重項)
- 5✕H2C (三重項)
正答: 3
最も塩基性が強い化合物はどれか。1つ選べ。

- 1○
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5✕
正答: 1
ブタンのC2–C3 結合を回転させた際に生じる立体配座のうち、最も安定なのは
どれか。1つ選べ。

- 1○
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5✕
正答: 1
ヒスタミンに含まれる複素環はどれか。1つ選べ。
1 2 3 4 5

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5○
正答: 5
ショウガの根茎に含まれる辛味成分はどれか。1つ選べ。
- 1✕カプサイシン
- 2○[6]–ギンゲロール
- 3✕α–サンショオール
- 4✕シンナムアルデヒド
- 5✕ピペリン
正答: 2
図は聴覚器の断面の模式図である。1 ~5 のうち、鼓膜はどれか。1つ選べ。
1 2
3

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5○
正答: 5
末梢組織から肝臓へのコレステロールの輸送を主として担う血漿リポタンパク
質はどれか。1つ選べ。
- 1✕キロミクロン
- 2✕超低密度リポタンパク質(VLDL)
- 3✕中間密度リポタンパク質(IDL)
- 4✕低密度リポタンパク質(LDL)
- 5○高密度リポタンパク質(HDL)
正答: 5
RNA を構成するD–リボースはどれか。1つ選べ。

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4○
- 5✕
正答: 4
ヒト染色体において、ヌクレオソームを形成する際に、DNA が巻きつくタンパ
ク質はどれか。1つ選べ。
- 1✕アクチン
- 2✕ケラチン
- 3✕コラーゲン
- 4✕チューブリン
- 5○ヒストン
正答: 5
母乳中で二量体として存在し、乳児の感染防御を担う免疫グロブリンはどれ
か。1つ選べ。
- 1○IgA
- 2✕IgD
- 3✕IgE
- 4✕IgG
- 5✕IgM
正答: 1
0.200 mol/L 酢酸50.0 mL に0.100 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液50.0 mL を
加えた。その後、この混合溶液に対して1.00 mol/L 塩酸を1.00 mL 加えた溶液の
pH に最も近い値はどれか。1 つ選べ。ただし、酢酸のpKa = 4.70、
log 2 = 0.301、log 3 = 0.477 とする。
- 1✕2.01
- 2✕3.41
- 3○4.52
- 4✕4.70
- 5✕4.93
正答: 3
日本薬局方で確認試験が適用される対象医薬品、操作、及びその結果の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

- 1○
- 2○
- 3✕
- 4✕
- 5✕
正答: 1・2
日本薬局方キシリトール(C5H12O5:152.15)の定量法に関する記述のうち、正
しいのはどれか。2つ選べ。
「本品を乾燥し、その約0.2 g を精密に量り、水に溶かし、正確に100 mL とす
る。この液10 mL を正確に量り、ヨウ素瓶に入れ、過ヨウ素酸カリウム試液
50 mL を正確に加え、水浴中で15 分間加熱する。冷後、ヨウ化カリウム2.5 g を
加え、直ちに密栓してよく振り混ぜ、暗所に5 分間放置した後、遊離したヨウ素を

C5H12O5 + 4 IO4- 2 C + 3 D + 4 IO3- + H2O
- 1✕キシリトールと過ヨウ素酸カリウムの反応で酸化数が変化している原子は、そ
れぞれの分子中の酸素とヨウ素である。キシリトールと過ヨウ素酸カリウムの反応で酸化数が変化している原子は、それぞれの分子中の炭素とヨウ素である。 - 2✕

- 3○

- 4✕

- 5○

正答: 3・5
液体クロマトグラフィーを用いて生体成分や薬物を定量分析する際には、高感
度化や選択性の向上を目的として誘導体化する場合が多い。誘導体化に関する記述
のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 1✕プレカラム誘導体化法では、長時間を要する誘導体化反応を利用できる。
- 2○ニンヒドリンを反応試薬として用いるプレカラム誘導体化法によって、アミノ
酸を一斉分析することが可能である。 - 3✕ポストカラム誘導体化法は、試料中の夾雑成分の影響を受けにくい。
- 4✕ポストカラム誘導体化法では、1 つの分析対象物から複数の誘導体が生成して
も問題ない。 - 5✕ジアステレオマー誘導体化法によって、鏡像異性体を光学不活性なカラムで分
離することができる。
正答: 2
メタン(CH4)の燃焼反応の標準燃焼エンタルピー(kJ/mol)の値として正し
いのはどれか。1つ選べ。ただし、CH4(気体)、CO2(気体)、H2O(液体)の標
準生成エンタルピー(ΔfH °F)は次のとおりである。

C(黒鉛)+ O2(気体) CO2(気体) ΔfH °= -393.5 kJ/mol

- 1✕-998.0
- 2○-890.3
- 3✕-754.1
- 4✕-604.5
- 5✕-468.3
正答: 2
薬物の多くは生体膜上の受容体やチャネル等を介して作用する。それらの機能
に大きく関与する生体膜の構造と脂質分子の運動に関する記述のうち、正しいのは
どれか。2つ選べ。
- 1✕生体膜は、リン脂質分子の極性頭部同士が向かい合わせとなった脂質二重層構
造である。生体膜は、リン脂質分子の疎水性尾部(脂肪酸側鎖)同士が向かい合わせとなった脂質二重層構造である。 - 2✕生体膜中のコレステロールは、膜の流動性に影響を与えない。生体膜中のコレステロールは、膜の流動性に影響を与える(温度による流動性の変化を緩和する)。
- 3○生体膜中のリン脂質分子は、その長軸まわりに回転運動をしている。
- 4○生体膜中のリン脂質分子は、二重層の一方の層からもう一方の層に移動(フ
リップ・フロップ)できる。 - 5✕生体膜中のリン脂質分子は、二重層の同一の層内で移動することができない。生体膜中のリン脂質分子は、二重層の同一の層内で速やかに移動(側方拡散)できる。
正答: 3・4
0.10 mol/L ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム(K4[Fe(CN)6])水溶液のイオン
強度(mol/L)の値として正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1✕0.10
- 2✕0.30
- 3✕0.40
- 4✕0.70
- 5○1.00
正答: 5
発熱反応における正の触媒の働きを表す反応座標とポテンシャルエネルギーの
関係として正しいのはどれか。1つ選べ。なお、触媒が存在する場合の反応経路は
実線で、触媒が存在しない場合の反応経路は破線で表してある。

- 1○
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5✕
- 6✕
正答: 1
希薄溶液の束一的性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○蒸気圧降下は、束一的性質の1 つである。
- 2✕電解質溶液は、束一的性質を示さない。電解質溶液も束一的性質を示す(解離するためファントホッフ係数を考慮する)。
- 3✕浸透圧に関するファントホッフの式は、浸透圧と溶液の粘度の関係を示す。浸透圧に関するファントホッフの式は、浸透圧と溶液の溶質粒子のモル濃度(及び絶対温度)の関係を示す。
- 4✕0.05 mol/L ブドウ糖水溶液の沸点上昇度と凝固点降下度は等しい。0.05 mol/L ブドウ糖水溶液の沸点上昇度と凝固点降下度は等しくない(モル沸点上昇定数とモル凝固点降下定数が異なる)。
- 5○同じモル濃度であれば、ブドウ糖とショ糖の水溶液の浸透圧は等しい。
正答: 1・5
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。

エチレンジアミン四酢酸
- 1✕塩基性条件下で十座配位子として働く。塩基性条件下で六座配位子として働く。
- 2✕酸性条件下では、塩基性条件下より強く配位結合する。塩基性条件下では、酸性条件下より強く配位結合する(酸性条件ではカルボキシ基がプロトン化するため)。
- 3○キレート効果により、アンモニアよりも安定な錯体を形成する。
- 4✕カルシウムイオンとの配位結合形成により蛍光特性が変化するため、カルシウ
ムイオンの定量分析に用いられる。カルシウムイオンとの配位結合形成により、金属イオンのキレート滴定(水の硬度測定などの定量分析)に用いられる。 - 5○配位結合により、五員環のキレート環を形成する。
正答: 3・5
以下に示すE2 反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

- 1○化合物Aの最も安定な立体配座はIIである。
- 2✕脱離反応はIの立体配座のときに進行する。脱離反応はIIの立体配座(脱離基とβ位の水素がトランス・ジアキシャル=アンチペリプラナー)のときに進行する。
- 3✕主生成物はBである。主生成物はC(より多置換のアルケン。ザイチェフ則)である。
- 4✕この反応はカルボカチオン中間体を経由する。この反応は一段階で進行し、カルボカチオン中間体を経由しない(経由するのはE1反応)。
- 5○この反応の速度は、化合物A及びNaOC2H5 のいずれの濃度にも比例する。
正答: 1・5
求核置換反応(SN 反応)はどれか。2つ選べ。

- 1○
- 2○
- 3✕
- 4✕
- 5✕
正答: 1・2
d–カンフルとその確認試験に用いられる2,4–ジニトロフェニルヒドラジンとの
反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

d–カンフル 2,4–ジニトロフェニルヒドラジン
- 1○脱水縮合反応である。
- 2✕反応の進行に伴って窒素が発生する。反応の進行に伴って水が脱離する(脱水縮合であり窒素は発生しない)。
- 3✕生成する有機化合物の一般名はオキシムである。生成する有機化合物の一般名は(2,4–ジニトロフェニル)ヒドラゾンである。
- 4✕生成する有機化合物はオレフィン構造を持つ。生成する有機化合物はヒドラゾン構造(C=N–NH)を持つ。
- 5○生成する有機化合物はベンゼン環を含む共役系を持ち、橙赤色を示す。
正答: 1・5
以下に示す反応において、反応が最も速く進行するR–Br はどれか。1つ選
べ。

- 1✕
- 2✕
- 3○
- 4✕
- 5✕
正答: 3
以下に示す反応において、出発物質であるアミンと生成物との組合せとして正
しいのはどれか。2つ選べ。
NaNO2

アミン 生成物

- 1✕
- 2○
- 3✕
- 4✕
- 5○
正答: 2・5
図は桂皮酸イソプロピルエステル[C6H5CH=CHCOOCH(CH3)2]の1H–NMR
スペクトル[300 MHz、CDCl3、基準物質はテトラメチルシラン(TMS)]であ
る。このスペクトルに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。なお、
7.26 ppm のシグナルはCDCl3 に含まれる微量のCHCl3 に起因するものである。

8.0 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0
ppm
- 1✕1.3 ppm 付近には積分値が3H 分の一重線が2 本ある。6.5 ppm 付近の二重線の結合定数が16 Hz であるとき、二重結合はE 配置であ る。
- 2✕5.2 ppm 付近には五重線がある。6.5 ppm 付近の二重線の結合定数が16 Hz であるとき、二重結合はE 配置であ る。
- 3○6.5 ppm 付近の二重線の結合定数が16 Hz であるとき、二重結合はE 配置であ
る。 - 4✕矢印で示す7.5 ppm 付近の多重線の積分値は3H 分ある。6.5 ppm 付近の二重線の結合定数が16 Hz であるとき、二重結合はE 配置であ る。
- 5✕最も低磁場のシグナルは、芳香環上のプロトンに由来する。6.5 ppm 付近の二重線の結合定数が16 Hz であるとき、二重結合はE 配置であ る。
正答: 3
コカインの化学構造を基に創出された局所麻酔薬はどれか。1つ選べ。

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4○
- 5✕
正答: 4
日本薬局方収載生薬ア及びこれに含まれる化合物Aに関する記述のうち、正し
いのはどれか。2つ選べ。

CH3
H CH3
化合物A
- 1✕AはEphedra sinica の地上茎に含まれる副交感神経興奮薬である。AはEphedra sinica の地上茎に含まれる交感神経興奮薬(アドレナリン様作動薬=エフェドリン)である。
- 2✕アは桂枝湯に配合される生薬である。アは麻黄湯や葛根湯等に配合される生薬である(桂枝湯には配合されない)。
- 3○アの確認試験として、薄層クロマトグラフィーを用い、噴霧用ニンヒドリン・
エタノール試液によるAの検出が行われている。 - 4○アを含む漢方薬の使用上の注意として不眠がある。
- 5✕ア及びAは、いずれも覚せい剤原料として取り扱われている。A(エフェドリン)のみが覚せい剤原料として取り扱われている。
正答: 3・4
図はヒトにおける3 種類の筋組織の模式図である。これらの筋組織に関する記
述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

- 1✕Aは横紋筋であり、B及びCは平滑筋である。A及びCは横紋筋であり、Bは平滑筋である。
- 2○B及びCはいずれも不随意筋であり、自律神経支配を受ける。
- 3✕Aの収縮は、筋小胞体から放出された遊離Ca2+ とカルモジュリンとの結合に
より起こる。Aの収縮は、筋小胞体から放出された遊離Ca2+ とトロポニンC(カルモジュリンは平滑筋)との結合により起こる。 - 4○Bでは、細胞外から流入したCa2+ が収縮に関与する。
- 5✕リン酸化されたミオシン軽鎖キナーゼは、ミオシンとアクチンの架橋形成を促
進し、Cの収縮を引き起こす。リン酸化されたミオシン軽鎖キナーゼは、ミオシン軽鎖をリン酸化してミオシンとアクチンの架橋形成を促進し、B(平滑筋)の収縮を引き起こす。
正答: 2・4
胃に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕胃と食道の境界部を幽門とよぶ。胃と食道の境界部を噴門とよぶ(幽門は胃と十二指腸の境界部)。
- 2○胃の筋層は、3 層からなる。
- 3✕主細胞は、胃粘膜の保護に関わる粘液を胃内に分泌する。主細胞は、消化酵素ペプシノーゲンを分泌する(粘液は副細胞・粘液細胞が分泌)。
- 4✕壁細胞は、ビタミンK の小腸での吸収に必要な内因子を胃内に分泌する。壁細胞は、ビタミンB12 の小腸での吸収に必要な内因子を胃内に分泌する。
- 5○G 細胞は、胃酸の分泌を促進するガストリンを血液中に分泌する。
正答: 2・5
ヒトの微小管に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○体細胞分裂の際に生じる紡錘糸は、微小管により構成されている。
- 2✕微小管はアクチンとミオシンが重合したものである。微小管はチューブリン(α–チューブリンとβ–チューブリン)が重合したものである。
- 3○神経細胞において、微小管は軸索輸送に関与する。
- 4✕微小管の脱重合を阻害すると、腫瘍細胞の増殖が促進される。微小管の脱重合を阻害すると、紡錘体の形成が妨げられ腫瘍細胞の増殖が抑制される。
- 5✕微小管は、細胞外マトリックスの主要な成分の1 つである。微小管は、細胞骨格(細胞内)の主要な成分の1 つであり、細胞外マトリックスの成分ではない。
正答: 1・3
マウスの肝臓から酵素Xの精製を試みた。以下に実験手順の概要(1~4)を示す。
1 ゲル濾過クロマトグラフィーにより肝臓抽出液Aを分画した。
2 各画分の酵素Xの活性を測定し、その活性が高い画分を集めたものをBとした。
3 Bを陰イオン交換クロマトグラフィーにより分画した。
4 各画分の酵素Xの活性を測定し、その活性が高い画分を集めたものをCとした。
上記A、B及びCの液量、タンパク質濃度、全タンパク質量と酵素活性(全活性及び比活性)を以下の表に示した。比活性とは、試料中のタンパク質の単位重量当たりの酵素活性のことである。なお、酵素活性における1 U(ユニット)は、1分間当たり、1 μmolの生成物を生成する酵素の量を表す。

実験方法及び結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕A中の酵素Xの20%がBに回収されたと考えられる。A中の酵素Xの80%(8,000 U/10,000 U)がBに回収されたと考えられる。
- 2✕ゲル濾過クロマトグラフィーでは、分子量の小さなタンパク質ほど、早くカラムから溶出される。ゲル濾過クロマトグラフィーでは、分子量の大きなタンパク質ほど、早くカラムから溶出される。
- 3○陰イオン交換クロマトグラフィーでは、正の電荷をもった樹脂に酵素Xが保持されたと考えられる。
- 4○Bの比活性アはAの比活性よりも高い。
- 5✕Cの比活性イは140 U/mgである。Cの比活性イは1,400 U/mg(7,000 U/5.00 mg)である。
正答: 3・4
ヒトにおける核酸代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
※
- 1✕デオキシウリジン5ʼ–一リン酸(dUMP)にS–アデノシルメチオニンからメチ
ル基が供与されることで、デオキシチミジン5ʼ–一リン酸(dTMP)が生じる。デオキシウリジン5ʼ–一リン酸(dUMP)に5,10–メチレンテトラヒドロ葉酸からメチル基が供与されることで、デオキシチミジン5ʼ–一リン酸(dTMP)が生じる。 - 2○デオキシシチジン5ʼ–三リン酸(dCTP)は、シチジン5ʼ–二リン酸(CDP)の
リボースの還元により生じるdCDP がリン酸化されて生成される。 - 3○核酸分解により生じたリボース1–リン酸は、サルベージ経路により再利用され
る。 - 4✕ピリミジンヌクレオチドの生合成に必要なカルバモイルリン酸は、尿素回路か
ら供給される。ピリミジンヌクレオチドの生合成に必要なカルバモイルリン酸は、細胞質でグルタミンを窒素源として合成され、尿素回路(ミトコンドリア)のものとは別経路である。 - 5○イノシン5ʼ–一リン酸(IMP)からのアデノシン5ʼ–一リン酸(AMP)の生成に
は、グアノシン5ʼ–三リン酸(GTP)が利用される。
正答: 2・3・5
紫外線照射によりチミン二量体が生じた大腸菌DNA のヌクレオチド除去修復
の概要を図に示した。各反応を説明した文章中の(ア)~(エ)に入る酵素の組合せ
として正しいのはどれか。1つ選べ。
チミン二量体

DNA

チミン二量体から数ヌクレオチド離


損傷を受けていない一本鎖DNA を
(ア) (イ) (ウ) (エ)
- 1✕エキソヌクレアーゼ DNA リガーゼ DNA ヘリカーゼ DNA ポリメラーゼI
- 2✕エンドヌクレアーゼ エキソヌクレアーゼ DNA ヘリカーゼ DNA リガーゼ
- 3✕エキソヌクレアーゼ DNA ヘリカーゼ DNA ポリメラーゼI DNA リガーゼ
- 4✕エンドヌクレアーゼ DNA リガーゼ DNA ポリメラーゼI DNA ヘリカーゼ
- 5✕エキソヌクレアーゼ エンドヌクレアーゼ DNA ヘリカーゼ DNA ポリメラーゼI
- 6○エンドヌクレアーゼ DNA ヘリカーゼ DNA ポリメラーゼI DNA リガーゼ
正答: 6
遺伝子Xの転写は薬物ア及びイにより促進される。両薬物による遺伝子Xの転
写促進に関わるプロモーター領域中のDNA 部位を同定するために、レポーター遺
伝子を用いたプロモーター解析実験を行った。以下に実験方法の概要を記す。
実験方法の概要
図1 に示したように、遺伝子Xの転写開始点から200 bp 上流(–200 bp)までの
DNA を合成し、それをレポーター遺伝子に連結して発現ベクターを作製した
(A)。また、Aより上流域が短い4 種類のDNA を合成して、同様にベクターを
作製した(B~E)。次に、A~Eの組換えDNA を導入した哺乳動物由来細胞を
作製した。これらの細胞において薬物ア又はイで処理した際のレポーター遺伝子産
物を測定し、図2 の結果を得た。レポーター遺伝子のみを持つベクターを導入した
細胞では、薬物処理の有無に関わらずレポーター遺伝子産物は発現されなかった。
なお、細胞へのDNA 導入効率は等しく、細胞培養条件やレポーター遺伝子産物な
どが転写活性に影響を及ぼさないことを確認している。

2.5

図2 薬物ア及びイで処理した際のレポーター遺伝子産物の発現量
哺乳動物由来細胞における転写調節とプロモーター解析実験の方法及び考察に関
する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 1✕RNA ポリメラーゼは、転写因子を介してプロモーターに結合する。
- 2✕レポーター遺伝子として、ホタル由来のルシフェラーゼ遺伝子が用いられるこ
とがある。 - 3✕転写開始点から80 bp 上流~40 bp 上流のDNA 配列は、薬物アによるレポー
ター遺伝子産物の発現増加に関与していると考察される。 - 4○転写開始点から120 bp 上流~80 bp 上流のDNA 配列は、薬物イによるレポー
ター遺伝子産物の発現増加に関与していると考察される。 - 5✕転写開始点から40 bp 上流までのDNA 配列は、薬物ア及びイのいずれにも依
存しない恒常的なレポーター遺伝子産物の発現に関与していると考察される。
正答: 4
ヒトの免疫担当細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○特異的な抗原を認識したB 細胞は、ヘルパーT 細胞の助けを受けて、抗体産
生細胞へと分化する。 - 2✕マクロファージの細胞表面にあるFc 受容体は、外来菌体成分と直接結合する。マクロファージの細胞表面にあるFc 受容体は、抗体(IgG)のFc部分と結合する(外来菌体成分に直接結合するのはパターン認識受容体)。
- 3✕肥満細胞は、B 細胞に対する抗原提示能を有する。肥満細胞は、抗原提示能を有さない(抗原提示細胞は樹状細胞・マクロファージ・B細胞)。
- 4○活性化したヘルパーT 細胞上に発現したCTLA–4(細胞傷害性T リンパ球抗
原–4)分子は、その細胞自身に抑制性シグナルを伝える受容体として働く。 - 5✕ナチュラルキラー細胞は、抗原感作を受けて初めて腫瘍細胞やウイルス感染細
胞に対する傷害性を有する。ナチュラルキラー細胞は、抗原感作を受けなくても腫瘍細胞やウイルス感染細胞に対する傷害性を有する。
正答: 1・4
図1 は一般的なグラム染色の手順1~4とそれによるA菌及びB菌の染色結果
を示している。また、図2 は別の2 種類の菌のグラム染色の結果である。グラム染
色及びその結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
図1 操作手順

A菌
図2 染色結果

- 1✕グラム染色に用いる試薬は、1がルゴール液、2がクリスタルバイオレット溶
液、3がエタノール、4がサフラニン溶液である。グラム染色に用いる試薬は、1がクリスタルバイオレット溶液、2がルゴール液、3がエタノール、4がサフラニン溶液である。 - 2✕4では、A菌は濃いピンク色に、B菌は青紫色に染色される。4では、A菌は青紫色に、B菌は赤色(ピンク色)に染色される。
- 3○A菌はグラム陽性菌であり、B菌はグラム陰性菌である。
- 4✕黄色ブドウ球菌のグラム染色の結果は、図2 のアのようになる。黄色ブドウ球菌はグラム陽性菌なので、青紫色に染色され、図2のアのようにはならない。
- 5○芽胞を形成している菌をグラム染色すると、図2 のイのように内部の一部が染
色されにくいことがある。
正答: 3・5
137-140 共通の設問
新生児マススクリーニングは、先天性代謝異常を出生直後に早期発見し、
栄養療法による早期治療を目指す事業である。近年、新たな新生児マススクリーニ
ングとしてタンデムマス法を用いた脂肪酸代謝異常症の検査が始まった。検査でき
る主な脂肪酸代謝異常症には、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ–1
(CPT–1)欠損症、極長鎖アシルCoA 脱水素酵素(VLCAD)欠損症、中鎖アシ
ルCoA 脱水素酵素(MCAD)欠損症がある。図1 はヒトにおける長鎖脂肪酸と中
鎖脂肪酸の代謝の概略である。ミトコンドリアにおいて、VLCAD は長鎖脂肪酸、
MCAD は中鎖脂肪酸のβ 酸化に関与する。なお、3 種の代謝異常症に関わる酵素

中鎖脂肪酸 長鎖脂肪酸

図1 脂肪酸の代謝経路
図1 に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1○長鎖脂肪酸の分解の律速段階は、CPT–1 によるカルニチンのアシル化である。
- 2✕CPT–1 は、脂肪酸生合成の中間体のマロニルCoA により活性化される。CPT–1 は、脂肪酸生合成の中間体のマロニルCoA により阻害される。
- 3✕脂肪酸のβ 酸化では、NADH からNAD+ が生成される。脂肪酸のβ 酸化では、NAD+ からNADH が生成される(酸化反応)。
- 4○β 酸化により生成したアセチルCoA は、クエン酸回路で利用される。
- 5✕VLCAD 欠損症の患者では、中鎖脂肪酸からアセチルCoA を産生できない。VLCAD 欠損症の患者では、長鎖脂肪酸からアセチルCoA を産生できない(中鎖脂肪酸はMCADにより産生可能)。
正答: 1・4
β 酸化による脂肪酸の代謝反応のうち、脂肪酸と補酵素A(CoASH)が縮合し
たチオエステルaからアセチルCoA(化合物f)が生じる経路を示す。下の記述
のうち正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、ア及びイは補酵素であり、チオエス
テルはエステルと同様の反応を起こすものとする。

- 1○化合物aからbへの変換には、補酵素アが必要である。
- 2✕化合物bからcへの反応は、酸化反応である。化合物bからcへの反応は、水和反応(加水)である。
- 3✕化合物cからdへの変換には、補酵素イが必要である。化合物cからdへの変換には、NAD+(補酵素イ=チアミン二リン酸ではない)が必要である。
- 4○化合物dからe及びfへの反応では、CoASH が求核剤としてはたらいている。
- 5✕化合物dのチオエステルのα–水素の酸性度は、化合物aのものよりも低い。化合物dのチオエステルのα–水素の酸性度は、化合物aのものよりも高い(β–ケトチオエステルはメチレン基が活性化される)。
正答: 1・4
新生児マススクリーニングで使われているタンデムマス法は、2 段の質量分離
部を用いる方法である。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕タンデムマス法では、質量分離部が並列に配置されている。タンデムマス法では、質量分離部が直列(タンデム)に配置されている。
- 2✕試料は冷蒸気法によってイオン化される。試料は電気スプレーイオン化(ESI)法等のソフトなイオン化法によってイオン化される。
- 3○1 段目の質量分離部で選択される特定のイオンのことを、プリカーサーイオン
という。 - 4✕プリカーサーイオンは、電子を衝突させることによりさらに解離される。プリカーサーイオンは、不活性ガスとの衝突(衝突誘起解離)によりさらに解離される。
- 5○タンデムマス法は、アミノ酸や有機酸などの代謝物の一斉分析にも有用であ
る。
正答: 3・5
196-197 共通の設問
62 歳女性。体重55 kg。5 年前に慢性心不全と診断され、リシノプリル錠
とビソプロロールフマル酸塩錠による治療を受けてきた。最近、息苦しさや疲労感
が強くなってきたため以下の処方が追加された。なお、患者の腎機能が低下してい

前問の質問に対する回答から、今回用いた血中濃度測定法は、ジゴキシンに対す
るポリクローナル抗体を用いる蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)法であることが
判明した。そこで、モノクローナル抗体を用いるenzyme multiplied immunoassay
technique(EMIT)法によって再測定を依頼した結果、0.8 ng/mL の値が得られ
た。免疫測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
この問題は「解なし」(全員正解扱い)です。
- 1―ポリクローナル抗体よりモノクローナル抗体を用いる方が、一般に交差反応性
が大きい。 - 2―FPIA 法の代替測定法として、サンドイッチELISA 法はジゴキシンの測定に
は適さない。 - 3―FPIA 法では、蛍光標識したジゴキシンが抗体と結合することにより、蛍光偏
光解消度が高値となる。 - 4―EMIT 法では、抗原–抗体複合体が酵素と結合すると酵素の活性が変化するこ
とを利用する。 - 5―免疫測定法の代替法として高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて
も、内因性ジゴキシン様物質の影響を除くことができない。
正答: 解なし(全員正解扱い)
198-199 共通の設問
52 歳女性。若い頃からビール(350 mL)を毎日6 缶飲んでいた。腹部膨
満感、嘔吐、四肢の浮腫を訴えて受診したところ、アルコール過剰摂取による肝硬
変と診断された。受診時の検査データを以下に示す。
検査値
Na 138 mEq/L、Cl 99 mEq/L、K 3.9 mEq/L、T–Bil 10 mg/dL、Alb 2.5 g/dL、
AST 120 U/L、ALT 99 U/L、BUN 15 mg/dL、血清クレアチニン1.1 mg/dL、腹
水(+)
患者は断酒とナトリウム摂取制限、スピロノラクトンによる薬物治療を始めた。
後日の血液検査では血清カリウム値が5.0 mEq/L に上昇していた。
薬剤師は前問で考慮した理由以外に、今回用いた血清カリウム値の測定法(ピル
ビン酸キナーゼを用いる酵素法)におけるナトリウムの影響も疑った。そこで、他
の測定法についても検討した。血清サンプル中のカリウム値の他の測定法として適
しているのはどれか。2つ選べ。
- 1✕EDTA を用いるキレート滴定法
- 2○イオン選択電極法
- 3○フレーム(炎光)分析法
- 4✕ELISA 法
- 5✕ヨウ素を用いる酸化還元滴定法
正答: 2・3
200-201 共通の設問
50 歳女性。身長160 cm。体重72 kg。地域の健康フェアで指の穿刺血液に
よる空腹時血糖値とHbA1c 値の測定を行った。測定結果は空腹時血糖値が
95 mg/dL、HbA1c 値が5.6%(NGSP 値)であった。後日、女性は近隣の薬局に測
定結果の相談に訪れた。女性の仕事はデスクワーク中心で、職場までは自家用車で
通勤しており、運動不足であった。また、洋菓子と果実ジュースが好きで毎日間食
し、ワインを毎晩グラス1 杯飲んでいた。
この健康フェアで行われている血糖値の簡易測定においては、グルコース脱水素
酵素あるいはグルコース酸化酵素が用いられており、検出には酵素比色法及び酵素
電極法が用いられている。今回用いられている血糖値測定法に関する記述のうち、
正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1✕グルコース脱水素酵素を用いる血糖値測定法では、マルトースは測定の妨害と
ならない。グルコース脱水素酵素を用いる血糖値測定法では、マルトースが測定の妨害となる。 - 2○グルコース酸化酵素を用いる血糖値測定法では、酵素反応によって生じた過酸
化水素が利用される。 - 3✕グルコース酸化酵素を用いる酵素比色法では、波長215 nm の光が用いられる。グルコース酸化酵素を用いる酵素比色法では、生成した色素の可視光吸収が用いられる(215 nm ではない)。
- 4○グルコース脱水素酵素及びグルコース酸化酵素を用いる血糖値測定法では、指
に付着した果汁中のグルコースが測定の妨害となる。 - 5✕酵素電極法においては、酵素がグルコースと反応した際に酵素自体に生じる電
位差変化を検出する。酵素電極法においては、酵素反応で生じた過酸化水素等の酸化電流を検出する。
正答: 2・4
202-203 共通の設問
73 歳女性。体重48 kg。高血圧の既往症があり、現在、オルメサルタン口
腔内崩壊錠を服用している。この女性は毎日、血圧を測定しており、その値は正常
値の範囲内で安定している。最近、咳が止まらず近医を受診したところ、肺非結核
性抗酸菌症と診断された。本人が以下の処方箋を持って来局した。
(処方1 )

数日後、患者から尿が赤くなったという連絡があった。指導薬剤師は実務実習生
になぜ尿が赤くなるのか、その理由について調べるように指導した。実習生は処方
された3 つの薬物の構造を調べ、尿の着色は、尿中に排出された処方薬の1 つとそ
の代謝物によるものであると推測した。そこで、その原因処方薬の紫外可視吸収ス
ペクトルを調べたところ下図のようであった。以下の記述のうち、正しいのはどれ
か。1つ選べ。
1.0
0.75

- 1✕スペクトルの縦軸の吸光度は、透過率の逆数を表している。尿の着色の原因は、475 nm 付近にピークを持つ青から緑色の光の吸収による ものである。
- 2✕このスペクトルの測定にはガラス製のセルが用いられる。尿の着色の原因は、475 nm 付近にピークを持つ青から緑色の光の吸収による ものである。
- 3✕尿の着色の原因は、220 nm から270 nm の領域にみられる光の吸収によるもの
である。尿の着色の原因は、475 nm 付近にピークを持つ青から緑色の光の吸収による ものである。 - 4✕335 nm 付近のピークの波長の光の色は赤色である。尿の着色の原因は、475 nm 付近にピークを持つ青から緑色の光の吸収による ものである。
- 5○尿の着色の原因は、475 nm 付近にピークを持つ青から緑色の光の吸収による
ものである。
正答: 5
204-205 共通の設問
25 歳男性。造血幹細胞移植6 ヶ月目で移植片対宿主病(GVHD)を発症
し、閉塞性細気管支炎と診断されたため、入院し酸素療法を開始した。体温
38.2 °C、動脈血酸素飽和度は85%、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)38 Torr、動
脈血pH 7.4 である。なお、患者は免疫抑制剤としてタクロリムスを服用している。
呼吸器疾患患者の病態を把握するには動脈血酸素分圧(PaO2)とヘモグロビン
酸素飽和度の関係(下図)を理解することが重要である。実線は、正常pH
(7.4)血液のヘモグロビン酸素飽和度を表し、点線は、低pH(7.2)血液のヘモ
グロビン酸素飽和度を表す。また、動脈血酸素飽和度はヘモグロビン酸素飽和度と
同じとする。健常者及び前問の患者におけるガス交換や動脈血液ガスに関する記述
のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

なお、標準大気圧(1.013 × 105 Pa)は上空から地上までに1 m2 あたり約1 × 104 kg の気体が存在している状態である。水銀の密度は13.5 g/mL である。
- 1○常温、常圧における吸気と呼気の成分気体の分圧は、吸気と呼気中の成分気体分子のモル比に比例する。
- 2✕医療現場で汎用される圧力の単位Torr は水銀柱の高さで圧力を示すものであ
り、標準大気圧は1013 Torr となる。標準大気圧は760 Torr(1.013×105 Pa)である。 - 3✕この患者のPaO2 は約40 Torr 程度であると推定される。この患者のPaO2 はヘモグロビン酸素飽和度85%に対応し約50 Torr程度であると推定される。
- 4○同じPaO2 の場合、PaCO2 が増加するとヘモグロビンの酸素飽和度は低下する。
- 5✕酸素療法を開始した後のPaO2 とヘモグロビン酸素飽和度の関係は、図の点線
に近づく。酸素療法を開始した後のPaO2 とヘモグロビン酸素飽和度の関係は、図の実線(正常pH)に近づく。
正答: 1・4
206-207 共通の設問
60 歳男性。体重50 kg、体表面積1.5 m2。再発直腸がんで外来通院しなが
ら以下の化学療法(処方1 、2 )を受けることになり、化学療法施用当日の夕方
17 時に来院した。医師の指示のもと薬剤師が施用準備のため安全キャビネットで
オキサリプラチン点滴静注液を輸液Aで希釈した。施用直前に患者が体調不良を訴
えたため、翌日10 時に再来し施用することになった。看護師は薬剤師に輸液Aで
希釈したオキサリプラチン点滴静注液が翌日使用できることを確認し、速やかに冷
所保存した。
(処方1 )

オキサリプラチンの配位子及び配位子交換に関する記述のうち、誤っているのは
どれか。1つ選べ。

オキサリプラチン
- 1✕オキサリプラチンは配位子交換を原因とする配合変化を受ける。
- 2○配位子Aよりも配位子Bの方が交換しやすい。
- 3✕配位子交換の起こりやすさは、交換相手となる配位子の種類、溶媒のpH 及び
温度に依存する。 - 4✕DNA 塩基との間で配位子交換を通じて架橋構造を形成することにより、抗が
ん活性を示す。 - 5✕配位子Bは、3 つの立体異性体のうちの1 つである。
正答: 2
208-209 共通の設問
65 歳男性。労作時胸部圧迫感を訴え医療機関を受診している。冠動脈造影
により左冠動脈前下行枝に75%の強度狭窄を認め、以下の処方薬を服用してい
た。3 週間後に狭窄部分を押し広げる治療法である経皮的冠動脈インターベンショ
ン(PCI)による薬剤溶出ステント留置を行う目的で病院に入院することになっ
た。
(処方)

プラスグレルは生体内の代謝により活性代謝物Cに変換されて効果を発揮するプ
ロドラッグである。以下の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

- 1✕プラスグレルはチエノピリジン系医薬品である。
- 2○プラスグレルから代謝物Aへの変換にはプロテアーゼの作用が必須である。
- 3✕代謝物Aと代謝物Bとは互変異性体の関係にある。
- 4✕代謝物Bにはジアステレオマーが存在する。
- 5✕活性代謝物Cは血小板の標的タンパク質と共有結合する。
正答: 2
210-211 共通の設問
35 歳女性。数日前から咳き込むようになった。市販の咳止め薬を服用して
いたが、治まらないので病院を受診したところ、呼吸器科で気管支喘息と診断さ
れ、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。薬剤師が面談したところ、過去に内服ス
テロイド薬により満月様顔貌(ムーンフェイス)などの副作用を経験したことが分
かった。今回処方された吸入ステロイド薬についても副作用を心配している。な
お、この女性は今回初めて吸入薬を使用する。
(処方)
パルミコート200 μg タービュヘイラー56 吸入注 1 本
1 回1 吸入 1 日2 回 朝夕 吸入
(注:ブデソニド1 回吸入量200 µg のドライパウダー吸入式ステロイド薬)
ブデソニドは肝臓において、活性が低く水溶性の高い代謝物に代謝され、速やか
に排泄される。主な代謝経路で起こる反応について正しいのはどれか。1つ選べ。

21
ブデソニド
- 1○アセタール構造が開裂する。
- 2✕α–ヒドロキシケトン構造が互変異性を起こす。アセタール構造が開裂する。
- 3✕1 位の二重結合が還元される。アセタール構造が開裂する。
- 4✕11 位のヒドロキシ基が脱離する。アセタール構造が開裂する。
- 5✕21 位のヒドロキシ基が酸化される。アセタール構造が開裂する。
正答: 1
212-213 共通の設問
60 歳男性。喘息のため吸入ステロイド薬と共にテオフィリンを服用してい
る。今回、右腰のまわりに痛みを伴う水疱が出現したので皮膚科を受診したとこ
ろ、帯状疱疹と診断され、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。
(処方1 )

バラシクロビルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


HN N
バラシクロビル
- 1✕アシクロビルの脂溶性を増大させることを意図して創出されたプロドラッグで
ある。アシクロビルの消化管吸収(バイオアベイラビリティ)を改善することを意図して創出されたプロドラッグである。 - 2○アシクロビルとL–バリンがエステル結合を介して連結した構造をもつ。
- 3✕生体内に存在する酵素の作用により、波線部aにおいて結合が切断される。生体内に存在する酵素の作用により、エステル結合部(カルボニル基と酸素の間)において結合が切断される。
- 4✕生体内でbに示す酸素原子がリン酸化されることによって薬理活性を示す。生体内で加水分解により遊離したアシクロビルの末端ヒドロキシ基がウイルスのチミジンキナーゼによりリン酸化される(bに示すエーテル酸素ではない)ことによって薬理活性を示す。
- 5○小腸のペプチドトランスポーターを介して吸収される。
正答: 2・5
214-215 共通の設問
50 歳女性。3 ヶ月前から、ふくらはぎがつることで眠れないなどの症状が
出たので、市販の漢方薬Aを服用していた。今回、両下腿浮腫が発現したので、近
医を受診し、胸部レントゲン検査にて心拡大を認めたため入院となった。血圧
160/64 mmHg、脈拍78 回/分、血清カリウム値3.1 mEq/L。動脈血ガス検査にて
代謝性アルカローシスを認めた。心電図は正常。心臓超音波検査にて、心機能正常
だが心嚢液貯留を認めた。
前問における漢方薬A服用後の症状の発現の原因となる生薬成分は、腸内細菌に
よる加水分解を受けたのちに吸収される。加水分解後の化学構造はどれか。1つ選
べ。

- 1✕
- 2✕
- 3✕
- 4✕
- 5○
正答: 5
216-217 共通の設問
78 歳女性。体重45 kg。骨粗しょう症、うつ病及び不眠症のため下記の処
方薬を服用していた。最近、食欲がなくなり、とても体がだるいとの訴えを聞いた
家族が、この女性を通院中の病院に連れて来たところ、そのまま入院となった。
(処方)

この患者の検査結果で見られた異常の原因として適切なのはどれか。1つ選べ。
- 1✕腎臓の集合管におけるプロテインキナーゼA 活性の阻害
- 2○腎臓の集合管での水分の再吸収の促進
- 3✕腎臓のヘンレループ上行脚におけるNa+/K+/2Cl- 共輸送体の阻害
- 4✕腎臓のヘンレループ下行脚での水分の再吸収の促進
- 5✕下垂体後葉からの抗利尿ホルモン(バソプレシン)分泌の抑制
正答: 2
218-219 共通の設問
27 歳女性。1 年前に結婚し、近いうちに子供が欲しいと考えている。自分
の母子手帳を確認したところ、麻しんワクチンの接種記録が1 回であった。近隣の
病院に設置されたお薬相談コーナーに、麻しんワクチン接種の相談に訪れた。麻し
んワクチン製剤は現時点で入手の見通しが立たないので接種できないが、当該病院
には麻しん風しん混合ワクチン製剤の在庫がある。
この女性への説明事項の根拠として適切なのはどれか。2つ選べ。
- 1✕麻しんウイルスは、主として腸管粘膜で増殖し、リンパ節へと拡散する。麻しんウイルスは、主として気道粘膜で増殖し、リンパ節へと拡散する。
- 2✕麻しんウイルスは、回帰発症により帯状疱疹を生じさせる。麻しんウイルスは、帯状疱疹を生じさせない(帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化による)。
- 3✕麻しんウイルスは空気感染はせず、飛沫感染及び接触感染によって伝播する。麻しんウイルスは空気感染もする(非常に感染力が強い)。
- 4○麻しん風しん混合ワクチンは、麻しんワクチンと同様に麻しんウイルスに対す
る細胞性免疫を獲得させる。 - 5○麻しん風しん混合ワクチン中の麻しんワクチンは、弱毒生ワクチンである。
正答: 4・5
220-221 共通の設問
88 歳男性。独居。現在、高血圧症で以下の処方により在宅療養中であり、
日中もほとんど寝たきりの生活をしている。
(処方)
アムロジピン口腔内崩壊錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)
1 日1 回 朝食後 28 日分
患者は過去に貼付剤による接触性皮膚炎を発症したことがある。また、患者は1
人で服薬できないため、50 歳の一人娘が毎朝出勤前に薬の管理と服薬介助をして
いる。娘はこれ以上の介護負担は困難だと考え、将来に不安を感じている。医師か
らは、血液検査結果に異常は認められないが、最近、患者の嚥下能力が低下し始め
ているので、誤嚥に注意するように言われている。
患者の娘が仕事帰りに薬局に立ち寄り、「誤嚥はどのようにして起こるのです
か」と薬剤師に質問した。正常な嚥下及び誤嚥の過程について、下図を用いた薬剤
師の説明として正しい組合せはどれか。1つ選べ。なお、下図は、口腔から食道・
気管までの断面図である。
A 咽頭口部への移送
B 咽頭喉頭部への移送
C 喉頭蓋による気道の閉鎖
D アへの移送
E イへの移送

咽頭口部
喉頭蓋
咽頭喉頭部
アイ
正常な嚥下の過程 誤嚥の過程
- 1✕A→B→C→D A→C→E
- 2✕A→B→C→E A→B→D
- 3✕A→C→B→D A→B→E
- 4✕A→C→B→D A→C→E
- 5○A→C→B→E A→B→D
- 6✕A→C→B→E A→C→D
正答: 5
222-223 共通の設問
78 歳男性。経営している会社の業務量が最近急増し、デスクワークが毎日
続いたため、眼精疲労と肩こりを強く感じ、一般用医薬品を購入するため来局し
た。男性が所持していたお薬手帳により、服用中の薬を確認した。男性はパーキン
ソン病で以下の処方薬を服用していることが判明した。
(処方)
レボドパ錠200 mg 1 回4 錠(1 日12 錠)
1 日3 回 朝昼夕食後 30 日分
前問において、販売すべきでないと薬剤師が総合的に判断した根拠のうち、レボ
ドパの代謝に関わる反応とそれに必要なビタミンの組合せとして正しいのはどれ
か。1つ選べ。
反応 ビタミン
- 1✕脱炭酸 ビタミンB2
- 2○脱炭酸 ビタミンB6
- 3✕脱炭酸 ビタミンB12
- 4✕メチル化 ビタミンB2
- 5✕メチル化 ビタミンB6
- 6✕メチル化 ビタミンB12
正答: 2
224-225 共通の設問
7 歳女児。卵アレルギーがある。小学校で給食を食べた直後、女児が異常
を訴えた。ゼーゼーとした呼吸音(喘鳴)、皮膚の赤み、唇とまぶたの赤みを担任
教諭が確認し、アドレナリン注射液(エピペン®注射液)を投与して、その後の適
切な対応により改善した。この女児が引越しに伴い転校することになり、転校先の
学校に母親より女児の受け入れ後の対応について相談があった。
この女児の症状を引き起こした生体内反応として、最も適切なのはどれか。1つ
選べ。
- 1✕卵由来のアレルゲンと結合した細胞外マトリックス成分に対する抗体(IgG)
により、抗体依存性細胞障害が起きた。肥満細胞上の抗体(IgE)に卵由来のアレルゲンが結合して、肥満細胞の活性 化を引き起こし、ケミカルメディエーターが放出された。 - 2✕卵由来のアレルゲンに対する抗体(IgG やIgM)が免疫複合体を形成して組織
に沈着し、補体を活性化した。肥満細胞上の抗体(IgE)に卵由来のアレルゲンが結合して、肥満細胞の活性 化を引き起こし、ケミカルメディエーターが放出された。 - 3○肥満細胞上の抗体(IgE)に卵由来のアレルゲンが結合して、肥満細胞の活性
化を引き起こし、ケミカルメディエーターが放出された。 - 4✕卵由来のアレルゲンを認識したT 細胞が炎症性サイトカインを放出し、マク
ロファージを活性化した。肥満細胞上の抗体(IgE)に卵由来のアレルゲンが結合して、肥満細胞の活性 化を引き起こし、ケミカルメディエーターが放出された。 - 5✕卵由来のアレルゲンと結合した抗体により、NK 細胞が活性化した。肥満細胞上の抗体(IgE)に卵由来のアレルゲンが結合して、肥満細胞の活性 化を引き起こし、ケミカルメディエーターが放出された。
正答: 3