第102回 — 病態・薬物治療
演習モードで解く乳がんの腫瘍マーカーとして有用なのはどれか。 1つ選べ。
- 1○CA 15-3(carbohydrate antigen 15-3)
- 2✕CYFRA 21-1(cytokeratin 19 fragment)
- 3✕NSE(neuron specific enolase)
- 4✕SCC(squamous cell carcinoma related antigen)
- 5✕PIVKA- (protein induced by vitamin K absence or antagonist- )
正答: 1
閉塞性動脈硬化症に関する記述のうち、正しいのはどれか。 1つ選べ。
- 1✕若い女性に好発する。間欠性跛行が特徴的症状である。
- 2○間欠性跛行が特徴的症状である。
- 3✕上肢の動脈に多発する。間欠性跛行が特徴的症状である。
- 4✕血管炎を伴う。間欠性跛行が特徴的症状である。
- 5✕患肢に熱感がある。間欠性跛行が特徴的症状である。
正答: 2
汎血球減少症を呈する代表的な疾患はどれか。 1つ選べ。
- 1✕溶血性貧血
- 2✕鉄欠乏性貧血
- 3✕腎性貧血
- 4○再生不良性貧血
- 5✕播種性血管内凝固症候群
正答: 4
インスリン分泌を促進し、食後高血糖を改善する薬物はどれか。 1つ選べ。
- 1✕メトホルミン塩酸塩
- 2✕ピオグリタゾン塩酸塩
- 3○ナテグリニド
- 4✕ボグリボース
- 5✕イプラグリフロジンL-プロリン
正答: 3
パーキンソン病患者に特徴的な症状はどれか。 1つ選べ。
- 1✕躁状態
- 2✕下痢
- 3✕高血圧
- 4✕上肢の筋弛緩
- 5○すくみ足
正答: 5
状況にかかわりなく漫然とした不安が持続する神経症はどれか。 1つ選べ。
- 1✕広場恐怖
- 2✕強迫性障害
- 3✕外傷後ストレス障害(PTSD)
- 4○全般性不安障害
- 5✕社会不安障害
正答: 4
アトピー性皮膚炎に関する記述のうち、最も適切なのはどれか。 1つ選べ。
- 1✕皮膚のバリア機能が亢進している。対症療法が治療の中心となる。
- 2○対症療法が治療の中心となる。
- 3✕湿疹は左右非対称にみられる。対症療法が治療の中心となる。
- 4✕おもにⅡ型アレルギーが関与している。対症療法が治療の中心となる。
- 5✕抗ヒスタミン薬が第1選択薬である。対症療法が治療の中心となる。
正答: 2
がん性疼痛の病態及び薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。 1つ選べ。
- 1○速放性製剤のレスキュー投与は、突出痛に対して用いられる。
- 2✕WHO方式がん疼痛治療法では、痛むときに素早く鎮痛薬を投与することを基
本とする。速放性製剤のレスキュー投与は、突出痛に対して用いられる。 - 3✕骨転移による限局的な鋭い痛みのほとんどは、神経障害性疼痛に分類される。速放性製剤のレスキュー投与は、突出痛に対して用いられる。
- 4✕軽度の痛みであっても、アセトアミノフェンは用いない。速放性製剤のレスキュー投与は、突出痛に対して用いられる。
- 5✕口腔粘膜吸収フェンタニル製剤は、過量投与による呼吸抑制を起こさない。速放性製剤のレスキュー投与は、突出痛に対して用いられる。
正答: 1
単純ヘルペスウイルス感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。 1つ選べ。
- 1✕性器感染の多くは、HSV-1による。成人の口唇ヘルペスの多くは、ウイルスの再活性化により発症する。
- 2✕免疫機能亢進時に発症する。成人の口唇ヘルペスの多くは、ウイルスの再活性化により発症する。
- 3✕性器ヘルペスは、性交の翌日に好発する。成人の口唇ヘルペスの多くは、ウイルスの再活性化により発症する。
- 4○成人の口唇ヘルペスの多くは、ウイルスの再活性化により発症する。
- 5✕確定診断は、細胞診により行う。成人の口唇ヘルペスの多くは、ウイルスの再活性化により発症する。
正答: 4
ウイルス性肝炎に関する記述のうち、最も適切なのはどれか。 1つ選べ。
- 1✕A型は多くが慢性化しやすい。C型は血液感染である。
- 2✕B型は経口感染である。C型は血液感染である。
- 3○C型は血液感染である。
- 4✕B型はRNA ウイルスが原因である。C型は血液感染である。
- 5✕C型はDNA ウイルスが原因である。C型は血液感染である。
正答: 3
後発医薬品の承認申請資料として必要なのはどれか。 1つ選べ。
- 1○加速試験に関する資料
- 2✕効力を裏付ける試験に関する資料
- 3✕副次的薬理・安全性薬理に関する資料
- 4✕反復投与毒性に関する資料
- 5✕がん原性に関する資料
正答: 1
「患者向医薬品ガイド」に関する記述のうち、正しいのはどれか。 1つ選べ。
- 1✕厚生労働省が作成している。PMDA の医薬品医療機器情報提供ホームページに掲載されている。
- 2✕処方箋医薬品では、すべての品目で作成される。PMDA の医薬品医療機器情報提供ホームページに掲載されている。
- 3✕一般用医薬品についても作成されている。PMDA の医薬品医療機器情報提供ホームページに掲載されている。
- 4○PMDA の医薬品医療機器情報提供ホームページに掲載されている。
- 5✕別名「くすりのしおり」ともよばれる。PMDA の医薬品医療機器情報提供ホームページに掲載されている。
正答: 4
t 分布に関する記述のうち、正しいのはどれか。 1つ選べ。
- 1✕平均値に対して左右非対称の分布である。母集団の標準偏差が未知のときの統計解析に使用される。
- 2✕平均値は1である。母集団の標準偏差が未知のときの統計解析に使用される。
- 3✕ガウス分布ともよばれる。母集団の標準偏差が未知のときの統計解析に使用される。
- 4○母集団の標準偏差が未知のときの統計解析に使用される。
- 5✕順序尺度データの統計解析に使用される。母集団の標準偏差が未知のときの統計解析に使用される。
正答: 4
ある病院で新たに降圧薬Aを採用することになった。そこで薬剤師Xは当該病
院において、高血圧患者にAを投与した場合と投与しない場合との間で、消化器症
状の発現率に差があるかを観察・調査する研究を計画した。なお、高血圧患者にA
を投与するか否かは、それぞれの主治医による薬物治療上の判断に基づき、薬剤師
Xは介入しないものとした。
この研究に該当するのはどれか。 1つ選べ。
- 1✕randomized controlled trial
- 2○prospective cohort study
- 3✕retrospective cohort study
- 4✕case-control study
- 5✕meta-analysis
正答: 2
新生児の特徴を成人と比較したとき、正しいのはどれか。 1つ選べ。
- 1✕胆汁酸塩の生成が多い。成人とは異なるシトクロムP450分子種が発現している。
- 2✕肝臓のグルクロン酸抱合能が高い。成人とは異なるシトクロムP450分子種が発現している。
- 3✕薬物の皮膚透過性が低い。成人とは異なるシトクロムP450分子種が発現している。
- 4○成人とは異なるシトクロムP450分子種が発現している。
- 5✕胃内pH が低い。成人とは異なるシトクロムP450分子種が発現している。
正答: 4
体温と発熱に関する記述のうち、誤っているのはどれか。 1つ選べ。
- 1○体温は延髄にある体温調節中枢によって調節される。
- 2✕体温を変化させる生物学的因子の1つに月経周期がある。
- 3✕インターロイキン-1は内因性発熱物質である。
- 4✕体温調節中枢でのプロスタグランジンE₂の産生が発熱に関与する。
- 5✕発熱をきたす疾患の1つに膠原病がある。
正答: 1
ネフローゼ症候群の治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。
- 1○初期治療の基本は副腎皮質ステロイド薬である。
- 2○タンパク尿改善と静脈血栓予防に抗血小板薬が用いられる。
- 3✕浮腫の改善には抗アルドステロン薬が第1選択薬となる。ループ利尿薬が第1選択となる
- 4✕高カリウム血症を併発するときは球形吸着炭が用いられる。ポリスチレンスルホン酸カルシウム等のイオン交換樹脂
- 5✕高コレステロール血症が持続する場合はエゼチミブが第1選択薬となる。スタチンが第1選択となる
正答: 1・2
22歳男性。1ヶ月ほど前から体に違和感があり、「就職したばかりで慣れない
ので緊張しているのかな?」と思っていた。「少し前にショックな出来事があり、
その事を引きずっているのかな?」とも思っていた。数日前、「背後で上司が自分
の事を非難する声」が聞こえてきた。その声は毎日のように続き、そのことを考え
ると不眠となった。受診の結果、統合失調症と診断され、薬物治療が開始されるこ
ととなった。
この症例に関し、正しいのはどれか。 2つ選べ。
- 1✕統合失調症の発症は、思春期から青年期ではまれである。思春期から青年期に多い
- 2✕急性期の治療には非定型抗精神病薬の多剤併用療法が推奨される。単剤療法が推奨される(多剤併用は推奨されない)
- 3○定型抗精神病薬による治療を開始した際の注意すべき副作用に悪性症候群があ
る。 - 4○多元受容体作用抗精神病薬(MARTA)による治療では、体重増加に注意する
必要がある。 - 5✕錐体外路症状の発症予防のため、レボドパの併用が推奨される。推奨されない(錐体外路症状には抗コリン薬等を用いる)
正答: 3・4
中耳炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。
- 1○中耳炎は鼻炎、咽頭炎に続いて発症することが多い。
- 2✕急性中耳炎は成人に好発し、耳痛と耳漏が主症状である。小児に好発する
- 3✕急性中耳炎では、軽症でも初期から抗菌薬を投与する。軽症ではまず経過観察(抗菌薬は中等症〜重症で考慮)
- 4✕慢性中耳炎の主な起因菌は肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタ
ラーリスである。急性中耳炎の主な起因菌(慢性では緑膿菌・黄色ブドウ球菌等) - 5○慢性中耳炎の主症状は、耳漏と難聴である。
正答: 1・5
45歳男性。仕事上、接待での飲食が多く、最近の半年間で4kg の体重増加を
認めた。右母趾の関節痛が生じたため近医を受診したところ、血清尿酸値の高値を
指摘され、非ステロイド性抗炎症薬の服用により関節痛の改善を認めた。
この患者の治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。
- 1○痛風関節炎を繰り返す場合は血清尿酸値の目標を6.0mg/dL以下とする。
- 2✕血清クレアチニン値2.0mg/dL以上の腎機能障害を伴う場合はベンズブロマ
ロンを選択する。尿酸生成抑制薬(アロプリノール・フェブキソスタット)を選択する - 3✕尿路結石を合併する場合はベンズブロマロンを選択する。尿酸生成抑制薬を選択する(ベンズブロマロンは尿路結石を悪化させる)
- 4○尿酸排泄促進薬を使用する場合は、尿アルカリ化薬を併用する。
- 5✕痛風関節炎の再発予防のため、少量の非ステロイド性抗炎症薬を継続投与す
る。少量のコルヒチンを継続投与する
正答: 1・4
85歳男性。介護老人保健施設に入所中であったが、COPD(慢性閉塞性肺疾
患)の悪化と嚥下障害のため入院となった。入院時に仙骨部の皮疹が指摘された。
このような患者の長期療養に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。
- 1✕体動による摩擦は、褥瘡の主な発症要因である。持続的な局所圧迫(ずれ力・摩擦力も含む)
- 2○低栄養は、褥瘡のリスクファクターになる。
- 3✕食事からの摂取カロリーの不足を補うためには、成分栄養剤を経口投与する。経管(経鼻胃管)栄養や経腸栄養
- 4✕栄養管理では、換気障害が著しい場合は糖質を増やして脂質を減らすことが推
奨される。糖質を減らして脂質を増やす(CO₂産生を抑える) - 5○2ヶ月以上経口摂取が困難な場合には、経鼻胃管栄養より胃瘻の方が適してい
る。
正答: 2・5
インフルエンザの病態、診断及び治療に関する記述のうち、正しいのはどれ
か。 2つ選べ。

- 1✕インフルエンザウイルスは、A、B、Cの3つの型に分類され、いずれもヒト
に感染して典型的なインフルエンザ症状を発症させる。A型とB型(C型は流行を起こさない) - 2✕インフルエンザによる死亡率が最も高い年代は、15歳以下の子供である。高齢者(65歳以上)
- 3○迅速診断には、鼻腔・咽頭拭い液を用いた酵素免疫測定法が用いられる。
- 4✕インフルエンザを発症した小児の解熱には、アセトアミノフェンは推奨されな
い。アセトアミノフェンが推奨される(アスピリンはReye症候群のため推奨されない) - 5○慢性呼吸器疾患などのハイリスク患者にはオセルタミビルの予防内服が認めら
れている。
正答: 3・5
58歳男性。既往歴なし。20歳頃より現在まで喫煙継続中(20本/日)。半年前
より、軽度の咳嗽及び喀痰がみられたが放置していた。しかし最近、会社の健康診
断で肺の腫瘤陰影を指摘され、呼吸器内科を受診した。胸部エックス線では、右肺
門部に径3cm大の腫瘤陰影が認められ、経気管支内視鏡検査では、右主気管支の
圧迫像が認められた。さらに気管支肺生検の結果、小細胞肺癌と診断された。
本患者の治療に適切な薬物はどれか。 2つ選べ。
- 1✕フルオロウラシル
- 2○イリノテカン塩酸塩
- 3✕ゲムシタビン塩酸塩
- 4✕ブレオマイシン塩酸塩
- 5○シスプラチン
正答: 2・5
薬物の鎮痛効果について並行群間比較試験を実施することになった。600名の
患者を薬物A投与群300名と薬物B投与群300名に分け、各々の薬物について投与
後の鎮痛効果をレベル1~10までの10段階で評価した。この評価データが正規分
布していない場合、薬物Aと薬物Bの鎮痛効果の差を比較するための適切な統計手
法はどれか。 1つ選べ。
- 1✕Chi-square test
- 2✕Student’s t-test
- 3✕Kruskal-Wallis test
- 4○Mann-Whitney U-test
- 5✕McNemar’s test
正答: 4
薬物Aと薬物Bをそれぞれ200名の患者に投与して、ある副作用の発現割合を
比較したところ、副作用が発現した人は薬物A群で40名、薬物B群で15名であっ
た。患者の内訳を詳細に調査した結果、薬物A群で100名、薬物B群でも100名が
重症の患者であった。報告によると、薬物A投与の場合、副作用発現に重症度の影
響はみられないが、薬物B投与では、重症の患者は、重症でない患者に比較すると
副作用発現割合が2倍高くなることがわかっている。この場合、次の記述のうち、
誤っているのはどれか。 1つ選べ。
- 1✕この試験における重症度は交絡因子である。
- 2✕多変量解析によりバイアス要因を解析することができる。
- 3✕重症度による層別化を行うことにより、解析段階で調整して比較することがで
きる。 - 4○重症の場合、薬物Aにおける副作用の発現割合は薬物Bと比較して小さい。
- 5✕重症でない場合、薬物Aにおける副作用の発現割合は薬物Bと比較して大き
い。
正答: 4
EBM の実践において、臨床研究論文の批判的吟味を行う際の「外的妥当性」
に該当するのはどれか。 1つ選べ。
- 1✕研究デザイン
- 2✕被験者の割り付け方法
- 3✕脱落者の取り扱い方法
- 4✕統計解析方法
- 5○眼前の患者への適用の可否
正答: 5
36歳女性。主婦。最近、左乳房の腫瘤に気付き、病院の乳腺外来を受診した。
身体所見:身長158cm。体重50kg。血圧128/70mmHg。左乳房の触診にて、内
上方に1cm大の硬結を触知した。生理周期28日。
検査所見:尿所見正常、末梢血検査異常なし。
生化学的検査・腫瘍マーカー検査:CEA 8.0ng/mL(正常値5.0ng/mL以下)、
エストロゲン感受性(+)、プロゲステロン受容体(+)、HER2蛋白陰性。
CEA;carcinoembryonic antigen
HER2;human epidermal growth factor receptor type 2
検査の結果、外科的手術を行い、その後、薬物治療を行うこととなった。
この患者に適応となる薬物はどれか。 2つ選べ。
- 1✕トラスツズマブ
- 2✕アナストロゾール
- 3○タモキシフェンクエン酸塩
- 4✕フルベストラント
- 5○ゴセレリン酢酸塩
正答: 3・5
虚血性心疾患とその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。
- 1✕労作性狭心症の発作の原因は、冠動脈の攣縮である。冠動脈の器質的狭窄(攣縮は冠攣縮性狭心症)
- 2○不安定狭心症は、心筋梗塞に移行しやすい。
- 3✕心筋梗塞発作後、数時間でST 波の低下が認められる。ST上昇(その後異常Q波が出現)
- 4○硝酸薬は耐性を生じることがあるため、テープ剤や軟膏剤の場合には休薬期間を設けることが推奨される。
- 5✕β遮断薬は冠動脈が攣縮している狭心症の第1選択薬として用いる。冠攣縮性狭心症では禁忌(カルシウム拮抗薬を用いる)
正答: 2・4
病態と生体リズムの関係について、正しいのはどれか。 1つ選べ。
- 1✕喘息発作による呼吸困難が起きやすいのは、午後である。高血圧症患者において血圧が最も高くなりやすいのは、夕方である。
- 2○高血圧症患者において血圧が最も高くなりやすいのは、夕方である。
- 3✕歯の痛みが発現しやすいのは、正午頃である。高血圧症患者において血圧が最も高くなりやすいのは、夕方である。
- 4✕うつ病のうつ状態が最も強いのは、夕方である。高血圧症患者において血圧が最も高くなりやすいのは、夕方である。
- 5✕コレステロールの生合成が高まるのは、午前中である。高血圧症患者において血圧が最も高くなりやすいのは、夕方である。
正答: 2
194-195 共通の設問
患 者:72歳男性。
既往歴:高血圧で降圧剤を内服。
現病歴:1年ほど前より尿勢の低下、排尿回数の増加がみられ、とくに飲酒後の排
尿困難を感じていたが放置していた。その後、数種の一般用医薬品を服用したとこ
ろ排尿ができなくなり、下腹部膨満感が出現。間欠的に激しい痛みも出現したた
め、救急車にて来院した。尿道カテーテルを留置したところ800mLの尿の流出が
あった。2日間カテーテルを留置後に抜去したところ、自排尿は得られたが前立腺
容積も大きく、残尿も多かったため経尿道的前立腺切除術を施行した。前立腺特異
抗原(PSA)値は3.9ng/mLであった。
下記の診断・検査のうち、前立腺肥大症と前立腺がんの鑑別に役立つのはどれ
か。 1つ選べ。
- 1✕国際前立腺症状スコア
- 2✕尿流量測定
- 3✕残尿量測定
- 4✕前立腺容積
- 5○直腸診
正答: 5
286-287 共通の設問
65歳男性。人間ドックで血中prostate specific antigen(PSA)値の高値
(30.3ng/mL)を認めた。
一般にPSA の上昇を認める泌尿器系疾患はどれか。 2つ選べ。

- 1✕セミノーマ
- 2✕腎細胞がん
- 3○前立腺肥大症
- 4○前立腺がん
- 5✕膀胱がん
正答: 3・4
288-289 共通の設問
38歳女性。肺結核と腰痛に対して以下の薬剤を服用していた。今回、同じ
薬剤が処方されたが、最近、「新聞が読みにくくなった」などの視力障害を訴えた。
(処方1)

本症例の病態と薬物治療に関する説明として、正しいのはどれか。 2つ選べ。
- 1✕結核菌は接触感染によって伝搬する。飛沫(空気)感染によって伝搬する
- 2✕血痰の有無により、他の呼吸器感染症と鑑別できる。結核に特有の症状ではなく鑑別の指標にはならない
- 3○飲み忘れなど不規則な抗結核薬の服用は、結核菌が薬剤耐性を獲得する原因と
なる。 - 4✕視力障害の原因薬は、いったん中止し、視力が回復したら再開する。ただちに服用を中止して受診する(自己判断で再開しない)
- 5○唾液や涙液が橙赤色になることがある。
正答: 3・5
290-291 共通の設問
62歳男性。1ヶ月ほど前から息切れ、呼吸困難などの心不全症状が出現
し、アルコール性心筋症との診断を受け、以下の処方により加療中である。薬剤師
が現在の症状を確認すると「最近は呼吸が苦しくなることが多く、家の中で座って
いれば問題ないが、少し散歩するだけでも息切れがする」との訴えがあった。
既往歴:高血圧
飲酒歴:心不全症状が出現するまで20年間の大量の飲酒歴があり、禁酒を指導さ
れたが、現在も機会飲酒。
検査データ:左室駆出率23%、下肢浮腫(+)、
Na140mEq/L、K 3.6mEq/L、Cl105mEq/L、SCr1.0mg/dL、
血圧123/72mmHg、心拍数62bpm(洞調律)
(処方)

この患者の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。
- 1✕適切な治療を施しても生存率が低く予後不良である。断酒により心機能の改善・予後改善が期待できる
- 2○NYHA 機能分類Ⅲ度(中等度~重症)の心不全症状を呈している。
- 3✕肥大型心筋症の病態を呈している。拡張型心筋症
- 4✕カリウムの摂取制限が推奨される。カリウムの摂取制限ではなく適切な摂取(低カリウム血症に注意)
- 5○治療の基本に断酒がある。
正答: 2・5
292-293 共通の設問
49歳男性。C型慢性肝炎の既往あり。昨年より肝硬変に起因する腹水が出
現し、ループ利尿薬とアルブミン製剤が投与されていた。昨日、肝性脳症と診断さ
れ入院となり、分岐鎖アミノ酸製剤の点滴静注、ラクツロース及びカナマイシン一
硫酸塩の経口投与を開始した。
本患者において、以下の所見が認められた。肝性脳症に最も関連が深いのはどれ
か。 2つ選べ。
- 1✕食道静脈瘤
- 2✕浮腫
- 3✕黄疸
- 4○高アンモニア血症
- 5○羽ばたき振戦
正答: 4・5
294-295 共通の設問
29歳女性。1型糖尿病のため、インスリンを自己注射により使用してい
た。発熱を契機に3日前から全身倦怠感、下痢、嘔吐が始まり、これらの症状に加
えて意識障害が出現したため、家族に伴われて救急外来を受診した。
身体所見:身長160cm、体重60kg
検査データ:血糖値418mg/dL、血圧110/60mmHg、尿糖(+++)、
尿中ケトン体(++)、
Na129mEq/L、Cl92mEq/L、pH 7.1、HCO₃⁻8.9mEq/L
本患者及び本症例に関する記述のうち、適切なのはどれか。 2つ選べ。
- 1✕Body mass index(BMI)が25以上の肥満である。BMIは約23(肥満ではない)
- 2○Glutamic acid decarboxylase(GAD)抗体は陽性である可能性が高い。
- 3✕意識障害の原因は、乳酸アシドーシスである可能性が高い。糖尿病性ケトアシドーシス(ケトン体蓄積)
- 4○糖利用の低下により脂肪分解が亢進した状態にあると考えられる。
- 5✕重症化した場合は、グリニド系薬剤の併用が推奨される。インスリン
正答: 2・4
296-297 共通の設問
45歳女性。10年前より双極性障害で加療中。処方1の維持療法で病状は
安定していたが、ここ1ヶ月で症状が悪化したため、本日新たに処方2が追加され
た。
(処方1)

この患者の薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。
- 1○ラモトリギンは、気分エピソードの中でも、特にうつ状態に対する効果が強
い。 - 2✕ラモトリギンが追加されたので、定期的なラモトリギンの血中濃度測定を行う
必要がある。定期的な血中濃度測定は不要(炭酸リチウムが対象) - 3✕炭酸リチウムの1日投与量が400mg なので、定期的な血中濃度測定を行う必
要はない。定期的な血中濃度測定が必要(治療域が狭い) - 4✕炭酸リチウムの中毒が疑われる際の治療には、ループ利尿薬が適している。補液・血液透析(ループ利尿薬はリチウムの再吸収を増やすため禁忌)
- 5○ラモトリギンが使用できない場合は、オランザピンを推奨する。
正答: 1・5
298-299 共通の設問
56歳男性。一般用医薬品を購入するため薬局を訪れた。現在使用している
処方薬について薬剤師が確認したところ、持参したお薬手帳から、以下の点眼薬を
使用していることが判明した。

この患者の病態とその治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。
- 1✕この患者は正常眼圧緑内障である。原発開放隅角緑内障(眼圧上昇を伴う)
- 2○眼圧コントロールが不良となり視神経が高度に障害されると、その機能は薬物
治療によっては回復しない。 - 3✕ラタノプロストは、毛様体における房水の産生を抑制し眼圧を低下させる。ぶどう膜強膜流出経路からの房水流出を促進し眼圧を低下させる
- 4○ラタノプロストの副作用に虹彩色素沈着がある。
- 5✕カルテオロール塩酸塩は、ぶどう膜強膜流出経路からの房水の流出を促進し眼
圧を低下させる。毛様体における房水の産生を抑制し眼圧を低下させる
正答: 2・4
300-301 共通の設問
62歳女性。3年前に悪性リンパ腫と診断され、R-CHOP療法が施行された。
R-CHOP療法施行直前の検査で肝機能検査値に異常はなかった。R-CHOP療法4
コースを終了後、定期的に通院していたが、あるときALT 742U/L、AST 1,354U/L
と上昇したため入院した。エンテカビルの投与によりALT 及びAST は低下し
た。本人に確認したところ、10年前の献血時にHBc抗体陽性を指摘されていたこ
とが判明した。
HBV が原因のB型肝炎に関する記述として、正しいのはどれか。 1つ選べ。
- 1✕HB ワクチンは感染予防には有効ではない。HBs抗体は肝炎の病態が終息した後に上昇する。
- 2✕性行為による感染はない。HBs抗体は肝炎の病態が終息した後に上昇する。
- 3✕IgM 型HBc抗体は肝炎の後期に現れる。HBs抗体は肝炎の病態が終息した後に上昇する。
- 4✕初感染で自然治癒するのは半数以下である。HBs抗体は肝炎の病態が終息した後に上昇する。
- 5○HBs抗体は肝炎の病態が終息した後に上昇する。
正答: 5
302-303 共通の設問
病棟の看護師より、「点滴中の患者に対し側管からブロムヘキシン塩酸塩
注射剤を投与後、同一の側管より続けてフロセミド注射剤を投与してもよいか。」
との問い合わせがあった。薬剤師は看護師に回答するため、両薬剤のpH 変動ス
ケールに関する情報を収集し、以下の情報を得た。
( A )注射剤のpH 変動スケール

配合変化について検討するために、ブロムヘキシン塩酸塩注射剤の特徴について
調査したい。医薬品インタビューフォームから入手できない情報はどれか。 1つ選べ。
- 1✕製剤の安定性に関するデータ
- 2✕有効成分の安定性に関するデータ
- 3○アンプル開封後の使用期限
- 4✕浸透圧比
- 5✕注射液のpH
正答: 3
304-305 共通の設問
48歳男性。1週間前に心筋 塞の診断により経皮的冠動脈インターベン

施行5日後と6日後にステント血栓症が発症した。
PCI施行後は、以下の薬剤が投与されていた。
(処方)

クロピドグレルの治療抵抗性の原因として考えられるのはどれか。 1つ選べ。
- 1✕アスピリンとクロピドグレルの薬物相互作用
- 2✕ロサルタンによるクロピドグレルの代謝拮抗
- 3✕尿pH の変動によるクロピドグレルの尿細管再吸収の低下
- 4○クロピドグレルの代謝酵素の遺伝子多型
- 5✕ロスバスタチンによるクロピドグレルの代謝酵素の誘導
正答: 4