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医療薬学Ⅰ

問121.ヒスタミン受容体(H1受容体)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.ヒスタミンによる気管支、腸管などの収縮は、H1受容体を介する。
b.ヒスタミンは、H1受容体を刺激して胃酸分泌を促進する。×
解:ヒスタミンは、H2受容体を刺激して胃酸分泌を促進する。
c.ジフェンヒドラミンは、H1受容体を遮断する。
d.ファモチジンは、H1受容体を遮断する。×
解:ファモチジンは、H2受容体を遮断する。
e.H1受容体遮断薬は、ねむけなどの中枢神経抑制作用を起こすことがある。

問122.細胞膜に存在する受容体に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.アドレナリンβ2受容体は細胞膜7回貫通型の受容体であり、Gたん白質と共役している。
b.百日咳毒素はGたん白質をADPリポシル化し、受容体との共役を阻害することにより、アドレナリンなどの受容体作動性物質の作用を減弱させる。
c.コレラ毒素はGたん白質をADPリポシル化し、GTPase活性を失わせることにより、アデニル酸シクラーゼ活性を低下させる。×
解:コレラ毒素はGたん白質をADPリポシル化し、GTPase活性を失わせることにより、アデニル酸シクラーゼ活性を上昇させる。
d.Gたん白質結合型受容体を介したcAMPホスホジエステラーゼの活性化により生成したイノシトール三リン酸(IP3)は、細胞内貯蔵部位からカルシウムイオンを遊離させる。×
解:Gたん白質結合型受容体を介したホスホリパーゼCの活性化により生成したイノシトール三リン酸(IP3)は、細胞内貯蔵部位からカルシウムイオンを遊離させる。


問123.自律神経節に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.自律神経節にはニコチン性アセチルコリン受容体がある。
b.副腎髄質では交感神経節前線維から放出されたアセチルコリンが、エピネフリン、ノルエピネフリンの放出を抑制する。×
解:副腎髄質では交感神経節前線維から放出されたアセチルコリンが、エピネフリン、ノルエピネフリンの放出を促進する。
c.DMPP(1,1-dimethyl-4-phenyl-piperazinium)は神経節を興奮させる。
d.ヘキサメトニウムは、神経節においてアセチルコリンと競合的に拮抗し、伝達を遮断する。
e.カンシル酸トリメタファンは、全身麻酔時に、神経節遮断による血圧上昇の目的で用いられる。×
解:カンシル酸トリメタファンは、全身麻酔時に、神経節遮断による血圧下降の目的で用いられる。


問124.次の薬物について、受容体で競合的拮抗関係にある組合せの正誤について、正しい組合せはどれか。
a.アポモルヒネ---------ナロキソン×
解:モルヒネ---------ナロキソン
b.イソプレナリン-------プラゾシン×
解:イソプレナリン-------プロプラノロール
c.ドパミン------------ハロペリドール
d.ヒスタミン-----------ラニチジン
e.ベタネコール---------アトロピン

問125.塩酸エフェドリンに関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.カテコール-O-メチルトランスフェラーゼで代謝され、不活性化される。×
解:カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)で代謝されないため、不活性化されない
b.昇圧作用においてタキフィラキシーを起こす。
c.経口投与では無効である。×
解:経口投与では有効である。
d.中枢抑制作用がある。×
解:中枢興奮作用がある。
e.散瞳作用がある。

問126.局所麻酔薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.触覚、温感、痛覚の順に感覚が失われる。×
解:痛覚温感触覚の順に感覚が失われる。
b.局所麻酔薬の作用を持続させる目的で、塩酸エピネフリンのような血管収縮薬が併用される。
c.塩酸プロカインは組織浸透性が低いので、表面麻酔には不適当である。
d.オキセサゼインは強酸性条件下でも有効であり、胃粘膜局所麻酔薬として用いられる。
e.血中に移行したリドカインは、血清及び肝のエステラーゼによって速やかに加水分解される。×
解:血中に移行したリドカインは、血清及び肝のエステラーゼによって加水分解されない


問127.筋弛緩薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.塩化ツボクラリンは、競合拮抗型筋弛緩薬であり、又、ヒスタミン遊離作用も有する。
b.塩化デカメトニウムの筋弛緩作用は、ネオスチグミンで拮抗される。×
解:塩化デカメトニウムの筋弛緩作用は、ネオスチグミンで増強される。
c.臭化パンクロニウムは、ステロイド骨格を持つ筋弛緩薬である。
d.ダントロレンナトリウムは、脱分極型筋弛緩薬である。×
解:ダントロレンナトリウムは、筋小胞体からのCa放出抑制により脱共役型筋弛緩薬である。
e.塩化スキサメトニウムは、中枢性筋弛緩薬である。×
解:塩化スキサメトニウムは、脱分極性筋弛緩薬である。


問128.全身麻酔薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.チオペンタールナトリウムの作用が短時間である理由は、代謝や排泄が速やかなためである。×
解:チオペンタールナトリウムの作用が短時間である理由は、急速に脂肪組織に分配されるためである。
b.亜酸化窒素は、酸素欠乏症を起こしやすい。
c.全身麻酔薬は、脊髄の麻酔に先だって、延髄を麻酔するものが望ましい。×
解:全身麻酔薬は、延髄の麻酔に先だって、脊髄を麻酔するものが望ましい。
d.ハロタンは、カテコールアミンに対する心臓の感受性を高め、不整脈を起こしやすい。
e.全身麻酔薬による発揚は、中枢神経の抑制系の抑制による見かけ上の興奮である。

問129.塩酸モルヒネに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.内臓痛の治療に長期にわたり一定用量を投与しても、意識の消失なしにμ受容体を介した鎮痛効果が期待できる。×
解:内臓痛の治療に長期にわたり一定用量を投与した場合、耐性が生じ意識の消失なしにμ受容体を介した鎮痛効果が期待できない
2.鎮痛効果は、主として上行性の脊髄-視床系知覚伝導路を抑制することによる。×
解:鎮痛効果は、として下行性抑制神経賦活することによる。
3.モルヒネのフェノール性水酸基がメチル化された化合物は、鎮咳作用が、アルコール性水酸基がアセチル化された化合物は、鎮痛作用が強い。
4.慢性中毒時にも耐性を示さない縮瞳作用は、中脳の第・脳神経(動眼神経)核の興奮によるもので、塩酸シクロペントラートの点眼では抑制されない。×
解:慢性中毒時にも耐性を示さない縮瞳作用は、中脳の第・脳神経(動眼神経)核の興奮によるもので、塩酸シクロペントラートの点眼では抑制される
5.止瀉作用は、セロトニンの遊離を介した平滑筋緊張を高める作用と、アセチルコリン遊離によるぜん動運動亢進(高進)作用による。×
解:止瀉作用は、セロトニンの遊離を介した腸管の緊張を高める作用と、アセチルコリン遊離抑制によるぜん動運動抑制作用による。


問130.次の文章で、精神・神経系疾患に適用される医薬品の作用に関する正しい記述はどれか。
1.塩酸トラゾドンは、セロトニン作動性神経への取込み担体機能を亢進(高進)して抗うつ作用を示すとともに、セロトニン受容体への作用も有している。×
解:塩酸トラゾドンは、セロトニン作動性神経への取込み担体機能を阻害して抗うつ作用を示すとともに、セロトニン受容体への作用も有している。
2.塩酸クロルプロマジンの抗精神病作用は主に大脳皮質及び辺縁系や間脳のドパミンD2受容体遮断を介する。
3.強直-間代性痙れん発作(大発作)や欠神発作(小発作)の予防薬バルプロ酸ナトリウムの作用は、興奮性伝達物質であるグルタミン酸の合成抑制に基づく。×
解:強直-間代性痙れん発作(大発作)や欠神発作(小発作)の予防薬バルプロ酸ナトリウムの作用は、抑制性伝達物質であるGABA(γ-アミノ酪酸)の代謝抑制に基づく。
4.熟眠障害治療薬トリアゾラムは、GABAA受容体に結合して神経細胞内Cl-濃度を上昇させて抑制性シナプス後電位を強める。×
解:熟眠障害治療薬トリアゾラムは、GABAA受容体のサブユニットに結合して、GABA作用を助長する
5.フェニトインは、強直-間代性痙れん発作にのみ有効であり、脳神経細胞へのNa+流入阻害による興奮伝達抑制を介して作用する。×
解:フェニトインは、強直-間代性痙れん発作、精神運動発作などに有効であり、脳神経細胞へのNa+、Ca2+流入阻害による興奮伝達抑制を介して作用する。


問131.次の抗不安薬の性質に関する記述について、正しいものの組合せはどれか。
a.ジアゼパムは、慢性アルコール中毒の離脱症状の予防薬あるいは改善薬として適用される。
b.ベンゾジアゼピン系化合物は、脊髄反射を抑制して筋弛緩作用を示すが、マウスでのペンチレンテトラゾール誘発痙れんに対する抑制作用はない。×
解:ベンゾジアゼピン系化合物は、脊髄反射を抑制して筋弛緩作用を示し、マウスでのペンチレンテトラゾール誘発痙れんに対する抑制作用もある
c.オキサゾラムは老人性神経症の治療のために経口投与されるが、運動失調をきたしやすく、また重症筋無力症や急性狭隅角緑内障には禁忌である。
d.催眠作用のあるチエノジアゼピン系化合物エチゾラムは、不安神経症に適用されるGABAA受容体遮断薬である。×
解:催眠作用のあるチエノジアゼピン系化合物エチゾラムは、不安神経症に適用される間接的なGABAA受容体 作用薬である。
e.ペンゾジアゼピン系化合物は安全係数の小さい薬物であり、全身麻酔薬と併用時の呼吸抑制に対しては、フルマゼニルが用いられる。×
解:ペンゾジアゼピン系化合物は安全係数の高い薬物であり、全身麻酔薬と併用時の呼吸抑制に対しては、フルマゼニルが用いられる。


問132.セロトニンに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.トリプトファンから生合成される。
b.末梢臓器では胃腸管の交感神経末端に多く存在する。×
解:末梢臓器では胃粘膜のクロム親和性細胞中に多く存在する。
c.中枢神経系では松果体に高濃度存在し、メラトニンの前駆物質となる。
d.幻覚誘発化合物LSDは強いセロトニン様作用を示す。×
解:幻覚誘発化合物LSDは強いセロトニン様作用を示す。


問133.オータコイドに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.エンドセリン-l は、血管平滑筋を収縮させる。
b.血小板はトロンビンをはじめ、種々の刺激によりセロトニンを遊離する。
c.セロトニン含有ニューロンの細胞体は、脳幹の縫線核にもある。
d.メチセルジドは、抗ブラジキニン作用をもつため、胃摘出手術後のダンピング症侯群の治療には用いられない。×
解:メチセルジドは、抗セロトニン作用をもつため、胃摘出手術後のダンピング症侯群の治療には用いられる


問134.抗アレルギー薬及び免疫抑制薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.テルフェナジンは、アレルギー反応で遊離されるヒスタミンの作用を抑制するが、眠気等の中枢性の副作用が強い。×
解:テルフェナジンは、アレルギー反応で遊離されるヒスタミンの作用を抑制するが、眠気等の中枢性の副作用が少ない
b.硫酸サルブタモールは、気管支平滑筋のアドレナリンβ2受容体に作用し、ぜん息患者の呼吸抵抗を減少させる。
c.クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞や好塩基球に作用し、化学伝達物質遊離を抑制する。
d.糖質コルチコイドは、抗体や補体が結合した抗原の肥満細胞による貧食を抑制する。×
解:糖質コルチコイドは、マクロファージによる貧食を抑制する。
e.シクロスポリンの臓器移植時の拒絶反応抑制作用は、ヘルパーT細胞からのインターロイキン-1(IL-1)の遊離抑制による。×
解:シクロスポリンの臓器移植時の拒絶反応抑制作用は、ヘルパーT細胞からのインターロイキン-2(IL-2)の遊離抑制による。


問135.循環器系に対するカルシウム拮抗薬の作用に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.塩酸ジルチアゼムは血管拡張作用が強いが、心筋収縮抑制作用はない。×
解:塩酸ジルチアゼムは血管拡張作用よりも心筋収縮抑制作用の方が強い
b.カルシウム拮抗薬は、冠血流量を低下させることが多いので狭心症には用いられない。×
解:カルシウム拮抗薬は、冠血管を拡張させ、心臓に対する酸素供給を増やすので狭心症には用いられる
c.塩酸プラゾシン存在下での血管の高カリウムイオンによる収縮は、カルシウム拮抗薬で完全に遮断される。
d.塩酸ベラパミルは心筋興奮抑制作用があり、抗不整脈薬としても用いられる。
e.ニフェジピンは心筋収縮抑制作用が強く、降圧薬としては用いられない。×
解:ニフェジピンは血管拡張作用が強く、降圧薬としては用いられる

問136.レニン及びアンギオテンシンに関する記述のうち、正しいものの組合せはど
れか。
a.レニン-アンギオテンシン系は腎のみで活性化される。×
解:レニン-アンギオテンシン系は肺で活性が高い
b.アンギオテンシン IIには,直接血管平滑筋を収縮させる作用はない。×
解:アンギオテンシン IIには,直接血管平滑筋を収縮させる作用がある
c.アンギオテンシンvは,副腎皮質でアルドステロンの合成・分泌を促進する。
d.カプトプリルは,アンギオテンシン I からアンギオテンシン II への変換を阻害する.
e.レニンは副腎髄質クロム新和性細胞から分泌される。×
解:レニンは腎臓の傍糸球体細胞から分泌される。


問137.麻酔したイヌの血圧測定実験に関する次の記述の正誤について,正しい組合せはどれか。
a.塩酸エピネフリンを静脈内注射すると、血圧は一過性の上昇ののち、正常値より低くなることがある。この血圧の低下は、エピネフリン代謝産物がアドレナリンβ1受容体に作用するためである。×
解:塩酸エピネフリンを静脈内注射すると、血圧は一過性の上昇ののち、正常値より低くなることがある。この血圧の低下は、エピネフリン代謝産物がアドレナリンβ2受容体に作用するためである。
b.塩酸フェノキシベンザミンを前もって静脈内注射したのち塩酸エピネフリンを静脈内注射すると、血圧は下降することがある。これはフェノキシベンザミンがアドレナリンα1受容体と不可逆的に結合したためである。
c.塩化アセチルコリンを静脈内注射すると、血圧は一過性に下降する。この現象は、アセチルコリンが血管平滑筋のムスカリンM1受容体を刺激したためである。×
解:塩化アセチルコリンを静脈内注射すると、血圧は一過性に下降する。この現象は、アセチルコリンが血管平滑筋のムスカリンM3受容体を刺激したためである。
d.硫酸アトロピンを静脈内注射したのち大量の塩化アセチルコリンを静脈内注射すると、血圧は上昇することがある。この反応は、アセチルコリンが自律神経節と副腎髄質のアセチルコリンNN受容体を刺激したためである。
e.塩酸イソプレナリンを静脈内注射すると血圧は一過性に上昇する。この作用は、イソプレナリンが心筋のアドレナリンβ1受容体を刺激したためである。×
解:塩酸イソプレナリンを静脈内注射すると血圧は一過性に低下する。この作用は、イソプレナリンが心筋のアドレナリンβ2受容体を刺激したためである。


問138.腎機能に影響する薬物に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.ヒドロクロロチアジドは、遠位尿細管で水の再吸収を促進する。×
解:ヒドロクロロチアジドは、遠位尿細管でNa+,Cl-の再吸収を抑制する。
b.アセタゾラミドは、炭酸脱水酵素を阻害するために、尿はアルカリ性となる。
c.フロセミドは、ヘンレのループ上行脚における水透過性を促進する。×
解:フロセミドは、ヘンレのループ上行脚におけるNa+,Cl-の再吸収抑制する。
d.スピロノラクトンは、高カリウム血症を起こしやすい。
e.テオフィリンの利尿作用は、カフェインより弱い。×
解:テオフィリンの利尿作用は、カフェインより強い


問139.呼吸器作用薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.コデインは、気道粘膜に作用して鎮咳作用を示す。×
解:コデインは、延髄の咳中枢に作用(抑制)して鎮咳作用を示す。
b.アドレナリン受容体作動薬の気管支拡張作用は、β2受容体を介する。
c.ブロムヘキシンは、中枢に作用して鎮咳作用を示す。×
解:ブロムヘキシンは、咳のムコ多糖繊維を切断し、その粘稠性を低下させる去痰薬である。
d.エフェドリンは、気管支平滑筋のα1受容体に作用して気管支を拡張させる。×
解:エフェドリンは、気管支平滑筋のβ2受容体に作用して気管支を拡張させる。
e.臭化イプラトロピウムは、吸入薬として用いられ、気管支拡張作用を示す。
問140.消化器系に作用する薬物に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.乾燥水酸化アルミニウムゲルは、胃酸を中和することにより、胃酸やペプシンの作用を抑制し、胃粘膜を保護する。
b.インドメタシンは、抗炎症作用を持ち、胃潰瘍時の冒粘膜損傷の治療に用いられる。×
解:インドメタシンは、抗炎症作用を持つが、胃潰瘍時の冒粘膜損傷の治療に用いられない
c.トコン(吐根)の主成分であるエモジンは、中枢性と末梢性の作用を有し、トコンシロップとして内服される。×
解:トコン(吐根)の主成分であるエメチンは、中枢性と末梢性の作用を有し、トコンシロップとして内服される。
d.放射線や抗がん薬による嘔吐は、塩酸クロルプロマジンにより抑制されるが、これは延髄嘔吐中枢のドパミンD2受容体刺激作用による。×
解:放射線や抗がん薬による嘔吐は、グラニセトロンにより抑制されるが、これは5-HT3受容体遮断作用による。


問141.次のホルモン又は薬物のうち、子宮収縮作用を有するものの組合せはどれか。
a.プロラクチン       b.オキシトシン
c.性腺刺激ホルモン     d.エルゴメトリン


問142.生殖器に作用する薬物に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.プロスタグランジンF2αは、子宮収縮作用を有し、分娩誘導に用いられる。
b.アドレナリンβ2受容体作動薬の塩酸リトドリンは、早産の防止に用いられている。
c.半合成卵胞ホルモンのエチニルエストラジオールと黄体ホルモンのノルエチノドレルの併用は、視床下部-下垂体ゴナドトロピン系を抑制して排卵を抑える。


問143.血液に作用する薬物に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.エリスロポエチンは、赤芽球系前駆細胞に働き、赤血球への分化・増殖を促進し、血中の赤血球数を増加させる。
b.G‐CSFは、顆粒球コロニー刺激因子であり、抗がん薬などによる好中球減少症の治療に用いられている。
c.血液凝固抑制薬として用いられているワルファリンカリウムは、ビタミンKの拮抗物質として作用し、フィブリノーゲン生成を抑制する。×
解:血液凝固抑制薬として用いられているワルファリンカリウムは、ビタミンKの拮抗物質として作用し、プロトロンビン合成を抑制する。
d.ウロキナーゼは、プラスミノーゲンを活性化し、生成するプラスミンの作用を介して、血液凝固を抑制する。×
解:ウロキナーゼは、プラスミノーゲンを活性化し、生成するプラスミンの作用を介して、血液溶解作用を持つ。
e.アスピリンは、血小板のシクロオキシゲナーゼを抑制することにより、プロスタグランジン合成を抑制し、血小板凝集を誘発する。×
解:アスピリンは、血小板のシクロオキシゲナーゼを抑制することにより、トロンボキサンA2合成を抑制し、血小板凝集を阻害する。


問144.眼科領域で用いられる薬物に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.臭化水素酸ホマトロピンは、瞳孔散大筋を収縮させ、瞳孔を散大させる。×
解:臭化水素酸ホマトロピンは、瞳孔括約筋弛緩させ、瞳孔を散大させる。
b.塩酸ピロカルピンは、緑内障の患者の眼圧を低下させるのに用いられる。これは、毛様体筋の緊張度を高めることにより眼房水の排出を良くすることによる。
c.塩酸フェニレフリンは、瞳孔散大筋を収縮させることから、散瞳薬として用いられている。
d.サリチル酸フィゾスチグミンは、コリンエステラーゼ阻害作用を示し、白内障患者における眼圧低下を目的に使用される。×
解:サリチル酸フィゾスチグミンは、コリンエステラーゼ阻害作用を示し、緑内障患者における眼圧低下を目的に使用される。
e.塩酸カルテオロールは、眼房水の排出を抑制する。×
解:塩酸カルテオロールは、眼房水の産生を抑制する。


問145.下の図は皮膚に作用する薬物の構造を示したものである。以下の記述のうち正しいものの組合せはどれか。
a.Aは天然の糖質コルチコイドであり、鉱質コルチコイド作用によるナトリウムイオンや水分の貯留作用は弱い。×
解:Aは天然の質コルチコイドであり、鉱質コルチコイド作用によるナトリウムイオンや水分の貯留作用は強い
b.Bは天然の鉱質コルチコイドであり、腎遠位尿細管に作用し、ナトリウムイオンの再吸収を促進し、カリウムイオン、水素イオンの尿中排泄を増加させる。×
解:Bは天然の質コルチコイドであり、強力な血統上昇作用、抗炎症作用、免疫反応抑制作用を示す
c.CはBに比べると、糖質コルチコイド作用が強く、鉱質コルチコイド作用は弱い。
d.DはCに比べると、糖質コルチコイド作用が弱く、鉱質コルチコイド作用が強い。×
解:DはCに比べると、糖質コルチコイド作用が強く、鉱質コルチコイド作用が弱い
e.EはCの親水性基を化学的に修飾するとともに、フッ素を導入することにより、糖質コルチコイド作用と脂溶性を高めたものであり、主に軟膏剤の成分として皮膚疾患に用いられている。


問146.ホルモン作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.トルブタミドは、インスリン分泌を促進する働きがあり、経口糖尿病治療薬として用いられる。
b.カルシトニンは、甲状腺から分泌されるホルモンで、骨吸収を抑制し、血清カルシウム値を下げる。
c.オキシメトロンには、男性化作用はない。×
解:オキシメトロンには、男性化作用は弱いながらある
d.グルカゴンは、ランゲルハンス島のβ細胞から分泌され、血糖降下作用を示す。×
解:グルカゴンは、ランゲルハンス島のα細胞から分泌され、血糖上昇作用を示す。


問147.次の感染症治療薬とその作用機序の関係について、正しいものの組合せはどれか。
a.ミコナゾール---------真菌細胞膜成分のエルゴステロール生合成を阻害
b.アシクロビル---------感染細胞中でリン酸化され、DNAポリメラーゼを阻害
c.塩酸ミノサイクリン----リポソーム50Sサブユニットに結合して、たん白質合成を阻害×
解:塩酸ミノサイクリン----リポソーム30Sサブユニットに結合して、たん白質合成を阻害
d.塩酸パンコマイシン----細胞壁のペプチドグリカン合成を阻害
e.エリスロマイシン-----リポソーム30Sサブユニットに結合して、たん白質合成を阻害×
解:エリスロマイシン-----リポソーム50Sサブユニットに結合して、たん白質合成を阻害


問148.悪性腫瘍に用いられる医薬品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.悪性リンパ腫に適用されるビンカアルカロイドであるエトポシドは、S期からG2期の細胞に作用する。×
解:悪性リンパ腫に適用されるビンカアルカロイドであるビンブラスチンは、細胞内たん白質のチュブリンと結合し細胞分裂を阻止する。
b.アロマターセ阻害薬であるファドロゾールは、閉経後のエストロゲン依存性乳がんの増殖を抑制する。
c.塩酸ドキソルビシンは、腫瘍細胞DNAの鋳型としての機能を障害するが、不整脈などの副作用もある。
d.急性骨髄性白血病に適用されるシタラビンオクホスファートは、シタラビンの代謝活性化体で、DNA合成阻害作用を示す。×
解:急性骨髄性白血病に適用されるシタラビンオクホスファートは、シタラビンのプロドラックで、DNA合成阻害作用を示す。


問149.薬物依存性及び耐性に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.フェノパルビタールナトリウムは、身体依存と精神依存を起こし、又、薬剤耐性も起こす。
b.塩酸モルヒネは、精神依存性と身体依存性のいずれも極めて強いが、耐性は出現しにくい。×
解:塩酸モルヒネは、精神依存性と身体依存性のいずれも極めて強く、耐性は出現する
c.塩酸コカインや塩酸メタンフェタミンは、精神依存性は強いが、身体依存性はほとんど起こさない。薬剤耐性は速やかに現れる。×
解:塩酸コカインや塩酸メタンフェタミンは、精神依存性は強いが、身体依存性はほとんど起こさないが、塩酸コカインは薬剤耐性を生じない
d.アルコールは、精神・身体依存性があり、耐性も現れる。
e.ニコチンは、精神依存性は弱いが、身体依存性は強い。耐性は現れにくい。×
解:ニコチンは、精神依存性は強いが、身体依存性は弱い。また著明に耐性は示す

 1(a、b)  2(a、d)  3(b、c)  4(c、e)  5(d、e)



問150.解毒薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.有機リン中毒の際に用いられる塩酸ピロカルビンは、副交感神経興奮様症状を抑制するために用いられる。×
解:有機リン中毒の際に用いられるプラリドキシム(PAM)は、副交感神経興奮様症状を抑制するために用いられる。
b.塩酸ナロキソンは、オピオイド受容体遮断作用を有し、モルヒネ急性中毒の際に治療薬として使用される。
c.アセチルシステインは、アセトアミノフェンの代謝により生成する毒性代謝物のグルクロン酸抱合を促進し、肝障害を抑制する。×
解:アセチルシステインは、アセトアミノフェンの代謝により生成する毒性代謝物のN-水酸化物抑制し、肝障害を抑制する。
d.ヒ素や水銀などの中毒の際にはジメルカプロール(BAL)を投与する。BALは金属とキレートを形成し、排泄を促進する。

問151.下図は、弱酸性薬物(pKa5)の非イオン形分率(A)及び腸管吸収速度定数(B)と腸管内pHの関係を示している。次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.pHの高い領域におけるBの結果から、この薬物はイオン形による吸収が起こっていると考えられる。
b.pH分配仮説から考えて、Bの結果は見かけ上、この薬物のpKa値が低下した挙動を示している。×
解:pHにより、pKa値は変化しない
c.Bの結果から、この薬物はpHに依存した担体輸送系により吸収される可能性がある。
d.pHの低い領域において、薬物濃度を100倍にしたとき、Bの結果に比較して腸管吸収速度定数が低下したので、この薬物の吸収はpH分配仮説のみで説明可能である。×
解:pHの低い領域において、薬物濃度を100倍にしたとき、Bの結果に比較して腸管吸収速度定数が低下したので、この薬物の吸収はpH分配仮説のみで説明できない


問152.薬物の血漿たん白結合に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.フェニトインの抗けいれん作用の強さは、血漿中の非結合形薬物濃度よりも、血漿たん白非結合率に依存する。×
解:フェニトインの抗けいれん作用の強さは、血漿中の非結合形薬物濃度に依存する。
b.肝疾患時には、血漿たん白結合率や分布容積が変化することがある。
c.血漿たん白結合率が高い薬物は、結合率が低い薬物と比較すると、組織結合率が同じ場合には、分布容積は大である。×
解:血漿たん白結合率が高い薬物は、結合率が低い薬物と比較すると、組織結合率が同じ場合には、分布容積はである。
d.肝臓において、血流律速で消失する薬物の場合、その血漿たん白結合を阻害する薬物を併用しても、血漿たん白非結合率の増加の割合ほどは肝クリアランスは増加しない。


問153.薬物の胆汁中排泄と腸肝循環に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.薬物の胆汁中排泄は、すぺて受動拡散による。×
解:薬物の胆汁中排泄は、受動拡散、能動輸送による。
b.薬物が胆汁中に排泄されるためには、血液中の薬物が肝実質細胞に取り込まれ、毛細胆管側膜(bilecanalicular membrane)を透過する必要がある。
c.胆汁中に排泄されるグルクロン酸抱合体は、腸内細菌叢のβ-グルクロニダーゼにより加水分解され、脱抱合体として腸管から吸収されることがある。
d.ゲンタマイシンやカナマイシンは、腸肝循環が顕著な薬物である。×
解:ゲンタマイシンやカナマイシンは、腸肝循環はほとんどしない。(小腸からの吸収が悪いため)


問154~155.第・欄の文章の[  ]に入れるべき語句を第・欄より選べ。
第・欄
 循環器疾患治療薬である塩酸ベラパミルは、肝固有クリアランス85 L/min、血漿たん白結合率90 %の薬物である。この薬物を5.0 mg/hrで点摘静注した場合、定常状態の平均血漿中濃度は[問154]を示す。また、うっ血性心不全合併のために肝血流量が2/3 に低下した場合、同じ平均血漿中濃度を維持するには、点摘静注速度を[問155]に変更する必要がある。ただし、健常人の肝血流量は1.5 L/minで、ベラパミルの全血中/血漿中濃度比は1である。
第・欄
問154.     1 0.65 ng/mL   2 6.5 ng/mL  3 65 ng/mL
    4 650 ng/m L   5 6.54 g/m L  6 654 g/m L



問155.     1 0.35 mg/hr  2 0.75 mg/hr  3 1.5 mg/hr
    4 3.5 mg/hr   5 5.0 mg/hr   6 7.5 mg/hr



問156.投与後の体内動態が線形モデルに従わない薬物に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.腎臓のみから未変化体で排泄される薬物について、腎尿細管における再吸収過程に飽和がある場合、投与量(D)を増加させると、Dに対する血中濃度時間曲線下面積(AUC)の割含(AUC/D)は増加する。×
解:腎臓のみから未変化体で排泄される薬物について、腎尿細管における再吸収過程に飽和がある場合、投与量(D)を増加させると、Dに対する血中濃度時間曲線下面積(AUC)の割含(AUC/D)は減少する。
b.組織結合率は投与量によらず一定で、血漿たん白結合に飽和がある薬物の投与量を増加させると、分布容積は増加する。
c.消失が肝代謝固有クリアランス律速である薬物について、生成された代謝物が薬物自身の代謝を阻害する場合、投与量を増加させると、血中消失半滅期は長くなる。
d.小腸上皮細胞膜透過過程で飽和現象のある薬物について経口投与量(D)を増加させると、AUC/Dは増加する。×
解:小腸上皮細胞膜透過過程で飽和現象のある薬物について経口投与量(D)を増加させると、AUC/Dは減少する。


問157.下の各図のAは、ある薬剤を単回経口投与した時の血中濃度時間曲線であり、この場合、薬物は100%吸収されるものとする。Bはその剤形を変えることで、この薬物の見かけの吸収速度定数が低下した時の血中濃度時間曲線である。ただし、この薬物の体内動態は1-コンパートメント線形モデルに従い、剤形を変えても消失速度定数は、変化しないものとする。また、A、Bいずれの場合も薬物の投与量は同一であり、吸収速度定数は、消失速度定数よりも大きいものとする。Bに関する正しい図はどれか。
解:5



問158.医薬品a~dが第・欄に示す性質を有しているとき、各医薬品の性質に照らして適切と思われる剤形の組合せを第・欄から選べ。
第・欄

性 質
消化管粘膜透過性
良好
不良
良好
不良
胃内安定性及び水溶液中安定性
不良
良好
良好
不良
肝初回通過効果
なし
著しい
著しい
なし

第・欄

1. フィルムコーティング錠剤 注射剤 坐剤 トローチ剤
2. 錠剤 坐剤 フィルムコーティング錠剤 錠剤注射剤
3. 腸溶性錠剤 注射剤 坐剤 固形注射剤(注)
4. 注射剤 錠剤 トローチ剤 坐剤
5. 腸溶性錠剤 坐剤 フィルムコーティング錠剤 固形注射剤(注)
(注)用時溶解して用いる注射剤



問159.抗腫瘍薬メトトレキサートの腎排泄過程は、糸球体ろ過、尿細管での分泌及び再吸収からなる。血漿たん白結合率は50%、再吸収率は25%、分泌クリアランスは137 mL/minである。プロベネシドとの併用により、メトトレキサートの分泌は40%低下することが知られている。プロベネシド併用時の腎クリアランスに最も近い値を選べ。なお、糸球体ろ過速度(GFR)は125 mL/minとする。

1.55 mL/min   2.63 mL/min   3.89 mL/min
4.109 mL/min   5.126 mL/min  6.150 mL/min



問160.バイオアベイラビリティに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.徐放性製剤において、薬物の種類及び含量が等しく、50%薬物溶出時間が同じであれば、生物学的同等性は必ず成立する。×
解:徐放性製剤において、薬物の種類及び含量が等しく、50%薬物溶出時間では、生物学的同等性は判断できない
b.相対的パイオアベイラビリティは、標準製剤経口投与後の血中濃度時間曲線下面積(AUC)に対する試験製剤経口投与後のAUCの比率から求められる。
c.既存の製剤の剤形、投与部位、製造方法等を変更する場合、生物学的同等性の試験を行う必要はない。×
解:既存の製剤の剤形、投与部位、製造方法等を変更する場合、生物学的同等性の試験を行う必要がある
d.生物学的同等性試験では標準製剤と試験製剤間の最高血中濃度(Cmax)及びAUCの比較が必要である。


問161.ある薬物の2つの光学異性体(+)体と(-)体をそれぞれヒトに100 mg静脈内投与、あるいは200 mg経口投与した後の血中濃度を測定し、表に示す結果を得た。ただし、この薬物は肝代謝のみで消失し、体内動態は線形性を示し、生体内で(+)体と(-)体の相互変換は起こらないものとする。肝血流速度を100 L/hrとして、体内動態の立体選択性に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

静脈内投与

(100 mg)

経口投与

(200 mg)
(+)体
(-)体
(+)体
(-)体
血中濃度時間曲線下面積(mg・hr/L)
10
2.0
9.0
1.0
投与直後の血中濃度(mg/L)
1.0
1.0
――
――

a.(+)体の分布容積は、(-)体の2倍である。×
解:(+)体の分布容積は、(-)体と同じである
b.(+)体の血中消失半減期は、(-)体の5倍である。
c.(+)体と(-)体のパイオアベイラビリティは、同じである。×
解:(+)体と(-)体のパイオアベイラビリティは、異なる
d.(-)体のパイオアベイラビリティは、25%である。
e.(+)体を経日投与後、門脈血液中には投写量の100%が移行する。×
解:(+)体を経日投与後、門脈血液中には投写量の100%が移行したかどうかわからない。


問162.肝臓における代謝のみで、体内から消失する薬物がある。この薬物の体内動態に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.この薬物の初回通過効果が大きいほど、肝クリアランスは肝血流量の減少に伴って低下しやすい。
b.経口投与後の消化管吸収が100%であれば、投与量を血中濃度時間曲線下面積(AUC)で除した値と、静脈内投与において投与量をAUCで除した値は、必ず等しい。×
解:経口投与後の消化管吸収が100%であっても、投与量を血中濃度時間曲線下面積(AUC)で除した値と、静脈内投与において投与量をAUCで除した値は、必ず等しいとは限らない(考慮:初回通過効果)
c.消化管粘膜を透過した割合をFa、肝抽出率をEhとすれば、この薬物のパイオアベイラビリティはFa・(1‐Eh)で表される。


問163.医薬品の消化管吸収に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.β-ラクタム系抗生物質のセファレキシン、シクラシリンの小腸からの吸収には、ジペプチド輸送系を介した能動輸送が関与している。
b.臭化プロパンテリンは、胃内容物排出速度(GER)を増加させ、塩酸メトクロプラミドは、GERを低下させる。×
解:臭化プロパンテリンは、胃内容物排出速度(GER)を低下させ、塩酸メトクロプラミドは、GERを増加させる。
c.ニューキノロン系抗菌薬の吸収性は、アルミニウムまたはマグネシウムを含有する制酸剤との併用で難溶性のキレートを形成し、低下する。
d.高コレステロール血症治療薬コレスチラミンは、胆汁酸と脂溶性薬物とのミセル形成を促進し、脂溶性薬物の吸収性を高める。×
解:高コレステロール血症治療薬コレスチラミンは、胆汁酸塩とコレスチラミンとの結合を促進し、脂溶性薬物の吸収性を抑制する

問164.薬物代謝に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.一つの薬物で、薬物代謝酵素に対して誘導作用と阻害作用の両方を示すものがある。
b.新生児の核黄疸治療の目的で、フェノバルビタールを投与することがある。これは代謝酵素誘導によりグルクロン酸抱合能を高めようとするものである。
c.ペニシリンとプロベネシドを併用すると、ペニシリンの血中消失半減期が延びる。これはプロベネシによりペニシリンの代謝が抑制されるからである。×
解:ペニシリンとプロベネシドを併用すると、ペニシリンの血中消失半減期が延びる。これはプロベネシによりペニシリンの尿細管分泌が抑制されるからである。
d.プリミドンは肝臓で代謝を受け、一部フェノバルビタールになる。


問165.フェニトインの血中濃度モニタリングに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.治療濃度域は、10~20μg/mLである。
b.全身クリアランスに大きな個人差が知られており、さらに同一患者でも定常状態到達時間は、投与量に依存して変化する。
c.血中濃度を測走した結果、目標治療濃度の1/2であったとき、投与量を2倍にすることは必ずしも正しくない。
d.フェニトインのKm(Michaelis定数)とVmax(最大消失速度)をそれぞれ4.0μg/mL、420 mg/dayとすれば、300 mg/day投与で、て定常状態の血中濃度とし15μg/mLが得られる。×
解:フェニトインのKm(Michaelis定数)とVmax(最大消失速度)をそれぞれ4.0μg/mL、420 mg/dayとすれば、300 mg/day投与で、て定常状態の血中濃度とし10μg/mLが得られる。


問166.アスピリンの加水分解は水溶液の場合、擬一次速度過程に従うことが知られている。いま、微細にしたアスピリン結晶を水に懸濁し、一定温度に加温し、残存するアスピリンの全量を測定したところ、次の図のような結果が得られた。
この結果から下記の記述について、正しいものの組合せはどれか。

a.A点まで直線となるのは、固体のアスピリンが溶解する速度と、溶解しているアスピリンが析出する速度が等しいからである。×
解:A点まで直線となるのは、固体のアスピリンが溶解する速度のほうが、溶解しているアスピリンが析出する速度より大きいからである。
b.A点でアスピリンの固体は液中から消失した。
c.A点までは、固体のアスピリンの加水分解の方が、溶解しているアスピリンの加水分解より速いため、見かけ上ゼロ次速度過程に従うような結果となる。×
解:A点までは、固体のアスピリンが溶解する速度のほうが、溶解しているアスピリンが析出する速度より大きいため、見かけ上ゼロ次速度過程に従うような結果となる。
d.A点から固体のアスピリンも、溶解しているアスピリンも、擬一次速度過程に従って加水分解しはじめた。×
解:A点から固体のアスピリンがないため、溶解しているアスピリンが、擬一次速度過程に従って加水分解しはじめた。
e.A点まで直線となるのは、溶解しているアスピリンが加水分解して消失する分、固体のアスピリンが溶解して飽和濃度を保つからである。


問167.真密度1.50 g/cm3の粉体2.00 gを圧縮して空隙率0.100 の粉体層を得た。得られた粉体層のみかけの密度は何g/cm3か。最も近い値を選べ。

 1.1.50  2.1.45  3.1.40
 4.1.35  5.1.30  6.1.25


 
問168.ぬれに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.ぬれは、固体-気体界面を固体-液体界面におきかえる現象として取扱うことができる。
b.浸漬ぬれは、液体が固体表面を毛細管現象でぬらす場合にあてはまる。
c.付着ぬれの現象は、接触角(θ)が0。の時にのみ生ずる。×
解:拡張ぬれの現象は、接触角(θ)が0。の時にのみ生ずる。
d.浸漬ぬれに伴う仕事は、γLcosθで表される。ただし、γLは液体の表面張力である。


問169.次の表は薬物の溶解速度に影響する要因、その効果及びそれらによって溶解速度が改善された代表的な薬物名を示したものである。正しい組合せはどれか。

要 因 効 果 薬 物 名
a. 粒子径 小さくするほど溶解速度が大となる グリセオフルビン
b. 結晶多形 安定形ほど溶解速度が大となる リボフラビン×
c. 無晶形 無晶形は、結晶形に比較し溶解速度が大となる インスリン亜鉛
d. 溶媒和 水和物は無水物より溶解速度が大となる ニトログリセリン×


問170.懸濁剤・乳剤に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.自由降性の粒子は、ケーキングしやすく、容易に再分散しない。
b.懸濁剤の安定性は、粒子径を小さくしたり、アラビアゴム、タルクなどの懸濁化剤を添加することで向上する。×
解:懸濁剤の安定性は、粒子径を小さくしたり、アラビアゴム、懸濁化剤を添加することで向上する。(タルク:滑沢剤)
c.転相温度(PIT)より高い温度で粗乳化を行い。その後温度をPIT以下に下げると、転相の際に微細化が行われ、安定な乳剤を調整することができる。
d.HLB(hydrophile-lipophile bakance) 値の大きい乳化剤はw/o型乳剤を安定させる。×
解:HLB(hydrophile-lipophile bakance) 値の大きい乳化剤はo/w型乳剤を安定させる。


問171.次の図は物質のせん断速度とせん断応力の関係を示したものである。それぞれのレオグラムを示す物質として、正しい組合せはどれか。

( a ) ( b ) ( c )
1. でんぷんの60%水性懸濁液 チンク油 メチルセルロースの1.0%水溶液
2. チンク油 でんぷんの60%水性懸濁液 メチルセルロースの1.0%水溶液
3. チンク油 メチルセルロースの1.0%水溶液 でんぷんの60%水性懸濁液
4. メチルセルロースの1.0%水溶液 チンク油 でんぷんの60%水性懸濁液
5. でんぷんの60%の水性懸濁液 メチルセルロースの1.0%水溶液 チンク油
6. メチルセルロースの1.0%水溶液 でんぷんの60%水性懸濁液 チンク油


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問172.プロドラッグに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.カルベニシリンナトリウムをカリンダシリンナトリウムとすることにより、消化管吸収性が改善される。
b.フルオロウラシルをテガフールとすることにより、抗がん作用が持続化される。
c.ベタメタゾンを吉草酸ベタメタゾンとすることにより、経皮吸収性が増大する。
d.インドメタシンをアセメタシンとすることにより、胃内における安定性が増加する。×
解:インドメタシンをアセメタシンとすることにより、胃腸障害が軽減される


問173.日本薬局方通則に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.医薬品の試験に用いる水は「常水」とする。×
解:医薬品の試験に用いる水は「精製水」とする。
b.容器とは、医薬品を入れるもので、栓、ふたなども容器の一部である。
c.日本薬局方の医薬品は、その医薬品名の前後に(  )を付けて示す。×
解:日本薬局方の医薬品は、その医薬品名の前後に「  」を付けて示す。
d.医薬品の試験の操作において、「直ちに」とあるのは、通例、前の操作の終了から30秒以内に次の操作を開始することを意味する。
e.医薬品の試験は、別に規定するもののほか室温で行い、操作直後に観察するものとする。×
解:医薬品の試験は、別に規定するもののほか常温で行い、操作直後に観察するものとする。


問174.粉体の造粒に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.攪拌造粒とは、粉体を容器に入れ攪拌しながら液体の結合剤を添加して粒子を凝集させ、これを乾燥させる繰作で、球形に近い粒子が得られる。
b.転動層造粒とは、粉体を入れた容器に下から熱風を送り粉体が空中にやや浮いた状態で結合剤を吹き付け、粒子を凝集乾燥させる操作で、比較的かさ高い造粒物が得られる。×
解:流動層造粒とは、粉体を入れた容器に下から熱風を送り粉体が空中にやや浮いた状態で結合剤を吹き付け、粒子を凝集乾燥させる操作で、比較的かさ高い造粒物が得られる。
c.噴霧乾燥造粒とは、溶液あるいは懸濁液をスプレーなどで微粒化して熱風中で乾燥させる操作で、比較的小さな粒子が得られる。
d.押出し造粒とは、粉体の湿塊を小孔から円柱状に押し出したのち乾燥させる操作で、比較的密度の高い粒子が得られる。


問175.製剤のコーティングに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.結晶セルロースは錠剤のフィルムコーティング剤として繁用されている。×
解:結晶セルロースは錠剤の賦形剤として繁用されている。
b.吸湿性の錠剤のシュガーコーティングでは、はじめに防水膜を被覆してから糖衣層を形成させる。
c.ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートは胃内で溶解しやすい被膜剤として使用される。×
解:ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートは腸内で溶解しやすい被膜剤として使用される。
d.フィルムコーティングには、水系と非水系の二種類のコーティングの方法がある。


問176.軟膏基剤に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.油脂性基剤は皮膚面の被覆保護作用及び軟化作用があり、湿潤皮膚、乾燥皮膚のいずれにも適用できる。
b.乳剤性基剤又は水を含む軟膏基剤は、カビ類が発生しやすいので、保存剤としてパラオキシ安息香酸エステル類を添加できる。
c.水溶性基剤としてマクロゴール軟膏があり、これは吸水性に富むので分泌物を吸収除去できる。
d.w/o型乳剤性基剤には親水軟膏があり、皮膚に塗布すると水分が蒸発し、o/w型に転相する。×
解:o/w型乳剤性基剤には親水軟膏があり、皮膚に塗布すると水分が蒸発し、w/o型に転相する。


問177.涙液と等張な1.0 w/v%塩酸コカイン点眼薬を、100 mL調製するのに必要なホウ酸の量(g)に最も近い値は次のどれか。ただし、塩酸コカイン及びホウ酸の食塩当量は、それぞれ、0.16 g、0.50 gである。

 1.0.37  2.0.74  3.1.16
 4.1.32  5.1.48  6.1.68


 
問178.医薬品の貯法に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.インドメタシンカプセルは密閉容器に保存する。×
解:インドメタシンカプセルは気密容器に保存する。
b.インスリン注射液は密封容器に入れ、凍結を避け、冷所に保存する。
c.苦味チンキは気密容器に入れ、火気を避けて保存する。
d.単シロップは密閉容器に保存する。×
解:単シロップは気密容器に保存する。


問179.日本薬局方一般試験法に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.製剤の崩壊性及び溶出性とバイオアベイラビリティとの間には、常に関連性があるので、崩壊試験法及び溶出試験法は製剤の生物学的同等性を調べる目的で行われる。×
解:製剤の崩壊性及び溶出性とバイオアベイラビリティとの間には、常に関連性があるとはいえない
b.重量偏差試験法及び含量均一性試験法は、製剤の含量の均一性を個々の製剤を用いて行う試験法であるが、個々の製剤について試験を行うのが難しい場合は、複数個の製剤を用いて試験を行っても良い。×
解:複数個の製剤を用いて試験を行っては意味がない。
c.輸液用ゴム栓試験法では、輸液として用いる注射剤に使用する内容100 mL以上の容器に用いるゴム栓を試験する。


問180.日本薬局方一般試験法に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.アルコール数は、蒸留法あるいはガスクロマトグラフ法により測定する。
b.浸透圧測走法では、通例、沸点上昇度を測定する漫透圧計を用いる。×
解:浸透圧測走法では、通例、氷点を測定する漫透圧計を用いる。
c.鉱油試験法は、注射剤及び点眼剤に用いる非水性溶剤中の鉱油を試験する方法である。
d.液体の粘度は、毛細管粘度計法、落球粘度計法あるいは回転粘度計法により測定する。×
解:液体の粘度は、毛細管粘度計法あるいは回転粘度計法により測定する。