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衛生薬学

問61.人口動態に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.平均寿命の長い国における粗死亡率は、平均寿命の短い国における粗死亡率より常に低い。×
解:平均寿命の長い国における粗死亡率は、平均寿命の短い国における粗死亡率より常に低いとは限らない
b.平均余命は、現在の死亡率が続くと仮定した場合に、各年齢毎に平均してあと何年生きられるかを示す。
c.わが国における乳幼児や青少年期の死亡率の低下は、平均寿命の伸びをもたらした。
d.0歳平均余命と平均寿命は、必ずしも一致しない。×
解:0歳平均余命と平均寿命は、必ずしも一致する


問62.近年のわが国の生活習慣病(成人病)の死亡率に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.死因別死亡率は、男女とも悪性新生物が1位である。
b.気管、気管支及び肺の悪性新生物による死亡は、男性では増加傾向にある。
c.心疾患による死亡のうち虚血性心疾患は、わが国ではほとんど認められない。×
解:心疾患による死亡のうち虚血性心疾患は、わが国では約50%である。
d.脳血管疾患では、脳内出血による死亡の増加が著しい。×
解:脳血管疾患では、脳梗塞、くも膜下出血による死亡の増加が著しい。


問63.感染症に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.日和見感染とは、宿主の免疫機能が低下したときに、通常は感染が起こりにくい微生物の感染を受けることをいう。
b.AIDSは、レトロウイルス感染症の一つである。
c.赤痢菌の感染経路の一つとして、ハエによる伝播がある。
d.狂大病ウイルスはヒトに感染しない。×
解:狂大病ウイルスはヒトに感染する


問64.コホート研究(要因・対照研究)と症例・対照研究に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.症例・対照研究の方が、経費と労力が少ない。
b.コホート研究の方が、発生頻度の低い疾病に適している。×
解:症例・対照研究の方が、発生頻度の低い疾病に適している。
c.症例・対照研究の方が、ばく露頻度の低い要因の解明に適している。
d.コホート研究の方が、調査期間が短い。×
解:コホート研究の方が、調査期間が長い


問65.現在わが国で行われている予防接種に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.3種混合ワクチンとは、ジフテリア、百日咳、ポリオ混合ワクチンのことである。×
解:3種混合ワクチンとは、ジフテリア、百日咳、破傷風混合ワクチンのことである。
b.インフルエンザワクチンは、弱毒株ウイルスを用いた生ワクチンである。×
解:インフルエンザワクチンは、不活性化ワクチンである。
c.義務接種として行われてきた予防接種は、勧奨接種に改められている。
d.結核予防のため、生ワクチンのBCGが用いられている。


問66.母子保健に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.フェニルケトン尿症は、新生児マススクリーニングの対象疾患である。
b.B型肝炎母子感染防止事業として、キャリアーの母親から出生した子に対し、抗ウイルス薬入りのミルクが支給される。×
解:B型肝炎母子感染防止事業として、キャリアーの母親から出生した子に対し、抗HBs人免疫グロブリンやB型肝炎ワクチンを投与する。
c.新生児マススクリーニングを行う主な目的は、早期治療することにより血友病を防ぐことにある。×
解:新生児マススクリーニングを行う主な目的は、早期治療することにより先天性疾患を防ぐことにある。
d.新生児マススクリーニング対象疾患の患者の治療は、公費で行われる。


問67.垂直感染することが知られている感染症として、正しいものの組合せはどれか。
a.風疹       b.AIDS    c.梅毒
d.ジフテリア×    e.マラリア×


問68.物理的環境因子の生体影響に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.高地に住む人々は、低地に住む人々より赤血球数が多い。
b.高温環境では、熱産生と熱放散が共に増加する。×
解:高温環境では、熱産生は減少し、熱放散は増加する。
c.潜水病は、高圧からの急速な減圧によって起こる。
d.骨に重力がかからない状態が続くと、骨密度が上がる。×
解:骨に重力がかからない状態が続くと、骨密度が減少する


問69.カルシウムに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.カルシウムの腸管における吸収率は、食品の種類によって異なる。
b.カルシウムを多く含む食品を多量に摂取しても、血液中のカルシウム濃度はほとんど変動しない。
c.活性型ビタミンDはカルシウムの腸管吸収を抑制する。×
解:活性型ビタミンDはカルシウムの腸管吸収を促進する。
d.カルシウムの所要量は鉄の所要量より多い。


問70.たん白質消化酵素に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.ぺプシン、トリプシン、キモトリプシンは、いずれもそれらの前駆体が分泌され、活性体に変わる。
b.ペプシン、トリプシン、キモトリプシンは、いずれもエキソペプチダーゼの一種である。×
解:ペプシン、トリプシン、キモトリプシンは、いずれもエンドペプチダーゼの一種である。
c.ペプシンの至適pHは弱アルカリ性領域にあり、トリプシン、キモトリプシンの至適pHは酸性領域にある。×
解:ペプシンの至適pHは酸性領域にあり、トリプシン、キモトリプシンの至適pHは中性~弱アルカリ性領域にある。


問71.ビタミンに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.ビタミンB12は新鮮な緑黄色野菜に多く含まれる。×
解:ビタミンB12は肉類に多く含まれる。
b.ビタミンB1の欠乏症の一つとして中枢神経障害が知られている。
c.β-カロテン(β-カロチン)はヒトの体内でビタミンKに変換される。×
解:β-カロテン(β-カロチン)はヒトの体内でビタミンAに変換される。
d.ビタミンCには抗酸化作用がある。


問72.エネルギー所要量に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.基礎代謝量とは、生命を維持するために必要な最小限のエネルギー所要量をいう
b.基礎代謝量は、同性、同年齢の場合、体表面積に比例する。
c.特異動的作用とは、激しい運動をすることによって代謝が亢進(高進)することをいう。×
解:特異動的作用とは、食事を摂ることによって代謝が亢進(高進)することをいう。
d.生活活動度が中等度の人では、活動代謝量は基礎代謝より多い。×
解:生活活動度が中等度の人では、活動代謝量は基礎代謝より小さくなる


問73.食物繊維に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がある。
b.食物繊維は、ヒトの消化酵素で消化される。×
解:食物繊維は、ヒトの消化酵素で消化されない
c.食物繊維の一部は大腸に存在する腸内細菌によって分解される。
d.食物繊維の一種であるリグニンは多糖である。×
解:食物繊維の一種であるリグニンは多糖ではない


問74.油脂の変質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.ヨウ素価は、油脂中の不飽和脂肪酸の含有量を示す値であり、変質により増加する。×
解:ヨウ素価は、油脂中の構成脂肪酸の不飽和度を示す値であり、変質により減少する。
b.酸価は、遊離脂肪酸量を示す値であり、変質により増加する。
c.過酸化物価は、ヒドロペルオキシドなどの過酸化物量を示す値で、変質により増加し、その後、減少する。
d.カルボニル価は、不飽和脂肪酸に含まれるカルボニル基の量を示す値で、変質により滅少する。×
解:カルボニル価は、過酸化物の分解により生成するカルボニル化合物の量を示す値で、変質により増加する。


問75.下痢を起こす大腸菌に関する次の記述について、[   ]の中に入れるぺき字句の正しいものの組合せはどれか。
 腸管出血性大腸菌の感染症は[ a ]に指定されており、その病原因子であるベロ毒素は[ b ]の産生する毒素に類似している。

    a      b
 1 法定伝染病   赤痢菌 
 2 指定伝染病   コレラ菌  
 3 届出伝染病   チフス菌 
 4 法定伝染病   チフス菌  
 5 指定伝染病   赤痢菌  
 6 届出伝染病   コレラ菌
 



問76.食品衛生法に基づいて食中毒菌として扱われている細菌の正しいものの組合せはどれか。
a.Vibriro parahaemolyticus      b.Campylobacter jejuni
c.Clostridium tetani          d.Shigella dysenteriae
e.Staphylococcus aureus


問77.自然毒に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.ハシリドコロの根茎による中毒は、ヒヨスチアミンやスコポラミンなどのアルカロイドのためである。
b.フグ毒のテトロドトキシンはステロイド骨格を有する毒物で、消化酵素によって分解されない。×
解:フグ毒のテトロドトキシンはステロイド骨格をもたない毒物で、消化酵素によって分解されない。
c.未熟な梅の実に含まれるアミグダリンを加水分解すると、シアン化水素が生成する。
d.ソテツの実に含まれるサイカシンはトリプシンで分解されて、発がん性が消失する。×
解:ソテツの実に含まれるサイカシンはβ-グルコシダーゼで分解されて、発がん性を示す


問78.飲食物の放射能汚染の測定にあたって、留意すぺき点に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.α線は、同一エネルギーのβ線やγ線より飛程が大きいので、相対的に離れた位置からの検出が可能である。×
解:α線は、同一エネルギーのβ線やγ線より飛程が短いので、相対的に離れた位置からの検出ができない
b.ある放射性核種の半減期を7日とすると、21日後の放射能は最初の1/6である。×
解:ある放射性核種の半減期を7日とすると、21日後の放射能は最初の1/8である。
c.100カウントの放射能計数値の標準偏差は10カウントである。
d.γ線スペクトロメーターによって、γ線放出核種の放射能とエネルギーの測定が可能である。


問79.残留農薬に関する次の記述について、[  ]の中に入れるぺき語句の正しいものの組合せはどれか。
 農薬の残留基準は、対象となる食品の[ a ]もとに計算して得られる農薬摂取量の総和が、[ b ]を超えないように設定されている。

    a    b
 1 生産量   無作用量 
 2 生産量   1日許容摂取量  
 3 消費量   実質安全量 
 4 消費量   無作用量  
 5 摂取量   1日許容摂取量 
 6 摂取量   実質安全量 



問80.食品添加物に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.エリソルビン酸ナトリウムは炭素6個からなる不飽和脂肪酸の一種で、保存料として用いられる。×
解:ソルビン酸は炭素6個からなる不飽和脂肪酸の一種で、保存料として用いられる。(エリソルビン酸:保存料)
b.チアベンダゾールはチアゾール環を持つ化合物で、かんきつ類の防かび剤として用いられる。
c.アスパルテームはジペプチド構造を持ち、甘味料として用いられる。


問81.生態系と化学物質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.有機塩素化合物は、一般に生態系で分解されやすい。×
解:有機塩素化合物は、一般に生態系で分解されにくい
b.陰イオン界面活性剤で分岐炭化水素鎖を持つものは、直鎖炭化水素を持つものに比べて、一般に生態系で分解されにくい。
c.フロン類のうち、CCl2F2のような水素原子を含まないものは、CHClF2のような水素原子を含むものに比べて対流圏で分解されにくい。


問82.物質の環境内動態に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.水生生物における生物濃縮の経路には、直接濃縮と食物連鎖による間接濃縮の二つがある。
b.有機塩素化合物の魚体における濃縮係数は、一般にn-オクタノール/水間の分配係数と逆の相関を示す。×
解:有機塩素化合物の魚体における濃縮係数は、一般にn-オクタノール/水間の分配係数との相関を示す。
c.生態系における栄養物質の流れは、一般に生産者→消費者→分解者の順に進行する。


問83.飲料水の浄水処理における緩速ろ過法に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.硫酸アルミニウム等の凝集剤を用いた薬品沈殿と組合せて使われることが多い。×
解:硫酸アルミニウム等の凝集剤を用いた薬品沈殿と組合せて使われることが多い。(→急速ろ過法)
b.砂層の表面に生物ろ過膜ができ、これによって有機物の酸化、分解、吸着が行われる。
c.大都市の浄水場ではもっぱら本法が用いられる。×
解:大都市の浄水場ではもっぱら本法が用いられる。(→急速ろ過法&薬品沈殿)


問84.上水の水質試験に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.水温、残留塩素、及びアンモニア性窒素の測定は、試料採取現場で直ちに実施しなければならない。×
解:水温、残留塩素の測定は、試料採取現場で直ちに実施しなければならない。
b.試料中に有機物が含まれると、過マンガン酸カリウム消費量が増大する。
c.残留塩素には、遊離残留塩素と結合残留塩素がある。
d.硬度は、水中のCa2+及びMg2+量をそれぞれCaCO3及びMgCO3量(mg/L)で表わしたものの和である。×
解:硬度は、水中のCa2+及びMg2+量をCaCO3(mg/L)で表わしたものの和である。


問85.10 mg/Lのブドウ糖(C6H1206 分子量180)溶液を試料として酸性高温過マンガン酸法でCODを測定したところ、6.5 mg/Lの値を得た。この測定では理論的に求められる酸素消費量の何%が消費されたことになるか。最も近い値を選ベ。

 1.40  2.50  3.60  4.70  5.80



問86.下図は、活性汚泥法を採用している下水処理施設における工程の概略を示したものである。番号を付した工程の中で、嫌気性細菌による有機物の分解が行われるのはどれか。
解:5



問87.室内空気中の化学物質とその主要な発生源との関係の正誤について、正しい組合せはどれか。
  化単物質          発生叛
a.クロロホルム        水道水
b.NOx            開放型の燃焼器具
c.トリクロロエチレン     建材×
解:ホルムアルデヒド     建材


問88.大気汚染発生の重要な因子である逆転層の成因に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.日没後、風速15 m/sec の強い北風が吹いて気温が急速に低下した。×
b.よく晴れた日の午後、大都市の郊外で気温が30℃に上昇した。×
c.日没後、快晴となり、ほとんど無風状態となった。
d.山に囲まれた盆地に冷たい空気がゆっくり流れ込み、その後、ほとんど無風状態となった。


問89.光化学オキシダントに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.光化学オキシダントは、中性ヨウ化カりウム溶液を酸化してヨウ素を遊離させる。
b.光化学オキシダントは、硫黄酸化物と炭化水素から太陽光の作用により生成する。×
解:光化学オキシダントは、窒素酸化物と炭化水素から太陽光の作用により生成する。
c.オゾンとオレフィン類との反応により、ペルオキシルラジカルが生成する。
d.PAN(peroxycetlyl nitrate)は光化学オキシダントの一種である。


問90.わが国で起こった公害及び中毒事例とその主要原因物質との関係の正誤について、正しい組合せはどれか。
  公害及び中毒事例     主要原困物質
a.水俣病           有機水銀
b.四日市ぜん息        窒素酸化物×
解:四日市ぜん息        硫黄酸化物
c.イタイイタイ病       有機スズ×
解:イタイイタイ病       カドミウム
d.カネミ油症         PCB


問91.紫外線に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.フロンは対流圏で紫外線により分解され、フッ素ラジカルを発生する。×
解:フロンは成層圏で紫外線により分解され、塩素ラジカルを発生する。
b.成層圏では紫外線により、酸素からオゾンが生成する。
c.地表にとどく紫外線では、波長が短い方が生物に有害である。
d.メタンが温室効果ガスとされるのは、紫外線を吸収するためである。×
解:メタンが温室効果ガスとされるのは、紫外線を吸収するためである。


問92.次のフローチャートは、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」による化学物質の規制体系を示したものである。[   ]の中に入れるぺき字句の正しい組合せはどれか。

    a           b           c
1.第一種特定化学物質   第二種特定化学物質   指定化学物質
2.第一種特定化学物質   指定化学物質      第二種特定化学物質
3.指定化学物質      第一種特走化学物質   第二種特定化学物質
4.指定化学物質      第二種特定化学物質   第一種特走化学物質
5.第二種特定化学物質   指定化学物質      第一種特定化学物質
6.第二種特定化学物質   第一種特定化学物質   指定化学物質



問93.次の有害物質とそれに起因する特徴的な疾患・障害との関係のうち、正しいものの組合せはどれか。
  有客物質            疾患・障害
a.6価クロム            δ-アミノレブリン酸脱水酵素阻害×
解:6価クロム            鼻中隔穿孔
b.塩化ビニルモノマー        肝血管肉腫
c.アスベスト            鼻中隔穿孔×
解:アスベスト            肺気腫・肺機能障害
d.ベンゼン             造血機能障害


問94.ダイオキシン(2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン、TCDD)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.一般廃棄物焼却炉から発生する。
b.発がん性がある。
c.代謝を受けて容易に体外に排泄される。×
解:代謝を受けて容易に体外に排泄されにくい
d.除草剤2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸と反応して、分解される。×


問95.金属類の健康影響に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.セレンには、欠乏症と過剰症がある。
b.メチル水銀は、中枢神経系疾患を起こす。
c.慢性カドミウム中毒として、腎障害が起こる。
d.無機鉛は、ポルフィリン代謝を阻害する。


問96.ヒ素に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.ヒ素は、元素の周期表におけるリンの同族体である。
b.無機ヒ素の急性毒性は、3価より5価の方が強い。×
解:無機ヒ素の急性毒性は、5価より3価の方が強い。
c.メチル化は、無機ヒ素の体内での主要な代謝経路の一つである。
d.ヒ素化合物が多く含まれている食品として、ヒジキがあげられる。


問97.シトクロムP450に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.シトクロムP450は、CYP3A4やCYP2D6などの多くの分子種からなる。
b.グルタチオン抱合酵素は、シトクロムP450の分子種の一つである。×
解:グルタチオン抱合酵素は、グルタチオン転移酵素である。
c.シトクロムP450による酸化で生成した代謝物は、もとの化合物より極性が低い。×
解:シトクロムP450による酸化で生成した代謝物は、もとの化合物より極性が高い
d.シトクロムP450による薬物代謝の遺伝的多型において、表現型と遺伝子型は必ず一致する。×
解:シトクロムP450による薬物代謝の遺伝的多型において、表現型と遺伝子型は必ずしも一致しない


問98.ほ乳類の腸内細菌による主な薬物代謝反応に関する次の語句のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.酸化    b.還元    c.加水分解    d.抱合

 1(a、b)  2(a、c)  3(a、d)
 4(b、c)  5(b、d)  6(c、d)



問99.化学物質の代謝的活性化に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.アセトアミノフェンの肝毒性は、肝内のグルタチオン濃度が高いときに強く現れる。×
解:アセトアミノフェンの肝毒性は、肝内のグルタチオン濃度が低いときに強く現れる。
b.変異原性ヘテロサイクリックアミンのN-水酸化反応は、代謝的活性化の反応とみなされる。
c.エポキシドヒドロラーゼは、ベンゾ[α]ピレンの代謝的活性化に関与する。
d.硫酸抱合酵素などの第・相酵素は、がん原物質の代謝的活性化にも関与する。


問100.シアンに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.シアノ錯体であるヘキサシアノ鉄(・)酸カリウム(K3[Fe(CN)6])は、シアンの金属塩であるシアン化カリウムに比べて毒性が低い。
b.シアン化物イオンは、Fe3+よりFe2+に親和性が高い。×
解:シアン化物イオンは、Fe2+よりFe3+に親和性が高い。
c.シアン化合物の毒性は、内呼吸の阻害によって発現する。
d.生体試料中のシアンを分析する場合は、試料を酸性で保存する。×
解:生体試料中のシアンを分析する場合は、試料を強アルカリ性で保存する。