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医療薬学Ⅱ

問181
クレアチニン・クリアランスに関する記述の正誤について、正しい組合わせはどれか。
 a クレアチニンは、腎臓で生合成され、血液中に放出されるので、血清クレアチニン濃度は腎機能の指標として用いられる。×
解:クレアチニンは、筋肉で生合成される。
 b クレアチニンは血清たん白質にほとんど結合しない。
 c クレアチニン・クリアランスは、糸球体ろ過速度にほぼ相当する。
 d 血清クレアチニン濃度が定常状態にある時、Cockcroft-Gaultの式を用いると、血清クレアチニン濃度からクレアチニン・クリアランスのおおよその値が推定できる。


問182
肝不全時に、血中に増加する生体成分の正しいものの組合せはどれか。
 a フィブリノーゲン×   b アンモニア   c 総ビリルビン
 d コリンエステラーゼ×  e アルブミン×


問183
免疫検査のうち、全身性エリテマトーデス(SLE)で高率に陽性を示す正しいものの組合せはどれか。
 a 抗アセチルコリン受容体抗体×  b 特異的IgE抗体×
 c 抗二本鎖DNA抗体       d LE細胞
 e 抗ヒストン抗体


問184
高齢者の生理的変化と薬物動態に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 一般に高齢者では、加齢に伴う糸球体ろ過値の低下及び腎血流量の低下が起こる。
 b 総水分量と細胞外液量は、加齢によってほとんど変化しないので体液量の薬物血中濃度への影響は少ない。×
解:総水分量と細胞外液量は、加齢によって減少するので体液量の薬物血中濃度への影響はある
 c 一般に高齢者では、薬物の肝クリアランスが低下するが、その変化には個体間に大きな差が認められる。
 d 血清アルブミン値は、加齢によってほとんど変化しないので、薬物のたん白結合への影響は少ない。×
解:血清アルブミン値は、加齢によって低下するので、薬物のたん白結合への影響はある


問185
抗てんかん薬に関する記述の正誤について正しい組合せはどれか。
 a 抗てんかん薬には、母乳中に移行するものもあるが、低濃度であるので授乳してもよい。×
解:抗てんかん薬には、母乳中に移行するものもあるので、注意が必要である
 b フェニトインナトリウム注射薬は、動脈内と静脈内のいずれにも投与できる。×
解:フェニトインナトリウム注射薬は、静脈内投与できる。×動脈投与:末梢の壊死の恐れ)
 c フェニトインの副作用には、歯肉増殖があるので、歯磨きなどにより口腔内を清潔にするよう指導する。
 d プリミドンの一部は、肝臓で代謝を受け、フェニトインに変換されて効果を示す。×
解:プリミドンの一部は、肝臓で代謝を受け、フェノバルビタールやフェニルエチルマロンに変換されて効果を示す。
 e 抗てんかん薬療法の基本は、副作用の許容される範囲内で発作回数の減少と症状の改善を図ることである。


問186
アルツハイマー型痴呆に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 一般に40歳以前に発症する。×
解:一般に65歳以降に発症する。
 b 進行性の脳萎縮が認められる。
 c 根治療法はなく、対症療法(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の塩酸ドネペジルなど)が行われる。
 d 最近の事柄に対する記憶の障害と失見当識が末期アルツハイマー型痴呆の特徴である。×
解:最近の事柄に対する記憶の障害と失見当識が初期アルツハイマー型痴呆の特徴である。
 e 自己の能力低下が原因となって抑うつ状態となることがある。


問187
心身症についての記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 環境の変化に一致して現れる極度な精神的変化である。×
解:心理的要因が先行し、身体症状を訴えることが多い
 b 心理的要因が関係し、自律神経を介して身体の機能障害を呈する。
 c ベンゾジアゼピン系薬物の使用によって軽減することがある。
 d 一般に身体症状の発現と精神的な変化は、時間的に一致しない。×
解:一般に身体症状の発現と精神的な変化は、時間的に一致することが多い
 e 身体の機能障害に対する治療に抵抗を示すことが多い。


問188
精神分裂病の病態と治療に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 急性期の症状には、妄想、幻覚、思考障害などがある。
 b 急性期の症状は、コリン作動性神経の過剰活動によるものと推定されている。×
解:急性期の症状は、ドパミン作動性神経の過剰活動によるものと推定されている。
 c ハロペリドールは、副作用としてパーキンソン様症状を引き起こすことがある。
 d 塩酸クロルプロマジンの鎮静作用は、ハロペリドールより弱い。×
解:塩酸クロルプロマジンの鎮静作用は、ハロペリドールより強い
 e 塩酸クロルプロマジンを使用している患者に、まれに悪性症候群が現れることがある。


問189
骨・関節疾患に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 老人性骨粗しょう症は、一般に骨吸収と骨形成が共に低下している。
 b 閉経後骨粗しょう症は、エストロゲンの分泌低下によって起こり、一般に骨吸収が骨形成を上回っているために出現する。
 c 変形性関節症は、関節滑膜の病変を主とする自己免疫疾患で、関節症状として朝のこわばり、関節の腫脹・疼痛・変形が出現する。×
解:慢性関節リウマチは、関節滑膜の病変を主とする自己免疫疾患で、関節症状として朝のこわばり、関節の腫脹・疼痛・変形が出現する。
 d 慢性関節リウマチは、加齢による関節の退行性変化に力学的な関節の摩耗が加わって出現する。×
解:変形性関節症は、加齢による関節の退行性変化に力学的な関節の摩耗が加わって出現する。


問190
アナフィラキシー性ショックに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 特異的IgE抗体を介するものは、I型アレルギー反応によって起こり、急速な化学伝達物質の放出によりショック状態に至る。
 b 静注用造影剤やγ-グロブリン製剤投与時のショックは、I型アレルギー反応とは異なった機序で起こる。
 c ショック時の末梢循環不全に対する輸液には、電解質組成が細胞外液に類似している乳酸リンゲル液の投与は適さない。×
解:ショック時の末梢循環不全に対する輸液には、電解質組成が細胞外液に類似している乳酸リンゲル液の投与は適している
 d 初期治療としてエピネフリンの皮下注射を行う。
 e ショック時の呼吸不全に用いるアミノフィリンは、血中濃度のモニタリングを行い、血中濃度が40μg/mL以上に維持するようにする。×
解:ショック時の呼吸不全に用いるアミノフィリンは、血中濃度のモニタリングを行い、血中濃度が10~20μg/mLに維持するようにする。


問191
血液透析膜の種類により、透析中にブラジキニン代謝酵素阻害作用を有する薬物を使用するとショックを起こす危険がある。その可能性が高い薬物として正しいものはどれか。

  1 ヒドロクロロチアジド   2 塩酸プロプラノロール
  3 塩酸ジルチアゼム     4 カプトプリル
  5 塩酸プラゾシン



問192
虚血性心疾患に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a アドレナリンβ受容体刺激薬は、労作性狭心症に対する第一選択薬である。×
解:アドレナリンβ受容体刺激薬は、労作性狭心症を悪化させる
 b 狭心症の痛みは、労作時のみに起こり、就寝中や安静時には起こらない。×
解:狭心症の痛みは、労作時、また就寝中や安静時に起こる
 c 狭心症と心筋梗塞は、全く別の疾患であり、両者の間に原因、症状の共通点はない。×
解:狭心症と心筋梗塞は、ともに虚血性心疾患であり、両者の間に原因、症状の共通点がある
 d 狭心症は、冠動脈が狭窄し、心筋が酸素不足状態になる疾患である。
 e 急性心筋梗塞では、心電図上ST波に異常が現れ、臨床検査では血清クレアチンキナーゼ値が上昇する。


問193
高血圧症の治療に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 気管支ぜん息を伴う症例では、アドレナリンβ受容体遮断薬を使用すべきである。×
解:気管支ぜん息を伴う症例では、アドレナリンβ受容体遮断薬は原則禁忌である。
 b 高血圧の薬物治療は、初期段階から複数薬物の併用を原則とする。×
解:高血圧の薬物治療は、初期段階は単剤を原則とする。
 c 心不全を伴う症例では、アンギオテンシン変換酵素阻害薬が選択される。
 d ライフスタイルの改善で目標血圧が達成されなければ、薬物治療を開始する。


問194
慢性腎不全で認められる症候とその治療薬との対応のうち、正しいものの組合せはどれか。
    症候            治療薬
 a 腎性貧血 ―――――――― 炭酸カルシウム×
 解:腎性貧血 ―――――――― エリスロポエチン製剤

 b 腎性骨異栄養症 ――――― 活性型ビタミンD3
 c 代謝性アシドーシス ――― 炭酸水素ナトリウム
 d 高尿酸血症 ――――――― アロプリノール
 e 高リン血症 ――――――― ポリスチレンスルホン酸ナトリウム×
 解:高リン血症 ――――――― 炭酸カルシウム



問195
尿路感染症に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 尿路結石、前立腺肥大、尿路腫瘍などの基礎疾患のあるものを単純性尿路感染症という。×
解:尿路結石、前立腺肥大、尿路腫瘍などの基礎疾患のあるものを複雑尿路感染症という。(単純~:基礎疾患なし)
 b 急性単純性尿路感染症の起炎菌は、大腸菌が大部分を占める。
 c 男性の方が解剖学的に外尿道口が汚染しやすい部位に開口しているため、膀胱炎を起こしやすい。×
解:女性の方が解剖学的に外尿道口が汚染しやすい部位にあり、さらに尿道も短いため、膀胱炎を起こしやすい。
 d 発熱と腰背部痛が出現した場合には、急性単純性腎盂腎炎を疑う。


問196
気管支ぜん息に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 気管支ぜん息の発作時は、呼気の延長を認める。
 b 血液中のCO2分圧が上昇し、O2分圧が低下すると、自律神経を介し、呼吸中枢を刺激して呼吸を促進させる。
 c クロモグリク酸ナトリウムはアドレナリンβ2受容体刺激薬であり、ぜん息発作に対して即効性が期待できる。×
解:クロモグリク酸ナトリウムはケミカルメディエーター遊離抑制薬である。
 d 塩酸プロカテロール、硫酸サルブタモールの吸入療法は、安全性が高く使用回数に制限はない。×
解:塩酸プロカテロール、硫酸サルブタモールの吸入療法は、心臓に対する作用が現れることがあるので、過度の使用には注意が必要である。
 e アスピリンぜん息発作は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の使用により生じる発作の総称である。


問197
真菌感染症に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 肺真菌症の原因菌は、アスペルギルスのみである。×
解:肺真菌症の原因菌は、アスペルギルスのみではない。
 b 肺真菌症は、日和見感染で起こることがある。
 c 肺真菌症では、発熱、咳、喀痰の症状が徐々に出現する。
 d 免疫抑制薬は、真菌症の治療に有効である。×
解:免疫抑制薬は、真菌症の治療に無効である。
 e アムホテリシンBやフルコナゾールは、抗真菌薬として使用されている。


問198
食道炎と食道潰瘍に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 薬物起因性食道潰瘍は、錠剤を就寝前などに水なしで服用した後に生じることが多い。
 b 逆流性食道炎の治療に、プロトンポンプ阻害薬を用いる。
 c 食道下部括約部の逆流防止機構の破綻には、肥満による腹圧上昇、食道裂孔ヘルニアなどが関係する。
 d 免疫不全状態にある患者で生じる感染性食道炎の起因病原体としては、クリプトコッカスが最も多い。×
解:免疫不全状態にある患者で生じる感染性食道炎の起因病原体としては、カンジダやウィルスが多い。
 e 逆流性食道炎の主症状は、空腹時の吐き気である。×
解:逆流性食道炎の主症状は、むねやけである。


問199
消化性潰瘍に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の長期投与時に見られる潰瘍に対して、ミソプロストールは用いられない。×
解:非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の長期投与時に見られる潰瘍に対して、ミソプロストールは有効である
 b 十二指腸潰瘍患者は、胃潰瘍患者よりも胃酸分泌が亢進していることが多い。
 c 水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム合剤は、エチドロン酸二ナトリウムの消化管吸収を阻害する。
 d オメプラゾールは、1日1回投与で胃酸分泌を抑制し、潰瘍治療が可能である。
 e シメチジンは、腎不全患者でも減量の必要はない。×
解:シメチジンは、腎不全患者でも減量の必要がある


問200
胆石症に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 胆石症の発作時には、発熱と黄疸は出現しない。×
解:胆石症の発作時には、発熱と黄疸は出現する
 b 胆石の直径が小さく、かつ複数個ある場合は、溶解療法の効果が低い。×
解:胆石の直径が小さく、かつ複数個ある場合は、溶解療法の効果が高い
 c 胆石症は、中年、女性、肥満の人に起こりやすい。
 d コレステロール胆石は、溶解療法の適応となる。
 e 溶解薬としてケノデオキシコール酸を用いる場合には、副作用として下痢に注意が必要である。


問201
鉄欠乏性貧血に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 貧血を認めなくても、体内で鉄欠乏が生じていることがある。
 b 貧血出現時には、貯蔵鉄(フェリチン、ヘモシデリン)、血清鉄量は共に減少している。
 c 血清鉄値が低下している症例は、すべて鉄欠乏状態である。×
解:血清鉄値が低下している症例は、すべて鉄欠乏状態であるとは限らない
 d 鉄欠乏の原因には、食事内容の鉄不足、鉄吸収障害、出血、成長、妊娠・授乳などがある。
 e 体内移行率が高く、改善の速度も早いことから、注射用鉄剤の使用が治療の第一選択である。×
解:空腹時に吸収が良好であることから、経口用鉄剤の使用が治療の第一選択である。


問202
副作用として播種性血管内凝固症候群(DIC)を起こすことがある薬物について、正しいものの組合せはどれか。
 a アシクロビル
 b インドメタシンナトリウム注
 c ヘパリンナトリウム×
 d シクロスポリン×
 e ドセタキセル水和物


問203
白血病に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 白血病は、造血細胞の系統的かつ無制限の増殖を特徴とする疾患である。
 b 急性白血病の腫瘍細胞は、造血幹細胞からの分化・成熟が途中で停止した未分化の細胞である。
 c 急性白血病の化学療法では、完全寛解に達しても、患者体内には腫瘍細胞が存在しているので、さらに治療が必要である。


問204
耳鼻・咽喉疾患に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 急性副鼻腔炎は、急性上気道感染に引き続いて起こり、起炎菌としてはインフルエンザ菌、肺炎球菌、ブドウ球菌などが多い。
 b 急性副鼻腔炎の第一選択薬として、エリスロマイシンやクラリスロマイシンなどのマクロライド系抗生物質が使用される。×
解:急性副鼻腔炎の第一選択薬として、ペニシリン系セフェム系などのβラクタム系抗生物質が使用される。
 c 咽頭や扁桃のA群β溶血性連鎖球菌感染症は、急性糸球体腎炎の原因となることがある。
 d ミコナゾールのゲル経口用剤は、口腔カンジダ症に対して用いられ、口腔内に塗布後はできるだけ長く含んだ後、嚥下する。
 e メニエール病では、内耳の内リンパ水腫によって中枢前庭性の非回転性めまいが生じる。×
解:メニエール病では、内耳の内リンパ水腫によって末梢性の回転性めまいが生じる。



問205
糖尿病に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a インスリン依存性(1型)糖尿病患者は、わが国の糖尿病患者の約90 % 以上を占める。×
解:インスリン依存性(2型)糖尿病患者は、わが国の糖尿病患者の約90 % 以上を占める。
 b 糖尿病性網膜症は、成人失明の最大の原因となっている。
 c 糖化アルブミンは、過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映している。×
解:糖化アルブミンは、過去1~2週間の平均血糖値を反映している。
 d α-グルコシダーゼ阻害薬は、単独で低血糖を生じるので食後服用する。×
解:α-グルコシダーゼ阻害薬は、単独で低血糖を生じず食直前服用する。
 e 糖尿病性昏睡の原因は、ケトアシドーシス、乳酸アシドーシス及び非ケトン性の高浸透圧の3つに大別される。


問206
高脂血症に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 動脈硬化は、高脂血症の最も重要な合併症である。
 b 家族性高コレステロール血症では、血清総コレステロールの高値と共に黄色腫が見られることが多い。
 c 高脂血症による膵炎の発症には、血清トリグリセリドよりもコレステロールが関係する。×
解:高脂血症による膵炎の発症には、コレステロールよりも中性脂肪(トリグリセリド)の増加が関係する。
 d 血清総コレステロール値は、男女ともに加齢と共に変化し、女性では70歳頃から急激に増加する。×
解:血清総コレステロール値は、男女ともに加齢と共に変化し、女性では更年期にかかる50歳頃から急激に増加する。
 e シクロスポリンを使用している腎移植患者では、高血圧症や高脂血症を示すことがある。


問207
ヘリコバクター・ピロリ感染症に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a ヘリコバクター・ピロリは、胃粘膜以外の消化管にも広く分布する。×
解:ヘリコバクター・ピロリは、胃粘膜以外の消化管には分布しない(局在:胃の幽門部)
 b 消化性潰瘍患者の多くは、ヘリコバクター・ピロリ検出試験で陽性を示す。
 c プロトンポンプ阻害薬、アモキシシリン及びクラリスロマイシンの3剤併用が除菌に有効である。
 d 組織学的診断法は、尿素呼気試験に比べて、はるかに迅速に感度よく検出できるので、治療効果の判定に最適とされる。×
解:尿素呼気試験は、組織学的診断法に比べて、はるかに迅速に感度よく検出できるので、治療効果の判定に最適とされる。
 e ヘリコバクター・ピロリの感染と胃がん発症の因果関係を示す疫学データがある。


問208
がん性疼痛に対する薬物療法に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a モルヒネの頓用は、痛みの再発に応じたもっとも合理的な投与法である。×
解:モルヒネの頓用は、痛みの再発に応じたもっとも合理的な投与法ではない(規則正しく服用)
 b ジクロフェナクナトリウムを用いても痛みが消失しないときには、より効果が強い鎮痛薬に切りかえる。
 c ペンダゾシンと塩酸モルヒネの併用は、それぞれの単独使用より効果的である。×
解:ペンダゾシン(高用量:麻薬拮抗作用)と塩酸モルヒネの併用は、それぞれの単独使用より効果的ではない
 d 作用の強い麻薬性鎮痛薬の適用は、痛みの強さによって決めるべきであり、予測生存期間の長短によって決めるべきではない。


問209
循環器用薬として、妊婦への投与が禁忌となっている正しいものの組合せはどれか。
 a アンギオテンシンII受容体拮抗薬
 b 強心配糖体×
 c フィブラート系抗高脂血症薬
 d チアジド系利尿薬×
 e プロスタグランジンE1 (PGE1) 製剤


問210
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) 感染症に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a ムピロシンカルシウム水和物は、鼻腔内のMRSAの除菌に使用される。
 b 塩酸バンコマイシンが使用される。
 c MRSAの耐性機構は、ペニシリン結合たん白質の変化によるため、β-ラクタム系以外の抗生物質への耐性は生じない。×
解:MRSAの耐性機構は、ペニシリン結合たん白質の変化によるためだが、β-ラクタム系以外の抗生物質への耐性も生じる
 d 血管内留置カテーテルが感染源として疑われる際には、点滴器具の抜去と挿入部位の変更が必要である。
 e テイコプラニンは無効である。×
解:テイコプラニンは有効である。


問211
医療及び生命倫理に関する記述について、正しいものの組合せはどれか。
 a 臨床試験(治験)の被験者は、いつでも、自由に治験への参加を撤回できる。
 b 治験コーディネーター (CRC) は、治験を円滑に推進するため、治験関係者間及び被験者との調整を行う。
 c 治験におけるインフォームド・コンセントとは、患者に十分わかりやすい言葉で説明し、患者の理解、患者の自由意思に基づく口頭での同意を得ることである。×
解:治験におけるインフォームド・コンセントとは、患者に十分わかりやすい言葉で説明し、患者の理解、患者の自由意思に基づく文章での同意を得ることである。
 d 緩和医療では、不安の除去、疼痛のコントロールなど患者のQOLの向上を重視する。
 e 薬剤師が守秘義務に違反した場合、被害者の告訴により刑事責任は生じるが、民事、行政責任は問題とならない。×
解:薬剤師が守秘義務に違反した場合、被害者の告訴により刑事責任、民事、行政責任が生じる


問212
医薬品の開発のための治験に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 経験豊富な臨床医が行えば、対照群との比較試験は不必要である。×
解:経験豊富な臨床医が行っても、対照群との比較試験は必要である
 b 二重盲験(遮へい)法による無作為化試験は科学的には最も良い方法と考えられている。
 c 厳密に行われた比較的短期間投与の治験で承認された医薬品は、市販後の長期投与での有効性及び安全性も保証されている×
解:厳密に行われた比較的短期間投与の治験で承認された医薬品は、市販後の長期投与での有効性及び安全性も保証されているわけではない。
 d 群間比較試験による有効性の判定にはpaired t-testを用いる。×
解:対応のある2群間の平均値の検定にはpaired t-testを用いる。


問213
GMPに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 医薬品の製造業者は、製品の高い品質を保証するシステムを確保しなければならない。
 b GMPは、医薬品の有効性と安全性に係わる非臨床試験に適用される。×
解:GLPは、医薬品の有効性と安全性に係わる非臨床試験に適用される。
 c 医薬品製造業者は、医薬品の品質に関する情報を評価・分析し、その結果を定められた期間内に厚生労働省に報告しなければならない。×
解:医薬品製造業者は、医薬品の品質に関する情報を評価・分析し、その結果を定められた期間内に厚生労働省に報告しなければならない規定はない
 d 「バリデーション」とは、製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法が期待される結果を与えることを検証し、これを文書化することである。


問214
消毒薬に関する記述のうち、正しいものはどれか。
 1 次亜塩素酸ナトリウムは、金属製手術用具の消毒に最適である。×
解:次亜塩素酸ナトリウムは、金属製手術用具の消毒には用いない。(金属腐食性)
 2 塩化ベンザルコニウムは、石けんとともに用いるのがよい。×
解:塩化ベンザルコニウム(陽イオン性界面活性剤)は、石けん(陰イオン化合物)とともに用いると効力が減少する
 3 グルタラールは、手指消毒に用いられる。×
解:グルタラールは、皮膚には用いない
 4 10 % ポビドンヨードは、手術野の粘膜の消毒に使用できる。
 5 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) の消毒には、できる限り強力な消毒薬を用いる。×
解:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) の消毒には、塩化ベンザルコニウムやグルコン酸クロルヘキシジン以外の消毒薬を用いる。



問215
生物学的製剤に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a ワクチンとは、感染症予防の目的でヒトや動物を能動免疫する抗原の総称である。
 b トキソイドとは、たん白毒素をホルマリン処理して、免疫原性を保持したまま、不可逆的に無毒化した毒素のことで、ワクチンの1つである。
 c ワクチンには、注射製剤はあるが経口製剤はない。×
解:ワクチンには、注射製剤、経口製剤がある
 d 乾燥BCGワクチンは、用時溶解して用いる注射剤で、静脈注射により結核の予防に使用する。×
解:乾燥BCGワクチンは、用時溶解して用いる注射剤で、経皮接種により結核の予防に使用する。


問216
薬物相互作用の予測に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a ポリスチレンスルホン酸ナトリウムなどの陽イオン交換樹脂は、ワルファリンなどの酸性薬物とイオン結合するので、両者の併用で酸性薬物の消化管吸収の低下が予測される。×
解:コレスチラミンコレスチミドなどのイオン交換樹脂は、ワルファリンなどの酸性薬物とイオン結合するので、両者の併用で酸性薬物の消化管吸収の低下が予測される。
 b クラリスロマイシンとアルミニウム含有制酸剤を併用した場合、不溶性キレートが形成されるので、消化管吸収の低下が予想される。×
解:テトラサイクリン系抗生物質とアルミニウム含有制酸剤を併用した場合、不溶性キレートが形成されるので、消化管吸収の低下が予想される。(他にニューキノロン系抗菌薬、エチドロン酸製剤)
 c アザチオプリンとアロプリノールを投与した場合、類似化学構造を有するために、代謝過程での競合が起こり、アザチオプリンの副作用である骨髄抑制が増強されることが予想される。
 d ピリミジン系化合物のフルオロウラシル投与中に発症した水痘症や帯状疱疹では、プリン系化合物のアシクロビルを使用すると代謝における相互作用を起こしにくいので安全であると予想される。
 e マクロライド系抗生物質はシトクロムP450 (CYP) 3A4を阻害するので、シクロスポリンとの相互作用が予想される。


問217
バルプロ酸ナトリウムでコントロールされているてんかん患者にカルバペネム系抗生物質を投与すると、痙れんが発現することがある。このことに関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a カルバペネム系抗生物質によってバルプロ酸の脳内移行性が低下した。×
解:カルバペネム系抗生物質によるバルプロ酸の脳内移行性に影響はない
 b バルプロ酸の血中濃度曲線下面積 (AUC) が低下した。
 c バルプロ酸のAUCが上昇した。×
解:バルプロ酸のAUCが低下した。
 d カルバペネム系抗生物質のAUCが低下した。×
 e バルプロ酸の副作用が現れた。×
解:バルプロ酸の代謝が促進された。


問218
精神科・神経科系疾患患者(男性、63歳)に対する処方に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

  処方
 (1)ハロペリドール錠 (1 mg)         3錠
    塩酸トリヘキシフェニジル錠(2 mg)    3錠
           1日3回  毎食後、  14日分
 (2)センノシド錠(12 mg)         3錠
               [    ]、14日分

 a パーキンソン病治療のための処方である。×
解:統合失調症(精神分裂病病)治療のための処方である。
 b 塩酸トリヘキシフェニジルはハロペリドールによる薬剤性錐体外路障害の治療目的で処方されている。
 c 本処方ではセンノシド錠の用法が空欄([  ])となっているが、通常は「就寝前1回投与」である。


問219
薬物と飲食物との相互作用に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a N-メチルテドラゾールチオメチル基を含有するセフォペラゾンナトリウムをアルコールとともに服用すると、紅潮、頭痛などのジスルフィラム様作用が出現する。
 b 多くのジヒドロピリジン系カルシウムチャネル遮断薬をグレープフルーツジュースと一緒に服用すると、血中濃度が上昇する。
 c テトラサイクリン系薬物を牛乳とともに服用した場合、Ca2+と不溶性キレートを形成して消化管吸収が低下する。
 d グリセオフルビンの消化管吸収は、高脂肪食摂取によって低下する。×
解:グリセオフルビンの消化管吸収は、高脂肪食摂取によって増加する。
 e ワルファリンカリウムを服用している患者が納豆を摂取すると、ワルファリンの抗凝固作用が増強する。×
解:ワルファリンカリウムを服用している患者が納豆を摂取すると、ワルファリンの抗凝固作用が減弱する。


問220
次の処方について調剤を行った。この処方に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 Rp.
 (1) Aspirin 1.5 g
 (2) Sodium Bicarbonate Powder 3.0 g
 (3) Scopol. Ext. 0.6 g
     M. f. Pulv.
  Sig. t.i.d. a.c. sum.
     G. 3 T. D.

 a (1)と(2)の配合は、湿潤する恐れがあるので、医師の許可を求めずに組合せ散剤とした。
 b (1)と(2)の配合により、薬効が低下するおそれがあるので、医師の許可を求めて組合せ散剤とした。×
解:組合せ散剤に医師の許可は必要ない
 c (2)は通常の用量の10倍を超えているので、処方医に問い合わせた。×
解:炭酸水素ナトリウムは散剤として通常一日3~5gを用いる。
 d (3)は通常の用量の10倍を超えているので、処方医に間い合わせた。


問221
感染症患者Aを抗菌薬(全身投与)で治療する必要がある。標準的な成人の用法・用量でよい薬剤はどれか。患者Aの背景は以下のとおりである。
54歳の男性、身長171 cm、体重65 kg。
検査値:BUN 60 mg/dL, Scr 10 mg/dL, AST (GOT) 15 U/L,
ALT (GPT) 10 U/L, γ-GTP 12 U/L

  1 塩酸バンコマイシン
  2 アズトレオナム
  3 硫酸ゲンタマイシン
  4 硫酸アルベカシン
  5 エリスロマイシン



問222
薬用量に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 高齢者では同一年齢でも生理機能に個人差が大きいので、画一的な薬用量にすべきではない。
 b von Harnack表から成人薬用量が求められる。×
解:von Harnack表から小児薬用量が求められる。
 c 高齢者の薬用量はYoung式によって計算できる。×
解:小児の薬用量はYoung式によって計算できる。
 d 体表面積法で薬用量を求める計算式として
  体表面積 (cm2) = 体重 (kg) 0.425×身長 (cm) 0.725×71.84がある。


問223
処方せん受付から薬剤が患者に渡るまでの調剤業務(外来)の一般的な流れに関して、(  )内に入れるべき語句の正しい組合せはどれか。
  処方せん受付→(a)→薬袋、薬札の作成→薬剤調製→(b)→(c)
      a         b            c
 1  処方せん鑑査     薬剤鑑査       服薬指導・薬剤交付
 2  薬剤鑑査       処方せん鑑査     服薬指導・薬剤交付
 3  服薬指導・薬剤交付  薬剤鑑査       処方せん鑑査
 4  薬剤鑑査       服薬指導・薬剤交付  処方せん鑑査
 5  処方せん鑑査     服薬指導・薬剤交付  薬剤鑑査



問224
薬剤師の調剤過誤防止に関する記述のうち、適切なものの組合せはどれか。
 a 重複投与や薬物相互作用の回避のための薬歴管理は、薬剤師の職務である。
 b 処方せんに規格が記載されていない薬剤があったので、薬歴簿を確認して、以前の処方と同じ規格のものを調剤した。×
解:処方せんに規格が記載されていない薬剤があったので、処方医に疑義照会が必要である
 c 処方医への疑義照会は、全ての調剤業務を終えてからまとめて行うのが合理的である。×
解:処方医への疑義照会は、疑わしい点があるときに照会し、疑義を正してから調剤する。
 d 疑義照会が不十分であれば、たとえ医師の指示どおりに調剤したとしても、事故に対する薬剤師の責任はまぬがれない。


225
医薬品の包装と容器に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 別市販の散剤や顆粒剤の包装や薬局で行われる分包包装には、主としてPTP包装 (press through package) が用いられている。×
解:別市販の散剤や顆粒剤の包装や薬局で行われる分包包装には、主としてSP包装 (Strip Package)が用いられている。
 b 注射剤の容器の材質は、小用量注射剤ではガラス容器が主体であるが、輸液など100 mL以上の注射剤ではプラスチック容器が主体である。
 c 日本薬局方では、ポリ塩化ビニル製の輸液用プラスチック容器に対し、可塑剤として使用されているフタル酸エステルの溶出量を制限する目的で、微粒子試験法が適用されている。×
解:日本薬局方では、ポリ塩化ビニル製の輸液用プラスチック容器に対し、微粒子の数を制限する目的で、微粒子試験法が適用されている。
 d 薬事法では医薬品の容器(被包)に直接あるいは添付文書に記載されるべき項目が定められている。


問226
細胞毒性のある注射剤の調製に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 安全キャビネットよりクリーンベンチを使用するのが望ましい。×
解:クリーンベンチより安全キャビネットを使用するのが望ましい。
 b 皮膚への接触を避けるためゴム手袋を着用する。
 c 吸入毒性はないので、マスク着用の必要はない。×
解:吸入毒性があるので、マスク着用の必要はある
 d アンプル注射剤は、不織布などで覆ってカットするのがよい。
 e 調製液中では細菌も死滅するので、無菌操作の必要はない。×
解:調製液中では細菌も死滅するとは限らないので、無菌操作の必要はある


問227
医薬品中の主薬含有量に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 0.4 %フェノバルビタールエリキシル7.5 mLは、フェノバルビタールを30 mg含有する。
 b 0.005 %ジゴキシンエリキシル20 mLは、ジゴキシンを0.1 mg含有する。×
解:0.005 %ジゴキシンエリキシル20 mLは、ジゴキシンを1 mg含有する。
 c ジゴキシンの1000倍散の1 gは、ジゴキシンを0.1 mg含有する。×
解:ジゴキシンの1000倍散の1 gは、ジゴキシンを1 mg含有する。
 d 0.1 %エピネフリン注射液の1 mLは、エピネフリンを1 mg含有する。


問228
麻薬処方せんに関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 麻薬を記載した処方せんを院外処方せんとして発行することはできない。×
解:麻薬を記載した処方せんを院外処方せんとして発行することはできる
 b 麻薬処方せんに記載しうる麻薬には極量が設定されている。×
解:麻薬処方せんに記載しうる麻薬には極量が設定されていない
 c 麻薬処方せんの鑑査は、併用薬剤の処方状況を参考にして行う必要がある。
 d 麻薬処方せんの薬剤名はコンピュータ印字しても良い。


229
調剤過誤防止に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 処方オーダリングシステムに用法・用量のチェック機能を組み込んだ。
 b 錠剤・カプセル剤の自動一包化装置を導入したので、調剤鑑査の重点を他の薬剤の鑑査に移した。×
解:錠剤・カプセル剤の自動一包化装置を導入しても、調剤鑑査の重点をおくことが調剤過誤の防止に重要である。
 c 散剤の調剤のために、バーコード読みとり装置付きの電子天秤を導入した。
 d 液剤を調剤する際には、調剤した薬剤師以外の薬剤師が確認することにした。


問230
薬袋・薬札に記入する事項に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 薬袋には患者氏名、調剤年月日、用法、用量、調剤した薬剤師の氏名、調剤した薬局の名称、及び所在地以外のことを記載してはならない。×
解:薬袋には患者氏名、調剤年月日、用法、用量、調剤した薬剤師の氏名、調剤した薬局の名称、及び所在地以外に用法の注意などを記載することがある。
 b 薬袋・薬札が2つ以上の場合には、処方の番号を薬袋・薬札に書いておく。
 c 薬袋の記載事項を点字で併記してもよい。
 d 用法や用量を絵文字化して併記してもよい。
 e 麻薬が調剤されている場合は、その旨を薬袋に明記しなければらない。×
解:麻薬が調剤されている場合は、その旨を薬袋に明記する必要はない


問231
次の副作用症例の記述について[  ]の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。
(症例)
約5ヶ月間、イトラコナゾールが投与されていた患者(男76歳)にテルフェナジンが処方された。テルフェナジン投与開始4日目午前1時に意識喪失、四肢麻痺ついで全身痙れんが生じた。[ a ]の静注により、痙れんは消失した。
 心電図モニタリング開始時には、洞調律で、血圧は130/70 mmHgに戻ったが、意識レベルはIII-300(昏睡が最も深い状態)であった。午前3時40分に心室性頻拍を生じ、動脈血酸素飽和度が低下したため、気管内挿管し、人工呼吸器に接続した。対光反射は消失していた。午前8時30分に自発呼吸は強まりを見せ、名前を呼ぶと開眼し、掌握反応を示すまでに回復した。その後、3回ほど心室性頻拍を生じたが[ b ]の静注にて改善した。翌々日、QTの延長が見られたが、心室性頻拍は発現せず、尿量も安定した。
 (原因)
テルフェナジンの[ c ]をイトラコナゾールが阻害したため、テルフェナジンの血中濃度が上昇し[ d ]に対する副作用が発現した。
     a           b          c      d
 1 テオフィリン      塩酸リドカイン    肝臓での代謝   肺
 2 バルプロ酸ナトリウム  塩酸プロプラノロール 血漿たん白結合  肺
 3 ジアゼパム       塩酸プロプラノロール 肝臓での代謝   肝臓
 4 ジアゼパム       塩酸リドカイン    肝臓での代謝   心臓
 5 テオフィリン      ニフェジピン     血たん白結合  心臓

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問232
医薬品情報に関する記述のうち、正しいものはどれか。
 1 医薬品の添付文書は、インタビューフォームとともに、厚生労働省が製薬企業に対して、作成と提供を義務付けているもので、医薬品の情報源として重要なものである。×
 2 インターネットによって得た海外の副作用情報などは、すべて日本人にもあてはまると考えて差し支えない。×
解:インターネットによって得た海外の副作用情報などは、すべて日本人にもあてはまるとは限らない
 3 薬剤師には、収集した医薬品情報を正しく評価し、医師や他の医療従事者及び患者にわかりやすく加工して提供する能力が求められる。
 4 医薬品の有効性と安全性については、交差試験法によって得られた結果が最も信頼できる。×
解:医薬品の有効性と安全性については、ダブルブラインドテストによって得られた結果が最も信頼できる。
 5 MEDLINEは、有機化学専門のデータベースとして有用な情報源である。×
解:MEDLINEは、医薬品に関係ある医療情報のデータベースとして有用な情報源である。



問233
次の記述は糖尿病患者に服薬指導を行っていた際に、患者から訴えがあったケースである。(A)と(B)に入れるべき薬物で、正しい組合せはどれか。

(症例)
高血圧とインスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)を併発している患者(男性、71歳)に、ベシル酸アムロジピン(2.5 mg錠)1日1回朝食後服用、アカルボース(50 mg錠)1日3回食直前服用、グリベンクラミド(2.5 mg錠)1日1回朝食後服用の処方がされていた。服薬指導の際に患者から、手足の先に冷感を伴ったピリピリする痛みと、腸内ガスなどの増加による腸閉塞様症状の訴えがあった。
(対策)
薬剤師はSOAP形式による薬剤管理指導記録簿のPの欄に、「現在服用中の(A)を中止し、新しく(B)を追加すること」と記載し、医師に処方の変更を提案した。
      (A)              (B)
 1 ベシル酸アムロジピン        インスリン注射
 2 グリベンクラミド          トルブタミド
 3 アカルボース            エパルレスタット
 4 ベシル酸アムロジピン        塩酸ジルチアゼム
 5 グリベンクラミド          ピオグリタゾン
 6 アカルボース            ボグリボース



問234
患者への服薬指導に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a ペニシラミンを使用中の患者には「咽頭痛、発熱、紫斑などの症状が現れたら速やかに主治医に連絡する」よう指導する。
 b プレドニゾロンを使用中の患者には「続発性副腎皮質機能不全や感染誘発等の副作用が危倶されるので、症状が軽快したら直ちに、服用を中止する」よう指導する。×
解:プレドニゾロンを使用中の患者には「離脱症状現れることがあるので、症状が軽快しても直ちに、服用を中止すべきではない(漸減療法)」よう指導する。
 c 塩酸エタンブトールは視力障害を惹起することがあるので、簡単な視力検査の方法を説明し、「視力の低下があれば連絡する」よう指導する。
 d 塩酸プロプラノロールは「急に服用を中止すると、症状が悪化することがあるので、勝手に中止をせず医師の指示を厳守する」よう指導する。


問235
高カロリー輸液療法中に乳酸アシドーシスが出現した。高カロリー輸液中止後、直ちに取るべき処置として、正しいものはどれか。
 1 ブドウ糖液の点滴静注
 2 アスコルビン酸投与
 3 レチノール投与
 4 生理食塩液の点滴静注
 5 ビタミンB1の点滴静注
 6 重炭酸ナトリウムの点滴静注



問236
注射剤・輸液に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 患者への注射剤に関する情報提供は医師・看護婦の専権業務である。×
解:患者への注射剤に関する情報提供は医師・看護婦の専権業務ではない
 b 注射剤に関する情報は看護婦を介して提供する。×
解:注射剤に関する情報は薬剤師が直接提供する。
 c 輸液を点滴静注する時には、できる限り薬品名等を見えないようにする方がよい。×
解:輸液を点滴静注する時には、できる限り薬品名等を見えるようにする方がよい。
 d ビタミン類を含む輸液の遮光の必要性についてはできる限り患者に知らせる方がよい。


問237
ある輸液を調製するには、Cl -50 mEq分の補正が必要である。補正液として10 %塩化ナトリウム液を使用したい。補正に必要な10 %塩化ナトリウム液量として最も近いものはどれか。
  1 10 mL  2 20 mL  3 30 mL  4 40 mL  5 50 mL



問238
中心静脈栄養輸液の調製において、ブドウ糖含有率30 %の基本輸液(1200 mL)に、アミノ酸含有率10 %の総合アミノ酸輸液(1バッグ, 200 mL)を3バッグ、さらに高カロリー輸液用微量元素製剤(1アンプル, 2 mL)、総合ビタミン剤(1バイアル, 5 mL)をクリーンベンチ内で混合した。この中心静脈栄養輸液の全カロリー量として最も近い数値はどれか。

  1 500 kcal   2 700 kcal   3 1000 kcal 
  4 1500 kcal   5 1700 kcal



問239
放射性医薬品に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 99mTc注射液ジェネレータは、99Moをモリブデン酸アンモニウム又はモリブデン酸ナトリウムの形で、適当なカラムに充填したアルミナに吸着させた構造であればよい。×
 b 99mTcの半減期は6.01日である。×
解:99mTcの半減期は6時間である。
 c 放射性ヨウ素の半減期の長さは125I > 123I > 131I の順である。×
解:放射性ヨウ素の半減期の長さは125I > 131I> 123I の順である。
 d 診断や治療に用いられる放射性同位元素及びその化合物は、すべて法律上も放射性医薬品と定義される。×
解:診断や治療に用いられる放射性同位元素及びその化合物すべてを法律上も放射性医薬品と定義されない


問240
医薬品の管理及び取扱いに関する記述について、正しいものの組合せはどれか。
 a 緊急時、麻薬注射剤が在庫不足となった場合には、近隣の病院から借り受け、後日購入して速やかに返却すれば良い。×
 b 1%以下のリン酸コデインや塩酸コカインは家庭麻薬として取り扱える。×
解:1%以下のリン酸コデインは家庭麻薬として取り扱える。
 c 患者から返却された在宅医療のため交付された麻薬注射剤の廃棄は、都道府県知事へ届出る必要はない。
 d 第一種、第二種向精神薬を譲り渡し、又は廃棄した場合は、その品名(販売名)、数量、年月日、譲り渡しの相手方の営業所等の名称・所在地を帳簿に記載し、2年間保存しなければならない。
 e 麻薬注射剤の使用残液は麻薬管理者のもとに回収し、その責任においてその他の職員の立ち会いのもとに廃棄しなければならない。