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医療薬学Ⅱ

問181 
薬物の有害作用に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 薬物による免疫毒性は、抗原性による他に、免疫機能の間接的な抑制によっても起きる。
b 塩酸モルヒネによる有害反応としては、下痢が現れやすい。×
解:塩酸モルヒネによる有害反応としては、便秘が現れやすい。
c 薬物による悪心・嘔吐は、局所の消化管粘膜傷害だけでなく、中枢の化学受容器引金帯(CTZ)を介して起きる。
d 非ステロイド性抗炎症鎮痛薬は、プロスタグランジン類の産生を促すことで、腎障害を誘発する。×
解:非ステロイド性抗炎症鎮痛薬は、プロスタグランジン類の産生を阻害することで、腎障害を誘発する。


問182 
ワルファリンカリウム(W)の相互作用に関する記述のうち、正しい組合せはどれか。
食品・薬 主な機序 抗凝固作用への影響
a 納豆 ビタミンKの腸内産生増大 増強×
解: 納豆 ビタミンKの腸内産生増大 減弱
b ブロッコリー ビタミンKの高含量 減弱
c インドメタシン Wの薬物動態変化 増強
d リファンピシン Wの代謝酵素誘導 増強×
解: リファンピシン Wの代謝酵素誘導 減弱
e セフェム系抗菌薬 腸内細菌の減少× 減弱
解: セフェム系抗菌薬 腸内細菌の減少 増強


問183 
臨床検査値に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 溶血性貧血では、血清の間接型ビリルビン値が増加する。
b 血中の抗二本鎖DNA抗体は、慢性関節リウマチに特異性の高いマーカーである。×
解:血中の抗二本鎖DNA抗体は、全身性エリテマトーデス(SLE)に特異性の高いマーカーである。
c 尿中の微量アルブミン測定は、糖尿病性腎症の早期診断に役立つ。
d 心電図におけるQT時間の短縮は、torsades de pointes(多形性心室頻拍)発症の危険因子である。×
解:心電図におけるQT時間の延長は、torsades de pointes(多形性心室頻拍)発症の危険因子である。
e 気管支ぜん息治療薬の効果モニタリングには、呼気のピークフロー値が用いられる。

問184 
妊娠に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 最新の尿妊娠反応検査では、正常妊娠の場合、基礎体温の高温相60日目前後から反応が陽性となる。×
解:最新の尿妊娠反応検査では、正常妊娠の場合、妊娠4~6週から反応が陽性となる。
b 正常妊娠では、母体のクレアチニンクリアランス値は低下する。×
解:正常妊娠では、母体のクレアチニンクリアランス値は増加する。
c 妊娠中毒症の主症状は、高血圧、浮腫及びタンパク尿である。
d 催奇形性に対する感受性は、妊娠後期に最も高い。×
解:催奇形性に対する感受性は、妊娠4~7週に最も高い。
e 妊娠中は、尿路感染症を起こしやすい。

問185 
呼吸器感染症に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 基礎疾患がない成人における細菌性の市中肺炎の原因菌としては、肺炎球菌やインフルエンザ菌が多い。
b 慢性呼吸不全患者の呼吸器感染症の予防には、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザHAワクチンは使用しない。×
解:慢性呼吸不全患者の呼吸器感染症の予防には、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザHAワクチンが重要である
c ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者では、ニューモシスチス・カリニ肺炎発症のリスクが高い。
d レジオネラ肺炎の治療においては、セフェム系抗菌薬の方がクラリスロマイシンよりも有効である。×
解:レジオネラ肺炎の治療においては、セフェム系抗菌薬の方がクラリスロマイシンよりも有効ではない
e メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による肺炎治療には、塩酸バンコマイシンやテイコプラニンが用いられる。

問186 
うつ病に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 通常、抑うつ気分など精神症状が主症状で、頭痛、食欲不振、体重減少、不眠等の身体的症状は伴わない。×
解:通常、抑うつ気分など精神症状が主症状で、頭痛、食欲不振、体重減少、不眠等の身体的症状も伴う
b 抑うつ気分、自信喪失、思考力低下、自殺企図等の症状は、2週間以上にわたって持続する。
c 抗うつ薬の作用及び副作用は、主として中枢神経シナプス間隙におけるモノアミン類の濃度の増加との関連が考えられている。
d 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、口渇、便秘、排尿困難の発症が、従来の三環系抗うつ薬よりも少ない。
e 塩酸ミルナシプランは、セロトニンの再取り込みには影響しない。×
解:塩酸ミルナシプランは、セロトニンの再取り込みには影響する


問187 
神経変性疾患に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a アルツハイマー病患者の脳所見の特徴は、黒質-線条体系ドパミンニューロンの脱落である。×
解:パーキンソン病患者の脳所見の特徴は、黒質-線条体系ドパミンニューロンの脱落である。
b MPTP(1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine)は、霊長類に投与すると、パーキンソン病によく似た症状を起こすため、パーキンソン病の動物モデルの作成に使用される。
c 塩酸トリヘキシフェニジルは、脳内でドパミン作用を発揮するため、パーキンソン病の治療に用いられる。×
解:塩酸トリヘキシフェニジルは、脳内で抗コリン作用を発揮するため、パーキンソン病の治療に用いられる。
d カルビドパの配合により、レボドパによる消化器系の副作用症状が軽減される。
e パーキンソン病患者の脳の特徴は、脳の著しい萎縮と正常老人脳に比べ、老人斑と神経原線維変化が多く認められることである。×
解:アルツハイマー病患者の脳の特徴は、脳の著しい萎縮と正常老人脳に比べ、老人斑と神経原線維変化が多く認められることである。


問188 
神経症に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 不安神経症の原因は、対人関係などに基づく心理的な葛藤が多い。
b ジアゼパムは、大脳皮質のベンゾジアゼピン受容体に作用し、低用量では鎮静・催眠作用を、高用量では抗不安作用を示す。×
解:ジアゼパムは、大脳皮質のベンゾジアゼピン受容体に作用し、低用量では抗不安作用を、高用量では催眠作用を示す。
c クエン酸タンドスピロンは、セロトニン5-HT1受容体に作用して抗不安作用を示す。
d ヒステリーは、心的原因が身体症状として現れる疾患である。
e ハロペリドールは、神経症の第一選択薬である。×
解:ベンゾジアゼピン系薬物は、神経症の第一選択薬である。
解:ハロペリドールは、統合失調症の第一選択薬である。


問189 
慢性関節リウマチに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 初発症状として、関節痛と朝のこわばりを特徴とする。
b 筋肉痛やレイノー症状が高頻度で出現する。×
解:全身性エリトマトーデス(SLE)では筋肉痛やレイノー症状が高頻度で出現する。
c 関節滑膜の慢性炎症性疾患である。
d メトトレキサートにより、十分な効果を得るためには、休薬期間を置かず毎日投与する必要がある。×
解:メトトレキサートにより、十分な効果を得るためには、休薬期間を置いて毎日投与する必要がある。
e D-ペニシラミンなどの疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)を、初期から投与する場合がある。

問190 
AIDS (後天性免疫不全症候群)に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、レトロウイルスに分類され、DNAウイルスである。×
解:HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、レトロウイルスに分類され、RNAウイルスである。
b 血中のCD4陽性リンパ球数が200/μL以下になった場合は、症状がなくても合併症の予防治療を検討する。
c HIVに感染すると、全ての人が1年以内にAIDSを発症する。×
解:HIVに感染すると、5~8年でAIDSを発症することが多い。
d AIDS発症時の合併疾患としては、日和見感染症が多い。
e HIV感染者と診断した場合には、最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届けなければならない。(4類感染症のため)

問191 
全身性エリテマトーデス(SLE)に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a SLEは、遺伝的素因と環境因子が関与する自己免疫疾患である。
b SLEの合併症として、腎機能障害はまれである。×
解:SLEの合併症として、約半数は腎機能障害である。
c SLE様症状を引き起こす薬物として、塩酸ヒドララジンや塩酸プロカインアミドが知られている。
d 皮膚症状として蝶形紅斑がSLEに認められることはまれである。×
解:皮膚症状として蝶形紅斑がSLEに認められる
e SLE患者では、しばしば薬物アレルギーが認められる。

問192 
66歳、軽度の心不全症状のある患者が、ジゴキシン0.25 mg/日およびフロセミド40 mg/日を経口投与されていたが、労作時呼吸困難が強くなり来院した。心電図で心房細動、心電図上ST波の盆状降下および多原性の心室性期外収縮を認め、ジギタリス中毒と診断された。また高度の低K+血症も認められた。直ちにジゴキシン投与が中止された。
 続いて行う処置として採用可能な正しいものの組合せはどれか。
a フロセミドの増量×
増量すると悪化する。
b アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の投与
c アドレナリンβ受容体刺激薬の投与×
投与すると悪化する。
d フロセミドからスピロノラクトンヘの変更

問193 
55歳、5年前から高血圧を指摘され、不規則に降圧薬(薬品名不明)を服用していた。昨年の冬頃から長時間歩くと右下肢が痛むようになった。受診時、脈拍45/分で脈の乱れなし(整)、血圧180/100 mmHg、左膝窩動脈から足背動脈が触知不能で閉塞性動脈硬化症と診断された。血液検査から高尿酸血症、高脂血症と診断され,さらに耐糖能異常も認められた。
 この症例の病態を考慮して、選択可能な降圧薬の組合せはどれか。
a チアジド系利尿薬×
解:チアジド系利尿薬は副作用として高尿酸血症、高脂血症、耐糖能異常がある。
b ジヒドロピリジン系Ca2+チャネル遮断薬(血管選択性)
c アドレナリンβ受容体遮断薬×
解:アドレナリンβ受容体遮断薬は徐脈を引き起こす恐れがある
d アドレナリンα1受容体遮断薬
e アンギオテンシンII受容体遮断薬
*アドレナリンα1受容体遮断薬、アンギオテンシンII受容体遮断薬は心機能や脂質、糖、尿酸代謝への悪影響が少ない

問194 
尿路結石症に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 腎・尿管結石を上部尿路結石といい、膀胱・尿道結石を下部尿路結石というが、上部尿路結石の方が頻度が高い。
b 下部尿路結石は、前立腺肥大症や尿道狭窄などによる尿の停滞が原因となることが多い。
c リン酸カルシウムやリン酸マグネシウムアンモニウムは、アルカリ尿になると不溶性となり、結石を生じやすくなる。
d 尿酸結石の治療には、尿酸が酸性尿中で溶解性が高まるため、尿のpHを下げることが重要である。×
解:尿酸結石の治療には、尿酸が塩基性尿中で溶解性が高まるため、尿のpHを上げることが重要である。
e シュウ酸カルシウムを含む結石の頻度は低い。×
解:シュウ酸カルシウムを含む結石の頻度は高い


問195 
ネフローゼ症候群に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a タンパク尿(3.5 g/日以上)と低タンパク血症(血清総タンパク質量6.0 g/dL以下、血清アルブミン量3.0 g/dL以下)が診断の必須条件である。
b 肝臓での脂質合成が低下するため、血清総コレステロール値は低値を示す。×
解:肝臓での脂質合成が亢進するため、血清総コレステロール値は高値を示す。
(肝:アルブミン合成↑=コレステロール合成↑(副反応))
c 低アルブミン血症により、血漿膠質浸透圧が低下するため浮腫が生じる。
d 微小変化型群には、副腎皮質ステロイド性薬が有効である。
e 初期治療は免疫抑制薬から開始し、副腎皮質ステロイド性薬の使用は控える。×
解:初期治療はステロイド剤から開始し、ステロイド抵抗性や糖尿病のときは免疫抑制薬を用いる。


問196 
気管支ぜん息に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 小児の気管支ぜん息のアレルゲンとしては、スギ花粉が最も多い。×
解:小児の気管支ぜん息のアレルゲンとしては、ハウスダストダニが最も多い。
b プロピオン酸ベクロメタゾン吸入剤を使用する際には、吸入効果を高めるために、スペーサーの使用を指導すべきである。
c 吸入アドレナリンβ2受容体刺激薬と吸入副腎皮質ステロイド性薬を併用する患者には、前者を吸入した後に後者を吸入するように指導する。
d プロピオン酸ベクロメタゾンの吸入剤は、成長障害の副作用がないため、小児に繁用する。×
解:プロピオン酸ベクロメタゾンの吸入剤は、成長障害の副作用があるため、小児に繁用してはならない


問197 
肺結核症とその治療薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 日本の結核罹患率は、最近10年間一貫して減少傾向にある。×
解:日本の結核罹患率は、最近10年間一貫して減少傾向にはない
b 糖尿病は、結核の発症のリスク要因の1つである。
c リファンピシンは、薬物の代謝を亢進することが少ない。×
解:リファンピシンは、薬物の代謝を亢進する
d イソニアジドは、末梢神経炎を生じることがある。
e 塩酸エタンブトールは、視力障害を生じることがあるので、定期的に視力検査を行う。

問198 
次の症例報告を読み、以下の鑑別診断と治療薬に関する文章中[  ]の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。
 患者(37歳女性)は、腹痛と粘血便で来院した。半年前から下痢が始まり回数が増えた。大腸の内視鏡検査では、全周性に発赤や浮腫の強い、易出血性の粘膜が観察されたことから、活動性の潰瘍性大腸炎を疑った。
 慢性持続性下血を伴う疾患の鑑別診断には、大便培養検査や口腔観察などがあり、前者では[ a ]を、後者では[ b ]を、除外できるか否かを鑑別する。また潰瘍性大腸炎の治療薬としては、[ c ]や[ d ]が用いられる。

 a  b  c  d
1 感染性腸炎 ―― 小腸疾患 ―― フマル酸クレマスチン ―― プレドニゾロン
2 感染性腸炎 ―― クローン病 ―― サラゾスルファピリジン ―― プレドニゾロン
3 過敏性腸症候群 ―― 小腸疾患 ―― フマル酸クレマスチン ―― インドメタシン
4 過敏性腸症候群 ―― クローン病 ―― サラゾスルファピリジン ―― プレドニゾロン
5 感染性腸炎 ―― クローン病 ―― フマル酸クレマスチン ―― インドメタシン
6 過敏性腸症候群 ―― 小腸疾患 ―― サラゾスルファピリジン ―― プレドニゾロン

問199 
消化性潰瘍とヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)菌に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 消化性潰瘍は、心窩部痛、悪心・嘔吐、吐血、下血、食欲不振および貧血の諸症状から確定診断が可能である。×
解:心窩部痛、悪心・嘔吐、吐血、下血、食欲不振および貧血の諸症状は消化性潰瘍の症状ではあるが、確定診断はできない。
b 消化性潰瘍の治療においては、プロトンポンプ阻害薬とヒスタミンH2受容体遮断薬の併用が必要とされる。×
解:消化性潰瘍の治療においては、プロトンポンプ阻害薬とヒスタミンH2受容体遮断薬の併用は行わない
c H. pyloriはグラム陽性桿菌であるが、低pH環境下では球状に変形し、増殖性が低い。×
解:H. pyloriはグラム陰性桿菌であるが、低pH環境下でも、増殖性が高い
d H. pyloriを除菌すると、消化性潰瘍の治療のみならず、潰瘍の再発を抑えることができる。
e H. pylori除菌療法としては、プロトンポンプ阻害薬、テトラサイクリン系抗菌薬、胃粘膜保護薬による3剤併用療法が標準となっている。×
解:H. pylori除菌療法としては、プロトンポンプ阻害薬(ランソプラゾールorオメプラゾール)、ペニシリン系抗生物質(アモキシシリン)マクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン)による3剤併用療法が標準となっている。


問200 
消化器疾患に用いる医薬品に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a オルノプロスチルは、プロスタグランジンE誘導体で、胃粘膜保護作用を持つ抗潰瘍薬である。
b スクラルファートは、胃粘膜保護作用を有するが、透析療法中の患者には禁忌である。
c メトクロプラミドは、胃壁細胞のニコチン受容体を選択的に遮断し、胃液分泌を抑制する。×
解:メトクロプラミドは、副交感神経末に存在するドパミンD2受容体遮断することで、ACh遊離を促進し、結果消化管運動亢進する。
d タンニン酸アルブミンは、腸管内で徐々に分解してタンニン酸を遊離し、便の軟化を起こすことによって瀉下作用を起こす。×
解:タンニン酸アルブミンは、腸管内で徐々に分解してタンニン酸を遊離し、緩和な収れん作用を示すことによって止瀉作用 を起こす。
e ポリカルボフィルカルシウムは、過敏性腸症候群における下痢や便秘に用いられる。
(腸管内の水分を調節して便の水分量を適切に保つ働きを持つ)

問201 
慢性骨髄性白血病(CML)の病態と治療に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a ほとんどの例で第22染色体と第9染色体に相互転座が認められ、フィラデルフィア染色体が出現する。
b 慢性期は、未分化な骨髄球系の細胞のみが増殖する。×
解:急性期は、未分化な骨髄球系の細胞のみが増殖する。慢性期幼若芽球から成熟した白血球まで各段階の白血球が存在する
c 急性転化を起こした後では、化学療法が著効である。×
解:急性転化を起こした後では、予後不良であり、化学療法に対して抵抗性を示す
d 骨髄移植適用の条件としては、慢性期状態患者でドナーとのHLA(human leukocyte antigen)が一致することが望ましい。
e 慢性期には、腫瘍細胞の増殖抑制作用および腫瘍細胞に対する細胞傷害性を高める作用のあるインターフェロンアルファによる治療が行われる。
(フィラデルフィア減少・消失作用、急性転化防止作用)

問202 
顆粒球減少症を引き起こす可能性がある薬物・薬剤として、正しいものの組合せはどれか。
a クロルプロマジン
b メチルプレドニゾロン×(顆粒球増加)
c 顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤×(顆粒球増加)
d プロピルチオウラシル
e スルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST合剤)

問203 
緑内障に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 緑内障の主要な発症原因は、糖尿病である。×
解:緑内障の主要な発症原因は糖尿病ではない
b 毛様体上皮細胞の房水産生の異常は、緑内障の発症原因となる。
c 緑内障では、光を瞳孔に当てた時、眼底からの反射が遮られる。×
解:白内障では、光を瞳孔に当てた時、眼底からの反射が遮られる。
d ピレノキシン点眼薬は、眼圧低下に有効である。×
解:ピレノキシン点眼薬は、白内障に有効である。
e 塩酸カルテオロールは、房水産生を抑制する。
(アドレナリンβ受容体遮断薬-毛様体での房水産生を抑制)

問204 
副鼻腔と扁桃に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 副鼻腔は、鼻腔と連なり、吸気の加湿や除塵を補助する。
b 副鼻腔炎は、顔面痛、頭痛、眼精疲労の原因となる。
c 原因不明の鼻づまりや鼻汁の症状が出現した場合は、直ちに抗菌薬を投与する。×
解:原因不明の鼻づまりや鼻汁の症状が出現した場合でも、直ちに抗菌薬を投与してはいけない
d 扁桃炎は、各種細菌やウイルスによる感染よりも、アレルギー性の炎症が多いので、第一選択薬は抗アレルギー薬である。×
解:扁桃炎は、一般に細菌感染により引き起こされる炎症であり、第一選択薬は適切な抗生物質である。
e 重症の扁桃炎では、血中のC反応性タンパク質(CRP)濃度が上昇する。

問205 
糖尿病とその治療に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 糖尿病患者の高血圧治療には、チアジド系利尿薬が第一選択として用いられる。×
解:糖尿病患者の高血圧治療には、チアジド系利尿薬が第一選択として用いられない(高血糖をおこす)
b 糖尿病の血糖管理は、ヘモグロビンA1C値が15%以上になるようにする。×
解:糖尿病の血糖管理は、ヘモグロビンA1C値が7±1.0%になるようにする。
c 2型糖尿病患者が重症感染症を発症した場合には、インスリンよりもスルホニル尿素薬を治療に用いるべきである。×
解:2型糖尿病患者が重症感染症を発症した場合には、スルホニル尿素薬よりもインスリンを治療に用いるべきである。
d ケトアシドーシス時にインスリンを投与すると、血清K+濃度が投与前より低下する。
e 2型糖尿病患者の体格指数(body mass index)が28以上の場合には、体重を減量する必要がある。

問206 
アレルギー性疾患に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a アトピー性疾患に最も関係する抗体は、IgAである。×
解:アトピー性疾患に最も関係する抗体は、IgEである。
b アナフィラキシー性ショックの成立機序は、I型アレルギーによる。
c 気管支ぜん息とは、種々の程度の気道閉塞と気道の炎症によって特徴づけられる。
d アナフィラキシー性ショックと判断した時は、ただちにノルエピネフリンを急速に静脈内に投与する。×
解:アナフィラキシー性ショックと判断した時は、ただちにエピネフリンを急速に皮下注又は筋注に投与する。
e 自己免疫性溶血性貧血は、I型アレルギーに属する。×
解:自己免疫性溶血性貧血は、Ⅱ型アレルギーに属する。


問207 
O157感染症に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 連鎖球菌による経口感染が原因である。×
解:腸管出血性大腸菌による経口感染が原因である。
b 原因毒素は、ベロ毒素である。
c 保育園や学校及び老人ホームでの集団発生が多い。
d 下痢症状には、塩酸バンコマイシン投与の有効性が示されている。×
解:下痢症状には、安静、水分補給など心がけ、O157感染症が疑われたら、ホスホマイシンニューキノロン系抗菌薬投与の有効性が示されている。
e 中枢神経症状や溶血性尿毒症性症候群を合併すると予後不良である。

問208 
a~dの薬物が治療上使用される最も可能性の高い疾患を1つ選びなさい。
a コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム
b アミノフィリン
c エピネフリン
d 塩酸ドパミン

  1 クッシング症候群×     2 アナフィラキシー性ショック
  3 アトピー性皮膚炎×     4 アレルギー性鼻炎×
  5 全身性エリテマトーデス×

問209 
下記の治療を受けている患者に対して、硝酸イソソルビドやニトログリセリンの投与が禁忌とされる場合の正しい組合せはどれか。
a Ca2+チャネル遮断薬を服用中の患者×(併用注意)
b 高度の貧血患者
c 閉塞隅角緑内障の患者
d クエン酸シルデナフィルを服用中の患者
e 頭部外傷の患者

問210 
抗悪性腫瘍薬やその副作用軽減に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a クレアチニンクリアランスが30 mL/minであれば、シスプラチンを使用してよい。×
解:クレアチニンクリアランスが30 mL/min(正常値:120mL/min)であれば、シスプラチン(副作用:腎障害)投与できない
b シスプラチンの長期使用時に出現する難聴は、主に低音域の障害である。×
解:シスプラチンの長期使用時に出現する難聴は、主に音域の障害である。
c 塩酸ドキソルビシンの総投与量が500 mg/m2 (体表面積)を超えると、心筋障害が出現しやすい。
d メスナは、イホスファミドに誘発される出血性膀胱炎の発現を抑制する。
e L-アスパラギナーゼ使用時には、低フィブリノゲン血症の出現に注意を要する。

問211 
医薬品の品質、有効性及び安全性を確保するために定められている諸基準の略語に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a GCPとは「医薬品の臨床試験の実施の基準」である。
b GPMSPとは「医薬品の市販後調査の基準」である。
c GMPとは「医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準」である。×
解:GLPとは「医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準」である。
d GLPとは「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準」である。×
解:GMPとは「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準」である。


問212 
保険医療機関(病院)や保険薬局における医薬品の流通過程に関して、[  ]内に入る語句の正しい組合せはどれか。

[計画]→[a]→[b]→[入庫]→[整理]→[c]→[供給]→[消費]→[請求]
    購買管理         在庫管理     供給管理   消費管理

    a    b   c
  1 検収  発注  保管
  2 発注  保管  検索
  3 検索  発注  検収
  4 発注  検収  出庫
  5 検収  発注  出庫

問213 
注射剤の成分―配合注射剤・添加物―配合による変化の関係について、正しいものの組合せはどれか。
注射剤の成分 配合注射剤・添加物 配合による変化
a フロセミド ―― 塩酸ピリドキシン注射液 ―― 溶解度の減少
b アンピシリンナトリウム ―― フェノバルビタールナトリウム注射液 ―― 加水分解の促進
c ジアゼパム ―― 生理食塩液 ―― 光分解の促進×
解: ジアゼパム:配合変化を起こしやすいため、他の注射と混合又は希釈して使用してはならない。
しかし生食により光分解は促進しない。
d 塩酸チアミン ―― 亜硫酸水素ナトリウム ―― 難溶性塩の析出×
解: 塩酸チアミン ―― 亜硫酸水素ナトリウム ―― 塩酸チアミンの分解

*亜硫酸水素ナトリウム:アミノ酸輸液に安定剤とし添加されている。

問214 
薬物の体内動態とその変動要因に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a クレアチニンクリアランスが基準値より大幅に低下している患者に、アミノグリコシド系抗菌薬を投与する場合、投与量を減量する必要がある。(アミノグリコシド系抗菌薬:腎消失型)
b オメプラゾールの代謝の個体差には、CYP2C19の遺伝的多型が関係している。
c 幼児期・小児期における薬物の代謝は、新生児期・乳児期よりも遅い。×
解:幼児期・小児期における薬物の代謝は、新生児期・乳児期よりも速い
d 腎機能が正常な妊婦では、非妊婦に比べて薬物の腎排泄は速やかであり、妊娠後半期では、循環血流量の増加によりリチウムの血中濃度は低くなる。(リチウム:腎消失型)
e 肝硬変では、組織の繊維化が進行するため、薬物の肝固有クリアランス、血漿タンパク結合率の低下がみられるが、肝血流量は影響を受けない。×
解:肝硬変では、組織の繊維化が進行するため、薬物の肝固有クリアランス、血漿タンパク結合率の低下がみられ、肝血流量も低下する


問215 
体重60 kgの患者にシクロスポリン注射液を1日量4 mg/kgで静脈内持続点滴したときの定常状態の全血中薬物濃度が250 ng/mLであった。この患者のシクロスポリン全身クリアランス(L/hr)として最も適当な値はどれか。

  1 0.025  2 0.4  3 2.5  4 25  5 40  6 400

問216 
ジゴキシンの血中濃度モニタリングに関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ジゴキシンを免疫学的測定法で測定する場合、特に腎障害患者や妊婦では内因性交差物質が測定値に影響をおよぼすことがあるので注意を要する。
b ジゴキシンとヒドロクロロチアジドを併用投与されている患者で、血中ジゴキシン濃度が治療域であるにもかかわらず不整脈を発現したので、ジゴキシンの増量を提案した。×
解:ジゴキシンとヒドロクロロチアジドを併用投与されている患者で、血中ジゴキシン濃度が治療域であるにもかかわらず不整脈を発現したので、薬物選択を提案した。
c ジゴキシンは、患者のクレアチニンクリアランス値を基に投与設計することが望まれる。(ジゴキシン:腎消失型)
d ジゴキシンの投与量は、母集団パラメータを用いる ことにより、1点の血中濃度から推定可能である。

問217 
麻薬に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 調剤済みの麻薬処方せんの保管期間は、院外処方せんの場合5年間である。×
解:調剤済みの麻薬処方せんの保管期間は、院外処方せんの場合3年間である。(院内:2年)
b 調剤ミスや破損、蒸発、流出などにより回収不能となった麻薬は事故届の必要はない。×
解:調剤ミスや破損、蒸発、流出などにより回収不能となった麻薬は事故届を都道府県知事に届ける義務がある。
c 入院患者に調剤された麻薬のうち、施用されないで残ったものはすべて麻薬管理者に返却する。
d 外来患者に処方された麻薬のうち、使用されなかったものは保険医療機関(病院)あるいは保険薬局に返却する必要はない。×
解:外来患者に処方された麻薬のうち、使用されなかったものは保険医療機関(病院)あるいは保険薬局に返却する必要がある

  
問218 
肝・腎機能が正常な30歳代の5名の患者に対する次の各処方(a~e)の用法・用量について、疑義照会すべきものの正しい組合せはどれか。
処方a[疑義照会必要]
 塩酸ドキシサイクリン錠 100 mg  3錠
  1日3回 朝昼夕食後     7日分
解:1日1回投与-ドキシサイクリン:半減期15~22時間
処方b[疑義照会必要]
 ベシル酸アムロジピン錠 5 mg   2錠
  1日2回 朝夕食後     14日分
解:1日1回投与-アムロジピン:半減期31~39時間
処方c[疑義照会不要]
 トリアゾラム錠 0.25 mg     1錠
  1日1回 就寝前      7日分
処方d[疑義照会必要]
 ボグリボース錠 0.2 mg     3錠
  1日3回 朝昼夕食後    14日分
解:食直前投与
処方e[疑義照会不要]
 シンバスタチン錠 5 mg     1錠
  1日1回 夕食後      14日分

問219 
気管支ぜん息の患者に対して循環器内科から塩酸プロプラノロールを含む処方せんが発行された。これに対する薬剤師の対応の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 塩酸プロプラノロールに対する副作用歴やアレルギー歴がなかったので処方せんどおり調剤して交付した。×
解:塩酸プロプラノロールは気管支喘息の症状を誘発または悪化させる恐れがあるため、処方医に疑義照会が必要である
b 処方医から塩酸プロプラノロールは削除できない、と言われたので、呼吸器内科の主治医に対してより強力な鎮咳薬であるリン酸コデインの投与を提案した。×
解:リン酸コデインは気管支喘息発作に対して禁忌である。
c 塩酸プロプラノロールは禁忌であるので、処方医に処方の変更を依頼した。
d 塩酸プロプラノロールをより安全なフロセミドに変更して調剤する場合には、疑義照会の必要はない。×
解:塩酸プロプラノロールをより安全なフロセミドに変更して調剤する場合には、疑義照会の必要がある
e 薬歴を確認したところ、この患者にはいかなるアドレナリンβ受容体刺激薬も投薬されていなかったので、処方せんどおり調剤して交付した。×
解:塩酸プロプラノロールは気管支喘息の症状を誘発または悪化させる恐れがあるため、処方医に疑義照会が必要である


問220 
水に難溶性であるが、揮発性溶剤に溶解する薬物の10%軟膏100 gを白色ワセリンを基剤として調製したい。次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 主薬を秤量して乳鉢に入れた後、エタノールなどを加えて湿潤し、乳棒で研和する。
b 有機溶媒が揮発した後、直ちに基剤を加えて調製してよい。×
解:有機溶媒が揮発した後、基剤の一部又は少量の研和補助剤に研和した後、残りの基剤と練合する
c 研和補助剤にはマクロゴール400を使用するとよい。×
解:研和補助剤には植物油流動パラフィンを使用するとよい。
d 研和補助剤には流動パラフィンを使用するとよい。
e 研和補助剤には白色ワセリンの一部を熔融して用いてもよい。

問221 
次の剤形と保管容器との関係について、正しいものの組合せはどれか。
   剤形       容器
a パップ剤-----------気密容器
b 貼付剤------------密閉容器
c 坐剤--------------密閉又は気密容器
d エアゾール剤-------気密容器×
解:エアゾール剤-------密封容器
e 眼軟膏剤-----------密閉容器×
解:眼軟膏剤-----------気密容器


問222 
調剤薬の鑑査及び調剤過誤の防止に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 処方鑑査及び疑義照会は、別の薬剤師がすでに完了しているので、調剤鑑査担当者はその処方が正確に調剤されているかを鑑査すればよい。×
解:処方鑑査及び疑義照会は、別の薬剤師がすでに完了しているのが、調剤鑑査担当者はを調剤薬の照合の他、再度処方鑑査疑義照会の妥当性などについても鑑査しなければならない
b 処方オーダリングシステムに連動する自動錠剤分包システムの利用は、調剤過誤、患者の誤服用の防止などにつながる。
c 散剤調剤鑑査システムが導入されている場合の鑑査は、処方せんと鑑査システム記録紙上での確認のみで済み、正確かつ効率的に行える。×
解:散剤調剤鑑査システムが導入されている場合の鑑査においても、処方せんと鑑査システム記録紙上での確認の他に外観、重量、色などの確認を行う。
d 散剤の装置びんへの充填は、複数の薬剤師が確認しながら行うことが望ましい。
e 調剤薬の鑑査には、可能な限り、調剤業務を総合的に熟知し、豊富な経験を有する薬剤師を専任者として配置することが望ましい。

問223 
徐放性製剤に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 速放性製剤と比較して、患者の服薬コンプライアンスを高める上で有効である。
b 速放性製剤と比較するとき、血中濃度曲線が平坦で、長時間にわたり有効血中濃度を維持できる。
c 錠剤全体が、徐放性を持つように設計されたものをシングルユニットタイプという。
d 服用後速やかに崩壊し、放出された個々の顆粒が徐放性を持つように設計されたものをマルチプルユニットタイプという。

問224 
医薬品の緊急安全性情報に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 緊急安全性情報は、重大な副作用など緊急な連絡を要する副作用情報を、厚生労働省の指示により製薬企業が医療関係者に4週間以内に配布、伝達するものである。
b 緊急安全性情報は、それまでに収集された重篤な副作用発現症例の解析結果に基づいた警告、禁忌、使用上の注意を厚生労働省が各医療機関に速報するものである。×
解:緊急安全性情報は、重要かつ緊急な連絡を要する副作用情報について厚生労働省の指示により製薬会社が各医療機関に速報するものである。
c 緊急安全性情報は、同一の医薬品について繰り返し出されることはない。×
解:緊急安全性情報は、同一の医薬品について繰り返し出されることもある
d 塩酸チクロピジン製剤の緊急安全性情報では、血栓性血小板減少性紫斑病等の重大な副作用について警告され、定期的な血液検査を実施するよう注意が喚起された。

問225 
医療用医薬品の添付文書に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 「効能・効果」に記載された適応は、臨床試験の成績に基づいて承認されたものである。
b 「禁忌」には、投与してはならない患者の条件が示され、「警告」に次いで添付文書の冒頭に記載される。
c 「警告」は、致死的ではないが重篤かつ可逆的な副作用の発現に注意を喚起するために記載される。×
解:「警告」は、致死的または重篤かつ非可逆的な副作用の発現に特に注意を喚起するために記載される。
d 添付文書は薬事法で定められた公文書であり、その医薬品に関する唯一の情報源である。×
解:添付文書は薬事法で定められた公文書であり、その医薬品に関する唯一の法的な根拠を有するものである。
情報源:1次資料-研究論文、2次資料-抄録誌、3次資料-専門書・教科書


問226 
薬物(a~d)の服薬指導に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

薬物服薬指導
aジアゼパム自動車の運転を避ける。
bフロセミド過度の日光を浴びないようにする。
cリファンピシン尿や便が燈赤色に着色することがある。
d塩酸テトラサイクリン牛乳での服用は避ける。

*ワルファリン-納豆を食べない


問227 
調剤指針による注射用抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 取扱い上での注意度から、抗悪性腫瘍薬は2段階(A、Bランク)に分類され、Bランクのものは特に取扱いに注意を要する。×
解:取扱い上での注意度から、抗悪性腫瘍薬は2段階(A、B、Cランク)に分類され、Aランクのものは特に取扱いに注意を要する。
b Aランクの抗悪性腫瘍薬は劇薬に指定されている。×
解:Aランクの抗悪性腫瘍薬は薬に指定されている。
c Aランクの抗悪性腫瘍薬には、シクロホスファミド、メトトレキサート、マイトマイシンCが含まれる。
d Aランクの抗悪性腫瘍薬は、ヒトでの発癌性は報告されているが、ヒトでの催奇形性は報告されていない。×
解:Aランクの抗悪性腫瘍薬は、ヒトでの発癌、催奇形性は報告されているものである。
e 被ばくの危険性を減らすため、調製作業には安全キャビネット(クラスIIのもの)を使用する。(安全性:Ⅰ(低)→Ⅲ(高))

問228 
注射剤や輸液に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 人免疫グロブリンの筋注の適応は、A型肝炎ウィルス感染予防のみである。×
解:人免疫グロブリンの筋注の適応は、A型肝炎ウィルス感染予防、そのほかに麻疹ウィルスやポリオウィルスの感染予防やその症状の軽減などである。
b 乳酸リンゲル液、ブドウ糖加乳酸リンゲル液は、重症肝不全や低酸素血症時でも乳酸アシドーシスを起こしにくい。×
解:乳酸リンゲル液、ブドウ糖加乳酸リンゲル液は、重症肝不全や低酸素血症時でも乳酸アシドーシスを起こしやすい
c キシリトール、果糖、マルトース、D-ソルビトールは、主として糖尿病患者に使用される糖質である。
d アシクロビル、メシル酸ガベキサート、カンレノ酸カリウムの注射液は、配合変化を起こしやすいので、原則として単独で投与される。
e ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、シクロスポリンの注射液は、ポリ塩化ビニル製の点滴用バッグや輸液セットに主薬が吸着されて含量低下を起こしやすい。

問229 
放射性医薬品に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 放射性医薬品は、放射性医薬品基準に規定されるとともに、すべて日本薬局方に収載されている。×
解:放射性医薬品は、放射性医薬品基準に規定されるとともに、すべて日本薬局方に収載されているとは限らない
b 過テクネチウム酸ナトリウム(核種:99mTc)注射液は、脳腫瘍および脳血管障害の診断に用いられる。
c 塩化インジウム(核種:111In)注射液は、副甲状腺疾患の診断に用いられる。×
解:塩化インジウム(核種:111In)注射液は、再生不良性貧血などの骨髄疾患の診断に用いられる。
d ヨウ化ナトリウムカプセルの核種には、2種類(123I及び131I)あるが、甲状腺機能亢進症や甲状腺癌の治療には半減期の長い131I標識体が使用される。
e 塩化タリウム注射液の核種201TIは、心筋シンチグラムによる心臓疾患の診断に使用される。

問230 
機能検査薬あるいは診断用薬(a~e)に対応する検査項目あるいは診断項目、(ア~オ)について、正しいものの組合せはどれか。
検査・診断用薬検査・診断項目
a塩酸アルギニン注射液下垂体機能検査(脳下垂体前葉ホルモンである成長ホルモンの分泌促進)
bデンプン部分加水分解物液糖尿病診断時の糖負荷試験(経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)用ブドウ糖製剤)
cベンチロミド内服液膵外分泌機能検査ベンチロミド(チロシン+安息香酸+パラアミノ安息香酸(PABA)):膵酵素(α-キモトリプシン)で唯一加水分解→PABA遊離→小腸吸収・肝で抱合→尿中排泄
d精製ツベルクリン注射液結核の診断
eスルホブロモフタレインナトリウム注射液肝機能検査

問231 
消毒薬と使用目的の正しい組合せはどれか。
消毒薬名使用目的
a3%グルタラール内視鏡の消毒
b1%次亜塩素酸ナトリウム排泄物の消毒
c0.2%グルコン酸クロルヘキシジン含有消毒用エタノール手指の消毒
d10%ポビドンヨード手術部位の皮膚・粘膜の消毒


問232 
医薬品情報に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 新医薬品承認審査概要は、新医薬品の承認審査過程をまとめ、開発企業が公表するものである。×
解:新医薬品承認審査概要(SBA)は、新医薬品の承認審査過程をまとめ、厚生労働省が公表するものである。
b 医薬品インタビューフォームは、医療用医薬品添付文書情報の補完を目的に厚生労働省が作成する資料である。×
解:医薬品インタビューフォームは、医療用医薬品添付文書情報の補完を目的に製薬企業が作成する資料である。
c 教科書は信頼性が高いが速報性は低い3次情報源である。
d 医薬品安全対策情報(Drug Safety Update, DSU)は、医療用医薬品添付文書の「使用上の注意」の改訂情報を収載したものである。

問233 
1回ごとの用量に分割分包する調剤法を一包化調剤という。一包化調剤に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 患者の服薬コンプライアンスの向上につながる。
b 調剤後の使用期間における安定性が確保されている医薬品を対象に行うべきである。
c 調剤鑑査は当該処方の最初の1包のみで済み、作業が容易かつ簡便である。×
解:調剤鑑査は全ての分包において行い、調剤鑑査は困難である。
d 錠剤のみならず、カプセル剤に対しても行える。
e 分包紙上に医薬品名を印字可能であるので、各々の医薬品情報を提供する必要はない。×
解:分包紙上に医薬品名を印字可能であるが、それとは別に各々の医薬品情報を提供する必要がある


問234 
医薬品情報の収集、評価および提供に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 薬事法には、製薬会社が行う医薬品の適正使用のために必要な情報の収集に、医師、薬剤師等の医療関係者が協力するよう努めること、とされている。
b 入手した医薬品情報を的確に評価し、患者及び医療関係者に必要な情報を取捨選択することが大切である。
c インターネットなどの情報アクセス手段の普及に伴い、患者及び医療関係者に対する情報提供は不要となる。×
解:インターネットなどの情報アクセス手段の普及していても、患者及び医療関係者に対する情報提供は必要となる。
d 医薬品開発段階における治験データが乏しい小児、高齢者、妊婦などに対する適切な情報収集と提供は特に重要である。
e 収集した情報の評価には、出来る限り内容データの客観性や妥当性を含むいわゆるevidence based medicine(EBM)の観点が求められる。

問235 
末期癌患者の薬物療法に関する記述のうち、正しいものはどれか。
1 リン酸コデインや塩酸モルヒネの作用は、ペンタゾシンや塩酸ブプレノルフィンの併用により減弱することがある。
2 作用の強い麻薬性鎮痛薬を使用すると、癌患者の生存期間を短縮させる恐れがあるので用いない方がよい。×
解:癌性疼痛の治療に於、鎮痛薬は患者の余生ではなく、痛みの強さに応じて選択される。
3 末期癌の持続性の痛みには、塩酸モルヒネの頓服が合理的である。×
解:末期癌の持続性の痛みには、塩酸モルヒネの規則正しい服用が合理的である。
4 癌患者の疼痛緩和を目的に使用する塩酸モルヒネは、副作用や習慣性及び退薬症候に注意する必要があるため、投与量の上限が設定されている。×
解:癌患者の疼痛緩和を目的に使用する塩酸モルヒネは、副作用や習慣性及び退薬症候になるのはまれあるため、 投与量の上限が設定されていない
5 塩酸モルヒネでコントロールできない疼痛は、向精神薬を併用しても軽減することはない。×
解:塩酸モルヒネでコントロールできない疼痛は、向精神薬を併用して軽減される


問236 
注射剤の調製に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウムはpH 7.0~8.0で安定であるが、酸性側では白色沈殿を生じ、アルカリ性側では黄色沈殿を生じる。
b シスプラチンは塩素イオン濃度の高い溶液中では分解が早まるので、通常、注射用蒸留水に溶解して使用される。×
解:シスプラチンは塩素イオン濃度の高い溶液中では活性が高い
c 高栄養輸液の調製は、安全キャビネット内で行わなければならない。×
解:高栄養輸液の調製は、無菌室又はクリーンベンチ内で行わなければならない。
d クリーンベンチ内は陽圧であるが、安全キャビネットの中は陰圧に保たれている。

問237 
血液製剤に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 人血清アルブミン製剤は、ヒトの血清アルブミンを含む黄色ないし黄褐色の液剤であり、凍結保存する。×
解:人血清アルブミン製剤は、ヒトの血清アルブミンを含む黄色ないし黄褐色の液剤であり、30度以下で凍結を避けて凍結保存する。
b 低温エタノール分画法で製造した人免疫グロブリンは、ウイルス等による感染性を完全には否定できない。
c 血液製剤を使用した場合、血液製剤管理簿に製品名、投与日、患者氏名を記録し、3年間保存する。×
解:血液製剤を使用した場合、血液製剤管理簿に製品名、製造番号、投与日、患者氏名、住所を記録し、10年間保存する。
d 血漿分画製剤は、製造に際して原料血漿の抗体検査を行うことにより、製造ロット間の品質の同等性を保証している。×
解:血漿分画製剤は、大量生産を行わず少量ずつ製造するため、原料の血漿が異なると、原料の血漿が異なると製造ロット間の品質は必ずしも同一にはならない


問238 
下記の散剤処方について、調剤用天びんで各医薬品14日分を秤量し、1包が1gになるように賦形剤を加えて調剤を行った。添加した賦形剤の全量は何gになるか。正しい重量(単位:g)に最も近い値はどれか。

処方 フマル酸クレマスチン散(10 mg/g)  3 mg(主成分として)
   アミノフィリン末          0.6 g
   硫酸テルブタリン散(10 mg/g)    12 mg(主成分として)
   酸化マグネシウム末         0.3 g
   賦形剤               適量
   1日3回毎食後服用  14日分

  1 8.4  2 12.6  3 18.0  4 21.0  5 29.2

問239 
医薬品の副作用に関する用語と、その説明の対応が正しいものの組合せはどれか。
   用語           説明
a ジスキネジア ------- 注射した皮膚の部分が陥没すること。×
解:ジスキネジア ------- ドパミン欠乏に伴う錐体外路障害による不随意運動
解:ポジストロフィー------- 注射した皮膚の部分が陥没すること。
b テタニー ----------- 羽ばたき振せんとも呼ばれる随意性のふるえ。×
解:テタニー ----------- 四肢の強直性けいれん。
解:アステリクシス ----------- 羽ばたき振せんとも呼ばれる随意性のふるえ。
c ブラックアウト ----- 意識を失って回復しないこと。×
解:ブラックアウト ----- 一時的な意識障害・記憶障害。
d チアノーゼ --------- 血液中の酸素欠乏によって生じる皮膚の暗紫青色変化。
e イレウス ----------- 腸管の膨満を特徴の1つとする腸閉塞症。

>問240 
次の処方内容について調剤を行った。(A)は0.04 w/v%、(B)は0.5 w/v%、(C)は5 w/v%の各シロップ剤を計量し、(D)を1回服用量が10 mLになるように加えた。加えた(D)の全量として最も近い値(単位:mL)はどれか。

処方  (A) d-マイレン酸クロルフェニラミン   1.6mg
    (B) ヒベンズ酸チペピジン         25 mg
    (C) L-カルボシステイン 300 mg
    (D) 精製水                適量
      1日3回 毎食後服用 3日分

  1 7.5  2 15.0  3 22.5  4 30.0  5 45.0