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基礎薬学

問1
次の構造は、医薬品に含まれる基本骨格である。その構造と名称の正しい組合せはどれか。

 
  a   b   c   d   e
5 ピリミジン ピリジン クマリン β-ラクタム プリン

問2 
Cl、N、Sの酸化物に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a N2Oには全身麻酔作用がある。
b KClO3には酸化作用はない。×
解:KClO3には強力な酸化剤である。
c H2SO4は水と任意の割合で混ざり、この時発熱する。
d SO2には還元作用がある。
  
問3 
cyclohexane及びその誘導体に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a cyclohexaneのいす形立体配座におけるC-C-C結合角は120度である。×
解:cyclohexaneのいす形立体配座におけるC-C-C結合角は109度である。
b trans-1,2-dimethylcyclohexaneの安定ないす形立体配座では、2個のメチル基はequatorial結合である。
c cis-1-tert-butyl-4-chlorocyclohexaneの安定ないす形立体配座では、クロロ基はequatorial結合である。×
解:cis-1-tert-butyl-4-chlorocyclohexaneの安定ないす形立体配座では、クロロ基はaxial結合である。
d いす形のcyclohexaneのすべての隣り合った炭素-水素結合は、ねじれ形配座である。

問4 
下記の立体構造a~dのうち、(2R,3S)-2-bromo-3-chlorobutaneを正しく表しているものの組合せはどれか。


a (2R,3R)-2-bromo-3-chlorobutane
b (2R,3S)-2-bromo-3-chlorobutane
c (2R,3S)-2-bromo-3-chlorobutane

d (2R,3R)-2-bromo-3-chlorobutane
問5 
化学結合及び相互作用に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a アンモニアやフッ化水素の沸点は、それぞれ15族、17族の他の水素化物の沸点と比べて異常に高い。これは強い分子間水素結合をしているためである。
b 原子間で電子を共有することにより形成される結合には、共有結合とイオン結合がある。×
解:原子間で電子を共有することにより形成される結合には、共有結合と配位結合がある。
c アンモニアの窒素原子の非共有電子対は、プロトンや金属陽イオンと、配位結合を形成する。
d アセトンが水に溶けやすいのは、疎水性相互作用のためである。×
解:アセトンが水に溶けやすいのは、分子間水素結合による作用のためである。


問6 
炭素原子の混成軌道に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a プロパンの中央炭素と末端炭素との結合は、sp3混成軌道と sp3混成軌道からなるシグマ(σ)結合である。
b アセチレンのCH結合は、sp混成軌道とs軌道からなるシグマ(σ)結合である。
c イソプロピルカルボカチオンの中央炭素は、sp3混成軌道をもつ。×
解:イソプロピルカルボカチオンの中央炭素は、sp2混成軌道をもつ。
d アレン(プロパジエン)の中央炭素は、sp2混成軌道をもつ。×
解:アレン(プロパジエン)の中央炭素は、sp混成軌道をもつ。
e ホルムアルデヒドの炭素は、sp2混成軌道をもつ。

問7 
次の化合物の酸性の強さを比較したもののうち、正しいものの組合せはどれか。

  2 (a、c)


問8 
芳香族化合物に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a イオン性の芳香族化合物は存在しない。×
解:イオン性の芳香族化合物は存在する
b 代表的な反応は、求電子置換反応である。
c ピリジンとピロールの窒素原子の非共有電子対は、いずれもsp2混成軌道に存在する。×
解:ピリジンの窒素原子の非共有電子対はsp2混成軌道、ピロールは、2p混成軌道に存在する。
d スルホン化は可逆反応である。

  
問9 
化合物a~dの求核置換反応に関する記述ア~エの正誤について、正しい組合せはどれか。

ア 化合物aは炭素-ハロゲン結合がきわめて強く容易に開裂しないので、臭素を置換することは難しい。
イ 化合物bは第3級ハロゲン化合物であるからSN1機構で容易に反応する。×
解:化合物bは第3級ハロゲン化合物であるからSN1機構で容易に反応しない。(例外パターン:架橋形成のため)
ウ 化合物cは第1級ハロゲン化合物であるからSN2機構で容易に反応する。
エ 化合物dは第1級ハロゲン化合物であるからSN2機構で容易に反応する。×
解:化合物dは第1級ハロゲン化合物であるからSN2機構で容易に反応しない。(例外パターン:立体障害が大きいため)


問10 
次の「反応」と「反応の分類」の対のうち、正しいものの組合せはどれか。

  b 脱離反応  c SN2反応(ハロゲン化メチルの求核置換反応)[加溶媒分解反応:SN1反応]


問11 
化学反応に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 塩素と紫外線を用いるアルカンの塩素化反応は、炭素ラジカル中間体を経由する連鎖反応である。
b 硫酸と硝酸を用いるベンゼンのニトロ化反応では、ニトロニウムイオンが求核剤として働いている。×
解:硫酸と硝酸を用いるベンゼンのニトロ化反応では、ニトロニウムイオンが求電子剤として働いている。
c 臭素を用いるベンゼンの臭素化反応において、臭化鉄(III)(FeBr3)はルイス塩基触媒として作用する。×
解:臭素を用いるベンゼンの臭素化反応において、臭化鉄(III)(FeBr3)はルイス酸触媒として作用する。
d 臭素を用いるアルケンの臭素化反応では、ブロモニウムイオン中間体が生成する。

問12 
カルボン酸エステルに関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a カルボン酸とアルコールからエステルを生成する反応では、酸触媒が必要である。
b 安息香酸を酸触媒の存在下で18Oで標識したメタノールと反応させると、標識された酸素は安息香酸メチルに含まれる。
c 酢酸エチルはエタノール中ナトリウムエトキシドで処理すると、アセト酢酸エチルを与える。
d 酢酸エチルとプロパン酸エチルの混合物をエタノール中ナトリウムエトキシドで処理すると、アセト酢酸エチルと3-オキソペンタン酸エチルのみが生成する。×
解:4種類のエステルを生成する。

  
問13 
日本薬局方医薬品エテンザミドの合成法と性質に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。


a サリチル酸に無水メタノールを加えるだけで、容易に化合物Aが生成する。×
解:酸触媒が必要である。
b 化合物Aのメタノール溶液にアンモニアを加えると、化合物Bが生成する。
c 化合物Bのエチル化の際、phenoxide anionを生成させ、求核性を高める必要がある。
d エテンザミドの飽和水溶液は塩基性を示す。×
解:エテンザミドの飽和水溶液は中性を示す。


問14 
日本薬局方医薬品a~cに適用する確認試験ア~エの正しい組合せはどれか。

塩酸ピリドキシン         ナプロキセン        ブンズブロマロン ア 本品0.1gをエタノール(95) 10 mLに溶かし、2,4-ジニトロフェニルヒドラジン試液3 mLを加え、水浴中で20分間加熱するとき、赤色の沈殿を生じる。
イ 本品0.01 gを希塩酸5 mLに溶かし、水浴中で10分間加熱し、冷却した液は芳香族第一アミンの定性反応を呈する。
ウ 本品の水溶液(1→10000) 1 mLに新たに製した2,6-ジブロモ-N-クロロ-1,4-ベンゾキノンモノイミンのエタノール(95)溶液(1→4000) 2 mL及びアンモニア試液1滴を加えるとき、液は青色を呈する。
エ 本品のエタノール(99.5)溶液(1→300) 1 mLに過塩素酸ヒドロキシルアミン・エタノール試液4 mL及びN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド・エタノール試液1 mLを加え、よく振り混ぜた後、微温湯中に20分間放置する。冷後、過塩素酸鉄 (III)・エタノール試液1 mLを加えて振り混ぜるとき、液は赤紫色を呈する。

     a  b  c 
  4 ウ エ ア


問15 
解離定数に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a pKaの値が小さいほど、酸性の強さは小さい。×
解:pKaの値が小さいほど、酸性の強さは大きい
b pKbの値が大きいほど、塩基性の強さは大きい。×
解:pKbの値が大きいほど、塩基性の強さは小さい
c pKaの値は、解離している分子種と解離していない分子種が等モル量存在している溶液のpHに等しい。
d 25℃における弱電解質水溶液では、pKa×pKb=14として取り扱える。×
解:25℃における弱電解質水溶液では、pKa+pKb=14として取り扱える。
e pKb 8の塩基性薬物は、pH 9の水溶液においてはほとんどがイオン型で存在している。×
解:pKb 8の塩基性薬物は、pH 9の水溶液においてはほとんどが非イオン型で存在している。


問16 
日本薬局方における粘度測定法に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 液体の流れに平行な平面の単位面積あたりの内部摩擦力をずり応力(S)、流れに垂直な方向の速度勾配をずり速度(D)とよび、粘度(η)とは、 D=ηSの関係式で示される。×
解:粘度(η)とは、S=ηDの関係式で示される。
:b 粘度の単位としてパスカル秒(Pa・s)またはミリパスカル秒(mPa・s)が用いられる。
c 高分子物質を含む液体の極限粘度を測定することにより、分子量の目安となる情報が得られる。
d 毛細管粘度計を用い、粘度及び密度既知の液体Aについて毛細管を通って流下するに要する時間を測定したところ、t秒を要した。同一の粘度計を用いて同条件で液体Bを測定したところ、2t秒を要した。両液体の密度にかかわらず液体 Bの粘度は液体Aの2倍であるといえる。×
解:両液体の密度が異なる場合はいえない。
e 非ニュートン液体の粘度測定には回転粘度計法が適用でき、測定装置の一つにクェット型粘度計(共軸二重円筒形回転粘度計)がある。

問17 
化合物の物性に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 過冷却現象とは、冷却している液体試料の結晶が析出する際に見られる現象で、冷却温度が急激に降下する特徴を示す。×
解:過冷却現象とは、冷却している液体試料の結晶が析出する際に見られる現象で、冷却温度が急激に上昇する特徴を示す。
b 純物質の融点と凝固点は共に固相と液相との平衡状態での転移温度を示し、本質的には同一の値を示し、圧力に依存しない。×
解:純物質の融点と凝固点は共に固相と液相との平衡状態での転移温度を示し、本質的には同一の値を示し、圧力に依存する
c 0℃、1気圧での氷と水の平衡状態において、氷は水に比べてエンタルピー的に安定であるがエントロピー的には水の方が安定であるため、両者はGibbs自由エネルギーの変化量がゼロの状態でつり合っている。
d 結晶性の薬品の中に不純物が混在すると凝固点は低下する。
e 等方性物質の第1の媒質から第2の媒質に光が入るとき、入射角iの正弦と屈折角rの正弦との比nは屈折率とよばれ、その値が1より大きい場合は、入射角度によっては全反射が起こりうる。×
解:等方性物質の第1の媒質から第2の媒質に光が入るとき、入射角iの正弦と屈折角rの正弦との比nは屈折率とよばれ、その値が1より大きい場合は、入射角度によらず、全反射が起こりえない。

  
問18 
熱力学的パラメータに関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 絶対温度Tにおいて状態AとBが平衡にあるとき、その平衡定数 Kは、両状態の標準自由エネルギー差・Goによって決まる。ただし・Go=-RT ln Kの関係がある。Rは気体定数である。
b いくつかの温度で測定した平衡定数から、反応の標準エンタルピー変化を求めることができる。
c XからYが生成するときの反応速度定数kは、 exp(-Ea/RT)に比例する。ただし、厳密には測定温度範囲が狭いときに限られる。Eaは一般に活性化エネルギーといわれる。
d 自由エネルギーはエントロピーとエンタルピーの関数であり、温度には依存しない。×
解:自由エネルギーはエントロピーとエンタルピーと温度の関数であり、温度には依存する。(G=H-TS)

  
問19 
図に示されたフェノールと水の二成分系の液相-液相平衡に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 曲線ABCの外側では、両成分は溶け合い均一溶液であり、内側では二相に分離する。点Bの温度TBを臨界溶解温度という。
b 高温で一相になる系では、一般的に混合熱は発熱である。×
解:高温で一相になる系では、一般的に混合熱は吸熱である。
c wFは、温度T1におけるフェノールの飽和溶解度である。×
解:wFは、温度T1におけるの飽和溶解度である。
d 点Hでは、点Eと点Fの組成の二相に分離する。その重量比 wE/wFは L1/L2である。×
解:点Hでは、点Eと点Fの組成の二相に分離する。その重量比 wE/wFは L2/L1である。

問20 
次の文章の[  ]内に入る語句の正しい組合せはどれか。
 大気中に存在する二酸化イオウSO2と[ a ]が水に吸収されると、それぞれ最終的には[ b ]とHNO3に変化し、水のpHが[ c ]酸性雨となり、環境や生態系に悪影響を与える可能性がある。一般に、pH=5.6以下の雨を酸性雨とよんでいる。
 大気と平衡にある水は1.5×10-5 mol L-1の二酸化炭素CO2を溶解している。反応は次のように表される。

式(2)のpKa1=6.46、及び(3)のpKa2= 10.25である。水溶液は酸性であるため、式(3)と水自身の解離によるプロトンの影響を無視できるとすると、弱酸の溶液のpHを求める次式を用いて水溶液のpHが求められる。
ここでCA=1.5×10-5 mol L-1およびlog1.5 = 0.18とすると
  pH=[ d ]となる。
 a  b  c  d
4
窒素酸化物 H2SO4 下がり 5.64


問21 
難溶性電解質MX2は水中では、次式の平衡状態で存在する。
  MX2  ・ M2++2X-

溶解度および溶解度積に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 難溶性電解質MX2の溶解度積Kspは、各イオンの濃度積[M2+][X-]で表せる。×
b 難溶性電解質MX2の溶解度積Kspは、 [M2+][X-]2で表せる。
c MX2 の溶解度をCsatとすると、その溶解度積はKsp= Csat2である。×
d MX2 の溶解度をCsatとすると、その溶解度積はKsp= 4Csat3である。
e X-イオンを添加すると、MX2の溶解度は増加する。これを共通イオン効果という。×
解:X-イオンを添加すると、MX2の溶解度は減少する。これを共通イオン効果という。

    
問22 
コロイド分散系に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 限外顕微鏡は、コロイド粒子のチンダル現象を利用したものである。
b コロイド粒子のブラウン運動は、コロイド粒子どうしの無秩序な衝突によって起こり、コロイド粒子は、一般にろ紙や半透膜を通過する。×
解:コロイド粒子のブラウン運動は、コロイド粒子と溶媒分子の無秩序な衝突によって起こり、コロイド粒子は、一般にろ紙は通過し、半透膜を通過しない
c 疎水コロイドに少量の電解質を添加すると、凝集し沈殿する。これを凝析という。これは静電的反発力が増加し、ファンデルワールス力が支配する距離まで接近するためである。×
解:疎水コロイドに少量の電解質を添加すると、凝集し沈殿する。これを凝析という。これは静電的反発力が低下するためである。
d タンパク質などの親水コロイドは、アルコールなどの脱水剤と少量の電解質を添加すると、凝集し沈殿する。これを塩析という。×
解:タンパク質などの親水コロイドは、アルコールなどの脱水剤と少量の電解質を添加すると、凝集し沈殿する。これをコアセルベーションという。(塩析:親水コロイドに多量の電解質を加える)
e 互いに反対符号に帯電した水溶性高分子コロイドの静電的相互作用を利用して、マイクロカプセルを調製することができる。

  
問23 
3種類の薬物A、B及びCの分解は、それぞれ0次、1次及び2次反応に従う。次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a Aの残存量は、時間と共に直線的に減少する。
b Bの残存量の対数は、時間と共に直線的に減少する。
c Cの残存量の逆数の対数は、時間と共に直線的に増加する。×
解:Cの残存量の逆数は、時間と共に直線的に増加する。
d いずれの薬物も、その初濃度と半減期が同じ場合、半減期以降での薬物の分解量の最も少ないのはAである。×
解:いずれの薬物も、その初濃度と半減期が同じ場合、半減期以降での薬物の分解量の最も少ないのはである。


問24 
次の文章の[  ]に入る語句又は数値の正しい組合せはどれか。
 90Srは[ a ]により原子番号39の90Yになる。 90Yも放射性核種であり、β-壊変により原子番号[  b ]、質量数[ c ]のZrの安定核種になる。90Srの半減期(28.8年 )は90Yの半減期(64.1時間)に比べてはるかに長いので十分長時間の後には、両核種の間に[ d ]平衡が成立する。この状態においては105 Bqの90Srと共存する90Yは[ e ]Bqである。

 a b d  e
5
β-壊変 40 90 永続 105

問25 
下の図a~cは、エステル(C10H12O2) ア~エのいずれかのプロトンNMRスペクトル(500 MHz、CDCl3)である。スペクトルと化合物の正しい組合せはどれか。


a 4-メチル安息香酸エチル
b 安息香酸プロピル
c プロピオン酸ベンジル


    


問26 
下の図は分子式C9H10O2で表される芳香族化合物 A~Cのうちいずれかの質量スペクトル(EI-MS)である。次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。


a m/z 43はアセチル基に由来するフラグメントイオンである。
b m/z 108は基準ピークである。
c m/z 91はベンジル基に由来するフラグメントイオンである。
d この化合物の構造はAと考えられる。


問27 
日本薬局方における粉末X線回折測定法の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 本法は、結晶性の粉末試料にX線を照射し、その物質中の原子核を強制振動させることにより生ずる干渉性散乱X線による回折強度を、各回折角について測定する方法である。×
解:本法は、結晶性の粉末試料にX線を照射し、その物質中の分子中の電子を強制振動させることにより生ずる干渉性散乱X線による回折強度を、各回折角について測定する方法である。
b ある結晶面からの回折X線の方向はブラッグの法則2dhklsinθ =ηλで規定される。ここでdhklは結晶面(hkl)の面間距離、2θは回折角度、λはX線の波長、ηは反射次数を示している。
c 原則として測定試料を微粉末にするのは、入射X線に対して試料の各結晶面がありとあらゆる方向に向いた結晶の集合体として取り扱えるからである。
d 2種類の粉末X線回折パターンの回折角度とその相対強度比が同じ場合、両者は同一物質であると言える。
e 本法が結晶多形の確認に用いられるのは、そのX線回折パターンが結晶中での分子のつまり方の差異を反映するためである。

  
問28 
クロマトグラフ法に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 移動相に用いられるのは、液体と気体だけである。×
解:移動相に用いられるのは、液体と気体と超臨界流体である。
b 固定相には液体も用いられる。
c 薄層クロマトグラフ法におけるRf値の最大値は1である。
d カラムの理論段当たり高さは移動相の流速に依存しない。×
解:カラムの理論段当たり高さは移動相の流速に依存する。(最適な流速が存在する。)


問29 
電気泳動法に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a イオンの泳動速度は、温度に依存しない。×
解:イオンの泳動速度は、温度に依存する
b pHが同じなら、イオンの泳動速度は緩衝剤の影響を受けない。×
解:pHが同じでも、緩衝液のイオン強度が異なればイオンの泳動速度は緩衝剤の影響を受ける
c ゲル電気泳動は、分子量の小さい薬物や生体成分の分離には使用できない。×
ゲル電気泳動は、分子量の小さい薬物や生体成分の分離には使用できる
d ゾーン電気泳動の担体には、ろ紙、薄層などが用いられる。
e pH 2.0のギ酸緩衝液中では、アラニンは負極に泳動される。

問30 
日本薬局方ブドウ糖注射液の定量法に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 本品のブドウ糖(C6H12O6)約4 gに対応する容量を正確に量り、アンモニア試液0.2 mL及び水を加えて正確に100 mLとし、よく振り混ぜて30分間放置した後、旋光度測定法により20±1℃、層長100 mmで旋光度αDを測定する。
 ブドウ糖(C6H12O6)の量(mg)=α D×1895.4である。
a 旋光度は、測定に用いる光の波長に関係しない。×
解:旋光度は、測定に用いる光の波長に関係する
b 右旋性とは、偏光の進行方向に向き合って見るとき、偏光面を右に回転する性質である。
c アンモニアを加える理由は、ブドウ糖の変旋光を平衡状態にして安定した旋光度を得るためである。
d アンモニアを加える理由は、測定液の着色を防ぐためである。×
e 層長200 mmの測定管を用いても、計算式の係数は1895.4である。×
解:層長200 mmの測定管を用いても、計算式の係数は947.7である。


問31 
次の文章中の[  ]に入る字句について、正しい組合せはどれか。
 ランベルト-ベールの法則によると、吸光度(A)は光の透過距離(l cm)と物質の濃度(c mol L-1)に比例する。比例定数を εとすると、A、c及び εの関係は式[ a ]で表される。この比例定数 εは[ b ]とよばれ、単位は[ c ]である。
 ある有機化合物の紫外部吸収スペクトルは360 nmにεmax=2×104[ c ]の吸サ泣m大を示した。光の透過距離1.0 cmのセルを用いて、この化合物の紫外部吸収スペクトルを測定したところ、同じ波長における吸光度は0.66であった。この濃度は[ d ]mol L-1である。

 a  b  c  d
2
A=εcl モル吸光係数 cm-1 mol -1 L 3.3×10-5

問32 
日本薬局方一般試験法の蛍光光度法に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 蛍光光度法は、蛍光物質の溶液に励起光を照射するとき、放射される蛍光の強度を測定する方法である。
b 光源には通例、タングステンランプを用いる。×
解:光源には通例、キセノンランプを用いる。
c 蛍光測定には、通例、層長1 cm角の四面透明の石英製セルを用いる。
d 一般に、蛍光の極大波長は励起光の極大波長より短波長側にある。×
解:一般に、蛍光の極大波長は励起光の極大波長より長波長側にある。
e 蛍光は、わずかな量の汚染物質によっても消光しやすい。消光作用のある物質を一般にスカベンジャーとよぶ。×
解:蛍光は、わずかな量の汚染物質によっても消光しやすい。消光作用のある物質を一般にクエンチャーとよぶ。


問33 
免疫学的測定法に関する記述のうち、正しいものはどれか。
 1 測定に用いる抗体は、濃度が高いほど高感度となる。×
解:測定に用いる抗体は、最適濃度が存在する。(高濃度すぎてもダメ)
 2 標識を導入するのは、抗原だけである。×
解:標識を導入するのは、抗原だけでなく、抗体を標識して検出する方法もある。
 3 標識には、放射性同位元素または酵素のみが用いられる。×
解:蛍光・発光物質などもある。
 4 モノクローナル抗体を用いる系では、交差反応性は認められない。×
解:モノクローナル抗体を用いる系では、交差反応性を示すことがある
 5 B(bound)/F(free)分離操作を必要としない方法もある。

問34 
物理的診断法に関する記述のうち、正しいものはどれか。
 1 MRIには、主として放射性同位元素が用いられる。×
解:MRIには、主として生体内中の水、脂肪のプロトンが用いられる。
 2 超音波診断法では、生体に吸収される超音波の強度が測定される。×
解:超音波診断法では、超音波の生体からの反射され戻ってくる時間、強さが測定される。
 3 CTスキャンには、X線のほか赤外線も使用される。×
解:CTスキャンには、X線のほかγ(ガンマ)線も使用される。
 4 ファイバースコープを用いる光学技術には、光の全反射が利用されている。
 5 X線造影剤に利用できる安全な元素は、バリウムだけである。×
解:X線造影剤に利用できる安全な元素は、バリウムの他に陽性造影剤(ヨウ素を含む)、陰性造影剤(空気、酸素、二酸化炭素)などがある。

問35 
次の生薬の確認試験には薄層クロマトグラフ法が用いられている。それぞれの生薬の試験法で、標品として用いられるa~dの成分との正しい組合せはどれか。
  ダイオウ、キョウニン、カンゾウ、シャクヤク
a グリチルリチン酸 - カンゾウ
b アミグダリン - キョウニン
c センノシドA - ダイオウ
d ペオニフロリン-シャクヤク



問36 
漢方処方の小青竜湯に配合される生薬「ハンゲ、マオウ、ケイヒ、ゴミシ、シャクヤク、サイシン、カンキョウ、カンゾウ」に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 8種の生薬は、すべて基原植物の属する科が異なっている。
b マオウはアルカロイドを、シャクヤク、カンゾウはテルペノイドを含有する。
c 日本薬局方で精油定量法を適用しているものは、ハンゲ、サイシン、カンキョウである。×
解:日本薬局方で精油定量法を適用しているものは、ケイヒ、サイシンである。
d 小青竜湯は鼻炎、気管支炎、気管支ぜん息等の呼吸器疾患に用いられる。
e ケイヒの薬用部位は樹皮であり、ゴミシの薬用部位は果実である。

  
問37 
次に示すa~dは日本薬局方に収載されている天然物を起源とする医薬品の構造式である。a~dに対する次の説明ア~エについて、正しい組合せはどれか。

ア キハダ Phellodendron amurenseの樹皮に含まれるイソキノリンアルカロイドで、止瀉薬、整腸薬として利用される。
イ インドジャボク Rauwolfia serpentinaの根に含まれるインドールアルカロイドで、抗不整脈薬として利用される。
ウ ベラドンナ Atropa belladonnaの根に含まれるトロパンアルカロイドで、副交感神経遮断薬、鎮痙薬として利用される。
エ ニチニチソウ Catharanthus rouseusの全草に含まれるインドールアルカロイドで、抗急性白血病薬、抗悪性リンパ腫薬として利用される。

     a  b  c  d
  3 ウ エ ア イ


問38 
多糖類に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a デキストラン、ペクチン、キチンは、それぞれ多種類の糖からなるヘテロ多糖である。×
解:デキストラン、ペクチン、キチンは、それぞれ1種類の糖からなるホモ多糖である。
b コンドロイチン硫酸は、N-アセチルガラクトサミンの硝酸エステルとグルコースが交互に結合している。×
解:コンドロイチン硫酸は、N-アセチルガラクトサミンの硫酸エステルとD-グルクロン酸が交互に結合している。
c アミロースはD-グルコースがα-1,4グリコシド結合した多糖であり、セルロースはD-グルコースがβ-1,4グリコシド結合した多糖である。
d 血液凝固阻止作用を有するヘパリンは、グルクロン酸、グルコサミン、イズロン酸を構成糖とする。

問39 
次の脂質a~dに関する記述ア~エについて、正しいものの組合せはどれか。
ただしR1、R2、R3は長鎖アルキル基である。

a 生体内の代表的なエネルギー貯蔵物質である。
b 血小板活性化作用をもつ。
c リン酸化体の分解産物は細胞内情報伝達物質である。
d 主要な生体膜成分である。


  


問40 
アミノ酸に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a プロリンは、第二級α-アミノ酸である。
b アスパラギンやグルタミンは、酸性アミノ酸である。×
解:アスパラギンやグルタミンは、中性アミノ酸である。
c タンパク質中のシステインは還元により、ジスルフィド結合を形成する。×
解:タンパク質中のシステインは酸化により、ジスルフィド結合を形成する。
d タンパク質が示す280 nmでの紫外線吸収と蛍光の大部分は、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンに含まれる芳香環によるものである。

    
問41 
ヌクレオチドに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a ペントースリン酸エステルのC1' に塩基が結合したものをヌクレオチドという。
b プリンは、生合成過程において遊離塩基として合成されてから糖部分に結合する。×
解:プリンは、生合成過程においてPRPPの糖部の1'位に原料が付加していくことにより、プリン環が形成され、プリンヌクレオチドが生成する。
c ピリミジンは、生合成過程においてピリミジン環として合成されてから糖部分に結合する。
d プリンは、サルベージ経路により再利用されない。×
解:プリンは、サルベージ経路により再利用される。


問42 
酵素と酵素反応に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 動物細胞由来の酵素には、反応の至適pHが酸性のものがある。
b インスリンは、前駆体がタンパク質分解酵素により切断されて生じる。
c Michaelis定数(KM)が大きいほど酵素と基質の親和性は高い。×
解:Michaelis定数(KM)が大きいほど酵素と基質の親和性は低い。
d 基質の濃度が高くなると、活性が阻害される酵素がある。

問43 
自律神経系に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 交感神経系は、一般に刺激に応じて緊急時に作動し、エネルギーの消費に働く。
b 副交感神経系は、一般に平常時の生体機能を保つ役割を果たし、エネルギーの保存に働く。
c 交感神経系の興奮により、消化管の運動及び消化液の分泌の促進がみられる。×
解:交感神経系の興奮により、消化管の運動及び消化液の分泌の抑制がみられる。
d 副交感神経系の興奮により、心拍数増加及び心収縮力増加といった心臓機能の亢進がみられる。×
解:副交感神経系の興奮により、心拍数減少及び心収縮力低下といった心臓機能の抑制がみられる。

問44 
循環器系に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 大部分の酸素はヘモグロビンと結合して血液中を運搬されるが、大部分の二酸化炭素は炭酸水素イオンの形で運搬される。
b 冠状動脈は心臓の栄養血管であり、大動脈起始部より枝分かれする。
c 房室間における興奮の伝導は、特殊心筋とよばれる分化した筋肉により行われる。
d 房室結節における興奮の伝導速度は、ノルエピネフリンによって減少する。×
解:房室結節における興奮の伝導速度は、ノルエピネフリンによって増大する。
e 洞結節の細胞は自動能をもっており、心臓全体の調律を行っている。

問45 
呼吸器の構造と機能に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 肺は左右対称の臓器で、それぞれ3葉ずつからなる。×
]解:肺は左右非対称の臓器で、右肺3葉ずつ左肺2葉ずつからなる。
b 肺胞表面は界面活性物質で覆われているために表面張力が減少しており、肺胞の膨張のためのエネルギー消費を少なくする効果がある。
c 血漿中の炭酸水素イオンは、肺において炭酸脱水酵素により速やかに二酸化炭素となり呼気中に排泄される。
d 肺への血液は、大動脈から分枝した肺動脈から供給される。×
解:肺への血液は、右心室から直接肺へ肺動脈を通り供給される。
e 肺の膨張、収縮は横隔膜などの骨格筋の収縮・弛緩によって受動的に起こる。

問46 
消化器系に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 副交感神経刺激により、粘液性の唾液分泌が著しく増加する。×
解:副交感神経刺激により、漿液性の唾液分泌が著しく増加する。
b 胃底腺は胃体部にあり、主細胞から胃酸を分泌する。×
解:胃底腺は胃体部と胃底部にあり、主細胞からペプシノーゲン、壁細胞は胃酸、副細胞は粘液を分泌する。
c 膵液は炭酸水素ナトリウム及び多くの酵素を含む分泌液で、総胆管から十二指腸へ分泌される。
d 胆汁は肝臓でつくられて胆のうに貯蔵され、十二指腸へ分泌される。

問47 
血小板に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 血小板は、骨髄で幹細胞から分化した巨核細胞の細胞片である。
b 血小板は、コラーゲンに粘着すると活性化される。
c 活性化された血小板からは、血小板活性化因子(PAF)やトロンビンが放出される。×
解:活性化された血小板からは、濃染顆粒、α顆粒が放出される。
(白血球→血小板活性化因子(PAF)、血漿中のプロトロンビン→トロンビン)
d 粘着した血小板は、円板状から球状へと変形し、非可逆的な凝集を起こす。×
解:粘着した血小板は、円板状から球状へと変形し(1次凝集)、可逆的な凝集を起こす。 *2次凝集→非可逆的

問48 
骨格筋に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 骨格筋の筋小胞体は、K+を放出又は取込んで、筋原線維の収縮・弛緩を制御する。×
解:骨格筋の筋小胞体は、Ca2+を放出又は取込んで、筋原線維の収縮・弛緩を制御する。
b 骨格筋の横行小管の脱分極は、筋小胞体の終末槽に情報を伝え、 Ca2+を放出させる。
c 骨格筋細胞内のCa2+濃度が上昇すると、Ca2+はトロポニンIに結合して収縮を起こす。×
解:骨格筋細胞内のCa2+濃度が上昇すると、Ca2+はトロポニンCに結合して収縮を起こす。
d 骨格筋細胞内に放出されたCa2+は、筋小胞体膜にある Ca2+ポンプによって再び筋小胞体に取込まれる。

問49 
内分泌系に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 甲状腺から分泌される主要なホルモンは、チロキシン(T4)とトリヨードチロニン(T3)である。
b 一般に、T4はT3よりも活性が強い。×
解:一般に、T3T4よりも活性が強い。
c T4は、末梢組織でT3に転換される。
d 血漿タンパク質結合型のT4及びT3は、組織や下垂体前葉において生理作用を示す。×
解:血漿タンパク質遊離型のT4及びT3は、組織や下垂体前葉において生理作用を示す。


問50 
微生物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 細菌の染色体DNAは、脂質二重層の膜で囲われた核様体とよばれる構造により、細胞質とは隔てられて存在している。×
解:細菌の染色体DNAは、脂質二重層の膜で囲われた核様体とよばれる構造にはなっておらず、細胞質とは隔てられていない
b 細菌によるATP合成には酸素が必須である。×
解:細菌によるATP合成には酸素が必須であるとは限らない
c 真菌と原虫は、真核生物である。
d ウイルスにはリボソームなどの翻訳装置がない。

問51 
ウイルスに関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ウイルスはそのゲノムの分子種によって、DNAウイルスとRNAウイルスとに大別される。
b ヒト免疫不全ウイルス(HIV)はDNAウイルスで、ゲノム中に逆転写酵素をコードしている。×
解:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)はRNAウイルスで、ゲノム中に逆転写酵素をコードしている。
c 一般にウイルスは、宿主細胞の細胞膜上のウイルス受容体に結合した後、細胞内に侵入する。
d 小児麻痺(急性灰白髄炎)は、ポリオウイルスによって引き起こされる。

  
問52 
生体膜に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 生体膜の基本構造は、リン脂質の二重層である。
b ホスファチジルグリセロールとホスファチジルセリンは、中性のpHでは正電荷をもつ塩基性リン脂質である。×
解:ホスファチジルグリセロールとホスファチジルセリンは、中性のpHでは負電荷をもつ酸性リン脂質である。
c 生体膜中でほとんどのリン脂質やタンパク質は、膜の平面方向にかなり自由に動き回る。
d コレステロールは、哺乳動物細胞の生体膜の構成成分の1つである。
e 細胞膜には、それぞれ決まった種類の低分子を通過させる輸送タンパク質が存在する。

  
問53 
DNA複製に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 細胞内で染色体DNAは、半保存的に複製される。
b 細菌において、染色体DNA複製は、ランダムな複数の箇所から同時に開始される。×
解:細菌において、染色体DNA複製は、染色体DNA上に一ヶ所のみ存在する複製開始点(oriC)から開始される。
c 真核細胞の染色体DNAの複製は、核内で進行する。
d DNAポリメラーゼは、伸長中の鎖の5' ヒドロキシ末端へのヌクレオチドの付加を触媒する。×
解:DNAポリメラーゼは、伸長中の鎖の3' ヒドロキシ末端へのヌクレオチドの付加を触媒する。


問54 
遺伝子工学に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 制限酵素は、DNA上の特定な塩基配列を認識して、二本鎖を切断する。
b 外来遺伝子を組み込むベクターとして、ファージが利用される場合がある。
c pBR322は、約4,000,000塩基対からなる環状構造を持つプラスミドDNAである。×
解:pBR322は、約4,500塩基対からなる環状構造を持つ薬剤耐性プラスミドDNAである。
d クローニングベクター上の薬剤耐性マーカーは、遺伝子が導入された菌を導入されていない菌と選別するのに用いられる。
e ヒトの遺伝子を大腸菌で発現させると、ヒトと大腸菌との間で遺伝暗号が異なるので、アミノ酸配列がヒトとは全く異なったタンパク質が合成される。×
解:ヒトの遺伝子を大腸菌で発現させると、ヒトと大腸菌との間で遺伝暗号(コドン)が同じなので、同一のアミノ酸配列を持つタンパク質が合成される。

  
問55 
次の神経伝達物質とその前駆体との対のうち、正しいものの組合せはどれか。
神経伝達物質 前駆体
a ノルエピネフリン ――― ヒスチジン×
ノルエピネフリン ――― チロシン
b セロトニン ――― トリプトファン
c γ-アミノ酪酸(GABA) ――― グリシン×
γ-アミノ酪酸(GABA) ――― グルタミン酸
d ドパミン ――― チロシン


問56 
糖代謝に関与するホルモンの作用に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は、副腎皮質でのグルココルチコイドやミネラルコルチコイドの産生を促進する。
b グルココルチコイドは、糖新生に関与する酵素の遺伝子の転写を活性化させることにより血糖値を上昇させる。
c グルカゴンは、プロテインキナーゼCの活性化を介してアデニル酸シクラーゼ活性を上昇させる。×
解:グルカゴンは、Gsたん白を介してアデニル酸シクラーゼ活性を上昇させる。
(→cAMP↑→プロテインキナーゼA↑)
d グルカゴンは、肝臓での糖新生を促進する。

問57 
エイコサノイドに関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a エイコサノイドには、プロスタグランジン類、ロイコトリエン類の他にアンギオテンシン類が含まれる。×
解:エイコサノイドには、プロスタグランジン類、ロイコトリエン類の他にトロンボキサン類が含まれる。
b リポキシゲナーゼは、プロスタグランジン類生成を触媒する酵素群の一つである。×
解:リポキシゲナーゼは、ロイコトリエン類生成を触媒する酵素群の一つである。
c ロイコトリエンC4は、気管支平清筋を収縮させる作用をもつ。

  
問58 
免疫グロブリン分子に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 免疫グロブリン分子は2本のH鎖と2本のL鎖がジスルフィド結合しており、還元するとFab断片とFc断片に分割される。×
解:免疫グロブリン分子は2本のH鎖と2本のL鎖がジスルフィド結合しており、還元するとH鎖L鎖に分割される。
b 免疫グロブリン遺伝子の組換えにより、免疫グロブリン分子可変領域のアミノ酸配列の多様性が生じる。
c 免疫グロブリン分子の5種類のクラスは、Fab断片の特異性により分類される。×
解:免疫グロブリン分子の5種類のクラスは、H鎖定常部のアミノ酸配列の違いにより分類される。
d 免疫グロブリン分子と抗原は、疎水性相互作用、水素結合などの非共有結合により結合する。

問59 
生体防御機構に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a T細胞と抗原提示細胞間の認識において、MHC(major histocompatibility complex)が重要な役割をはたす。
b マクロファージは、抗体でオプソニン化された細菌を効率よく貧食する。
c 臓器移植を行うには、HLA(human leukocyte antigen)の適合性を調べる必要がある。
d 全てのヘルパーT細胞は、CD8抗原をもっている。×
解:全てのヘルパーT細胞は、(すべてではないが)CD4抗原をもっている。


問60 
サイトカインに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a サイトカインは、標的細胞の細胞膜を通過して細胞質内受容体に結合する。×
解:サイトカインは、標的細胞の細胞膜を通過できず、(膜上の特異的サイトカイン受容体に結合する。
b サイトカインのなかには、標的細胞の増殖・分化を制御すること以外に、細胞の運動能に影響を与えるものがある。
c インターロイキン1(IL-1)は、マクロファージだけでなく線維芽細胞や表皮細胞からも産生される。
d リポ多糖体などで刺激されたマクロファージが産生するサイトカインは、主に IL-2である。×
解:リポ多糖体などで刺激されたマクロファージが産生するサイトカインは、主に IL-1β、IL-6、TNF-αである。