医療薬学Ⅰ
問121.受容体を介した平滑筋の収縮反応に関して、薬物A-Dによる収縮の用量作用曲線(図1)と、それらの薬物の受容体への結合曲線(図2)を示した。これに関する以下の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。なお、これらの薬物は当該受容体以外には作用せず、また、受容体への結合は可逆的で速やかに起こるものとする。
a 薬物Aは平滑筋の最大反応を起こし、その内活性(intrinsic activity)は1である。
b 薬物Bは薬物Aの約1/10の活性を示し、内活性は約0.1である。
c 薬物Cの内活性は約0.5である。
d 100μMの薬物Bによる収縮は、30μMの薬物Cを添加しても変化しない。
e 100μMの薬物Bによる収縮は、同濃度の薬物Dを添加しても変化しない。
a b c d e
1 誤 正 誤 正 誤
2 正 誤 正 正 誤
3 誤 正 正 誤 正
4 正 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 誤 正 正
問122.コリン作動薬及び抗コリン薬についての次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a カルバコールは副腎髄質からエピネフリンを遊離させる。
b サリチル酸フィゾスチグミンは3級アミンであり、選択的に中枢性アセチルコリン神経系を活性化する。
c 塩酸ピレンゼピンはM2受容体遮断薬であり、心機能亢進(高進)が少ない。
d メチル酸ネオスチグミンは手術後の腸管麻痺や膀胱麻痺に用いられる。
e 塩酸ピロカルピンは点眼により眼圧を上昇させる。
1(a、b) 2 (a、d) 3 (b、c) 4 (c、e) 5 (d、e)
問123.麻酔犬の静脈内に少量のノルエピネフリンを投与すると心拍数が減少した。この反応に関与していると思われる因子について、正しいものの組合せはどれか。
a 末梢血管抵抗低下
b β2受容体刺激
c 洞房結節直接作用
d 迷走神経の緊張亢進(高進)
e 末梢血管抵抗上昇
1(a、b) 2 (a、d) 3 (b、c) 4 (c、e) 5 (d、e)
問124.人工呼吸を施した麻酔ラットの坐骨神経-下髄三頭筋標本を用いて、以下の実験を行った。右足大腿部の坐骨神経を結紮し、下腿三頭筋寄りにあたる末梢側に電極をおき、神経を電気刺激した。同様に対側の左足では、下脇三頭筋を直接電気刺激した。
図中のAとBでそれぞれ別の薬物を静脈内適用したところ、右足においては図に示すような骨格筋の収縮反応が得られた。これらは適量のネオスチグミンの静脈内投与により、図のように影響を受けた。なお左足の骨格筋収縮反応は、これら薬物処置によって大きな影響をうけなかった。ここで投与した薬物A及びBの正しい組合せは次のどれか。
A B
1 スキサメトニウム ツボクラリン
2 スキサメトニウム ダントロレン
3 ツボクラリン スキサメトニウム
4 ツボクラリン ダントロレン
5 ダントロレン スキサメトニウム
6 ダントロレン ツボクラリン
問125.ペンゾジアゼピン系医薬品の次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 皮質脳波のα波を減少させて、ノンレム(徐波)睡眠時間を延長して総睡眠時間の増加をもたらす。
b ペンゾジアゼピンによって活性化されるGABA受容体には、イオンチャネル内蔵型であるGABAB受容体がある。
c 適量による強い鎮静や呼吸抑制の処置に用いられるフルマゼニルは、GABAA受容体ペンゾジアゼピン結合部位での特異的な競合的拮抗薬である。
d 短期間の治療量服用でも筋弛緩作用や抗不安作用に耐性が発現する。
e 臨床で期待される作用は、大脳皮質、辺縁系、あるいは脳幹部のGABAA受容体を介する鎮静、催眠や抗不安作用などである。
a b c d e
1 正 正 誤 正 誤
2 誤 誤 正 誤 正
3 正 正 誤 正 正
4 誤 誤 正 正 誤
5 正 誤 正 誤 正
問126.運動機能障害に適用される薬物の作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a γ-運動神経系抑制を示すバクロフェンは、脊髄のGABAA受容体作動薬で、単及び多シナプス反射を抑制する。
b フェニトインは、大脳皮質運動領に作用して複雑部分発作(精神運動発作)の発現を抑制する。
c ドロキシドパは、すくみ足を伴うパーキンソン症候群患者において、青斑核-視床下部系のノルエピネフリン作動性神経機能改善を目的に投与される。
d ジアゼパムは破傷風毒素によるストリキニーネ様痙れんを抑制する。
e ダントロレンナトリウムは骨格筋の筋小胞体からのCa2+放出を抑制する。全身麻酔時に見られる悪性高熱症の筋硬直に適用される。
a b c d e
1 誤 正 正 正 正
2 正 誤 正 誤 正
3 誤 正 誤 誤 正
4 誤 正 正 正 誤
5 正 誤 誤 正 誤
問127.次の薬物 -- 適応 -- 薬理作用又は副作用の対応のうち、正しいものの組合わせはどれか。>
>1 (a、b、c) 2 (a、b、d) 3(a、c、e)
薬 物 適 応 薬理作用又は副作用 a マレイン酸エナラプリル ---- 本態性高血圧症 ---- アンギオテンシンI生成阻害作用 b アルプロスタジル(PGEl) ---- 末梢循環障害 ---- 流産を招く c 塩酸グラニセトロン ---- 抗悪性腫瘍薬による嘔吐 ---- 5-HT2受容体拮抗作用 d オザグレルナトリウム ---- クモ膜下出血後の脳血管れん縮 ---- 出血を起こしやすい e テルフェナジン ---- アレルギー性鼻炎 ---- 代謝物が主薬理作用を示す
4 (b、d、e) 5 (c、d、e)
問128.抗ぜん息薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a フマル酸ケトチフェンは、肥満細胞などにおけるケミカルメディエーター遊離阻害作用と抗ヒスタミン作用を有する薬物であるが、眠気を起こす作用はない。
b 塩酸オザグレルは、トロンボキサン受容体遮断作用を有し、気道過敏性を改善する。
c 塩酸プロカテロールは、副作用として手指の振戦を起こすことがある。
d プロピオン酸べクロメタゾンは、気管支ぜん息には吸入で使用される。マクロファージなどで転写因子の活性を調節し、サイトカイン遺伝子の発現を抑制する。
e プランルカスト水和物は、ロイコトリエン受容体拮抗作用を有し、即時型及び遅発型ぜん息発作を抑制する。
1 (a、b、c) 2 (a、b、e) 3(a、d、e)
4 (b、c、d) 5 (c、d、e)
問129.強心配糖体に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 強心配糖体は安全域が広く、治療量の約100倍で中毒症状が現れる。
b 低カリウム血症では強心配糖体の作用が増強され、中毒が生じやすい。
c 強心配糖体の中毒症状として不整脈が現れ、重篤な症状になることがある。
d 強心配糖体を適用すると心電図上では、ST波やT波の変化が現れる。
a b c d
1 誤 正 誤 正
2 正 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 誤
問130.次の薬物と作用機序及び血圧の変動との関係の正誤について、正しい組合せはどれか。
薬 物 作用機序 血 圧
a アテノロール ---------- α1受容体刺激 ---------- 上 昇
b 硫酸グアネチジン ------- 交感神経節遮断 -------- 上 昇
c メチルドパ ------------ 中枢性交感神経抑制 ----- 下 降
d 塩酸クロニジン -------- α1受容体刺激 ---------- 下 降
e 塩酸フェニレフリン -----α1受容体刺激 ---------- 上 昇
a b c d e
1 誤 正 誤 正 正
2 誤 誤 正 誤 正
3 正 誤 正 正 誤
4 正 正 誤 誤 誤
5 誤 誤 誤 正 正
問131.アドレナリン受容体作動薬及び遮断薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a ピンドロールは、α1受容体を遮断することにより本態性高血圧患者の血圧を下げる。
b プラゾシンは、α2受容体を刺激することにより末梢血管を拡張させて血圧を下げる。
c ナファゾリンは、β1受容体を遮断することにより皮膚や粘膜の血管を収縮させる。
d ドブタミンは、β1受容体を刺激することにより心不全患者の心機能を改善する。
e サルブタモールは、β2受容体を刺激することにより気管支、子宮や血管平滑筋を弛緩させる。
1(a、b) 2 (a、e) 3 (b、c) 4 (c、d) 5 (d、e)
問132.下記の高血圧を示す疾患とその治療における第一選択薬として考慮される薬物について、正しいものの組合せはどれか。
疾 患 第一選択薬
a 原発性アルドステロン症 ------------ スピロノラクトン
b 褐色細胞腫 ---------------------- 塩酸ブナゾシン
c 高尿酸血症を伴う高血圧 ------------ ヒドロクロロチアジド
d 徐脈を伴う老人の高血圧 ------------ 塩酸プロプラノロール
e 本態性高血圧 -------------------- 塩酸ドパミン
1(a、b) 2 (a、d) 3 (b、c) 4 (c、e) 5 (d、e)
問133.次の心臓作用薬の作用機序について、正しいものの組合せはどれか。
a ニコランジルはK+チャネルを開口させ活動電位を短縮させる。
b ニトログリセリンを抗狭心症薬として用いるのは、心筋の酸素消費を直接抑制するためである。
c 器質性狭心症では、α遮断薬を用いて心筋の酸素消費を上昇させることがきわめて重要である。
d β受容体遮断薬は心筋の酸素消費を減少させるので、労作狭心症の治療に用いられる。
e カルシウム拮抗薬は、心筋細胞の活動電位のプラトー相を延長させることにより、心収縮を抑制する。
1(a、b) 2(a、d) 3(b、e) 4(c、d) 5(c、e)
問134.次の利尿薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a フロセミドは、高張尿を排泄させる。
b スピロノラクトンは、低カリウム血症を起こしやすい。
c トリクロルメチアジドは、糖尿病の悪化や高尿酸血症を起こさない。
d マンニトールは、浸透圧性利尿薬で脳圧降下を目的に用いられる。
e エタクリン酸は、へンレ係蹄上行脚でのNa+、Cl-の再吸収を抑制する。
1(a、b) 2(a、e) 3(b、c) 4(c、d) 5(d、e)
問135.代表的な鎮咳薬の構造を下記に示す。a~eの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a Aはあへんアルカロイドの一つで、鎮咳作用はあるが鎮痛作用はない。
b B(d体)は延髄の咳嗽中枢を抑制して、鎮咳作用を発現し、また薬物依存性も有する。
c CはBに比べると、呼吸抑制作用が強い。
d BはAに比べると鎮咳活性は弱い。
e Cは気管支ぜん息発作中の患者には禁忌である。
1(a、b、d) 2(a、c、d) 3(a、c、e)
4(b、c、e) 5(b、d、e)
問136.消化管運動に作用する薬物に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a ドパミンD2受容体遮断薬スルピリドは、胃の運動を抑制する。
b アドレナリン作動性神経遮断薬レセルピンは、消化管運動を抑制する。
c 抗コリン作動薬臭化ブチルスコポラミンは、消化管運動を亢進(高進)する。
d コリンエステラーゼ阻害薬臭化ネオスチグミンは、消化管運動を亢進(高進)する。
e シサプリドはセロトニン5HT4受容体に作用しアセチルコリン遊離を促し、消化管運動を亢進(高進)させる。
1(a、b) 2(a、e) 3(b、c) 4(c、d) 5(d、e)
問137.内分泌機能に影響する薬物に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 酢酸ブセレリンを単回投与すると脳下垂体からLHやFSHの遊離が促進される。
b 酢酸ブセレリンの頻回投与は脳下垂体からLHやFSHの遊離を抑制する。
c LHは卵巣のエストロゲン分泌を抑制し、黄体のプロゲステロン産生を促進する。
d LHは精巣のLeydig細胞に作用し、テストステロン合成を促進する。
e FSHは女性では卵胞の発育を促進し、男性では精巣の精子形成を抑制する。
a b c d e
1 誤 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 誤 正
4 正 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 誤 正 正
問138.貧血治療に用いられる薬物に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a エリスロポエチンは血中の酸素分庄が低下すると心房から分泌される。
b エリスロポエチンは顆粒球系幹細胞に作用し、赤血球への分化・増殖を促進する。
c エポエチンアルファとエポエチンベータは、ポリペプチド鎖のアミノ酸配列が同じである。
d 免疫性溶血性貧血では副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制薬が用いられる。
a b c d
1 誤 正 誤 誤
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 正 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 誤 正 正
問139.次の血液凝固・線溶系に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a へパリンナトリウムは、トロンビン活性を抑制するので、試験管内でも血液凝固阻止作用を示す。
b ワルファリンカリウムは、肝においてへパリンと拮抗し、血液凝固阻止作用を増強する。
c プロスタサイクリン(PGI2)は、血液凝固を促進する。
d トラネキサム酸は、線溶系の機能亢進(高進)が関与する出血傾向の治療に用いられる。
e フィトナジオン(ビタミンKl)は、へパリンの過剰投与による出血傾向の処置に用いられる。
1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、e) 5(d、e)
問140.眼に対する薬物の作用に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 硫酸アトロピンは、瞳孔散大筋の収縮を抑制する。
b 塩酸ピロカルピンは、毛様体筋の収縮を抑制する。
c 塩酸フェニレフリンは、瞳孔散大筋の収縮を促進する。
d トロピカミドは、毛様体筋の収縮を抑制する。
e 臭化ジスチグミンは、眼圧を上昇させる。
1(a、b) 2(a、e) 3(b、c) 4(c、d) 5(d、e)
問141.甲状腺ホルモン及び抗甲状腺薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合 せはどれか。
a 甲状腺ホルモンは、ヨウ素化されたチロシン残基のカップリングにより生成される。
b 甲状腺ホルモンは、チログロブリンと結合した形で甲状腺のろ胞中に貯蔵される。
c 甲状腺ホルモンは、主に遊離型として血液中を循環し、血漿たん白質との結合は少ない。
d 甲状腺ホルモンは、組織の酸素消費を高めて基礎代謝率を高める。
e プロピルチオウラシルは、甲状腺のカタラーゼを阻害しチログロブリンのヨウ素化を阻害する。
a b c d e
1 誤 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 誤 正
4 正 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 誤 正 正
問142.ビタミンDに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 紫外線照射により、エルゴカルシフェロールはコレカルシフェロールに変換される。
b ビタミンD3は肝臓で水酸化されてカルシトリオールになる。
c ビタミンD3はCa2+の消化管吸収促進作用及び腎尿細管におけるCa2+の再吸収促進作用を有する。
d 上皮小体ホルモンは腎臓に作用し、カルシトリオール合成の律速酵素1α-ヒドロキシラーゼを誘導する。
a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 正 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 正 誤 正
問143.炎症及び抗炎症薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 炎症部位では、誘導型シクロオキシゲナーゼ(COX-2)が遺伝子の転写促進により発現する。
b アスピリンによって胃粘膜障害が起きる一因として、アスピリンによる胃の構成型シクロオキシゲナーゼ(COX-1)の阻害がある。
c ジクロフェナクナトリウムは、インドメタシンに比べて胃粘膜障害作用は弱い。
d インドメタシンは、現在では内服薬よりも外用剤として使用されることが多い。
e ロキソプロフェンナトリウムは、胃粘膜障害作用が弱いので、消化性潰瘍患者にも使用される。
a b c d e
1 正 正 正 正 誤
2 誤 正 正 誤 正
3 誤 誤 正 誤 誤
4 正 誤 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正 正
問144.セフェム系及びオキサセフェム系抗生物質に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 第二世代及び第三世代セフェム系抗生物質のグラム陽性菌に対する抗菌力は、一般に第一世代セフェム系抗生物質に優る。
b 一般に、第一世代より第二世代が、第二世代より第三世代のセフェム系抗生物質の方が、グラム陰性桿菌に対する抗菌力が低下している。
c ラタモキセフナトリウムは注射剤として使用し、β-ラクタマーゼに対して極めて安定である。
d ペニシリン結合たん白質(PBP)に強い結合親和力を有し、細胞壁合成阻害を示す。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)
問145.抗真菌薬、抗原虫薬及び駆虫薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ナイスタチンはポリエン系の抗真菌薬で、カンジダなどに対して静菌・殺菌作用がある。
b トリコマイシンは、トリコモナス原虫には有効であるが、カンジダには無効である。
c 塩酸キニーネは、抗マラリア作用の他に解熱作用もある。
d サントニンは駆虫薬として使用される。
a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 誤 正 正 誤
5 正 誤 誤 正
問146.次の抗腫瘍薬の作用機構に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a シクロホスファミドは、核酸塩基のアルキル化によって腫瘍細胞の増殖を抑制する。
b テガフールはフルオロウラシルのプロドラッグであり、体内酵素で分解されて腫瘍細胞のチミジル酸合成酵素を阻害することにより核酸合成を抑制する。
c 塩酸ブレオマイシンは扁平上皮がんに適用され、腫瘍細胞のDNA鎖の切断を引き起こす。
d アントラサイクリン系の塩酸ダウノルビシンは、悪性リンパ腫細胞のDNAやRNAと架橋を形成して、細胞周期のM期の進行を抑制する。
e 塩酸イリノテカンは、トポイソメラーゼ Iを阻害して、卵巣がん細胞のDNA合成を抑制するS期に特異的な治療薬である。
a b c d e
1 正 正 誤 正 誤
2 正 誤 正 誤 正
3 正 誤 誤 正 正
4 誤 正 正 正 誤
5 正 正 正 誤 正
問147.次の免疫系調節薬に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 臓器移植に適用されるシクロスポリンは、ヘルパーT細胞のIL-2産生を抑制することにより免疫機能を抑制する。
b 膠原病に用いられるメトトレキサートは、S期に作用してリンパ球の増殖抑制とT細胞機能抑制を示す体液性免疫の抑制薬である。
c ペニシラミンは慢性関節リウマチに適用され、リウマチ因子や免疫複合体分子内のS-S結合を開裂させる。
d プレドニゾロンの免疫系における作用は、T細胞依存性の免疫反応を亢進(高進)させる。
e シクロホスファミドは体内で活性化され、Bリンパ球の増殖を抑制して体液性免疫を抑制する。
a b c d e
1 正 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 誤 正
3 誤 正 誤 正 正
4 誤 正 正 誤 誤
5 誤 正 誤 正 正
問148.次の診断に用いられる薬物と検査項目の対応について、正しいものの組合せはどれか。
薬 物 項 目
a パラアミノ馬尿酸ナトリウム ----------- 肝機能
b 塩化エドロホニウム ------------------ 重症筋無力症
c インドシアニングリーン --------------- 膵機能
d グルカゴン ------------------------- 腎血漿(血)流量
e フェノールスルホンフタレイン --------- 腎機能
1(a、c) 2(a、e) 3(b、d) 4(b、e) 5(c、d)
問149.次の薬物と副作用の対応の正誤について、正しい組合せはどれか。
薬 物 副作用
a シンバスタチン ----------- 横絞筋融解症
b 小柴胡湯 -----------------間質性肺炎
c 塩酸イミプラミン --------- 悪性症候群
d アンピシリン ------------- ショック
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 正 正 誤
3 誤 正 正 正
4 正 誤 正 正
5 正 正 誤 正
6 正 正 正 誤
7 正 正 正 正
問150.次の薬物の適応症及び副作用について、正しいものの組合せはどれか。
薬 物 適応症 副作用
a 塩酸ドキソルビシン ------ 皮膚がん -------- 肺線維症
b シスプラチン ----------- 膀胱がん -------- 腎障害
c 塩酸ブレオマイシン ------ 子宮がん -------- 心筋障害
d 酢酸リュープロレリン ---- 胃がん ---------- 間質性肺炎
e 塩酸イリノテカン -------- 肺がん --------- 下 痢
1(a、b) 2(a、d) 3(b、e) 4(c、d) 5(d、e)
問151.薬物の腸管吸収の律速過程には、薬物の腸管粘膜表面までの拡散過程と粘膜の透過過程を考える必要がある。図は脂溶性の異なるいくつかの薬物の経口投与後の吸収率とn - オクタノール/水(pH 7)分配係数(D)の関係を示したものである。なお、図中の薬物はいずれも、肝臓及び消化管での代謝は無視できるものとする。以下の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 図中の曲線で表されるA群の薬物(●で示されている)の吸収の律速過程は、log Dの値によらず、膜透過過程のみで説明できる。
b A群の薬物において、log Dが0以下では、膜透過過程が吸収の律速過程となる。
c A群の薬物において、log Dが1以上では、輸送担体が飽和するために、吸収率が 頭打ちとなる。
d A群の曲線から下側に外れるB群の薬物(○で示されている)に、シクロスポリンあるいは塩酸べラパミルを同時に経口投与すると、これらの薬物の吸収率が曲線に近づくことから、これらの薬物の吸収率には、腸管腔内へ排出する担体輸送が影響している。
a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 誤 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 正 誤 正
問152.非経口投与時における薬物の体内動態の特徴に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)のような高分子医薬品の皮下注射では、静脈注射と同一の血中濃度時間曲線が得られる。
b 直腸下部から吸収された薬物は、肝初回通過効果を回避できる。
c 脂溶性薬物の皮膚透過係数は、基剤 - 角質層間の分配係数に依存して変化する。
d 肺からの薬物吸収は速やかであり、肝初回通過効果を回避できる。
a b c d
1 誤 正 正 正
2 誤 正 誤 誤
3 誤 誤 正 誤
4 正 正 誤 正
5 正 誤 正 正
問153.単純拡散により生体膜を透過する薬物に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 血液脳関門は脂質膜としての挙動を示すため、血液中で非イオン形で、しかも脂溶性が高い薬物ほど脳へ移行しやすい。
b 非イオン形分子の脂溶性が同じ程度であれば、酸性薬物ではpKaが小さいほど、また塩基性薬物ではpKaが大きいほど、それぞれ小腸から吸収されやすい。
c 濃度勾配に従って透過するので、その透過はミハエリス-メンテンの式により表すことができる。
d 尿細管での受動的再吸収はpH分配仮説に従うので、尿がアルカリ性になれば、塩基性薬物の腎排泄速度は減少する。
1 (a、b) 2 (a、c) 3 (a、d)
4 (b、c) 5 (b、d) 6 (c、d)
問154.薬物の分布容積(Vd)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a Vdの変動要因として薬物の血漿たん白結合、組織結合、組織容積及び血漿容積がある。
b 一般に、脂溶性の高い薬物の組織移行性は低く、Vdは小さい。
c チオペンタールは血漿たん白との結合が強く、ほとんど血漿中に分布し、そのVdは血漿容量にほぼ等しい。
d アンチピリンは細胞膜の透過性が高く、細胞内を含めて全体液中に均等に分布し、そのVdは全体液量にほぼ等しい。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 誤 正
問155.次の図は薬物のたん白給合実験の結果をプロットしたものである。次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。ただし、図中の r は結合形薬物濃度/たん白濃度の比を、Cfは非結合形薬物濃度を表す。
a 図1は、Scatchardプロットと呼ばれる。
b 図1から、この薬物のたん白に対する結合部位数は1.0である。
c 図1から、この薬物のたん白に対する結合定数は10μM-1である。
d 他の薬物により、たん白給合の競合的な阻害があった時のプロットは図2の破線 のようになる。
a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 誤 誤 正 正
5 正 正 誤 誤
問156.ある患者の臨床検査値及び薬物投与後の定常状態における血漿中薬物濃度などについて、次のデータが得られている。
腎糸球体ろ過速度 GFR = 20 mL/min
血漿中薬物濃度 P= 10μg/mL
尿中薬物濃度 U = 200μg/mL
毎分の尿量 V = 2.0 mL/min
尿細管での薬物の再吸収率 R = 20%
ただし、この薬物は血漿たん白質には結合しない。
この薬物の尿細管における毎分の分泌量(μg/min)として正しいものはどれか。
1 100 2 200 3 300 4 400 5 500
問157.薬物の体内動態の変動に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a リドカインの全身クリアランスは、肝硬変により低下する。
b テオフィリンの血中濃度は、シメチジン併用により上昇する。
c ワルファリンの消失半減期は、フェノバルビタールの併用により延長する。
d リチウムの全身クリアランスは、高齢者では若年者より小さい。
a b c d
1 誤 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 正 正 誤 正
4 正 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正
6 誤 誤 正 誤
問158.薬物A 200 mgを静脈内投与後、血中濃度を時間に対して片対数グラフ用紙にプロットしたところ、図1~6の実線のようになった。薬物Aは肝代謝のみで消失する。薬物Bを点摘投与して定常状態に達した時に、薬物Aを200 mg静脈内投与すると、薬物Aの肝代謝固有クリアランスが50%阻害された。この時の薬物Aの血中濃度時間曲線を破線で示した。薬物Aの血中濃度時間曲線として正しいものを図1~6の中から選べ。ただし、薬物Bの併用によって薬物Aの血漿たん白結合率は変化しないものとする。
問159.次の図は、1-コンパートメントモデルに従う分布容積の等しい薬物 A、Bについて、静脈内投与後の尿中排泄速度の対数値を、投与後の時間に対してプロットしたものである。次の記述のうち正しいものはどれか。
1 全身クリアランスは A>Bである。
2 腎クリアランスは B>Aである。
3 尿中排泄速度定数は A>Bである。
4 代謝速度定数は A>Bである。
5 吸収速度定数は B>Aである。
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問160.薬物A 50 mgを健常人に静脈内投与したとき、その血中濃度時間曲線下面積(AUC)は 200μg・min/mLであり、未変化体の尿中排泄率は投与量の20 %、残りはすべて肝で代謝される。この薬物50 mgを経口投与した後に、消化管粘膜透過率を100 %としたとき、得られるAUC(μg・min/mL)に最も近い値は次のどれか。ただし、肝血流速度は1.5 L/minとする。また、この薬物の経口投与後の吸収速度は、血中消失速度に比較して、十分に速く、肝臓への分布は瞬時の平衡が成立すると仮定する。
1 25 2 40 3 110 4 170 5 200
問161.医薬品の吸収と初回通過効果に関する次の記述のうち、正しい組合せはどれか。
a セファロスポリン系抗生物質のセファレキシンは、小腸粘膜の透過性が高いために、経口投与ではバイオアベイラビリティが高い。
b 潰瘍性大腸炎治療薬のサラゾスルファピリジンは、大部分が未変化体として小腸で吸収され、薬効を発現する。
c β-受容体遮断薬の塩酸プロプラノロールは、肝初回通過効果が大きいために、経口投与ではバイオアベイラビリティが低い。
d アンギオテンシン変換酵素阻害薬のカプトプリルは、小腸での代謝が大きいために、経口投与ではバイオアベイラビリティが低いので、注射剤として用いられる。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 誤 正 正
3 正 誤 正 誤
4 正 正 誤 誤
5 誤 正 誤 正
6 誤 正 正 誤
問162.ある患者(クレアチニンクリアランスが120 mL/min)は、薬物Aに対して腎排泄及び胆汁中排泄がそれぞれ50 %であり、薬物Bに対して腎排泄が90 %、胆汁中排泄が10 %であった。この患者の腎機能が低下してクレアチニンクリアランスが20 mL/minとなった時、薬物 AとBの半減期は、腎機能低下前と比較して、それぞれ何倍になるか、A、Bに関する正しい組合せを選べ。ただし、A、Bはすべて静脈内に投与し、血中からの消失は1-コンパートメントモデルに従い、分布容積は腎機能の低下に影響されないものとする。
A B
1 1.4 4.0
2 1.7 1.5
3 2.0 3.0
4 2.3 1.5
5 1.4 2.0
6 1.7 4.0
問163.アミノグリコシド系抗生物質の血中濃度モニタリングに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 高齢者ではクレアチニンクリアランスが低下するため、血中消失半減期が延長する。
b 点滴(静脈内定速注入)終了10分前の血中濃度が最高血中濃度の指標とされる。
c 腎障害と聴器障害は、血中濃度に依存した副作用である。
d 血中濃度測定用の試料としては、へパリンを含まない血清が用いられる。
a b c d
1 後 正 誤 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 誤 正
4 誤 正 正 誤
5 正 誤 正 誤
6 正 誤 正 正
問164-165.喫煙歴10年の男性患者(年齢35歳)の気管支ぜん息治療のためテオフィリンを投与することになった。医師は、目標血中テオフィリン濃度を15μg/mLとし、100 mgのアミノフィリン普通錠(テオフィリンとして80 mg含有)4錠を負荷量として与えた。その後は、15μg/mLを平均血中濃度とし、最高血中濃度/最低血中濃度の比が2になるような維持量をアミノフィリン普通錠で処方した。患者のテオフィリン全身クリアランスを4.0 L/hrとし、次の問に答えよ。
問164.アミノフィリン普通錠による適切な維持量(mg/day)として最も近い値は次のどれか。
1 900 2 1200 3 1500 4 1800 5 2100
問165.適切な投与間隔(hr)として最も近い値は次のどれか。
1 2 2 4 3 6 4 8 5 12
問166.3つの異なる薬物X、Y、Zの水溶液中での分解反応は、いずれも1次反応式に従うものとする。25 ℃、同一の初期濃度(Co)条件を用いて、半減期を求めたところ、それぞれXで2時間、Yで4時間、Zで8時間であった。次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 40 ℃、初期濃度がCoの条件のとき、得られる分解反応の半減期の比は、25 ℃の場合と同じである。
b 25 ℃、初期濃度がCo/2の条件のとき、得られる分解反応の半減期の比は、25 ℃、初期濃度をCoとした場合と同じである。
c 25 ℃、初期濃度がCoの条件のとき、8時間後のそれぞれの薬物の残存率比は[X]:[Y]:[Z]=1:4:8である。
a b c
1 正 正 誤
2 正 誤 誤
3 誤 正 正
4 正 誤 正
5 誤 正 誤
6 誤 誤 正
問167.粒子径測定法に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 沈降法では、粒子表面にある細孔まで含めた表面積を測定することができる。
b 顕微鏡法、空気透過法いずれの方法によっても粒度分布は求められる。
c ガス吸着法では、単分子層吸着量を求めるのにBET式が用いられる。
d グリーン径は、一定方向の2平行線で粒子をはさみ、その間隔を粒子径としたものである。
a b c d
1 正 誤 正 後
2 誤 正 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 正 誤 誤 正
6 誤 正 誤 正
問168.粉体の流動性に関する次の記述の正誤について、
a 造粒して、粒子径を増大させ、細粒や顆粒にすると流動性が増す。
b 見かけの比容積が大きい粉体は流動性が優れている。
c 粉体は吸湿により安息角が大きくなる。
d オリフィスからの流出速度の大きな粉体では安息角は小さい。
e 粉体の流動性はステアリン酸マグネシウムの添加量に比例して増大する。
a b c d e
1 正 正 誤 後 正
2 正 誤 正 正 誤
3 誤 正 誤 誤 正
4 誤 誤 正 正 正
5 誤 正 正 誤 誤
6 正 誤 誤 正 誤
問169.薬物の吸湿度に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 相対湿度とは、実在する水蒸気圧の値を、その温度の飽和水蒸気圧の値で割った値を百分率で表したものである。
b 温度が異なっていても相対湿度の値が同じであれば、実在する水蒸気圧は同じである。
c 水に可溶な結晶性粉末は臨界相対湿度が定まっていて、それ以上の相対湿度では吸湿量が急激に大きくなる。
d 互いに反応を起こさない水に可溶な2種の結晶性粉末を混合すると、臨界相対湿度は低下する。
e 水に可溶な結晶性粉末と不溶な結晶性粉末とを混合しても、臨界相対湿度は低下しない。
a b c d e
1 正 正 正 正 後
2 正 誤 正 誤 正
3 正 正 誤 正 正
4 正 誤 正 正 正
5 誤 正 正 正 誤
問170.固体医薬品の溶解は表面積が一定のとき、次の式に従って進むものとする。
dC/dt :溶解速度 k : みかけの溶解速度定数
S:固体医薬品の表面積 Cs:医薬品の溶解度 C:溶液の濃度
溶液の初期濃度をCs/4とするとき、溶液の濃度がCs/2に達するまでの時間は次のどれか。
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問171.界面活性剤に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 界面活性剤とは、溶液の表面張力を大きくする物質である。
b 塩化ベンザルコニウムは、陽イオン性界面活性剤である。
c 油中に存在するミセルでは、疎水基が中央部に集まる。
d 非イオン性界面活性剤の水への溶解度は、曇点以上の温度で減少する。
1(a、b) 2(a、c) 3(a、d)
4(b、c) 5(b、d) 6(c、d)
問172.製剤のレオロジー特性の測定に関する次の記述の正誤について、正しい組合わせはどれか。
a ウべローデ粘度計は毛細管粘度計の1つであり、動粘度が求められる。
b 回転粘度計法は、ニュートン液体だけでなく非ニュートン液体に対しても適用できる。
c ペネトロメーターは、軟膏剤の展延性を測定する装置である。
d 粘弾性モデルには、マクスウェルモデルとフォークトモデルがあるが、前者はばねとダッシュポットの並列結合、後者は直列結合によって構成されている。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 正 正
問173.薬物Aと薬物Bは、1:1の複合体ABを生成する。Aの濃度が2.0 Mの水溶液500 mL、Bの濃度が1.8 Mの水溶液500 mL、油1000 mLを一定温度で混合・振とうした。分配平衡に達した後のAの水層中、油層中の濃度はそれぞれ0.7 M、0.3 M、Bの水層中、油層中の濃度はそれぞれ0.6 M、0.3 Mであった。ABの油/水分配係数は1であり、A及びBの油に対する溶解度は無視できるとして、水溶液中における複合体の安定度定数(K)を次式により求めた。
ただし、[A]、[B]、[AB]は、それぞれA、B及びABの濃度(M)である。 Kの値として最も近い数値(M-1)は次のどれか。
1 1.8 2 2.5 3 4.0
4 7.3 5 8.2 6 9.6
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問174.日本薬局方の製剤総則に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a エアゾール剤は、医薬品の溶液、懸濁液などを、同一容器又は別の容器に充てんした液化ガス又は圧縮ガスの圧力により、用時噴出して用いるように製したものである。
b 散剤は、コーティング剤などで剤皮を施すことができない。
c 製剤に加える添加剤は、その製剤の投与量において無害でなければならない。
d 眼軟膏剤、坐剤、貼付剤、軟膏剤などで主薬の含量が一定であるかぎり、基剤の組成比を変更し、物理的性状を適当に調節するなどの製法の操作の細目を変更することができる。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 誤 正
6 正 誤 正 正
問175.下図は製剤機械の模式図である。これらの製剤機械を用いた単位操作の目的として正しい組合せはどれか。
A B C
1 コーティング 粉 砕 混 合
2 粉 砕 コーティング 混 合
3 コーティング 混 合 粉 砕
4 混 合 コーティング 粉 砕
5 粉 砕 混 合 コーティング
6 混 合 粉 砕 コーティング
問176.錠剤の製造に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 顆粒圧縮法は直接粉末圧縮法に比較して、製造工程を短縮できる利点をもっている。
b アスピリン錠は、一般に湿式顆粒圧縮法により製造される。
c キャッピングの発生原因として、結合剤の不足があげられる。
d 滑沢剤の添加量が多すぎると錠剤硬度が低下する。
1 (a、b) 2 (a、c) 3 (a、d)
4 (b、c) 5 (b、d) 6 (c、d)
問177.製剤に用いられる日本薬局方収載のセルロース類に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 結晶セルロースはα-セルロースを鉱酸で部分的に解重合し、精製したものであり、水によく溶けるので錠剤の崩壊剤として用いられる。
b 酢酸フタル酸セルロースは、無水フタル酸と部分アセチル化セルロースとの反応生成物であり、腸溶性コーティングに用いられる。
c ヒドロキシプロピルセルロースはセルロースのヒドロキシプロピルエーテルであり、フィルムコーティング剤として用いられる。
d メチルセルロースはセルロースのメチルエステルであり、粘稠化剤として用いられ、また、膨張性下剤としても用いられる。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 正 正 誤
問178.滅菌法に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 高圧蒸気滅菌法は、通常105 ℃、30分間の条件で行う。
b ろ過滅菌法では、可溶性で熱に不安定な物質を含有する試液や液状の医薬品を、メンブランフィルターなどのろ過装置を用いてろ過する。
c 放射線照射滅菌法で最もよく用いられる放射線源は14Cである。
d 高周波滅菌法では薬液の温度を上げることなく滅菌できるので、熱に不安定な薬物溶液が対象となる。
a b c d
1 正 正 正 正
2 正 誤 正 誤
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 正 誤 誤
問179.DDS製剤に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 酢酸ブセレリンの経鼻投与製剤は、薬物の全身循環血への吸収を目的として用いられる。
b パルミチン酸デキサメタゾンを含有させたリピドマイクロスフィア製剤は、薬物の作用持続化を目的として用いられる。
c ニトログリセリン貼付剤は、狭心症発作時の救急処置に用いられる。
d 酢酸リュープロレリンを含有させた乳酸・グリコール酸共重合体を用いたマイクロカプセルの注射剤は、腫瘍部位への標的化を目的として用いられる。
a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正
6 誤 正 正 誤
問180.日本薬局方に収載されている一般試験法に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 注射剤用ガラス容器試験法には、アルカリ溶出試験、着色容器の鉄溶出試験及び着色容器の遮光性試験が規定されている。
b 粉末X繰回折法では、医薬品の結晶多形、溶媒和物などの同定はできるが、結晶か非結晶かの判定はできない。
c 崩壊試験法は、トローチ剤には適用されない。
d「注射用水」はエンドトキシン試験を行う必要はない。
1(a、b) 2(a、c) 3(a、d)
4(b、c) 5(b、d) 6(c、d)