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医療薬学Ⅰ

問121 
副交感神経及びその効果器に作用する薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a カルバコールは、副腎髄質からエピネフリンを遊離させる。
 b 臭化イプラトロピウムは、経口投与により速やかに吸収され、選択的に気道平滑筋のムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断する。×
解:臭化イプラトロピウムは、吸入により速やかに吸収され、選択的に気道平滑筋のムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断する。
 c 塩酸ピレンゼピンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体M2サブタイプの選択的遮断薬であり、心機能亢進が少ない。×
解:塩酸ピレンゼピンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体M1サブタイプの選択的遮断薬であり、心機能亢進が少ない。
 d ネオスチグミンは、コリンエステラーゼ阻害作用を有し、手術後の腸管麻痺や排尿障害に用いられる。
 e 硫酸アトロピンは、点眼により眼圧を低下させる。×
解:硫酸アトロピンは、点眼により眼圧を上昇させる。


問122 
交感神経及びその効果器に作用する薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a メシル酸フェントラミンは、アドレナリンα1及びα2受容体を遮断して血圧を下降させ、また心拍数を減少させる。×
解:メシル酸フェントラミンは、アドレナリンα1及びα2受容体を遮断して血圧を下降させ、また心拍数を増加させる。
 b 塩酸クロニジンは、交感神経節後線維終末のアドレナリンα2受容体遮断を介して、ノルエピネフリン遊離を抑制する。×
解:塩酸クロニジンは、交感神経節後線維終末のアドレナリンα2受容体刺激を介して、ノルエピネフリン遊離を抑制する。
 c チラミンを短時間内に反復投与すると、タキフィラキシーが発現して血圧上昇作用が次第に減弱する。
 d 塩酸プラゾシンは、血管のアドレナリンα1受容体を選択的に遮断して、血圧を下降させる。

問123 
運動神経又は骨格筋に作用する薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a A型ボツリヌス毒素は、神経筋接合部においてニコチン性アセチルコリン受容体を遮断するため、眼瞼痙れんの治療に使用される。×
解:A型ボツリヌス毒素は、運動神経終末からのアセチルコリン遊離を阻止し、筋弛緩作用を発現する
 b α-ブンガロトキシンは、ニコチン性アセチルコリン受容体を遮断し、運動神経興奮による骨格筋収縮を抑制する。
 c ダントロレンナトリウムは、運動神経終末からのアセチルコリン放出を抑制し、筋弛緩作用を発現する。×
解:ダントロレンナトリウムは、筋小胞体からのCa2+遊離を抑制し、筋弛緩作用を発現する。
 d 塩化エドロホニウムは、作用持続の短いコリンエステラーゼ阻害薬で、重症筋無力症の診断に使用される。

問124 
問124
生理活性物質の構造式、生理作用及びその生理作用を仲介する受容体の種類の対応のうち、正しいものの組合せはどれか。

 
 構造式  生理作用  受容体の種類

a


ヒスタミン
--- 胃酸分泌の促進 --- Gタンパク質(Gs)共役型受容体

b


アセチルコリン
--- 心拍数の減少 --- Gタンパク質(Gq)共役型受容体×

解:

--- 心拍数の減少 --- Gタンパク質(Gi)共役型受容体

c


ノルエピネフリン
--- 血管の収縮 --- チロシンキナーゼ型受容体×

解:

--- 血管の収縮 --- Gタンパク質(Gq)共役型受容体

d


γ-アミノ酪酸(GABA)
--- ニューロンの過分極 --- イオン(Cl-)チャネル内蔵型受容体


問125 
パーキンソン病治療薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害薬のカルビドパを併用すると、レボドパの臨床用量を減らすことができる。
 b メシル酸ブロモクリプチンは、ドパミンD2受容体を遮断してパーキンソン病の症状を改善する。×
解:メシル酸ブロモクリプチンは、ドパミンD2受容体を刺激してパーキンソン病の症状を改善する。
 c 塩酸セレギリンは、B型モノアミン酸化酵素(MAOB)を特異的に阻害し、レボドパの効果を増強する。
 d 塩酸トリヘキシフェニジルは、パーキンソン病の初期治療に広く使用されるが、薬物性パーキンソン症候群には用いられない。×
解:塩酸トリヘキシフェニジルは、パーキンソン病の初期治療に広く使用され、薬物性パーキンソン症候群にも用いられる
 e レボドパは、無動症や筋強剛などのパーキンソン病の諸症状を改善するが、振戦には効果がなく増悪する場合もある。×
解:レボドパは、無動症や筋強剛などのパーキンソン病の諸症状を改善し、また振戦にも効果を示す


問126 
中枢神経系に作用する薬物、作用機序及び適応症の対応のうち、正しいものの組合せはどれか。

薬物 作用機序 適応症
 a スピペロン --- ドパミンD2受容体遮断 --- 統合失調症
 b マレイン酸フルボキサミン --- セロトニン再取り込み阻害 --- うつ病
 c ブロチゾラム --- セロトニン5-HT1A受容体刺激× --- 心身症×
解: ブロチゾラム --- GABAA受容体機能亢進 --- 不眠症
 d クエン酸タンドスピロン× --- GABAA受容体機能亢進 --- 不眠症
解: ブチゾラム --- GABAA受容体機能亢進 --- 不眠症
解: クエン酸タンドスピロン --- セロトニン5-HT1A受容体刺激 --- 心身症
 e エトスクシミド --- GABAトランスアミナーゼ活性化× --- てんかん
解: エトスクシミド --- 作用機序不明 --- てんかん(欠伸発作(小発作))


問127 
抗てんかん薬に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a フェニトインは、強直間代発作(大発作)に有効であるが、欠神発作(小発作)には無効である。
 b フェノバルビタールは、催眠作用に要するより低い用量で抗痙れん作用を発揮する。
 c カルバマゼピンは、複雑部分発作(精神運動発作)に用いられるが、歯痛や咽頭痛の治療にも使用される。×
解:カルバマゼピンは、複雑部分発作(精神運動発作)に用いられるが、歯痛や咽頭痛の治療には使用されない
 d ジアゼパムは、抗痙れん作用が強く、てんかん発作重積症に用いられる。
 e トリメタジオンは、強直間代発作(大発作)及び欠神発作(小発作)に有効である。×
解:トリメタジオンは、欠神発作(小発作)に有効である。


問128 
オータコイド関連薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a セラトロダストは、トロンボキサンA2受容体刺激薬であり、気管支ぜん息の治療に用いられる。×
解:セラトロダストは、トロンボキサンA2受容体遮断薬であり、気管支ぜん息の治療に用いられる。
 b ベラプロストナトリウムは、プロスタグランジンI2誘導体であり、慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍や疼痛に用いられる。
 c ジノプロストンは、プロスタグランジンF2α誘導体であり、妊娠子宮の律動的収縮を亢進させる。×
解:ジノプロストンは、プロスタグランジンE2誘導体であり、妊娠子宮の律動的収縮を亢進させる。

 d モンテルカストナトリウムは、ロイコトリエン受容体遮断薬であり、気管支ぜん息に有効である。

問129 
抗アレルギー薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 塩酸オザグレルは、ロイコトリエン合成阻害作用を有し、光線過敏症などのII型アレルギー疾患に用いられる。×
解:塩酸オザグレルは、トロンボキサン合成酵素を選択的に阻害してトロンボキサンA2の産生を阻害作用を有し、気管支喘息治療に用いられる。
 b イブジラストは、ロイコトリエン遊離抑制作用を有し、急性じんま疹やアレルギー性鼻炎に用いられる。×
解:イブジラストは、ケミカルメディエーター遊離抑制作用を有し、気管支喘息アレルギー性結膜炎に用いられる。
 c トラニラストは、トロンボキサンA2受容体を遮断し、皮膚疾患によるかゆみを抑える。×
解:トラニラストは、ケミカルメディエーター遊離抑制作用を有し、皮膚疾患によるかゆみを抑える。
 d クロモグリク酸ナトリウムは、肺肥満細胞の脱顆粒の阻止作用及びロイコトリエン遊離抑制作用を有し、アレルギー性鼻炎や気管支ぜん息に用いられる。
 e 塩酸アゼラスチンは、ヒスタミン及びロイコトリエン遊離抑制作用を有しI型アレルギー反応を抑制する。

問130 
図中のa、b及びcは、細胞内サイクリックAMP(cAMP)量に影響して心収縮力を強める薬物の作用点を示している。薬物とその作用点の対応のうち、正しいものの組合せはどれか。

作用点a 作用点b 作用点c

 1

塩酸ドパミン --- ニトログリセリン --- ピモベンダン

 2

カルベジロール --- デスラノシド --- 塩酸メキシレチン

 3

塩酸ドブタミン --- 塩酸コルホルシンダロパート --- ミルリノン

 4

ジピリダモール --- 硝酸イソソルビド --- マレイン酸エナラプリル

 5

塩酸イソプレナリン --- カルペリチド --- アミノフィリン


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問131 
不整脈の治療に用いられる薬物、作用機序及び重大な副作用の対応のうち、正しいものの組合せはどれか。

薬物 作用機序 重大な副作用

 a

塩酸リドカイン --- Na+チャネル遮断 --- ショック

 b

塩酸プロプラノロール --- アドレナリンβ受容体遮断 --- うっ血性心不全

 c

塩酸ベラパミル --- Ca2+チャネル遮断 --- 重篤な肝障害×

解:

塩酸ベラパミル --- Ca2+チャネル遮断 --- 心不全

 d

塩酸アミオダロン --- K+チャネル開口促進× --- 間質性肺炎

解:

塩酸アミオダロン --- K+チャネル閉口促進 --- 間質性肺炎

 e

ジゴキシン --- Na+、K+-ATPase阻害 --- 重篤な房室ブロック


問132 
高脂血症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a コレスチミドは陰イオン交換樹脂であり、小腸からの胆汁酸の再吸収を抑制する。
 b プロブコールには抗酸化作用があり、血清低比重リポタンパク質(LDL)の酸化を抑制する。
 c ニコモールは、脂肪組織からの遊離脂肪酸の放出を減少させ、血清トリグリセリドを低下させる。
 d シンバスタチンは、ヒドロキシメチルグルタリルCoA(HMG-CoA)の生合成を阻害することによりLDLを低下させる。×
解:シンバスタチンは、ヒドロキシメチルグルタリルCoA(HMG-CoA)からメバロン酸の生合成を阻害することによりLDLを低下させる。
 e クロフィブラートアルミニウムは、血清総コレステロール及び血清トリグリセリドに加え、血清高比重リポタンパク質(HDL)も低下させる。×
解:クロフィブラートアルミニウムは、血清総コレステロール及び血清トリグリセリドを低下させるが、血清高比重リポタンパク質(HDL)も上昇させる。


問133 
利尿薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a ヒドロクロロチアジドは、近位尿細管で炭酸脱水酵素を阻害し、Na+及びK+の再吸収を促進する。×
解:ヒドロクロロチアジドは、近位尿細管で炭酸脱水酵素を阻害し、Na+及びCl-の再吸収を促進する。
 b スピロノラクトンは、集合管におけるアルドステロンのNa+再吸収促進作用を抑制する。
 c D-マンニトールは、尿細管の管腔内浸透圧を上昇させ、Na+再吸収に影響することなく水の再吸収量を減少させる。×
解:D-マンニトールは、尿細管の管腔内浸透圧を上昇させ、Na+及び水の再吸収量を減少させる
 d トリアムテレンは、遠位尿細管から集合管にかけて作用し、K+保持性利尿作用を発揮する。

問134 
呼吸器系に作用する薬物に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a L-カルボシステインは、ムコタンパク質中のジスルフィド(-S-S-)結合反応を促進して痰を凝集させる。×
解:L-カルボシステインは、喀痰中のシアル酸とフコースの構成比を正常化させ、喀痰粘度低下作用・喀痰流動性の改善作用を示すとともに線毛細胞修復作用を有する
 b 塩酸ドキサプラムは、頸動脈体の化学受容器を刺激して呼吸興奮を引き起こす。
 c ノスカピンは、延髄の咳嗽中枢を抑制して鎮咳作用を示すが、呼吸抑制は示さない。
 d 塩酸プロカテロールは、選択的アドレナリンβ2受容体刺激薬であり、心臓への直接作用は弱い。
 e 塩酸ナロキソンは、延髄の呼吸中枢に直接作用して呼吸興奮を引き起こす。×
解:塩酸ナロキソンは、オピオイド受容体拮抗薬であり、麻薬性鎮痛薬の急性中毒として現れる呼吸抑制に強力に拮抗する


問135 
消化管に作用する薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a メトクロプラミドは、胃・十二指腸のドパミンD2受容体を遮断し、消化管運動促進作用を示す。
 b センノシドは、腸内細菌により活性化され緩下作用を現わす。
 c オンダンセトロンは、選択的セロトニン5-HT3受容体遮断薬であり、抗癌薬による悪心・嘔吐を抑制する。
 d クエン酸モサプリドは、消化管内在神経叢のセロトニン5-HT4受容体を刺激し、アセチルコリン遊離を抑制する。×
解:クエン酸モサプリドは、消化管内在神経叢のセロトニン5-HT4受容体を刺激し、アセチルコリン遊離を促進する。
 e 塩酸ロペラミドは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断して腸運動を抑制し、水分吸収を促進する。×
解:塩酸ロペラミドは、腸管のオピオイド受容体を刺激して腸管内水分・電解質量の減少やアセチルコリン遊離抑制による蠕動運動の抑制などにより麻薬性止瀉薬に匹敵する止瀉作用を示す。


問136 
生殖器系に作用する薬物、作用機序及び適応症の対応のうち、正しいものの組合せはどれか。

薬物 作用機序 適応症

 a

塩酸リトドリン --- アドレナリンβ2受容体刺激 --- 切迫流・早産

 b

オキシトシン --- オキシトシン受容体刺激 --- 排卵抑制×

解:

オキシトシン --- オキシトシン受容体刺激 --- 弛緩性出血
分娩誘発
微弱陣痛

 c

クエン酸シルデナフィル --- ホスホジエステラーゼ5阻害 --- 勃起不全

 d

酢酸ブセレリン --- ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体数減少 --- 子宮内膜症

 e

ジノプロスト --- アドレナリンα1受容体遮断× --- 弛緩性子宮出血

解:

ジノプロスト --- プロスタグランジンF2α受容体を刺激 --- 弛緩性子宮出血


問137 
貧血の分類、治療薬及び副作用の対応のうち、正しいものの組合せはどれか。

分類 治療薬 副作用

a

鉄欠乏性貧血 --- クエン酸第一鉄ナトリウム --- 悪性症候群×

解:

鉄欠乏性貧血 --- クエン酸第一鉄ナトリウム --- 悪心、嘔吐

b

溶血性貧血 --- フィルグラスチム× --- 中毒性表皮壊死症×

解:

溶血性貧血 --- プレドニゾロン ---

c

再生不良性貧血 --- シクロスポリン --- 腎障害

d

腎性貧血 --- エポエチンアルファ --- 脳梗塞


問138 
血液に作用する薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a ヘパリンナトリウムは、血漿中のアンチトロンビンIIIと結合し、凝固因子の生合成を阻害する。×
解:ヘパリンナトリウムは、血漿中のアンチトロンビンIIIと結合し、凝固因子の活性を阻害する。
 b アルガトロバンは、トロンビンの活性中心に選択的に作用し、トロンビンを失活させる。
 c アルテプラーゼは、プラスミノーゲンを活性化し、フィブリンの分解を促進する。
 d イプシロン-アミノカプロン酸は、抗プラスミン作用により血液凝固を抑制する。×
解:イプシロン-アミノカプロン酸は、抗プラスミン作用により血液溶解を抑制する。


問139 
眼に作用する薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a アセタゾラミドは、毛様体の炭酸脱水酵素を阻害し、眼房水排出を促進する。×
解:アセタゾラミドは、毛様体の炭酸脱水酵素を阻害し、眼房水生成抑制する。
 b 塩酸ピロカルピンは、毛様体筋を弛緩させ、眼圧上昇及び遠視性調節麻痺を引き起こす。×
解:塩酸ピロカルピンは、毛様体筋を収縮させ、眼圧低下及び近視性調節麻痺を引き起こす。
 c グルタチオンは、水晶体内可溶性タンパク質のジスルフィド(-S-S-)結合を保護して白濁を予防するため、白内障治療に用いられる。×
解:グルタチオンは、水晶体内可溶性タンパク質のSH基を保護して白濁を予防するため、白内障治療に用いられる。
 d マレイン酸チモロールは、毛様体のアドレナリンβ2受容体を遮断して眼房水の産生を抑制し、眼圧を低下させる。
 e 副腎皮質ステロイドは、点眼により白内障や緑内障を誘発することがある。

問140 
骨粗しょう症治療薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a カルシトリオールは、ビタミンD受容体と複合体を形成し、副甲状腺ホルモンの合成・分泌を抑制する。
 b アレンドロン酸ナトリウム水和物は、骨芽細胞におけるオステオカルシンの合成を促進する。×
解:アレンドロン酸ナトリウム水和物は、血清Ca2+濃度を低下させ、破骨細胞による骨吸収活性を抑制する
 c エルカトニンは、破骨細胞における骨吸収を抑制する。
 d イプリフラボンは、エストロゲンのカルシトニン分泌促進作用を増強し、間接的に骨吸収を抑制する。
 e メナテトレノンは、血清Ca2+を低下させ、骨吸収を抑制する。×
解:メナテトレノン(VK2)は、骨芽細胞におけるオステオカルシンの合成を促進する。


問141 
ホルモン関連薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 酢酸クロルマジノンは、前立腺の肥大抑制作用及びアンドロゲン依存性腫瘍の増殖抑制作用を有する。
 b メテノロンは、タンパク同化ステロイドで、熱傷による消耗状態や骨粗しょう症の患者に用いられる。
 c テルグリドは、下垂体からの甲状腺刺激ホルモン及びプロラクチンの分泌を促進する。×
解:テルグリドは、下垂体プロラクチン分泌細胞のドパミンD2受容体を刺激し、血中プロラクチン値を低下させる。
 d 酒石酸プロチレリンは、下垂体プロラクチン分泌細胞のドパミンD2受容体を刺激し、血中プロラクチン値を低下させる。×
解:酒石酸プロチレリンは、下垂体からの甲状腺刺激ホルモン及びプロラクチンの分泌を促進する。
 e チアマゾールは、ヨウ素のチログロブリンヘの結合を阻害し、甲状腺ホルモンの生成を抑制する。

問142 
ビタミンに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a アスコルビン酸は、酸化されてデヒドロアスコルビン酸になり、アセチル化の触媒反応に補酵素として機能する。×
解:アスコルビン酸は、酸化されてデヒドロアスコルビン酸になり、壊血病などのビタミンC欠乏症の予防や治療に用いられる
 b 塩酸ピリドキシンは肝臓でピリドキサール5'-リン酸に変換されて活性を現わす。
 c パルミチン酸レチノールは、動脈硬化症の予防に用いられる。×
解:パルミチン酸レチノールは、夜盲症などのビタミンA欠乏症の予防に用いられる。
 d アルファカルシドールは、高Ca2+血症の治療に用いられる。×
解:アルファカルシドールは、骨粗しょう症の治療に用いられる。
 e フィトナジオンは、血液凝固因子のうち第II、第VII、第IX、第X因子の生合成を促進する。

問143 
非ステロイド性抗炎症薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a ジクロフェナクナトリウムは、シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)を阻害し、ヒスタミン及びブラジキニンの産生を抑制する。×
解:ジクロフェナクナトリウムは、シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)を阻害し、プロスタグランジン(PG)の産生を抑制する。
 b インドメタシンファルネシルは、体内で活性体に代謝され、抗炎症作用を発揮する。
 c メロキシカムは、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)に対する阻害作用が強く、胃腸障害作用は弱い。
 d アスピリンは、ウイルス感染により発熱した小児に使用した場合、Stevens-Johnson症候群とよばれる脳症を引き起こすことがある。×
解:アスピリンは、ウイルス感染により発熱した小児に使用した場合、ライ(Reye)症候群とよばれる脳症を引き起こすことがある。


問144 
抗ウイルス薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a リトナビルは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の増殖に必要なプロテアーゼ活性を阻害する。
 b ガンシクロビルは、細胞内のチミジンキナーゼでリン酸化され、抗サイトメガロウイルス作用を示す。
 c アシクロビルは、細胞内のチミジンキナーゼによりアシクロビル三リン酸となり、HIVの逆転写酵素を阻害する。×
解:アシクロビルは、細胞内のチミジンキナーゼによりアシクロビル三リン酸となり、DNAポリメラーゼを競合的に阻害する。
 d ジドブジンは、細胞内でリン酸化されて活性型となり、単純ヘルペスウイルスのDNAポリメラーゼを阻害する。×
解:ジドブジンは、細胞内でリン酸化されて活性型となり、逆転写酵素を阻害する。
 e 塩酸アマンタジンは、ウイルスの宿主細胞への侵入や脱殻を阻害することにより、A型インフルエンザウイルスの複製を阻止する。

問145 
病原生物に作用する薬物に関する記述について、正しいものの組合せはどれか。

 a メトロニダゾールは、DNAの二重鎖切断などの機能障害を起こし、抗トリコモナス作用を示す。
 b サントニンは、回虫の細胞膜透過性を変化させ、殺虫作用を示す。×
解:サントニンは、回虫のリン酸代謝・糖代謝及び生体内酸化機構を阻害することにより、殺虫作用を示す。
 c グリセオフルビンは、真菌の細胞膜成分であるエルゴステロールの生合成を特異的に阻害する。×
解:グリセオフルビンは、真菌細胞の紡錐体の細胞分裂を抑制することにより抗真菌作用を示す。
 d キニーネは、マラリアの無性生殖体に致死的に作用して抗マラリア作用を示す。

問146 
悪性腫瘍の治療に用いられる薬物、作用機序及び副作用の対応のうち、正しいものの組合せはどれか。
薬物 作用機序 副作用

a

シクロホスファミド DNAアルキル化 出血性膀胱炎

b

マイトマイシンC DNA架橋形成 骨髄抑制

c

塩酸ブレオマイシン RNAポリメラーゼ阻害× 横紋筋融解症×

解:

塩酸ブレオマイシン DNA鎖を切断 間質性肺炎、肺繊維症

d

塩酸イリノテカン トポイソメラーゼII阻害× 好中球減少

解:

塩酸イリノテカン トポイソメラーゼI阻害 好中球減少

e

クエン酸タモキシフェン 抗アンドロゲン作用× 高K+血症

解:

クエン酸タモキシフェン エストロゲン作用 高K+血症


問147 
免疫系に作用する薬物、薬理作用及び適応症の対応のうち、正しいものの組合せはどれか。
薬物 薬理作用 適応症

a

タクロリムス水和物 サイトカイン産生抑制 アトピー性皮膚炎

b

インターフェロンベータ 抗ウイルス作用 膠芽腫、髄芽腫

c

ムロモナブ-CD3 キラー細胞誘導× 血管肉腫、腎癌×

解:

ムロモナブ-CD3 ヒトT細胞の機能抑制 腎移植後の急性拒絶反応

d

テセロイキン リンパ球増殖抑制× 腎移植後の拒絶反応抑制×

解:

テセロイキン リンパ球増殖 血管肉腫、腎癌

問148 
中毒処置薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a チオ硫酸ナトリウムは、シアンを毒性の低いチオシアン酸に変換し、解毒作用を現わす。
 b ジメルカプロール(BAL)は、重金属とキレートを形成するため、カドミウムやセレン中毒に用いられる。×
解:ジメルカプロール(BAL)は、重金属とキレートを形成するため、ヒ素や水銀中毒に用いられる。
(鉄、カドミウム、セレン:BALとの結合により毒性増強
 c エタノールは、メタノールの代謝を促進することにより毒性を軽減する。×
解:エタノールは、メタノールの代謝を抑制することにより毒性を軽減する。
 d 鉛中毒の治療に用いられるエデト酸カルシウム二ナトリウムは、肝障害のある患者には禁忌である。×
解:鉛中毒の治療に用いられるエデト酸カルシウム二ナトリウムは、障害のある患者には慎重投与である。
 e メシル酸デフェロキサミンは、3価の鉄イオンとキレートを形成し、鉄の排泄を促進する。

問149 
単純拡散により生体膜を透過する薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 血液脳関門は脂質膜としての挙動を示すため、血液中で非イオン形で、しかも脂溶性が高い薬物ほど脳へ移行しやすい。
 b 非イオン形分子の脂溶性が同じ程度であれば、酸性薬物ではpKaが小さいほど、また塩基性薬物ではpKaが大きいほど、それぞれ小腸から吸収されやすい。×
解:非イオン形分子の脂溶性が同じ程度であれば、酸性薬物ではpKaが大きいほど、また塩基性薬物ではpKaが小さいほど、それぞれ小腸から吸収されやすい。
 c 濃度勾配に従って透過するので、その透過はミカエリスーメンテン(Michaelis-Menten)の式により表すことができる。×
解:濃度勾配に従って透過するので、その透過はFickの法則により表すことができる。
 d 尿細管での受動的再吸収はpH分配仮説に従うので、尿がアルカリ性になれば、塩基性薬物の腎排泄速度は減少する。

問150 
ある薬物の無晶形と結晶形のいずれかを含有したカプセルA、カプセルBがある。これらのカプセルを、それぞれ健康な志願者に同量単回経口投与したときの血中薬物濃度の時間推移を図に示した。ただし、いずれの場合にも、投与した薬物のすべてが未変化体として尿中から回収された。また、吸収速度定数は、消失速度定数よりも大きいものとする。次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a カプセルBの方がカプセルAより、薬物の溶解が速いと考えられる。×
解:カプセルBの方がカプセルAより、薬物の溶解が遅いと考えられる。
 b カプセルAは無晶形、カプセルBは結晶形の薬物である。
 c カプセルBの方がカプセルAより、薬物の吸収速度が速いと考えられる。×
解:カプセルBの方がカプセルAより、薬物の吸収速度が遅いと考えられる。
 d カプセルAとBで血中濃度-時間曲線下面積(AUC)は、同じである。

    a b c d
  1 正 正 誤 誤
  2 正 誤 正 誤
  3 誤 正 正 正
  4 正 誤 誤 正
  5 誤 正 誤 正



問151 
口腔粘膜からの薬物吸収に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 口腔粘膜から吸収された薬物は、肝臓を経ることなく直接全身循環に到達するため、肝初回通過効果を回避できる。
 b ニトログリセリンの舌下錠は、口腔粘膜から徐々に吸収させることを目的とした錠剤である。×
解:ニトログリセリンの舌下錠は、口腔粘膜から速やかに吸収させることを目的とした錠剤である。
 c 禁煙補助剤のニコチンガムは、全身作用を目的として口腔粘膜からニコチンを吸収させるための製剤である。
 d 塩酸プロプラノロールは吸収されやすいので、経口投与でも口腔粘膜投与でもバイオアベイラビリティは同じである。×
解:塩酸プロプラノロールは初回通過効果を大きく受けるので、経口投与でも口腔粘膜投与でもバイオアベイラビリティは異なる


問152 
薬物Aと薬物Bのアルブミンとの結合はラングミュアー式に従い、図に示す直線が得られた。その結果に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。ここで、Dfは非結合形薬物濃度、rはアルブミン1分子あたりの結合薬物分子数である。

 a 図は逆数プロットと呼ばれる。×
解:図はScatchardプロットと呼ばれる。
 b 薬物Aと薬物Bのアルブミン分子上の結合部位数は等しい。
 c 薬物Aと薬物Bのアルブミンとの結合は、いずれも薬物濃度に依存しない。×
解:薬物Aと薬物Bのアルブミンとの結合は、いずれも薬物濃度に依存する。
 d 薬物Aの結合定数の方が薬物Bの結合定数より大きい。


問153 
薬物の代謝に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 新生児ではグルクロン酸抱合能が低く、これが核黄疸や薬物によるグレイ症候群の発症に関係する。
 b シトクロムP450は、主に加水分解反応を触媒する。×
解:シトクロムP450は、主に酸化反応を触媒する。
 c 1つの薬物が、シトクロムP450に対して誘導作用と阻害作用の両方を示す場合がある。
 d 2つの薬物を同時に投与したとき、同一のシトクロムP450分子種で代謝される場合には、薬物相互作用の原因となることがある。

問154 
患者の血漿クレアチニン濃度が1.0 mg/dL、24時間採取した尿の総量が1.8 L、尿中クレアチニン濃度は0.60 mg/mLであった。この患者のクレアチニンクリアランス(mL/min)に最も近い値は次のどれか。

CLcr=Ucr・V/Pcrより
  1 75  2 100  3 120  4 160  5 200



問155 
排泄に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a インドシアニングリーンやスルホブロモフタレインナトリウムは、胆汁中へ特異的に排泄されることを利用した肝機能検査薬である。
 b パラアミノ馬尿酸ナトリウムは、腎臓の尿細管で能動的に再吸収されることを利用した腎機能検査薬である。×
解:パラアミノ馬尿酸ナトリウムは、糸球体ろ過及び近位尿細管で能動的に分泌されることを利用した腎血漿流量検査薬である。
 c 薬物は、一般に肝臓でグルクロン酸やグリシンなどの抱合を受けると、分子量が大きくなり、胆汁中へ排泄されやすくなる。
 d ジゴキシンの血中濃度が、キニジンとの併用によって低下するのは、尿細管のP-糖タンパク質の競合に由来する×
解:ジゴキシンの血中濃度が、キニジンとの併用によって上昇するのは、尿細管のP-糖タンパク質の競合に由来する


問156 
体内動態の非線形性に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 腎排泄が主たる消失経路の薬物について、静脈内投与量を増加したときに血中消失半減期が長くなった。最も可能性の高い原因は、腎尿細管分泌過程の飽和である。ただし、この薬物の腎クリアランスは低投与量では、糸球体ろ過速度より大きい。
 b 肝代謝が主たる消失経路の薬物について、静脈内投与量を増加したときに血中消失半減期が短くなった。最も可能性の高い原因は、肝代謝過程の飽和である。ただし、薬物の投与量を増加しても肝血流速度は一定である。×
解:肝代謝が主たる消失経路の薬物について、静脈内投与量を増加したときに血中消失半減期が短くなった。最も可能性の高い原因は、血漿タンパク結合の飽和である。ただし、薬物の投与量を増加しても肝血流速度は一定である。
 c 肝代謝が主たる消失経路の薬物について、2倍量の薬物を経口投与したとき、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)は1.5倍であった。最も可能性の高い原因は、肝代謝過程の飽和である。ただし、この薬物の血漿タンパク結合率は一定である。×
解:肝代謝が主たる消失経路の薬物について、2倍量の薬物を経口投与したとき、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)は1.5倍であった。最も可能性の高い原因は、血漿タンパク結合の飽和である。ただし、この薬物の血漿タンパク結合率は一定である。


問157 
クリアランスに関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 薬物の消失速度は、血中薬物濃度に依存しない。×
解:薬物の消失速度は、血中薬物濃度に依存する
 b 組織クリアランス値は、その組織の血流速度より大きくならない。
 c 一般にヒトでは、糸球体ろ過速度(GFR)の指標としてクレアチニンの腎クリアランスが用いられる。
 d 多くの薬物の全身クリアランスは、臨床上用いられている薬用量の範囲では、一定値を示す。

問158 
薬物1,000 mgを患者に急速に静脈内投与し、2時間後に173 mg/hrの速度で定速静注を開始した。血漿中薬物濃度の時間推移をプロットしたとき、正しい図はどれか。ただし、薬物の体内動態は1-コンパートメントモデルに従い、この患者の全身クリアランスは17.3 L/hr、生物学的半減期は2 hrであった。

解:3


問159 
経口投与時のバイオアベイラビリティに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 薬物のバイオアベイラビリティは、食事の量や組成によって影響されることはない。×
解:薬物のバイオアベイラビリティは、食事の量や組成によって影響を受ける
 b 肝代謝のみで消失し、肝抽出率が大きな薬物のバイオアベイラビリティは、肝固有クリアランスが増大すると小さくなる。
 c 2つの製剤間でバイオアベイラビリティが量的、速度的に同等であれば、生物学的に同等な製剤といえる。
 d 難溶性薬物のバイオアベイラビリティは、結晶の粒子径を増大させると大きくなる。×
解:難溶性薬物のバイオアベイラビリティは、結晶の粒子径を小さくするほど大きくなる。


問160 
薬物の体内動態とその変動要因に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 妊娠中は血清アルブミン量の減少により、サリチル酸のタンパク結合率が減少することがある。
 b アルデヒド脱水素酵素の多型は、顔面紅潮、悪心、嘔吐などのアルコール感受性の個体差の原因となる。<BR> c 高齢者では腎血流量が減少するので、アミノグリコシド系抗生物質の半減期は減少する傾向にある。×
解:高齢者では腎血流量が減少するので、アミノグリコシド系抗生物質の半減期は延長する傾向にある。
 d N-アセチル転移酵素には多型が存在し、イソニアジドのアセチル化の遅い群の頻度は日本人では約90%である。×
解:N-アセチル転移酵素には多型が存在し、イソニアジドのアセチル化の遅い群の頻度は日本人では約10%である。


問161 
病態時における薬物動態に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 非代償性肝硬変では、血漿アルブミン量の低下により、血漿中薬物の非結合形の割合が増加する。
 b 心筋梗塞では、血漿α1-酸性糖タンパク質量の増加により、血漿中塩基性薬物の非結合形の割合が低下する。
 c 呼吸不全では、動脈血の酸素分圧の低下により、肝シトクロムP450による薬物代謝活性が増大する。×
解:呼吸不全では、動脈血の酸素分圧の低下により、肝シトクロムP450による薬物代謝活性が減少する。
 d 腎不全では、糸球体ろ過速度の低下により、クレアチニンクリアランスと全身クリアランスが等しい薬物の生物学的半減期は減少する。×
解:腎不全では、糸球体ろ過速度の低下により、クレアチニンクリアランスと全身クリアランスが等しい薬物の生物学的半減期は増加する。


問162 
フェニトインの血中薬物濃度モニタリングに関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 治療域は、血中濃度で10~20 mg/Lである。
 b フェニトインの体内動態は、臨床に使われている薬用量の範囲では非線形性を示さない。×
解:フェニトインの体内動態は、臨床に使われている薬用量の範囲でも非線形性を示すことがある
 c 腎不全の患者では、フェニトインのタンパク結合率が低下することがあるので、投与量の設定に注意が必要である。


問163 
ある薬物の苛酷試験を50 ℃、70 ℃、90 ℃で行い、アレニウス式に基づいて、その分解反応速度定数kの自然対数と絶対温度Tとの関係をプロットすると下図のようになった。図中の回帰直線は、lnk=20.5-8,400・(1/T)であった。このときの分解反応の活性化エネルギー(J/mol)に最も近い値はどれか。ただし、アレニウス式は k=A・e-E/RTで表され、Aは頻度因子、Eは活性化エネルギー、Rは気体定数である。またRは8.3 J/(K・mol)とする。

  1 1.1×104  2 3.6×104  3 4.5×104
  4 5.5×104  5 7.0×104



問164 
粉体の性質に関する記述のうち、正しいものはどれか。

 1 同一成分の粉体においては、粒子径が小さいほど流動性が良くなる。×
解:同一成分の粉体においては、粒子径が小さいほど流動性が悪くなる。
 2 安息角の小さい粉体ほど流動性が良い。
 3 混合粉体の流動性は、滑沢剤の添加量に比例して、直線的に増大する。×
解:混合粉体の流動性は、滑沢剤の添加量に比例して、直線的に増大せず、適量が存在する
 4 粒子径が大きい粉体ほど空隙率が大きくなる。×
解:粒子径が大きい粉体ほど空隙率が小さくなる。
 5 みかけ密度(かさ密度)の小さい粉体ほどオリフィスからの流出速度が増大する。×
解:みかけ密度(かさ密度)の小さい粉体ほどオリフィスからの流出速度が減少する。



問165 
固体薬物の溶解が拡散律速で進行するとき、次式が成立する。この式に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 dC/dt = SD/hV (Cs - C)
  t:時間
  C:時間tにおける薬物濃度
  S:薬物の表面積
  D:拡散層中の薬物拡散定数
  h:拡散層の厚さ
  V:溶媒の体積
  Cs:薬物の溶解度

 a 固体薬物を粉砕して粒子径を小さくすればSが増大して、溶解速度は大となる。
 b Dは粘度に比例するため、溶媒の粘度が増加すると、溶解速度は大となる。×
解:Dは粘度に反比例するため、溶媒の粘度が増加すると、溶解速度は小さくなる。
 c 溶媒の撹拌速度を大きくすれば、hが小さくなるので、溶解速度は減少する。×
解:溶媒の撹拌速度を大きくすれば、hが小さくなるので、溶解速度は増大する。
 d 同一薬物の種々の塩を比較するとき、Csがより大きい塩は、他の条件が同一なら、溶解速度がより大きい。


問166 
涙液と等張な1.0 w/v%塩酸コカイン点眼剤を、100 mL調製するのに必要なホウ酸の量(g)に最も近い値はどれか。ただし、塩酸コカイン、ホウ酸及び塩化ナトリウムの1.0 w/v%溶液の氷点降下度(℃)は、それぞれ、0.09、0.28及び0.58とする。
  
  1 0.15  2 0.36  3 0.75  4 1.1  5 1.3  6 1.5



問167 
次の図は、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)水溶液の物理化学的性質の濃度による変化を示したものである。A~Cに該当する物理化学的性質の正しい組合せはどれか。

〔物理化学的性質〕
 a 表面張力
 b 洗浄力
 c 当量電導度

    A B C
  1 a b c
  2 a c b
  3 b a c
  4 b c a
  5 c a b



問168 
プロドラッグに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a アセメタシンは、インドメタシンの消化管障害の軽減を目的としたプロドラッグである。
 b カルモフールは、フルオロウラシルの溶解性の改善を目的としたプロドラッグである。×
解:カルモフールは、フルオロウラシルの作用の持続化を目的としたプロドラッグである。
 c 塩酸バカンピシリンは、アンピシリンの作用の持続化を目的としたプロドラッグである。×
解:塩酸バカンピシリンは、アンピシリンの消化管吸収改善を目的としたプロドラッグである。
 d エチルコハク酸エリスロマイシンは、エリスロマイシンの胃内における安定性の増加を目的としたプロドラッグである。


問169 
日本薬局方通則に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 医薬品の試験に用いる水は「蒸留水」とする。×
解:医薬品の試験に用いる水は「精製水」とする。

 b 溶液の濃度を(1→10)で示したものは、固形の薬品は1 g、液状の薬品は1 mLを溶媒10 mLに溶かす割合を示す。×
解:溶液の濃度を(1→10)で示したものは、固形の薬品は1 g、液状の薬品は1 mLを溶媒を加えて全量10 mLとすることを示す。
 c 医薬品の試験の操作において、「直ちに」とあるのは、通例、前の操作の終了から30分以内に次の操作を開始することを意味する。×
解:医薬品の試験の操作において、「直ちに」とあるのは、通例、前の操作の終了から30以内に次の操作を開始することを意味する。
 d 標準温度は20 ℃とする。


問170 
製剤機器及び工程に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a ジェットミルは、凍結粉砕法に用いる製剤機器であり、生薬の粉砕などに用いられる。×
解:ジェットミルは、凍結粉砕法に用いられない製剤機器であり、生薬の粉砕などに用いられない
 b 押出し造粒法は、得られる造粒物の球形度が低いため、顆粒剤の製造には用いない。×
解:押出し造粒法は、得られる造粒物の球形度が低いが、顆粒剤の製造には用いられる
 c 湿式顆粒圧縮法では、あらかじめ圧縮性に優れた顆粒を調製できるため、滑沢剤を添加する必要がない。×
解:湿式顆粒圧縮法であっても、滑沢剤を添加する必要はある
 d 凍結乾燥法は、昇華現象を利用した乾燥法であり、用時溶解して用いる注射剤の製造などに用いられる


問171 
固形製剤に用いられる添加剤(A~D)と用途(a~d)の関係について、正しい組合せはどれか。

添加剤用途
Aヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPC)腸溶性コーティング
Bポピドン(PVP)結合剤
Cエチルセルロース(EC)徐放性コーティング
Dカルメロースカルシウム(CMC-Ca)崩壊剤

問172 
医薬品の容器と貯法に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a イオウ・カンフルローションに用いる容器は密閉容器とし、遮光して保存する。×
解:イオウ・カンフルローションに用いる容器は気密容器とし、遮光して保存する。
 b ブフェキサマク乳剤性軟膏に用いる容器は密閉容器とし、4℃以下で保存する。×
解:ブフェキサマク乳剤性軟膏に用いる容器は気密容器とし、室温で保存する。
 c インスリン注射液に用いる容器は密封容器とし、凍結を避けて冷所に保存する。
 d アヘンチンキに用いる容器は気密容器とし、遮光して保存する。


問173 
無菌製剤の調製、試験法に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a エンドトキシンは、発熱性物質の1つである。
 b 超ろ過法ではエンドトキシンは、除去できない。×
解:超ろ過法ではエンドトキシンは、除去できる
c 無菌医薬品製剤を製造する場合には、必ず、最終容器に充てんした後に滅菌する必要がある。×
解:無菌医薬品製剤を製造する場合には、最終容器に充てんした後に滅菌する方法(最終滅菌法)、あらかじ無菌した医薬品を滅菌した容器に無菌的に充てんする方法(無菌操作法)がある。
 d 注射剤の不溶性微粒子試験法には、第1法、第2法があるが、いずれも白色光源を用いて肉眼観察で行うことが規定されている。×
解:注射剤の不溶性微粒子試験法には、第1法、第2法があるが、 第1法は光遮へい型自動微粒子測定装置第2法は顕微鏡を用いて観察で行うことが規定されている。


問174 
薬物送達システム(DDS)に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a プロスタグランジンE1誘導体を含有する脂肪乳剤は、動脈硬化病変部や炎症部に集積する性質がある。
 b 硫酸モルヒネ徐放錠は、口腔内でモルヒネを徐々に放出し、食道上部の疼痛緩和に用いられる。×
解:硫酸モルヒネ徐放錠は、消化管内でモルヒネを徐々に放出し、長時間鎮痛効果が持続するように設計された製剤である。
 c 酢酸リュープロレリンを含有した乳酸-グリコール酸共重合体マイクロスフェアーは、皮下に投与すると長期にわたって酢酸リュープロレリンを放出し、性ホルモン分泌を抑制する。
 d ネオカルチノスタチンをスチレン-マレイン酸交互共重合体に結合させた化合物は、ネオカルチノスタチンの分子量と水溶性を高めた高分子医薬品である。×
解:ネオカルチノスタチンをスチレン-マレイン酸交互共重合体に結合させた化合物は、ネオカルチノスタチンの分子量と脂溶性を高めた高分子医薬品である。


問175 
経皮治療システムに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 肝初回通過効果を回避できる。
 b 日本薬局方の溶出試験法に適合しなければならない。×
解:日本薬局方の製剤試験法の適用を受けるものはない。
 c 薬物の放出制御法には、膜制御型やマトリックス制御型などがある。
 d 硝酸イソソルビド貼付剤は、狭心症治療剤であるため、心臓に近い位置に貼らなければ効果がない。×
解:硝酸イソソルビド貼付剤は、狭心症治療剤であるが、心臓に近い位置に貼らなくてもよい
 e ニトログリセリン貼付剤は、狭心症発作時の救急処置に用いられる×
解:ニトログリセリン貼付剤は、狭心症発作予防に用いられる


問176 
注射剤に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 注射剤用の水溶性有機溶剤として、エタノールやポリエチレングリコール類などが主薬の溶解度の増加、加水分解の防止などの目的で使用される。
 b 植物油に溶解又は懸濁した注射剤は、主として筋肉内注射に使用される。
 c 乳濁性注射液は、乳剤中の粒子が、通例、150μm以下であれば、静脈内注射に適用できるが、脊髄腔内注射には適用できない。×
解:乳濁性注射液は、乳剤中の粒子が、通例、7μm以下であれば、静脈内注射に適用できるが、脊髄腔内注射には適用できない。
 d 10mLを超えて容器に充填された注射剤では、すべて発熱性物質試験法を適用しなければならない。×
解:10mLを超えて容器に充填された注射剤では、エンドトキシン試験法の適用が困難な場合、発熱性物質試験法を適用しなければならない。


問177 
日本薬局方一般試験法に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 崩壊試験法は、内用固形製剤からの主成分の溶出を調べ、生物学的同等性を保証する方法である。×
解:崩壊試験法は、内用固形製剤からの主成分の溶出を調べ、生物学的同等性を保証する方法ではない
 b 浸透圧測定法は、試料のオスモル濃度を凝固点降下法を用いて測定する方法である。
 c 点眼剤の不溶性微粒子試験法は、点眼剤中の不溶性異物の溶解性を調べる方法である。×
解:点眼剤の不溶性微粒子試験法は、点眼剤中の不溶性微粒子の大きさ及び数を調べる方法である。
 d 輸液用ゴム栓試験法は、輸液として用いる注射剤に使用する内容100 mL 以上の容器に用いるゴム栓を試験する方法である。


問178 
疾患と臨床検査値に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 劇症肝炎などの重症肝障害時には、血中分枝鎖アミノ酸/芳香族アミノ酸モル濃度比の低下及びアンモニア値の上昇が認められる。
 b 膵頭部癌や結石などによる総胆管の閉塞により、直接型優位の高ビリルビン血症が出現する。
 c バセドウ病(グレーブス病)では血中のトリヨードチロニン(T3)やチロキシン(T4)が高値となる力、甲状腺刺激ホルモン(TSH)は低値となる。
 d ネフローゼ症候群では、血清のγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP又はγ-GT)、ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)、アルカリホスファターゼ(ALP)などの肝胆道系の酵素値が上昇する。×
解:ネフローゼ症候群では、タンパク尿、低タンパク血症、浮腫、高脂血症などがみられる。
 e 急性肝炎や急性心筋梗塞では、血清アミラーゼ値と血清リパーゼ値の上昇を認める。×
解:急性肝炎では、トランスアミナーゼ(GOT及びGPT)、急性心筋梗塞では、クレアチンホスホキナーゼ(CPKまたはCK)トランスアミナーゼ(GOT)乳酸脱水素酵素(LDH)などの上昇を認める。


問179 
妊娠期の生理機能と薬物治療に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 妊娠中に認められる尿糖は、すべて糖尿病に起因するものである。×
解:妊娠中に認められる尿糖は、すべて糖尿病に起因するわけではない
 b 妊娠5~6ヵ月の期間は、胎児の器官形成の時期で、催奇形性の絶対感受性期とされる。×
解:最終月経初日より35~50日の期間は、胎児の器官形成の時期で、催奇形性の絶対感受性期とされる。
 c 分子量が小さく、脂溶性が高い薬物ほど、胎盤を通過しやすい。
 d 母乳pHは血漿pHより酸性側にあり、塩基性薬物は母乳中に移行しやすい。
 e 塩酸ジルチアゼム、塩酸テトラサイクリン、トレチノインは、母乳へほとんど移行しないため、授乳を中止する必要はない。×
解:塩酸ジルチアゼム、塩酸テトラサイクリン、トレチノインは、母乳へ移行しやすいため、授乳を中止する必要はある


問180 
脳梗塞とその治療に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 片麻痺、失語、眼球運動障害は、脳出血では出現するが、脳梗塞では認められない。×
解:片麻痺、失語、眼球運動障害は、脳出血、脳梗塞で出現する
 b 病因には、塞栓性と血栓性とがある。
 c 血栓溶解薬(ウロキナーゼなど)は、使用禁忌である。×
解:脳塞栓には投与できないが、脳血栓には投与できる。
 d 2次予防には、血小板凝集抑制薬(アスピリンなど)が用いられる。
 e 頭蓋内圧亢進、脳浮腫の治療には、D-マンニトールを点滴静注する。